新たな地平へと踏み込むヒップホップの革新へ──KID FRESINO、待望の新作をハイレゾ配信

まさに今年のハイライトというべき作品の登場だ。KID FRESINOの待望のニュー・アルバム『ài qíng』。ヒップホップ・ヘッズはもちろんのこと、EP「Salve」、そして本作にも収録の「Coincidence」で見せたバンド・サウンドは彼の音楽を多くの人々に向けさせるのに十分なインパクトを持っていた。そして本作『ài qíng』は、彼の立脚地たるヒップホップに軸足をおきながらも、バンド・サウンド、さらにはトラックメイカーとのコラボにおいてもさらなる冒険心に満ちたサウンドを繰り広げている。OTOTOYでは本作をハイレゾ配信。インタヴュー記事にもあるように、隅々にまでこだわり抜いたというそのサウンドの機微をぜひハイレゾで楽しんでもらいたい。

2018年ハイライト! ハイレゾ配信



アルバム収録「Retarded」MV

ジャンルを横断する革新的なヒップホップ

インタヴュー・文 : 小野田雄
写真 : Kazuhiko Fujita & Kid Fresino

 いまや、伝説のヒップホップグループとなったFla$hBackSのDJ、ビートメイカーとして、19歳にして、そのキャリアをスタートさせた後、2013年にラップを始めて10カ月でリリースしたアルバム『HORSEMAN'S SCHEME』を皮切りに、ソロ・アーティストとして活動を開始したキッド・フレシノ。その後、矢継ぎ早に作品を発表し、2014年にニューヨークに渡った彼は、2016年にPUNPEEを要するレーベル、summitから発表した名古屋のラッパー、C.O.S.A.との共作アルバム『Somewhere』で幅広いリスナーの注目を浴びると、初めてバンド形態での制作に臨んだEP「Salve」を手土産に、2017年に帰国。前作『Conq.u.er』から3年ぶりとなる新作アルバム『ài qíng』には、ニューヨークから帰国後、約2年に及んだ試行錯誤の末に獲得したジャンルを横断する革新的なヒップホップが凝縮されている。

「今回のアルバムでは、バンド編成の楽曲とトラックものが共存したチャンス・ザ・ラッパーのミックステープ『Coloring Book』のような作品、その先をずっと作りたかったんです。そこでは、ここ1、2年で気づいたダンスミュージックの面白さを反映しつつ、自分のなかではヒップホップの歴史において、一番の傑作だと思っているケンドリック・ラマーの『Good Kid M.A.A.D City』が念頭にあって、あのアルバムのクオリティを目指したいなと思ったんです」 彼はこの作品で、三浦淳悟(ベース / ペトロールズ)、佐藤優介(キーボード)、斎藤拓郎(ギター / Yasei Collective)、石若駿(ドラム)、小林うてな(スティールパン、コーラス / Black Boboi)からなる5人編成のバンドを組織。怒濤の変拍子と共にスリリングなラップが駆け抜ける今年1月の先進的なシングル「Coincidence」は、ポストロック、マスロックが引き合いに出されるなど、幅広いリスナーに衝撃をもたらした。

「“Coincidence”の着想のきっかけは、UKのポップシンガー、Will Joseph Cookの“Plastic”なんですよ。BPMが速くて、スティールパンを用いているその曲をリファレンスとして、みんなで聴いてから、バンドでゼロから曲作りを始めたんですけど、その時点では(小林)うてなさんがいなかったので、佐藤(優介)さんにKORGのキーボードでスティールパンの音を弾いてもらったんですけど、そこから先の作業は変拍子のリズムも含め、斎藤さんがでやってることを持ち込んでくれたんです。そのリズムを石若(駿)くんがあの超絶的なドラムで叩いてくれて。その後、スティールパン奏者として、うてなさんが加わって、ラップのヴァース部分に関しては佐藤さんがキーボードで作ったスティールパンのループなんですけど、それ以外の部分は、うてなさんが自由に弾いてくれて、特に間奏部分の着地のさせ方はみんな舌を巻いていましたね」


「Coincidence」MV

 さらに、JJJ、C.O.S.A.、ISSUGI、Campanella、5lack、鎮座DOPENESS、ゆるふわギャングのNENE、Ryugo Ishidaというシーンを代表するラッパーを招いた本作はバンド形態による5曲と自身によるビートを軸に、Seiho、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)、BACHLOGIC、VaVa、Aru-2がビートを提供。なかでも、Seihoが手がけた「Cherry pie for ài qíng」と「Fool me twice ft. 5lack」は、ここ数年来、彼が傾倒しているダンスミュージックとヒップホップのクロスオーバーを実践した挑戦的な楽曲だ。

「心強かったのは、自分がダンスミュージックに開眼したタイミングで、ラッパーのヴィンス・ステイプルズがダンスミュージックの影響を独自に消化したアルバム『Big Fish Theory』をリリースしたこと。その他にもエイサップ・ロッキーが今年出した最新作『Testing』であったり、ダンスミュージックの影響を受けたヒップホップの素晴らしい作品が背中を押してくれたんですよね」

