2020/12/16 18:00

この県央(マチ)に作らされて、この県央での生存を歌う──DEATHRO、4曲入りニュー・シングル「4D」

DEATHRO

今年、2020年1月にリリースされたアルバム『FEEL THE BEAT』から約1年。コロナウイルスの感染拡大によって、自身も本来予定していた〈渋谷WWW〉でのツアー・ファイナルのワンマン公演の延期など、さまざまなアーティスト同様に活動を制限されてしまったなかでも“神奈川県央No.1・ロック・ヴォーカリスト”であるDEATHROは止まらなかった。OTOTOYで行った『Save Our Place』企画や、名古屋のライヴハウス〈HUCK FINN〉救済プロジェクトのコンピレーション・アルバムなどに楽曲を提供し続け、存在を示し続けてきた。今回リリースされる新作「4D」は、上記に提供してきた楽曲をバンド形態にて再録音。さらに新曲となる“FLAME”も加えた濃密な4曲が収められている。OTOTOYでは今作の配信とともに彼へのインタヴューをお届けします。地元、神奈川県央で撮影された撮り下ろし写真も要チェックです!

本インタヴューのアウトテイク写真をまとめたPDFブックレット付き!

DEATHRO /ILLUSION...追いかけて(Music Video)
DEATHRO /ILLUSION...追いかけて(Music Video)

INTERVIEW : DEATHRO

“神奈川県央のロック・ヴォーカリスト”として、2020年12月23日に活動5年目を迎えるDEATHRO。このたびリリースされるニューシングル「4D」は従来のJ-ROCKサウンドを、70年代ハードロック、パワーポップ的なエッセンスとせめぎ合わせることで更新した、一足早い5周年の幕開けにふさわしい挑戦的な1枚となった。その制作秘話はもちろん、ステイホーム期間に再確認した自身の立ち位置など、本人にじっくりと話を聞いた。

インタヴュー & 文 : 須藤輝
写真 : 小野由希子

LOW VISIONの変わらない姿勢を形にしたい

──このタイミングでリリースされる音源は「コロナ禍で制作された」みたいに思われがちかもしれませんが、「4D」は必ずしもそうではないんですよね。

そうなんです。もともと3rdアルバム『FEEL THE BEAT』(2020年1月リリース)のレコ発ツアーのファイナルとして、今年の5月に〈渋谷WWW〉でのワンマンを予定していて。そのタイミングで“闇を切り裂く”と“ILLUSION...追いかけて”を2曲入りシングルとして配信とサブスクでリリースするつもりだったんですよ。だからこの2曲は去年、3rdアルバムのレコーディング中にはほぼ形になっていて、“ILLUSION”に関してはヘタしたら3時間ぐらいで大まかなアレンジまでできたんじゃないかな。

──そんなに短時間で。

でも、ご存知の通り2月末ぐらいから雲行きが怪しくなって、ツアーも2箇所に1箇所が中止になるような状況で、スケジュールも混乱してきちゃったんですよ。そこで、地元の友達で1stシングル「BE MYSELF」(2016年3月リリース)とか2ndシングル「SLEEPLESS / RHAPSODY」(2017年8月リリース)のエンジニアをやってくれた荒金康佑(ELEKTRO HUMANGEL)くんとふたりで、とりあえず“闇を切り裂く”と“ILLUSION”を打ち込み+僕のベースとギターで宅録しようという流れになって。録りはちょっと意外なところで、光風&GREEN MASSIVEの(浜田)光風さんのハウス・スタジオをお借りしました。

──へええ。

ちょうどそのタイミングでOTOTOYが『Save Our Place』という、音源配信でライヴハウスを支援する取り組みを始めたというのを聞きつけ、その2曲を〈WWW〉と同様に5月にワンマンを予定していた名古屋の〈HUCK FINN〉と大阪の〈難波BEARS〉へのドネーションに充てる形で4月にリリースして。さらにほぼ同時期に、名古屋のTHE ACT WE ACTの五味(秀明)くんからオファーを受けて、同じく〈HUCK FINN〉救済プロジェクトのコンピレーション・アルバム『#repartures』に“JUSTICE!”を提供して、それが5月に配信されたんです。

