2020/03/20 18:00

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.56

OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)


音楽はあなたを殴りはしない

とにかくリアリティが、リアリティに向き合うきっかけが必要だ。2020年、Moment Joonが移民としての生活を軸に水面下に押しやられてきたストーリーを投げかけ、GEZANがネイティブアメリカンのコミュニティから持ち帰った違和感を東京に落とし込みながら警報を鳴らし、SuiseiNoboAzはバラバラになっていく人々に対し1000年先の愛を誓う。その音の先に何がある?知らなくてもいい訳がない。

生まれながらに何かとの対立構造に埋め込まれる私たちは、考え学び続けることをせずにはそこから足一本も抜け出すことはできないだろう。踏み出すその一歩は恐ろしい。それでも恐ろしいからと否定してしまえば、誰かを傷つけいつかの自分を拒絶することにも繋がる。一歩を踏み出す時、背中を押してくれるのは音楽なのではないだろうか、少なくとも自分にとってはそうだった。音楽は特定のメッセージを突き刺すには抽象的で不十分な媒体かもしれないが、その不十分さは無知を殴らず入り込む余白を残してくれる。

このプレイリストは、自分にとって一歩を踏み出し、二度と戻らないようにするためのものだ。色々な枠組みから抜け出し、あなたとわたしでいるための音楽だ。Why can’t we be friends? 今ならまだ間に合うと信じたい。

この記事の筆者
津田結衣

時と場所を超えた、「逆襲」の指南書──野中モモインタヴュー:『女パンクの逆襲──フェミニスト音楽史』

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.163 「存在する」という抵抗

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散在する「現場」を捉える連載【In search of lost night】がスタート──参加ライターによる座談会

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FUJI──継ぎ接ぎの翼が導くカタルシス

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どこまでも“自分自身”であるために、響きわたる咆哮 ── 書評 : ジェン・ペリー著『ザ・レインコーツ──普通の女たちの静かなポスト・パンク革命』

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.151 冬に溶け出す歌

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.144 音による没入

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.138 街の混沌と閑靜

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.127 真夜中のホラー小説と共に

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痛みを受け入れること、その美しさ──NEHANN、ファーストアルバム『New Metropolis』

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.116 北の地への憧れ

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.110 踊りの再開!(祝)

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REVIEWS : 019 オルタナティヴ / レフトフィールド(2021年3月)──津田結衣

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.93 BOARDというバンドに衝撃を受けた

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OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.56 音楽はあなたを殴りはしない

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