聴いてくれる女の子に寄り添いやすい歌詞に
──音楽活動については、CHIHIROさんプロデュースで楽曲制作をされているとのことですが、これはどういう流れで?
中村 : ちぃちゃんとは「失恋のあと」のMVがきっかけで仲良くなりました。最初は音楽活動については全く考えていなくて、単純に歌うことや音楽が好きなもの同士で交流がありました。ふたりでインスタライブをやって、ちぃちゃんがピアノを弾いて私が歌うみたいなセッションを行うなかで、実現していきました。
──楽曲についてはどのように作っていくんですか。
中村 : ちぃちゃんの方で土台を作ってもらって、アレンジャーさんとセッションや打ち合わせをしていきます。そのなかでいま届けたいものをみんなで確認し合って作っています。
──EPにはさまざまなジャンルの楽曲が収録されていますよね。
中村 : はい。普段からなんでも聴くので、自然な会話の中で気になったメロディ、曲調、リリックはすぐにちぃちゃんに共有するんです。たまたま私が「この曲良かったよ」と思って話した曲をちぃちゃんも「私も良いと思った」ということもあったりと、すごく波長が合うんです。
──3月1日にはデビューEP『Moonlight』がリリースされましたね。このタイトル『Moonlight』にはどういう思いを込めたんですか?
中村 : 私は月が好きなんですよね。以前出させていただいた写真集も「Over the moon」というタイトルでしたし。空にぽつんと月があって、私はひとりじゃないんだなという安心感がありますし…。そういう温かく見守られてる感覚になってもらえるようにと思いを込めて『Moonlight』にしました。
──EPに収録されている4曲の楽曲についても聞かせてください。まず、1曲目の「浮ついたHeart」。この曲は、すごくストレートで思わずドキッとするような歌詞ですね。
中村 : この歌を歌うことによってアーティスト像が決まる道筋ができたので、とても思い入れのある曲です。歌詞を遠回しの表現ではなくストレートにしたことがポイントです。女の子はこういう経験をしたことがある人もいるんじゃないかなと思っています。歌詞を書いてくださっているのが恋愛ソングをずっと書いているちぃちゃんだからこそ、聴いてくれる女の子に寄り添いやすい歌詞になっているんじゃないかなと思います。
──実際、この歌詞をもらったときはどういう気持ちだったんですか?
中村 : アーティストとしてはじめて出す楽曲に、ズシッとくる歌詞なのは挑戦的だったと思います。お芝居をしていたので、表情をつけたいという話はしていました。音楽にもひとつのコンセプトやストーリーがあるので、ドラマを思い描くみたいな感じで、この曲を聴いている頭の中でストーリーを思い描けるように作ってくださったんだと思います。
──2曲目の「Lovely Baby」。「浮ついたHeart」と印象がガラッと変わってポップな曲調ですね。
中村 : 好きな気持ちは恥ずかしくて言いづらいと思うんですけど、それをうち破るような可愛らしい曲になっていて、私はとても気に入っていますね。これはリリースした日がちょうどバレンタインデーだったので、そこにも合っていると思います。
──3曲目は「分かっていても」ですね。
中村 : 楽器の音がたくさん入っているんですけど、聴きどころとしてはギターソロです。この曲も切ないですけど、切ないなりに自分のブレない意思があって、前向きになれる曲です。
──4曲目「Positive」にはタイトル通りの前向きなメッセージが込められていますよね。
中村 : 「Positive」は気にしていてもしょうがないじゃんと思わせてくれる強い曲ですね。自分も励まされるので、みなさんにもそう思ってほしいですね。
──人にポジティヴになってほしいというメッセージがこの「Positive」には色濃く出ていますよね。
中村 : そうですね。私が憧れる女性像は芯がブレない女性なんです。学生の頃、友達が全校生徒の前で安室奈美恵さんの「GIRL TALK」を踊っていたんです。それがきっかけで安室さんのことが好きになって、タワレコやHMVに行ったときにアルバム、コンサートのDVDを買っていました。安室さんのようなポジティブさや女性の強さは素敵だなと思います。