DEATHRO /JUSTICE (official audio)
DEATHRO /JUSTICE (official audio)

──“JUSTICE!”はその曲名からも察せられる通り、"TOKYO JUSTICE SIDE HARDCORE"を標榜するLOW VISIONへ捧げた曲ですよね。

そう。去る8月に惜しまれつつ解散してしまったんですけど、そのLOW VISIONの“No Sexism”という曲のMVシューティングを兼ねたスタジオライヴが今年の1月末に中野の〈BASS ON TOP〉であって... 現場で会いましたよね?

──はい。僕も行きました。

そのライヴで感銘を受けたというか。もともとLOW VISIONは僕が共演したバンドのなかで一番古い付き合いで、彼らがバンド名を「NO VISION」から「LOW VISION」に改名したころに出会ってるんですよ。たしか2002年の夏、〈CHAOS PARK〉っていうABRAHAM CROSSがやっていたイベントで、ヴォーカルの岡村(匡洋)くんに「来週、デモテープを録るんで完成したら聴いてください」みたいな感じで話しかけられて。

──当時のDEATHROさんはANGEL O.D.のメンバーだったんですよね。

向こうもANGEL O.D.の人間だとわかってくれていて。あれから18年、僕が高校生から30代半ばになるまで、ずっとLOW VISIONという看板を掲げ、なおかつ新しい取り組みをやっている姿勢を見て胸に迫るものがあったんですよね。2002年から2020年の間で世の中の状況とかはいろいろ変わっちゃったけど、そのなかでも変わらない、もしくは変われないものがあるというのを形にしたいと思って、2月に“JUSTICE!”を作りました。

──それら3曲はいずれも“Home Alone Edition”という宅録ヴァージョンとして配信されましたが、それを今回、バンド形態で再録したと。

3曲ともいずれはアルティメットな形態で出したいと思っていて、9月ぐらいにようやくバンドでレコーディングできる環境が整ったんです。で、『FEEL THE BEAT』の制作中に、マスタリングを担当してくれているPEACE MUSICの中村宗一郎さんと「今度は録りから中村さんにお願いしたいんですよね」「アルバムは難しいけど、お試しにシングルでやってみますか」みたいな話をしていて。今回ちょうど4曲入りのマキシ・シングルになったので、中村さんにレコーディング・エンジニアとして参加してもらい、かつドラムの川又慎(Not It Yeah!)くん、ベースのYUKARI(Limited Express (has gone?)/ニーハオ!!!!)ちゃん、ギターの小野寺陽多(SODOM/DAIEI SPRAY)くんといういつものメンバーの協力を得て完成しました。

自分がDEATHROファンだったらどうされたら嬉しいか

──DEATHROさんはわりと曲を温存するタイプというか、リリースのタイミングを計算してますよね。例えば3rdシングル表題曲“STARDUST MELODY”(2018年12月に配信で、2019年5月にCDでリリース)はかなり初期にできていた曲だと、以前お聞きしてびっくりしたのをよく覚えていて。

“STARDUST MELODY”は1stアルバム『PROLOGUE』(2016年12月リリース)をレコーディングした直後ぐらいにはできてましたね。ついでに言うと“SLEEPLESS”もたぶん“BE MYSELF”と“BOYS & GIRLS”の次にできた曲なんですけど、“SLEEPLESS”は“BE MYSELF”と同系統のビート・ナンバーだから、同じアルバムに入れるとコテコテしすぎちゃうと思って2ndシングルまで取っておいたんです。一方、“STARDUST MELODY”はすごいポップな曲だから、今度は“SLEEPLESS”と同じアルバム(2018年7月リリースの2ndアルバム『NEUREBELL』)に入れるとそれぞれのパンチが薄れちゃいそうだなと。

──なるほど。

まあ、そこまで緻密に計算してるわけじゃないけど「自分がDEATHROのファンだったらどういうリリースの仕方をされたら嬉しいか」みたいなことは意識してますね。

──『NEUREBELL』は比較的シリアスというか、政治的・社会的メッセージ色の濃いアルバムで、そのアルバムが浸透したタイミングでの“STARDUST MELODY”のリリースはインパクトがありました。

