デビュー20周年を迎えるLITTLE CREATURES
ーーLITTLE CREATURESのことについても聞きたいのですが、今レコーディングに入ってるとお伺いしたが、ペースとしては昔から変わっていませんか?
鈴木 : 気づけばこんな感じですよね(笑)。
青柳 : どんどん間隔が空きつつあるんですけどね(笑)。
ーー曲の方はいつ頃作ったんですか?
鈴木 : この2ヶ月位かな。
青柳 : 最近だよね。
ーーどのように曲を作りますか?
鈴木 : 毎回違うんですけど、今回はそれぞれが曲の骨格になる部分を作ってきて皆でやるみたいな形でしたね。
青柳 : リハを何日かやって、実際に演奏してみて細かい調整をしていく感じです。
ーーお2人にとってLITTLE CREATURESにしかないものとは何ですか?
青柳 : 本気でやってるんだけど、皆の馬鹿っぽい部分がたまに出てくるのが開放感があって楽しいなって思いますね。
鈴木 : 失笑を誘うというか(笑)。
ーー(笑)。それは音楽的なプレイとかアイデアがということですか?
青柳 : そうですね。結構ライン上ギリギリを攻めるので。
鈴木 : 自分達で掟を破るみたいなね。
ーー20周年というのは、産み出すものが難しくなるものですか?
青柳 : あんまりそこについて考えたことは無いですね。なんかキッカケがあると動き出すみたいな。レコーディングする環境だったり、自分達の周りの環境が整ってアルバムを作れそうだってなったら、「じゃあやりますか」みたいな。
ーーLITTLE CREATURESは、誰か方向性を決めたりまとめるリーダーみたいな方はいらっしゃるんですか?
鈴木 : そうですねぇ。何か動き出す時に今回はこんな感じで始めようみたいな大まかなコンセプトを提示するのは青柳が多いですね。
青柳 : 最初の一言はそうかもしれないですね。それだけですけど。3人とも色んな音楽が好きで音楽全体を見渡してる人達なので、3人で何か目線や方角を合わせるきっかけになるものがあれば始まりやすいですしね。その中で皆自由に作ってくことになるんだけど。
鈴木 : ローリングストーンズみたいなバンドだったら、暗黙のうちに音楽の方向性は決まるんだけどね。クリーチャーズの場合は表面的な音楽のスタイルは決めたことはないので、毎回新しいタイプの音楽をやれるし、その中で皆の目線が1つになるキッカケを作るのが青柳なんです。
ーー今回のアルバムで皆さんの目線が1つになったものは何ですか?
青柳 : なんて言ったけね(笑)。
鈴木 : なんだっけね。
青柳 : あんまりヴィンテージ趣味っぽくないのがいいんじゃないかって言ったような気がする。
鈴木 : 今までシンセサイザーとかを使ったことが無いので、使ってみるのも面白いかもみたいな話はしましたね。
青柳 : ダンス・ミュージックとかの話も出ました(笑)。今は随分元気なアルバムになってきてますよ。
鈴木 : 渋くはないよね。
ーー最後にお2人は、20周年を迎え、40代のこれからをミュージシャンとしてどのように生きたいですか?
