2018/08/15 00:00

強くなっていくのを見てほしい──南端まいな、配信シングルをハイレゾ・リリース ソロ初インタヴュー 

元アイドルネッサンスの南端まいなが、8月15日にseven oopsのカヴァー曲『センチメートル』を配信リリースした。ソロとして歩みはじめる南端の気持ちと歌詞がシンクロし、ファンへの思いが込められた楽曲に仕上がった。ソロ初のインタヴュー、楽曲とあわせてじっくりお読みください。

南端まいな / センチメートル

【配信形態】
24bit/48kHz ALAC / FLAC / WAV / AAC

【価格】
単曲 540円(税込) 

【Track List】
01. センチメートル
【公式】南端まいな『センチメートル』MV Full ver.
【公式】南端まいな『センチメートル』MV Full ver.

INTERVIEW : 南端まいな

黒髪ロングからボブにヘアスタイルが変わり、新しい一歩を踏み出した彼女の思いが『センチメートル』に込められている。グループ活動、解散、空白の時間、不安や戸惑いを越えて現在に至るまでの質問や疑問に、南端まいなは全力で話してくれた。

インタヴュー& 文 : 田尻菜穂子

もう辞めておこうかなって考えていたこともありました

──ソロで活動するにあたって、経歴というか活動してきた内容をざっと振り返りたいのですが、まずオーディションを受けたのが2013年の夏ですよね。きっかけはなんだったんですか。

南端 : きっかけは演技がしたくて、女優志望でオーディション受けさせていただいて。歌手目指してる方だったりモデルさんだったり、女優目指してる方だったりが受ける一斉オーディションを受けて、オーディションには落ちてしまったんですけど、一緒にアイドルグループを立ち上げるのでやりませんか? ってお話をいただきました。

──女優志望からアイドルをやってみようと思ったのはどういう心の変化ですか?

南端 : もともとアイドルを見たりしてなかったんですけど、歌を歌ったり、ダンスをしたり、演技をしたりっていう、アイドルっていろんなものができるな、いろいろ勉強をしてみたいなと思ってアイドルの話を受けさせていただきました。

──歌もダンスも未経験だったんですよね。

南端 : はい。

──そう考えると、アイドルネッサンスは踊って歌えるグループですよね。候補生から正規メンバーに選ばれて、デビューしてからも大変だったんじゃないですか。

南端 : 候補生の時がいちばんレッスンが大変で。身体のトレーニングだったり、インナーマッスルを鍛えたりボイトレだったり、結構ハードにやってました。私はダンスが未経験だったのでいろいろと先生に教えていただいて、徐々に踊れるようになっていったって感じです。

──それまでスポーツ経験は?

南端 : テニスとバスケを習ってました。球技だけ運動神経がいいです(笑)。

──アイドルネッサンスのメンバーで同じく未経験の人はいましたか。

南端 : 茉凜(宮本茉凜)が歌もダンスもやったことがなくて、茉凜と私は結構大変でした。

──じゃあ2人で切磋琢磨しつつやってきたんですね。

南端 : やってきました。

──アイドルネッサンスとして4年間活動して、今年の2月24日に解散ライヴがありましたが、最後のMCで一人ひとり最後の挨拶をしてましたよね。南端さんは「アイドルネッサンスがいちばん自分らしくいられるところです」って言っていたのがすごく印象的でした。

南端 : メンバーは同い年や近い年齢が集まっているので競争する部分もあったんですけど、すごい仲がよくて。本音や夢を語ったり、相談したり、グループをもっと大きくしていくために話しあったりと、一生懸命になれていちばん自分らしくいられる場所だなと思って言いました。

──「いちばん自分らしくいられる場所」が、その日で終わってしまうという悲しさはありましたか。

南端 : ありました。ただ、最後のMCで今まで言えなかった部分とか、口にしてこなかったことを言ったのですっきりはしました。

──新しくスタートしたブログでは「解散後は、今まで活動してきた中で得たものが、私の中で大きすぎて、活動自体を辞めようかと思っていました」という箇所に衝撃を受けました。

南端 : 自分の中で生活の半分以上がアイドルネッサンスだったことが大きくて。アイドルネッサンスのことを毎日考えて生活してきて、アイドルネッサンス候補生になってからブログを毎日ずっと書いていたんですけどそこもなくなってしまったし、土日はライヴだったりレッスンをして過ごしていたことが自分の中で大きすぎたので、これからどうしようかな? って卒業後にすごく考えて、もう辞めておこうかなって考えていたこともありました。