なんか、揺り戻しじゃないですけど。もちろん『NEUREBELL』で歌ったことは普段の生活のなかで自分が感じたことで、無理して捻り出したものではないんですけど、そうじゃないことを歌いたいという側面もあるので。“STARDUST MELODY”はちょっとメタっぽい感じで、不運にも歴史に埋もれてしまったオブスキュアなヴィジュアル系とかJ-ROCKのバンドのことを思い浮かべて作った覚えがありますね。だから「散りばめた星が いつか輝きを無くしても」という歌詞は、音源は風化してしまっても、いまだに俺みたいに引っ張り出して聴いてるやつがひとりでもいてほしいなっていう。

──BOOKOFFで発掘したりして。

そうそう。自分に置き換えてみても、20数年経ってもそうやって偏執的に聴いてくれるやつがいたらすごいラッキーだと思うし。商業的な成功とかとは切り離したものとして。

BOW WOWをめちゃくちゃ聴いた

──アルバムのパッケージとして考えると、1stの『PROLOGUE』はガレージ・パンク的な音作りをしていて、2ndの『NEUREBELL』は90年代のヴィジュアル系を、3rdの『FEEL THE BEAT』はよりモダンで王道的なビート・ロックをそれぞれ志向していますよね。

『FEEL THE BEAT』はエンジニアの鈴木歩積(told)くんとも「もう少し分厚い音で」という話をして。自分としても『PROLOGUE』とか『NEUREBELL』で意識していた時代感よりも少し進んだ、2000年前後ぐらいの音を意識して機材を揃えたりしたんですよ。だから『NEUREBELL』にあった湿っぽさをなくして、太いリフで押すみたいな。

──そうやって毎回作風を変えていて、今回も… というかアルバムとシングルを同列に語るのは違うかもしれないんですけど。

いや、「4D」は4曲入りのアルバムぐらいのつもりで作りました。

──じゃあ話を続けて、いまおっしゃった時代感でいうと、「4D」は70年代ぐらいまでさかのぼっている感じですよね。

そうですね。“JUSTICE!”はこれまでの流れのなかにある感じなんですけど、残りの3曲に関しては、近年のフェイバリットであるブルックリンのSunflower Beanとか、2018年に共演したフィラデルフィアのSHEER MAGからの影響を意図的にフィードバックしていて。そういう音の質感とかBPMの感じと、自分が本来持っているJ-ROCK的なメロディラインがどこまでせめぎ合えるかみたいなことを考えて作りましたね。それから去年の冬ぐらいに、普段聴いてるものよりレイドバックしたロックをよく聴いていたんですよ。久しぶりにT・レックスのアナログ盤を引っ張り出したりして。T・レックスは10代のころ、バウハウスが“Telegram Sam”をカバーしてたのでさかのぼって聴いてみたんですけど、当時はいまいちピンとこなかったんです。でも、いま聴いたらさっき挙げたようなバンドと近いものがあって。あと、BOW WOWですね。

──BOW WOWですか。

うちの兄貴でHARD CORE DUDEのベーシストの幽閉とも話してたんですけど、BOW WOWって、80年代から90年代にJ-ROCKとかV系のシーンの第一線で活躍していた人たちから支持されていて。例えばXのHIDEさんが、10代の多感な時期に聴いて多大な影響を受けたと公言しているんですよ。とはいえ僕のなかでは古いハードロックみたいなイメージがあって敬遠してたんですけど、去年、サブスクにあるのを見つけて1stアルバムの『吼えろ!BOW WOW』を聴いたらめちゃくちゃかっこよくて。あと「4D」の曲のリハーサルをしているときは、ザ・ジャムとかバズコックスとか、パワーポップをすごい聴いてたんです。

