2022/01/13 18:00

名盤を50年かけてでも作りたい──NaNoMoRaLがたどり着いた、未来へ繋げる自信作

NaNoMoRaL

雨宮未來(Vo.)と梶原パセリちゃん(Vo., Cho., Manipulator)からなる2人組ユニットNaNoMoRaLが、新作ミニ・アルバム『ne temo same temo』をリリースした。真っ直ぐで等身大な楽曲と、エモーショナルなライヴ・パフォーマンスが人気の彼らの音楽は、どうしてこんなにも聴く人の心に寄り添ってくれるのだろうか? 自信作だと語る今作にたどり着くまでの道のり、そして「50年続ける」と語る彼らが見つめる先にあるものを探った。

NaNoMoRaLのニュー・アルバム『ne temo same temo』

INTERVIEW : NaNoMoRaL

12月20日に4枚目となるミニ・アルバム『ne temo same temo』をリリースした男女2人組ユニットNaNoMoRaL。インタヴューを通して見えてきたのは、自身の弱さを見つめることのできる “強さ” だった。そんな強さに裏打ちされた優しさが、リスナーの心に寄り添い、そっと背中を押してくれる音楽に溢れる。今作のジャケットに描かれた卵から雛がかえるとき、進化した彼らが生み出す音楽はより美しいものになるに違いない。

インタヴュー&文 : 西田健, 高田敏弘
写真 : 飛鳥井里奈

積み上げてきたものがようやく形になって、最高なものが作れた

──今回のミニ・アルバム『ne temo same temo』のジャケットには、卵が描かれていますが、これにはどんな意図があるんですか?

梶原パセリちゃん(以下、梶原) : これまで活動してきて、今回のアルバムは自分のなかでは、ようやく卵ぐらいにはなったかなと。産まれる手前というか、その卵を割っていきたいという気持ちで、今回は卵をジャケットにしました。

──4枚目のアルバムでも、ご自身のなかでは、まだ卵なんですか?

梶原 : そうですね、やっと卵です。4枚もかかりました。自分達のやりたいことや目指していたものが固まってきたのかなっていうのがあって。でも、ジャケットを卵にするのにも結構勇気がいりました。

──未來さんは、いま知ったみたいな顔をされてますけど。

雨宮未來(以下、雨宮) : そうですね。タイトルとかも、あとから知りました(笑)。

雨宮未來 (Vo.)

──タイトルの『ne temo same temo』は、どういうところから決まったんですか?

梶原 : 単純に語呂です。あとは「寝ても覚めてもこの曲たちが流れていてほしいな」という想いが強いです。どの曲でもいいので、なにか聴く人のテーマになっていてほしいと思います。

──6曲目にも “ねてもさめても” というタイトルの曲が収録されていますよね。

梶原 : 表題曲がいちばん短いって、なんかかっこよくないですか(笑)? Mr.Childrenのアルバム『深海』に入っている “臨時ニュース” という曲から、誰の曲に繋げてもしっくりくるという説があって、そういう曲を作りたかったんです。次の曲の “嘘つきかくれんぼっち” に繋がるようには作ってはいるんですけど、この曲のあとには、なにが流れてもいいような雰囲気では作っています。だから、シャッフル再生でも聴いてほしいです。

──多くのアーティストが、アルバム単位で聴いてほしいというなかで、シャッフル再生でも聴いてほしいという考えは珍しい気がします。

梶原 : もちろん曲順はこだわってはいるけど、割とどこに配置しても聴けるようになったかなと。

──なるほど。でもそれは自信があるから、言える言葉なんじゃないかという気がします。

梶原 : 今回のアルバムに関しては「自信作だ」って言い張っていて。自分のなかで積み上げてきたものが形になって、最高なものが作れたかなと思うんです。

──NaNoMoRaLは、アルバムが出るたびにできることを広げてきました。今作で変化したのはどういう部分ですか?

梶原 : まず、劇的に変わったのがオケですね。1枚目から3枚目はまでは、ギターを打ち込みでやっていたんですよ。今回から、それをちゃんと弾くようになった。こういう音楽をするんだったら弾かなきゃダメだろうと思ったんですよね。弾きながら作ることによってギター・アレンジの幅も広がったし、シンセの数を減らせた。それがいちばん大きいです。NaNoMoRaLアレンジというのものが、自分のなかで固まったような感じがします。1曲目の “あいをうたえば” の、かき鳴らすようなギターは打ち込みだと難しかったと思います。

雨宮 : 歌うのもだんだん難しくなってきていますね。“あいをうたえば” はリズムが取りづらかったし。合唱っぽい感じなので。

梶原 : テンポがあるようでないし、「いっせーの」で録った感じにしたかったから、歌は合わせ辛かったと思います。次の拍ではテンポが変わっているから、よくやってたほうかなと。

──今作は全体的に、これまでよりギターの音が入っているなと思いました。

梶原 : これまでは打ち込みってバレたくなかったから、その上にシンセを被せていたんですけど、今回は堂々と弾いているので、その影響かな。でも、僕は全然ギターが上手じゃなくて、1拍ずつ弾いて録っていたりするんですよ。だから、ギター録りは本当にめちゃくちゃ時間かかるんです。いまどきMTRで、レコーディングも全部自分でやってますけど、マジで人に見せられないです。

──ライヴで使われている機材で録ったんですか?

梶原 : あれ(ZOOM LiveTrak L-12)で録りました。前作までは、ZOOMのR8という機材で録っていたので、ちょっとだけ進化しました。

梶原パセリちゃん (Vo., Cho., Manipulator)

この記事の筆者
西田 健

1990年生まれ。熊本出身の九州男児。2019年までイベント業界で働きながら、福岡親不孝通りにてJ-POP、アニソンのDJ活動を行う。その後上京し、OTOTOY編集部にてアイドル、アニメ関連を中心に担当。映画、深夜ラジオが好き。

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この記事の筆者
高田 敏弘 (takadat)

Board Director。東京都出身。技術担当。編集部では“音楽好き・ファン目線を忘れない”担当(自称)。

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