2009/07/07 00:00

僕のジャマイカン・ミュージック元年は1996年。偶然立ち寄った古着屋のBGMに激しく反応して、スタッフに声をかけ「スカ」という音楽を知った。そのスタッフに、興味があるならと教えてもらった四条河原町の「BLACK ARK RECORD」という小さなレコ屋は、ジャマイカン・ミュージックの宝庫。まさに未知との遭遇。そのとき買った教科書的コンピ『CLUB SKA』は今でも愛聴盤。僕のブラック・ミュージック元年も1996年。先輩バンド、JAVA GROOVE(コアファイコの太田泉さんがやっていたバンド)のライブで踊り狂った後、先輩に「これはなんていう音楽なんですか? 」と鼻息荒く尋ねたら、返ってきた一言「これはソウルやで! 」。その後、僕はブラック・ミュージックやジャマイカン・ミュージック等のダンス・ミュージックの虜になったのだ。

今回のRIDDIMATESのアルバム「Seven gods in a ...」は、そんな大好きなダンス・ミュージックが詰まってる。1996年にブラック・ミュージックやジャマイカン・ミュージックに初めて出会った瞬間のドキドキがフラッシュバックしてきた。リハーサル前のnanoでそれを爆音で聴きながら、気づけば照明はライブ仕様、音量はDJ仕様でステージの上で踊り狂ってた! やってきたバイトに指刺されて笑われた。一人だろうが1000人いようが踊らせる。これがリアルなサウンドなんだ。

RIDDIMATESはスカ・レゲエのバンドとして知られているけれど、実は彼等が鳴らすリズムは、ジャマイカン特有の裏打ちだけでなく、アフリカン・ビートだったりファンキーなそれだったりと様々。そして曲に命を吹き込むのは、RIDDIMATESの醍醐味、ブラス・セクション。上音としての色づけじゃなく、リズムとして、曲の中心に存在する。本人達は「吹きすぎくらいがちょうどいい」なんて言う程ブラスを吹きまくるし・・・ 。RIDDIMATESの「R&B」は、「リズム&ブルーズ」ではなく「リズム&ブラス」! ブラスが支配するダンス・ミュージックだ!

音楽を聴いている時の楽しみ方はそれぞれだと思うけれど、このアルバムだけは、踊りたい時に聴いてほしい。クラブに遊びに行く時に「今日は呑んで踊ろう! 」みたいな気持ちになるよね。そんな高いテンションで聴いてほしい。「でも一つのバンドでパーティ気分でって言われても・・・ 」なんて心配しなくていい。このアルバムでは、いろんな種類のダンス・ミュージックが、テナーサックスのCross Youを中心にファンキーにディープに、そしてドゥープにぶちかまされてるから! 全てのダンス・ピーポーに贈られるハッピーすぎるアルバム。僕の好みを見透かしたような7人は、まさに「Seven gods」だったわけね。(text by MC土龍)

ダンス・ピーポーにオススメの5枚

LIVE SCHEDULE

  • 7月18日(土) @新宿LOFT
Open / Start 17:00 / 18:00
w / ズクナシ / Cassette Con-Los / fussy & redeems ( Wack Wack Rhythm Band ) / MASTARICA / ヤギー ( TUFF SESSION ) / 彩音crew / タツ ( リズムともだち )

LINK

PROFILE

RIDDIMATES

打ち込みにホーンを乗せ、黙々と吹き続けながら「DUB MIX」をする T.sax 黒須遊 のソロ・プロジェト「実験と挑戦」の「RIDDIMATES -BRASS ROCKERS STYLE-」と、T.saxをセンターに置きながらもグルーヴ抜群なリズム隊とそこにファンキーな鍵盤、アジテーターとしてのパーカス、Tp が織り成す「祭り」な「RIDDIMATES inc.」と、全くタイプの異なった2つで活動する。カフェから野音まで場所を選ばず、様々なフィールドで活躍。SKAとREGGAEを結びつける数少ないインストゥメンタル・スタイルでCALYPSO、LATIN、HAWAIIAN、FUNKなど海が似合う音を好む。それでいてスピリットはPUNKな為かただゆる〜い音楽は出来ない、濃くて、たかぶる、新しい音を日々創り出している。また限界まで吹き続けるフレーズの嵐で、良く「吹きすぎ」と関係者に言われるが、「吹きすぎ位がちょうどいい」とは本人談。

MC 土龍

京都のライヴ・ハウス「livehouse nano」の店長。2000年に京都のクラブ・メトロのマンスリー・パーティ「SUNSHINE!」に司会で登場した時から、MC(マスター・オブ・セレモニー)としてのステージ・スタイルをスタートさせた。「DANCE OR DIE」がモットーの自他とも認める関西屈指のパーティ・ピープル。また、ボロフェスタ主催者の一人でもある。

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この記事の筆者
nano mogura

RIDDIMATES 『Seven gods in a ...』

RIDDIMATES 『Seven gods in a ...』

[レヴュー] MC土龍, RIDDIMATES

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