──バズコックスの音はなんかかっこいいですよね。ペラッペラなのに。

あの分離感とか、ドラムのサステインのない感じとかがいまの自分のモードにすごいフィットしたんですよ。そこからさらに僕の10代のころのフェイバリットだった京都のFIRST ALERTとか滋賀のSANDIESTとかも改めて聴いてみて。だから音作り的にはそのへんの影響もあるかもしれないですね。J-ROCK的なダイナミズムじゃないところを選択したというか。

俺はこの県央(マチ)に作らされている

──「4D」の収録曲のなかで、コロナ禍と呼ばれる状況になって以降に作られたのが“FLAME”ですね。

そうなんですけど、“FLAME”もことさらそこを強調しているわけではなくて。言ってしまえば、4月以降、音楽活動がままならない状況になってしまったけど、自分はいまやれることを模索し続けていきたいというステートメントですね。サビで「I DON’T WANNA LOSE FLAME」と歌っているように、情熱を失いたくないっていう。まあ、失ったこととか特にないんですけど。

──そのモチベーションはどこから湧いてくるんですか?

最近、そのことについて思うことがあって。ステイホーム期間中、久しぶりに地元をウロウロしていたというか、ケアワークの現場も地元の比重が増えてきて、相模原、厚木あたりで行動することが多くなったんです。そこで感じたのが、そのモチベーションみたいなのが自分のなかから湧き出てくるというよりは、「俺はこの県央(マチ)に作らされているな」という感覚で。やっぱり自分のコアとなるテーマって、県央での生存を歌うことなんだっていうのを確信しましたね。ちょうど先週も介助の関係で、古淵のイオンモールで半日ぐらい過ごしたんですけど… 古淵っていうのは相模原市と町田市の境目あたりで、僕のなかではイオンじゃなくてジャスコのイメージなんですけど、わかりますジャスコ?

──わかりますよ。僕は地元が千葉なので、普通にジャスコありました。

古淵はすごくて、細い道を挟んでジャスコとイトーヨーカドーが並んでるんですよ。で、国道16号が脇に走っていて、向かい側にいまはメガドンキになっちゃったドイトがある。ドイトはわかります?

──それはわからないです。

ドイトは昔あったホームセンターで、10年以上前にドンキに買収されちゃったんですけど、その古淵のあたりはいつも車で通り過ぎてたんですよ。でも、そこを電動車椅子のかたと一緒に歩いたりしていると、やっぱりこの雰囲気が自分の原風景なんだなって。これは言い方がすごく難しいし、失礼な表現になってしまうかもしれないんですけど、そこのフードコートでごはんを食べているかたや家族のなかには、いわゆる低所得者層といわれるかたたちも何組かいたりして。これって旧ジャスコ特有の感じで、最近できた綺麗なイオンモールとかだとそうでもないんですけど。

──その感じはちょっとわかるかもしれません。

最近、自分がソロデビューする前ぐらいによく読んでいた中野孝次さんというドイツ文学者の本を久しぶりに読み返しているんですよ。その中野さんの処女作『実朝考―ホモ・レリギオーズスの文学』に「文化の原義は耕作ということだが、この耕作さるべき土壌はつねに閑暇と余裕であって、困窮と貧困ではないところに、ともすれば文化がただちに支配者の文化となりがちな危険性がある」という一文があって。5、6年前に読んだときはあんまり刺さらなかったんですけど、それがいま、すごいリアルに感じるんですよね。

──文化というものが、余裕のある人間だけの所有物になってしまうみたいな。

そう。ヘタすると文化というものは上から下に、つまり「特権的な立場にある私たちが野蛮なお前たちに文化を与えてやろう」みたいになりかねないんですけど、そこで中野さんは「文化を本当に貧困の(生者の)所有とするには、従ってまずその貧困と野蛮そのものを積極的に是認し、その地点を失うことなしにやるしかないのだ」と書いていて。もちろん俺にしたって、公務員の家に生まれて、運よくパンクとかに出会って、いまこういう活動ができているのもある種の特権だと思うんですよ。ただ、そこで自分が何かを表現するのであれば、地元のイオンモールの風景とかを見なかったことにはしたくない。そういうことをより強く意識したというか… まあ、いままでも意識しないまま“SUBURBS”とか“MEGAROPOLIS”とか歌ってきているんですけど。

