2020/05/15 19:20

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.64

OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)


関西の溌剌、東京のハイファイ

今回は皆さんに “音楽の関西らしさ” を楽しんでいただきたく、前半5曲に関西を中心に活動するバンド、後半5曲は東京を中心に活動するバンド、ミュージシャンの楽曲を選んでみました。地域という観点で聴き比べてみると、新たな発見があると思いますよ。私は進学のために地元茨城から京都へ上洛したのですが、地域が変われば音楽もここまで変わるのかと大変驚いたものです。各バンド様々な音楽性がありますが、やはり東京の音楽は洗練されたハイファイ感だなと思います。楽曲のキャラクターや音色、アレンジはもちろん、音の張りや解像度に高電圧な都会のナウさがビシビシ伝わってきます。それに対して関西の音楽は良い意味でローファイというか、泥臭い “いなたさ” が滲み出ていますよね。すべてを見通せる解像度はないけれど、しっかりと音像に情景がのっていて、各楽曲の個性がのびのびと育まれている。先程、関西の特徴をローファイと表現しましたが、元気がない音楽ということではないんです。むしろ、東京より元気な印象さえ感じています。ただ、この元気のニュアンスが東京的なハイファイ感でなく、人間味ある少年少女の溌剌さにあるのが関西の特徴。歴史あるライヴハウスが数多く、原始的で音楽的な初期衝動=溌剌さが大切に守られてきた結果として、東京インディーの気怠げで多湿な世界観に振り切れなくなる。これこそが “いなたさ” の理由であり 、“音楽の関西らしさ” ではないでしょうか。ぜひ、ご自身の地域の音楽について考えながら本プレイリストをお楽しみください!!

この記事の筆者
TOP