──解散してからの未来については誰かに相談されていたんですか。

南端 : お世話になっていたスタッフさんが支えて、動いてくださっていました。

──南端さんのご家族はどうだったのでしょうか。

南端 : 家族は私がやりたい方向に行けばいいんじゃないかって言ってくれました。この4月から大学生になったんですけど、大学に行くことと、次にどうしていこうかっていうのを2つ同時に考えなきゃいけなくなったので、家族に結構相談しました。

──高校から大学へと環境が新しくなるタイミングに解散もあったので、日々いろんな考えがめぐったんじゃないですか。

南端 : はい。大学に入学した後もバタバタと忙しい中でこれからの話もさせていただいていたので、自分の考えがまとまらなくなったときには家族に相談して整理してました。

「責任感を持たないといけないんだな」ということ

──南端さんといえばラグビーが大好きで、アイドルネッサンスの頃からラグビー関連のお仕事が続いていた関係で、5月1日に個人Twitterを再開されましたよね。ファンのかたの嬉しい声とか多かったんじゃないでしょうか。

南端 : 嬉しかったですね。解散からの間はTwitterも何もなくて、芸能界を辞めるか続けるか、どうしようかなって迷ってるときにTwitterを再開して、ファンの方から「待ってるよ」とか、「また歌が聴きたい」とか、あたたかい言葉をかけてくださって、その応援してくださるかたの声が自分の中で大きくて、もう一度立ちたいなと思いました。

──Twitterの反応が後押ししたような感じですかね。

南端 : はい。いろいろ考えて、ここから発信していこうと決めることができてよかったと思っています。

──最初にオーディション受けたときは女優志望で、そこからアイドルとして活動して、その次の展望としてどんなことがしたいっていうのも決まっていたんですか。

南端 : 新しくやらせてもらえるのだったら、今までできなかったことにもっと挑戦してみたいと思いました。演技のお仕事を受けさせていただいたり、ラグビーのお仕事に関わらせていただいたり、喋りとかトークの勉強もしていきたいし、歌をもう一度イチから勉強して歌いたいというのが自分の中であったり、いろいろやっていきたいなとは考えています。

──オールマイティですね。演技といえば先日公開されたMV(CRCK/LCKSの「No Goodbye」)はおひとりでの出演でしたが、撮影はいかがでしたか。

南端 : ひとりで演技というよりもひとりでお仕事をすることがあまりなかったので、今回はすごい緊張しました。緊張したんですけど、監督さんにアドバイスをいただいたりとか、自分の知らなかったジャンルのいろんなことを教えていただいて「こうすればいいんだ!」って学ぶこともたくさんあって、いい経験をさせていただいたなって思います。

──今まではメンバーのひとりとしての責任だったのが、ひとりになったことで責任感の重みも全然違ったと思うのですが、不安や迷いはありましたか。

南端 : ありました。ひとりでやっていく不安がすごい大きくて。今もその不安はあるんですけど、「ひとりでできるのかな?」という迷いがすごくありました。今の道を決めたときもそうなんですけど、決める前の時期も「ひとりでやっていけるのかな?」という不安が大きかったんです。でも、大学生になったということもあって、今までメンバーに甘えてた部分を自分がもっとしっかりしなきゃいけないんだっていう、「責任感を持たないといけないんだな」ということがすごくわかりました。

──責任感が年を重ねることに身に付いてきた感じですか?

南端 : はい。大学生になったので!

──最初に書いたブログの最後に、「強くなる南端まいなを観て頂きたいです。」って書いてあったのも”新たな決意”なんだな、という気持ちがすごく伝わってきたのですが、具体的に「強くなる」とはどんなことを意味していますか。

南端 : 強くなるっていうのは、自分が戸惑っている部分、不安も緊張も超えていくために強くなっていくのを見てほしいと思ってブログに書いて。今までの経験で得たものを大事にしつつ、これから大きくなっていくために必要なことは変えて強くなっていきたいんです。変えるべきところは変えて、でも大事にしたい部分は本当に大事にしますっていう意味で書きました。

全部この歌ったものに込められているなとは思います

──そして、ひとり=ソロでやっていこうと決めて、8月15日に配信シングルをリリースされるんですが、この曲はどなたが選んだのでしょうか。

南端 : どうしようか悩んでいる時期を知ってくださっている、新しくお世話になるスタッフさんからの提案でした。この曲の歌詞とか情緒が私の今の気持ちを語ってくれているなと直感したそうで、私が次のステップとして踏み出すときの世界観としてちょうどいいんじゃないかということでした。