──“神奈川県央のロック・ヴォーカリスト”という軸はまったくブレていませんよね。

きらびやかな部分だけを見せるんじゃなくて。でも、長時間人間観察していると、フードコートにいる家族とかのなかにもきらめきを感じることもありますし。いずれにせよ、何かを表現したり文化を作り出す人間は優れているとか、そういう地点には絶対に立ちたくないと、褌を締め直しました。

──『NEUREBELL』リリース時のインタヴューでも「週末にイオンモールに行くことが、ライヴハウスやクラブに行くことよりも劣っているとは少しも思わない」とおっしゃっていましたし、やっぱりブレてない。

『NEUREBELL』リリース時のインタヴューはこちら
ロックンロール独立リーグ、新章突入──DEATHRO、2ndアルバムを1週間先行配信 & インタヴュー掲載

彼らにとってはそこがプレイグラウンドなので、優劣なんて絶対にない。むしろ、そういうところにたむろしている10代の子たちのなかから、俺らの理解の範疇を超えるような、まったく新しいエネルギーを持った何かが絶対に生まれてくるはずだって、こないだ古淵のイオンで思いましたね。

脚光を浴びることができなくても

──先日、新宿の〈ROCK CAFE LOFT〉でのトークイベントでもお話しされていましたが、DEATHROさんの歌詞にはいくつか類型がありますよね。つまりなんらかの意志を表明するステートメント型、県央のことを歌う地元型、優生思想やホモフォビアなどに反対するカウンター型、そしてご自身で「浮ついた」とおっしゃっていましたが…。

J-ROCKあるあるラブソング型ですね。

──そう考えると、“ILLUSION…追いかけて”の歌詞はそれらすべてのハイブリッドになっているのかなと。

ああ、言われてみればそうかもしれない。

──歴史修正主義を批判しつつ、県央で歌い続けるというステートメントであり、なおかつJ-ROCK的なほどよい軽薄さも。

ありますね。でも“ILLUSION”は本当に何も考えずに、なんとなくメロディに歌詞を当てはめていたらバチッとできたんですよ。だから変に意気込んだりするんじゃなくて、ニュートラルな感じでパパッと作ったのがよかったのかもしれないですね。

──歌詞の最後も「終わりへと向かうこの時間のなかで」と必ずしも希望的ではないけれど、現実を見ているというか。

いつかは終わりが来るので。でも、作品が一巡して1曲目の“JUSTICE!”に戻ると「終わらない JUSTICE」になるんで、終わりがあるのも真理だし、終わらないものがあるのも真理だと思います。さっきも話したように、LOW VISIONと出会った18年前といまとで、変わったものもあるし変わらないものもあるっていう。

──“闇を切り裂く”の歌詞はどういうことを考えて書いたんですか?

たしか、KLONNSのSHVくんが毎月〈小岩BUSHBASH〉で開催してる〈Discipline〉に遊びに行ったときに「闇を切り裂く」というフレーズが思い浮かんだような。〈Discipline〉には闇を表現するような人たちが出演してるんで、自分はそこを切り開いてブライトなものを作ろうかなって。この歌詞に関しては、まだミックス段階の音源を、僕の友達で〈BLACK HOLE〉というレーベルをやってるタカシに聴いてもらったら、予想だにしない解釈が返ってきて。彼の捉え方がベストかなと。

──どういう解釈ですか?

彼は「闇を切り裂く光になれなくても」という歌詞を、「脚光を浴びることができなくてもやり続ける」みたいなステートメントと受け取ってくれて。でも、それはありますよね。さっきの“STARDUST MELODY”の話にもつながるんですけど、歴史のなかで脚光を浴びなかったとしても、誰かひとりでも何十年後かに引っ張り出して聴いてくれるようなものを作れたら、それは間違いなく成功だといえる。

