人生のどんなときでも楽しめるアイドルになれば
——(笑)。そして、ゆっきゅんさん作詞の“将来 AND THE CITY”です。この曲は歌い出しから最高ですね。
大桃子:この曲は家から一歩出て電車に乗るときに聴く曲です(笑)。始まりはこれで、社会と戦いにいきます。
鈴姫:この曲は、私たちが〈SIX AND THE CITY〉というタイトルのツアーのテーマソングを作りたいという話から生まれたんです。作曲の村カワ基成さんにツアータイトルの元ネタになっている「『セックス・アンド・ザ・シティ』のこの音をサンプリングしてほしい」みたいにオーダーしました。
大桃子:村カワさんはバンもん!の要望をすぐ理解してくださる方ですね。テーマが決まった段階でメンバーと話して、作詞は「ゆっきゅんさんがいいよね」という話になりました。
望月:みんなお願いしたものに対する解像度が高かった気がする。
甘夏:ゆっきゅんさんが、レコーディングしているところにわざわざ顔を出してくださって、ときにはフレーズを歌ってくださいました。そのときにゆっきゅんさんが「30代あるあるを書かせたら自分でも最強だと思う」って言ってて(笑)。でも周りの大人の方からも、「この曲が1番沁みる」って言われることが多いです。
ななせ:この曲は大人が褒めてくれるよね。
大桃子:あるあるが入ってるのがいいのかな。
甘夏:そうかも。「整体で逆に疲れに気付く」とか(笑)。
鈴姫:カラオケで歌ったら人気出るかもしれない(笑)。
甘夏:あと、タクシーの広告で流したら、みんな「クゥ〜!」ってなるんじゃない?
大桃子:普通の曲に出てこないような街が出てくるよね。

——「三宿とか笹塚とかを知る!」ですよね。
大桃子:「中目とか麻布で思い出す」で昔はそこらへんで遊んでたんだなっていうのがわかっていいです。
恋汐:お姉さんぽく歌っているんですけど、この曲はディレクションを桃がしてくれてました。「やかましいお姉さんの感じで!」とか言われました(笑)。
大桃子:村カワさんは、大勢の人がビシっと揃っているのをイメージしたと言っていて。みんながこの歌を流すことで、日常を鼓舞できたらなと。こういう曲をリリースできるようになってよかったなと思いますね。
——確かに今のバンもん!だからこそ歌える歌詞だなと思います。
鈴姫:今回のシングルは全曲そうだよね。“NINJA NAKAYOSHI”はスキルが必要だし、“あの子の前では〜”は「可愛い」を追求した結果が詰まってる。“HAPPY JOURNEY!!!!!!!”もこれだけ長い旅路を経てからの今だから歌えるし、“将来 AND THE CITY”は大人になった私たちだから説得力が増した曲だと思います。
——そして、少し話題は変わりますが先日開催された〈バンもん!全国ツアー2024【SIX AND THE CITY】~祝!6人になって10周年のキセキ~〉のファイナル公演では、ななせぐみさんが結婚と第1子妊娠を発表されました。おめでとうございます!
全員:わー!おめでとう!!!(拍手しながら)
ななせ:やったあ。実はツアーの初日から気付いてたので、一緒にツアーを回った気持ちです。この子もバンもん!を聴いて育ってると思います。

