おもしろがって応援してきてくれたファンの人たちがいたから
──次は白幡さんにお話を訊きます。白幡さんはゴキ帝を昨年2021年の4月に卒業されたんですよね。
白幡 : ゴキ帝は私が立ち上げて作ったグループで、いまは亡きNAVERまとめによると元祖セルフプロデュース・アイドル・ユニットだったみたいです(笑)。セルフでやっていくってすごい大変で、1年目はフリーでやって、2年目から会社にしてっていう感じでやってたんですけど、メンバーの入れ替わりがすごい激しくて。
郡司 : メンバー変わると大変ですよね。
白幡 : プロデュースもリーダーもやってると、誰か辞めると私のせいみたいになるんですよね…。辞めたメンバーとは、ご飯とか行ったりするし、連絡も取るし関わりあるんですけどね。でも、とにかく大変なことが多くて、1回活動休止しちゃったんですよ。体制が整ったり、落ち着くまでは難しいかなと思ってたんですけど、「私はこの活動しかできないから復活させてほしい」ってあるメンバーに言われて、その子のために活動を再開しました。
──なるほど。
白幡 : それからそのメンバーが2021年の4月に卒業することになったんですよ。その当時、他のメンバーのキャリアがまだ浅かったんですよね。そこで、グループの今後を客観的に見たときに、私がいなくなって1からのスタートのほうが、グループとしてのバランスがいいだろうなって思ったので、一緒に卒業しますっていう感じにしました。残ることを決めたメンバーも、すごくグループが好きだから、ゴキ帝を続けたいみたいな感じだったんですよ。そこで「セルフプロデュースはすごく大変だけど、それでもいいなら全然やったらいいと思う。できることはサポートするし、メンバーじゃなくなるけど、やれることは協力するね」みたいな感じで、グループは残して、私は卒業しました。
──客観的に、残ったメンバーはどういう風に見えていましたか?
白幡 : 困ったときは相談に乗ったり、作曲家を探すお手伝いとかはしていたんですけど、すごく頑張っていたと思います。演者もやって、事務作業もやって、日々の対バンライヴとか、ワンマン・ライヴの制作、グッズの発注とかそういうのも自分たちでやらないといけないから、大変だったと思います。
郡司 : 本当に大変そうですね。
白幡 : 最終的に、ゴキ帝は女子3人とおじさんひとりっていう形態になったんですよ。男性メンバーだから、若い女子たちに押されちゃうところもあって。私はおじさんから悩みを聞いたり、女子たちからの悩みを聞いたりとか、プロデュースはしてなかったんですけど、日々相談されてました。本当にファンの方にも知ってほしいんですけど、プロデュースはしてないけど、私実は超暗躍したんですよ(笑)。いつか伝わればいいなと思います。
郡司 : いや、でもそうですよね。水面下でこれだけ頑張ってるのに。
白幡 : でも、ファンの人たちは、本当にいい人たちなんですよ。ゴキ帝って、衣装とかも最初490円のポロシャツとか、そういうのを使ってて。とにかくSNSでバズることを必死にやってきたんですけど、それがバズったのは、おもしろがって応援してきてくれたファンの人たちがいたからなんですよね。
──これから白幡さんは、新しくIZANAGIというグループをプロデューサーとして立ち上げるんですよね。
白幡 : 自分自身、歌うのも踊るのも好きなんですけど、このIZANAGIでは、演者として立たずにプロデュースに回ったほうが、結果的に良いグループが作れるんじゃないかと思ったのがきっかけです。ゴキ帝をセルフプロデュースでやってた理由は、もちろんアイドルが好きだったし、こういうふうにやったらお客さんが喜んでくれるんじゃないかっていうのを考えるのが好きだったからなんですよね。それが自分にできることなのかなと思って、新たにグループのプロデュースをはじめました。
──メンバーはどのようにして決めていったんですか?
白幡 : 2週間ぐらいの募集期間でオーディションしました。もともとアイドルやってた子とか、ゴキ帝のオーディション受けてくれてた子もいました。ゴキ帝とは全然違うコンセプトにはなるけど、ありがたいことに「白幡さんがやるグループだったらやりたいです」みたいに言ってくれてる子がいて。そういうオーディションを経て、いまの5人のメンバーになりました。
──オーディションでの採用基準はあったんですか?
白幡 : 今回は、即戦力ですね。シンプルに歌える人、踊れる人。あと、グループのコンセプトもあらかじめ決めていたので、そのアートワークにハマるビジュアルの子も意識しました。あとは、アイドルも人とグループとして動いていくし、スタッフさんとかとチームでやったりするから、協調性がすごい大事なんですよね。提出物をちゃんと出すとか、遅れてこないとか(笑)。自分も人のこと言えないんですけど、そういう最低限のことができる人を選んだつもりです。
──なるほど(笑)。
白幡 : 今回のIZANAGIの立ち上げは、当時のゴキ帝の立ち上げ資金よりも何倍ものお金を使えてるし、自分のなかでも自信があるからそういう初期投資ができてるんですよ。それは、私が活動を始めた当初から応援してくれているファンの人だったり、私のことを応援してくれている人のおかげなんですよね。IZANAGIもゼロから新しくはじまるグループではあるんですけど、ゴキ帝を好きだった人たちとか私を好きだった人たちは絶対に好きになってくれる要素がいっぱい詰まってると思います。私がやってきたアイドル活動のすべてが詰まっいるから、そういう意味ではゼロからじゃないので、引き続き見てほしいです。メンバーもすごく頑張っているし、曲も自信がある。全部私がプロデュースしてるので、絶対いいものだと思うので、これを見てる方は頭の片隅に置いといていただけると嬉しいです。
──今回はプロデューサー専任になるので、一個離れた目線じゃないですか。メンバーはどういう風に見えていますか?
白幡 : すごく良い子たちですね。自分がメンバー兼プロデューサーだったときは、メンバーとして仲良くなりたい気持ちもあったから、本来プロデューサーとして指示する立場なのに、言うことに説得力がなくなっちゃったりしていたんですよね。いまはそこに気を付けています。まあ、あんまり仲良くなりすぎないようにしようするのって少し寂しいですけどね(笑)。
郡司 : わかります。私も前のグループでリーダーとしてやっていたので、本当に同じように悩んでました。