鈴木 : これから向こう10年、音楽の世界だけではなくて、日本の国自体がシュリンクしていくと思うんですね。実際音楽業界も厳しいって雑誌読んでると書いてあったり、日経エンターテイメントに書いてあったり(笑)、今までと同じ感覚でレコード会社と契約してとか考えると大変になってくると思うんですよ。ただその中でも大きなメイン・ストリームが変わっていくと思うので、新しいアイデアを持ってる人や、地に足をついて音楽をやっていこうという意思がある人にとっては、良い時になると思うんです。大きな流れに巻き込まれるというか、その巻き込む力すら無くなってきているとは思うし、もちろんビジネスとしての音楽は残っていくとは思うけど、そうじゃない余白が出来てくるとは思う。もちろんお金はそんなに稼げないとは思うけど、色んな面白い活動は出来ると思う。自分も作っていきたいし、そういう所に自分もいたいなって思いますね。
青柳 : 基本的な音楽の楽しみ方というか、皆で演奏したり歌ったりすることをもっと大事にしていきたいですね。音楽の役割みたいなものも変わっていくと思うし、誰かが音楽を作ってそれを誰かが受けとるっていう一方通行な図式も変わってくると思うし、もっと音楽の根源的な役割の方に向かっていくと思いますね。自分もそういう所に関わっていけたらなって思いますね。それとレコーディングのことに関しても、機械で何でも修正できてしまうじゃないですか。それは良いも悪いもあるんだけど。ただそのことを受け取る側はあまりにも知らされてないし、本当は歌が下手なのに修正しなければCDとして成立しえないという、そういう流れが続くのは良くないんじゃないかって(笑)。
鈴木 : 音源上はみんな上手いもんね(笑)。
青柳 : そうそう。昔のアイドルは歌が下手なアイドルがいて、またそれが可愛かったじゃないですか(笑)。もっと人の下手な歌を聞いて愛でた方が良い気がするんですよ。だから音楽の制作の実際の作業状況を受け取り側にあまりにも伝わってないのは良くないなって思いますね。一方で黒人音楽は、そこを逆転する凄さがある様な気がします。黒人のミュージシャンは常に最新の楽器を使ってるんですよ(笑)。
鈴木 : うんうん(笑)。
青柳 : それで同時に最新の音楽を作り続けて、レコーディング機器も新しいのが出たらすぐにそれを使ったり。
鈴木 : 元々それを設計した人が意図した使い方じゃない使い方をしたり(笑)。
青柳 : それが最終的にソウルフルな音楽に仕上がってしまうのが凄いなって思うんです。脅威ですよね。さらにそこには、クリエイティブな煌めきというか光がある気がするんですよね。
鈴木 : ホントそうだよね。
ーーなるほど。今回はここまでですが、これからのお2人のご活躍をこれからも楽しみにしてます。ありがとうございました。
青柳 : ありがとうございます。
鈴木 : ありがとうございます。
INFORMATION
11/17(水)にはLITTLE CREATURES、5年ぶりとなる待望のニュー・アルバムをリリース予定。その新作リリースと結成20周年を記念したワンマンライヴの開催も決定! お見逃しなく!
新作情報
6th Album「タイトル未定」
11/17(水) 発売予定
『LITTLE CREATURES デビュー20周年ワンマンライブ(仮) 』
日時:2010年12月17日(金)
会場:ラフォーレミュージアム六本木
開場 / 開演 : 18:00 / 19:00
*客席が出演者を360°囲むセンターステージで実施
チケット料金 : ¥3,900【サンキュー!!】(前売/自由席/整理番号付)
チケット取扱 : チケットぴあ(P : 117-084)、ローソンチケット 0570-08-4003(L : 77334)、イープラス
チケット一般発売日 : 2010年9月11日(土)
お問い合せ:SMASH 03-3444-6751
PROFILE
LITTLE CREATURES / リトル・クリーチャーズ
青柳拓次(Vo/G)、鈴木正人(Bass/Key)、栗原務(Dr/Per)の3人で87年、高校在学中に結成。新宿、渋谷を中心にストリートライヴを繰り広げながら人気を博し、90年にシングル「THINGS TO HIDE」でデビューを果たす。デビュー2ヶ月後に、青柳はスコットランドへ、鈴木はアメリカへ、語学兼音楽留学のため旅立つ。91年に1stアルバム『VISITA』、92年に2ndアルバム『NO VOTE NO VOICE』をリリース。97年、3rdアルバム『little creatures meets future alians』リリース以降は、"KAMA AINA"(青柳ソロ)、10人編成のエスペラント楽団 "Double Famous"(青柳・栗原)鈴木はベーシスト、プロデューサーとしての活動など各々のソロ活動を行う。2000年、レーベル移籍を機にプライベート・レーベル「chordiary」を設立。01年、4年ぶりのアルバム『FUTURE SHOCKING PINK』、同年9月には初のライヴ・アルバム『the apex』をリリース。05年、初の海外公演(スウェーデン)を行った後、5thアルバム『NIGHT PEOPLE』をリリース。同年、池上本門寺・野外特設ステージにてデビュー15周年祭りを開催。06年12月、05年のツアーの模様を中心に収録した初のDVD作品『NIGHT PEOPLE REVIEW』をリリース。孤高の存在としてマイペースに活動中。