ミックスもマスタリングも正解がない──サウンド、エンジニアリング

 そんな本作『ài qíng』はOTOTOYで、ビートミュージック、ダンスミュージックのスタンダードである24bit/44.1kHzフォーマットのハイレゾ配信も用意されている。バンド楽曲は演奏のダイナミクスや繊細なニュンスに合わせたラップの録音へのこだわりが聴き取れる一方、トラックものは密度の濃い音場が広がるなど、音響的にも練り上げられた最高の作品となっている。

「今回はバンドサウンドとビートもの、そのビートも幅が広いので、ミックスはD.O.I.さん、Illcit Tsuboiさんをはじめ、曲ごとに色んなエンジニアにお願いしたんですけど、ここまで色んなエンジニアが参加したアルバムは珍しいかもしれないですね。そして、ヒップホップのアルバムだったら、本場アメリカのマスタリング・エンジニアに頼むことが多いと思うんですけど、こういう多彩な内容だからこそ、A&Rのアドバイスもあって、(エイミー・ワインハウス『Back To Black』やロード『PURE HEROINE』、UK新世代ジャズのエズラ・コレクティヴまで幅広い作品を手がける)イギリス・メトロポリス・スタジオのスチュアート・ホークスにお願いしたんです。ただ、ミックスもマスタリングも正解がないので、別のエンジニアに頼んだら、もっと良くなるかもしれないし、悪くなるかもしれない。だから、これもまた今回のトライアルのひとつなんですよね。普段、自分の作品はハイレゾで聴くことが多いですけど、CDはもう少し音に丸みがあって、また音が違うので、ハイレゾで聴ける環境がある方は聴き比べてみるのも面白いと思いますね」

KID FRESINO配信中の過去作

『ài qíng』参加アーティスト陣の作品

NENE

NENE

¥ 1,851

TOUR SCHEDULE

KID FRESINO ài qíng Release Tour

2019年1月14日(月・祝日)
@名古屋 クラブクアトロ
Open 18:00 / Start 19:00 ¥3,500(前売/1ドリンク別)
W/ CH.0 (DJ)
GUEST : Campanella / C.O.S.A. / JJJ

2019年1月18日(金)
@梅田 TRAD
Open 18:30 / Start 19:30 ¥3,500(前売/1ドリンク別)
W/ 三浦淳悟 (bass) / 佐藤優介 (keyboard) / 斎藤拓郎 (guitar) / 石若駿 (drum) / 小林うてな (steelpan) / CH.0 (DJ)
GUEST : Campanella / C.O.S.A. / JJJ

2019年1月25日(金)
@渋谷 TSUTAYA O-EAST
Open 18:30 / Start 19:30 ¥3,500(前売/1ドリンク別)
W/ 三浦淳悟 (bass) / 佐藤優介 (keyboard) / 斎藤拓郎 (guitar) / 石若駿(drum) / 小林うてな(steelpan) / CH.0 (DJ)
GUEST : Campanella / C.O.S.A. / ISSUGI / JJJ / NENE / Ryugo Ishida / 鎮座DOPENESS

2019年2月1日(金)
@福岡 DRUM Be-1
Open 18:30 / Start 19:30 ¥3,500(前売/1ドリンク別)
W/ CH.0 (DJ)
GUEST : Campanella × C.O.S.A. × RAMZA

AFTER PARTY『Off-Cent』
2019年2月1日(金)
@福岡 KEITH FLACK
Open / Start : 21:30 ¥2,000(前売/1D別) ¥2,500(当日/1D別)

チケット発売
オフィシャルHP先行予約 (抽選制) *1申込み4枚まで
受付期間:2018年11月23日(金)10:00〜2018年12月3日(月)23:00
名古屋 / 大阪 / 東京公演: http://eplus.jp/kidfresino-hp/
福岡公演: https://t.livepocket.jp/e/21kfkf

一般発売:2018.12.15 (土) 10:00~
名古屋: e+(pre:12/11 12:00-12 23:59)・ローソン(L: 43485)・ぴあ(P:135-322)・会場
大阪: e+(pre:12/11 12:00-12 23:59)・ローソン(L: 52001)・ぴあ(P:135-753)
東京: e+(pre: 12/11 12:00 – 12 23:59) ・ ローソン(L: 75144)・ぴあ(P: 135-510)・岩盤 http://ganban.net
福岡: Livepoket http://t.livepocket.jp/ ・ ローソン(L: 82937)・取扱店舗

主催・企画 : Dogear Records / AWDR/LR2 / SPACE SHOWER MUSIC / Kieth Flack(福岡)
制作:SMASH
総合問合わせ:SMASH 03-3444-6751 http://smash-jpn.com/ https://smash-mobile.com/

PROFILE

KID FRESINO
キッド・フレシノ

1993年生まれ24歳。埼玉出身のラッパー、トラックメイカー、DJ。
JJJ、Febb とともに結成したヒップホップ・ユニット“FlashBackS”として活動。2013 年『Horseman's Scheme』でソロ・デビュー。
NYでの活動期間を経て、現在日本に活動拠点を戻す。
C.O.S.A.とのWネームアルバムのリリース、バンド編成での楽曲制作/ライブ、パーティー『Off-Cent』を始動させるなど、フリーフォームかつジャンルにとらわれない柔軟な活動に注目が集まっている。

公式アーティストページ
https://kidfresino.com/

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