鈴姫:〈SIX AND THE CITY〉と言いながら7人いたということか!(笑)。
ななせ:確かに。ラブアンドピースの遺伝子をもった人が生まれるんじゃないかなって思います。
望月:ぐみさんのエコーの動画を見たんですけど、赤ちゃんがめっちゃ踊ってたんですよ(笑)。
ななせ:すごい速さで踊っていました(笑)。
大桃子:私たちバンもん!は、『シナぷしゅ』(テレビ東京の赤ちゃん向け番組)で、“すくすく”っていう曲も歌ったりしていたんです。それに子どもたちが楽しんでくれることもやりたいなという思いもあって。それがバンもん!の幅広い魅力としてなればなと。
ななせ:リリースイベントでも子ども増えたよね。キッズエリアができたり。
——素晴らしいですね。
鈴姫:10周年にもなると、ファンの方でも結婚する方もいるし、お子さんが大人になったりするので、人生のどんなときでも楽しめるアイドルになればなと思います。
大桃子:連れてきてくれるんですよね。ゆりかごから墓場まで(笑)。
——ななせさんは人生のステージが変わっても、バンもん!の活動を続けるという選択肢を取られたんですよね。これもすごく素敵なことだなと思っています。
ななせ:続けないということは考えたことなかったですね。続けるとは最初から思っていたんですけど、どういうふうに自分を見せるかすごく考えたり、メンバーやファンの気持ちを考えて、どういう形が1番合っていて自分がどうしたいのかはすごく考えましたね。
——活動を続けるという決断に迷いはなかったですか?
ななせ:そうですね。それに解散したりするって思わなかったよね?
鈴姫:うん。メンバーの誰かのライフステージが変わる前から「ポスト・アイドル宣言」というものをしていて。これから人生長くアイドル活動を続ける上で、今までのアイドルの概念からは逸れるかもしれないけど、バンもん!として夢や希望を届け続けようと考えていたんです。結婚したり、仕事の形態が変わったりするかもしれないけど、私たちは私たちの活動をしていくよという宣言をすでにしていたんですよね。
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIが2019年に発表した、「ポスト・アイドル宣言」
https://banmon.jp/contents/207588
大桃子:MAXX NAKAYOSHIになるときにはっきり文章で出しているので、是非その文章も読み返してみてほしいです。その文章を読むと、人間として意義があるグループだなと改めて思ったし、本気でこの世界のなくなった方がいい仕組みに立ち向かっている感じがありますね。例えば、私はすごく日本の少子化をすごく危惧していて、私は改善したいと思っているから、新しい命を当たり前に祝福できない仕事なんてこの世にあっていいわけないと思うんですよ。もっと世界に発信すべきメッセージを強くもっていかなきゃと思っていますね。遊びでラブアンドピースで言っているわけじゃない。人生って何か起きてもいいし、何か起きなくてもいいと思うので、それをバンもん!で体現できたらなと。なんか大きな話になっちゃった(笑)。
鈴姫:アイドルの恋愛禁止っていう文化もわかるんです。でもそれを守らなかったアイドルさんがすごく叩かれたりするのは、違うんじゃないかなと思っていて。アイドルってなんなんだろうというのはすごく考えましたね。ぐみさんは自分が大変な時期に他のメンバーに迷惑かけてごめんって気の遣い方をしていて、全然大丈夫なのにと思う。次、他のメンバーがこういうことがあっても臨機応変に対応していくからあまり気を遣わないでと思っています。
ななせ:自分にとってはそれなりに大きなことかもしれないけど、バンもん!が続いていくのならそこまで大きなことでもないと思えるようになりました。当たり前に続いていくと思ったし、他のアイドルさんがこれからどうしていくかとかも考えていないです。これは別に突き放しているわけではなくて、自分の好きにすればいいと思うから、「ぐみはこうしたい」という見せ方を考えて、他の人はそれぞれ自由に生きられたらなと思いました。
——では最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
鈴姫:10年というけれど未来しか見ていないし、まだやりたいことは増え続けているので、今後も楽しみにしていてください。あとは今回の再々メジャーシングルで、売り上げ1万枚突破と、オリコンのウィークリー・チャート10位以内を、皆さんのおかげで無事達成できました! 嬉しい、みんなありがとう! これからもよろしくね!
大桃子:いい曲が4曲もできちゃって、この後のことを考えていないから楽しみ。
恋汐:しおからも一言言ってもいいですか? 今後の人生もよろしくな!
一同:ブラボー(一同拍手)!

編集 : 西田健、草鹿立
LIVE INFORMATION
〈大桃子サンライズ生誕祭2024 「桃の方舟♡BIGLOVE Express」〜月が昇る青空へ〜〉
2024年6月9日(日) 月見ル君想フ
開場18:00 / 開演18:30
詳細はこちら
https://banmon.jp/contents/live
PROFILE
鈴姫みさこ、恋汐りんご、ななせぐみ、望月みゆ、甘夏ゆず、大桃子サンライズによる6人組ポストアイドル。
2011年に神聖かまってちゃんのドラマーとしても活躍する鈴姫みさこを中心に《バンドじゃないもん!》を結成。
これまで2社のメジャーレーベルから多数の作品をリリースし、様々なクリエイターとのコラボが話題にもなり、デビューシングルから6作連続オリコン週間チャートTOP10入りを果たすなどアイドル界の最前線で活躍中。
ライブでは、日本最大級のライブハウスである豊洲PITや新木場 STUDIO COAST、ZEPP TOKYOなどの大型ライブハウス、更に、日本青年館や中野サンプラザホール、NHK 大阪ホール他 代々木公園野外ステージや日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブなど、キャパシティーを広げ軒並み大成功を収める。
2018年11月に《バンドじゃないもん! MAXX NAKAYOSHI》への改名を発表。2019年にはプライベートレーベル《NAKAYOSHI RECORDS》を設立。
制作にも各メンバーが加わり考えを活かしながら、独自のやり方で、新しいアイドルの活動を提示中!!
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