2021/05/14 18:00

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.116

OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)


北の地への憧れ

風に少し湿度を感じるようになり、半袖でも出歩けるくらいの気温になってきた。夏到来。まだ梅雨というイヤ~な時期を挟むけれど、外を歩くと夏がきたな、という感覚を思い出せていい感じ。唐突だけど自分は夏を感じると途端に北海道に行きたくなる。直近では2019年の終わりに苫小牧のNOT WONKのイベントで行ったけど、冬の北海道もまた良かった。単純に生まれた土地だから、時折戻りたくなるし、戻ると居心地がいいきがするのかもしれない。まあ実際住んでいたのは3歳くらいまでだったけれど。

今はそういう帰巣本能的なものとはまた別の理由で北海道に、というか札幌に滞在したいという気持ちが高まっている。なんか面白そう!という予感を札幌からはビシビシ感じる。以前ロンドンのレイヴのフライヤー集を買った〈Oven Universe〉というカルチャーショップや、酔った客の名言をホテルキーホルダーとして売ったりパーティーを主催したりしているバー(?)〈𝒔𝒂𝒍𝒐𝒏 タレ目〉、レーベル〈YOUR HOLE TAPES〉を主催するカレーショップ〈スパイスの穴 ムジナ〉。それらの店が位置する、すすきの駅周辺には〈プレシャスホール〉も〈PROVO〉もあるし、なんだか生活とカルチャーの距離が近そうな雰囲気がするのだ。

でもまあ、こうしたコミュニティは知らないだけでどこの土地にもあるかもしれない。土地特有の音楽はそうしたところから出てくるのだろう。それは東京も地方も同じなんじゃないだろうか。とはいえ、東京は都心なぶん緩やかなつながりが流行りの音を作りやすいんだろう、という可能性も感じている。そして自分がそうした移り変わりを追いかけることに、楽しさを見出せないということにも気づいてきた。「札幌が楽しそうだな」という外から見たときのピュアな期待が幻想だったとしても幻想だったということを知るのは無駄じゃないし、はやく札幌に行きたいな。どこも大変なことになってしまったから気軽に行けたもんじゃない。

プレイリストに挙げた北海道拠点のアーティストたちはほぼ全てthe hatchが去年やっていたイベント〈THE JUSTICE〉で知った人たちです、ビッグリスペクト。

この記事の筆者
TUDA

【In search of lost night】レイヴやってみました

【In search of lost night】レイヴやってみました

【In search of lost night】単純にクラブ流行ってますよね? : 2023年も夜の街へ繰り出す座談会、後編

【In search of lost night】単純にクラブ流行ってますよね? : 2023年も夜の街へ繰り出す座談会、後編

【In search of lost night】単純にクラブ流行ってますよね? : 2023年も夜の街へ繰り出す座談会、前編

【In search of lost night】単純にクラブ流行ってますよね? : 2023年も夜の街へ繰り出す座談会、前編

【In search of lost night】2022年の印象に残ったパーティ【後編】 : 〈Keep Hush Tokyo〉、〈みんなのきもち〉、〈AVYSS Circle〉、〈SLICK〉──帰ってきた!?座談会

【In search of lost night】2022年の印象に残ったパーティ【後編】 : 〈Keep Hush Tokyo〉、〈みんなのきもち〉、〈AVYSS Circle〉、〈SLICK〉──帰ってきた!?座談会

【In search of lost night】2022年の印象に残ったパーティ【前編】 : 〈Keep Hush Tokyo〉、〈みんなのきもち〉、〈AVYSS Circle〉、〈SLICK〉──帰ってきた!?座談会

【In search of lost night】2022年の印象に残ったパーティ【前編】 : 〈Keep Hush Tokyo〉、〈みんなのきもち〉、〈AVYSS Circle〉、〈SLICK〉──帰ってきた!?座談会