──いい解釈ですね。自分が発光するんじゃなくて。

そうそうそう。自分が光を放てなくても、光を浴びられなくても作り続けるっていうのは大事ですよね。もともと僕が、明るくなきゃいけないとか前向きじゃなきゃいけないとか、そういうノリが苦手なのもあるんですけど。それこそ子供のころ、大事MANブラザーズバンドの“それが大事”とかKANの“愛は勝つ”とか、ああいう世界が嫌だなと思ったことが原体験としてあるし。だからみんながみんなKANにならなくていいってことですよね。

──最後に愛は勝たなくてもいい。

勝ち負けとか成功失敗とか、そういうものからなるべく遠ざかりたくて。別に成功を手にしたいやつは、そのために勝手に強くなればいいんですよ。でも、いまはそうやって強くならなきゃ生き残れないみたいな風潮が強まっているじゃないですか。弱いままだと生き残れない世の中なら、それは世の中のほうに問題があるわけで、勝たなくても普通に楽しく笑って暮らせるようなところまで社会は底上げされるべきですよね。

編集 : 高木理太

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LIVE SCHEDULE

DEATHRO 5th Anniversary "5D" START UP GiG CRYMAX HOLY NIGHT 2020

2020年12月23日(水)@東京・新代田FEVER
19:45-OPEN / 20:30-OPEN
50席限定前売券¥2,500+1DRINK

https://eplus.jp/deathro-1223/

DEATHRO X'mas投げ銭ワンマン

2020年12月25日(金)@日ノ出町試聴室その3
OPEN/START 19:00
LIVE:
DEATHRO (Beatless Lonely Set)
DJ:
Killed by Stairs (Black Hole+Kohei)
1D込¥1,000+投げ銭

http://shicho.org/2020/12/3event201225/#more-22949

PROFILE

DEATHRO

Rock Vocalist / Singer-songwriter
1984年12月30日生まれ
神奈川県愛甲郡出身&在住

2001年ころよりANGEL O.D.~COSMIC NEUROSEのボーカリストとしてPUNK/HARDCORE SCENEで活動した果て、2016年3月シングル『BE MYSELF』でROCK VOCALISTとしてのソロ活動を開始。その後も『SLEEPLESS(2017)』『STARTDUST MELODY(2019)』などのMODERN BEAT ROCKのアンセムを次々送り出し、各地へのTOUR、渋谷O-NEST、下北沢THREE/SHELTER、難波BEARSでのワンマンライブをはじめ、ライブハウスに収まらず公園、ダム、うどん屋、カフェetc...をスタジアムクラスの大箱ノリに変貌させる唯一無二のパフォーマンスを繰り広げ、国内外にDEATHRO funclubの輪を広げている。

■HP:https://deathro0462.tumblr.com/
■Twitter:https://twitter.com/deathro_com

この記事の編集者
高木 理太 (Rita Takaki)

1993年生まれ、志田未来と同じ生年月日。10代の悶々とした時代にハードコア・パンクを聴いて、グッと音楽にのめり込み、今も悶々としながら日々音楽を掘る日々を過ごしています。お酒はほどほどにしたい。

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ゆるめるモ!プロデューサー、田家大知が見つめるその先──白熱のトーク・イベントの模様をライヴ・レポート!

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ヒップホップ・ライター・斎井直史による定期連載──「パンチライン・オブ・ザ・マンス」 第23回

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ヒップホップ・ライター・斎井直史による定期連載──「パンチライン・オブ・ザ・マンス」 第22回

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ヒップホップ・ライター・斎井直史による定期連載──「パンチライン・オブ・ザ・マンス」 第21回

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ふたりはスティーリー・ダンに似てるかも──【対談】FRONTIER BACKYARD × 西寺郷太(NONA REEVES)

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ヒップホップ・ライター・斎井直史による定期連載──「パンチライン・オブ・ザ・マンス」 第20回

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ヒップホップ・ライター・斎井直史による定期連載──「パンチライン・オブ・ザ・マンス」 第19回

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ロックンロール独立リーグ、新章突入──DEATHRO、2ndアルバムを1週間先行配信 & インタヴュー掲載

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ヒップホップ・ライター斎井直史による定期連載──「パンチライン・オブ・ザ・マンス」 第18回

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