時と場所を超えた、「逆襲」の指南書──野中モモインタヴュー:『女パンクの逆襲──フェミニスト音楽史』

時と場所を超えた、「逆襲」の指南書──野中モモインタヴュー:『女パンクの逆襲──フェミニスト音楽史』

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.163 「存在する」という抵抗

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.163 「存在する」という抵抗

散在する「現場」を捉える連載【In search of lost night】がスタート──参加ライターによる座談会

散在する「現場」を捉える連載【In search of lost night】がスタート──参加ライターによる座談会

FUJI──継ぎ接ぎの翼が導くカタルシス

FUJI──継ぎ接ぎの翼が導くカタルシス

どこまでも“自分自身”であるために、響きわたる咆哮 ── 書評 : ジェン・ペリー著『ザ・レインコーツ──普通の女たちの静かなポスト・パンク革命』

どこまでも“自分自身”であるために、響きわたる咆哮 ── 書評 : ジェン・ペリー著『ザ・レインコーツ──普通の女たちの静かなポスト・パンク革命』

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.151 冬に溶け出す歌

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.151 冬に溶け出す歌

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.144 音による没入

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.144 音による没入

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.138 街の混沌と閑靜

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.138 街の混沌と閑靜

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.127 真夜中のホラー小説と共に

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.127 真夜中のホラー小説と共に

痛みを受け入れること、その美しさ──NEHANN、ファーストアルバム『New Metropolis』

痛みを受け入れること、その美しさ──NEHANN、ファーストアルバム『New Metropolis』

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.116 北の地への憧れ

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.116 北の地への憧れ

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.110 踊りの再開!(祝)

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.110 踊りの再開!(祝)

REVIEWS : 019 オルタナティヴ / レフトフィールド(2021年3月)──津田結衣

REVIEWS : 019 オルタナティヴ / レフトフィールド(2021年3月)──津田結衣

退廃とファンタジーの狭間で──Ms.Machine、ファースト・アルバム『Ms.Machine』

退廃とファンタジーの狭間で──Ms.Machine、ファースト・アルバム『Ms.Machine』

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.102 夏を待つ

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.102 夏を待つ

生活の柔らかさと痛み──Cody・Lee(李)、ファースト・アルバム『生活のニュース』

生活の柔らかさと痛み──Cody・Lee(李)、ファースト・アルバム『生活のニュース』

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.93 BOARDというバンドに衝撃を受けた

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.93 BOARDというバンドに衝撃を受けた

yuzuha──浮遊と疾走、自由に羽ばたくロック・アーティスト

yuzuha──浮遊と疾走、自由に羽ばたくロック・アーティスト

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.87 We Will Have The Power In A Better Way

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.87 We Will Have The Power In A Better Way

東京の新たなシーンの胎動──WOOMANの自主レーベル・コンピが捉えるいまの空気を体感せよ

東京の新たなシーンの胎動──WOOMANの自主レーベル・コンピが捉えるいまの空気を体感せよ

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.81 気づけばエモが目の前に!

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.81 気づけばエモが目の前に!

Psychoheads──ピュアに追い求める「いまのパンク」のあり方

Psychoheads──ピュアに追い求める「いまのパンク」のあり方

幾度目かの変換期を迎えたNOT WONK、70人限定入場のワンマンをレポート

幾度目かの変換期を迎えたNOT WONK、70人限定入場のワンマンをレポート

Sisters In The Velvet──揺らぎを鳴らすオルタナティヴの魂

Sisters In The Velvet──揺らぎを鳴らすオルタナティヴの魂

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.70 真に音楽を止めなかったアーティストたち

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.70 真に音楽を止めなかったアーティストたち

仮想世界配信〈AVYSS GAZE〉が探る、ライヴ体験のネクストステージ

仮想世界配信〈AVYSS GAZE〉が探る、ライヴ体験のネクストステージ

USインディ・ポップ直系のサウンドで熱海まで、Jan flu

USインディ・ポップ直系のサウンドで熱海まで、Jan flu

妖艶なダークネスで異世界へと誘う──Barbican Estate

妖艶なダークネスで異世界へと誘う──Barbican Estate

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.62 TEENAGE VIBEは枯れない

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.62 TEENAGE VIBEは枯れない

illiomote──全てをハッピーに昇華する、コンセプチュアルな宅録ポップ

illiomote──全てをハッピーに昇華する、コンセプチュアルな宅録ポップ

Sorry、アルバム『925』から見るサウス・ロンドン・シーンのアティテュードと新しい波

Sorry、アルバム『925』から見るサウス・ロンドン・シーンのアティテュードと新しい波

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.56 音楽はあなたを殴りはしない

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.56 音楽はあなたを殴りはしない

The Cabins──新世代の感性が繰りなす、ジャンルレスな音楽の煌めき

The Cabins──新世代の感性が繰りなす、ジャンルレスな音楽の煌めき

Gi Gi Giraffe──軽やかに奏でられる宅録インディ/ブルースロックは誠実さから生まれる

Gi Gi Giraffe──軽やかに奏でられる宅録インディ/ブルースロックは誠実さから生まれる

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.48 何も考えずに音楽を聴いたっていい

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.48 何も考えずに音楽を聴いたっていい

TOP