──この曲は知っていましたか。

南端 : 聴いたことはありました。でも、実際にしっかり聴いたことはなくて。初めて聴かせていただいたときはすごい切ない曲なんだなとしか思わなくて、でも歌詞の意味とか、私と共通する部分を考えていったときに自分のなかでストンと落ちて、待っててくださるみなさんに届けられる力のある楽曲だなとすごい感じて、この歌を自分の今の感情だったり、それまでの感情のごちゃごちゃしたものを全部詰め込んでみなさんに届けたいなと思って一緒につくらせていただきました。

──たしかに、南端さんの気持ちに置き換えられそうな歌詞が多いですよね。感情のごちゃごちゃしたものがこめられているんですか。

南端 : はい。この曲を録っていたときはまだお話をしていただけの段階だったので、何も決まってない段階で録らせていただきました。そのときに迷っている気持ちを歌に乗せて録っていただいたのと、今もひとりっていうのに迷っている部分だったり、不安だったり、でも早く皆さんに届けたいっていう楽しみな気持ちが全部この歌ったものに込められているなとは思います。

──ソロ・シンガーとしてやっていくかどうかのタイミングで。

南端 : はい。

──録ったものを聴いてみてどうでしたか。

南端 : まず、自分で聴いて「自分の声ってこんな感じなんだ」って思いました。ひとりで歌っているのが新鮮すぎて。今までアイドルネッサンスでやっていたときは、ハモを歌ってたりとか、主メロを歌うことがあまりなくて、自分の声はアイドルネッサンスの一部。一部。一部。みたいな感じでつくられてるものなんだなと思っていたんですけど、初めてひとりで歌った自分の声を聴いて、「自分てこういう声なんだな」と感じた部分とか、客観的に聴いてみて、こういう風に届けられるんだなって感じました。自分でしっかり初めて聴いたので驚きました。しばらくしてから最終的に完成したものを聴いたんですけど、カバー元のseven oopsさんの曲とアレンジが変わっている部分があって、自分の声以外のバックの音が自分の気持ちをすごい表してくれていて。この曲を届けたい思いが自分の声だけじゃなくてバックのアレンジからもすごく伝わってきて、より頑張ろうと思えました。この一曲で私の思いがほんとうに届けられるんじゃないかな、届いてほしいなって思います。

──リリースから3日後、8月18日の音霊のイベントでソロ初お披露目、になります。今の気持ちはどうですか?

南端 : 1日過ぎていくごとに緊張と不安が増していきます。発表した後に、行くよ!ってコメントくださる方がたくさんいて嬉しいなと思うんですけど、いろんな感情が溢れ出て、ファンの方の顔を見たときに自分が涙が出ないかどうかだけ、すごく心配です。アイドルネッサンスのときもそうだったんですけど、お客さんの顔を見ると安心して、大きいワンマンのときも緊張して、間違えたらどうしようとか、いろいろごちゃごちゃしてるんですけど、パッと出た瞬間に安心する。安心してしまって、いつも顔がニヤッてなってしまうんですけど、今までこんな長い期間お客さんの顔を見なかったことがなかったので、今まで解散してから迷いとか不安とか、それでも頑張っていきたいなっていう思いを一曲のなかにどうやって皆さんに届けたらいいのかなって。でも楽しみがすごいです。楽しみと不安と緊張でいっぱいです。

──半年ぶりですもんね?

南端 : はい。ぜひ来てほしいです。精一杯の、今の自分のすべてを歌に出したいなって思っているので、頑張って練習中なので、考えたりしているので、ぜひ観に来てほしいなと思います。

──今後はオリジナル曲も歌ってほしいと思ってる人も多いと思うのですが、ご自分で作詞作曲したいと思ったりしますか?

南端 : します。解散ライヴが2月24日で、その前の2月21日が私の誕生日だったんです。2月のうちに生誕祭を開催してオリジナル曲をつくってみたいと思っていたんですけど、それが結局できなくてグループが終わっちゃったので、今後できたらいいなと思います。

──作ろうとしていたんですか?

南端 : してました。でもできなかったです。

──歌詞を書き留めたりとか、メロディーを作ってみたり?

南端 : していました。していたんですけど、表に出せずに不完全燃焼でした。

──ということは、今は結構ストックがあるんですか。

南端 : そうですね。でも、だめです。しっかり勉強してからじゃないとだめだって自分で思ってるので。

──いつから始めてたんですか。

南端 : 去年の生誕祭の日に、来年は自分で曲をつくって歌いたい、歌いますと宣言してから作り始めていたんですが、叶わず。

──いつか聴かせてくれるのを心待ちにしていますね。では最後に、待っていてくれたみなさんへのメッセージをいただけますか。

南端 : まだ動き出したばかりで、これからもっと勉強していかなきゃいけないことがたくさんあるんですけど、今決まっているライヴ、そして配信曲、これからのお仕事も、私の今の精一杯をそのときそのときに詰め込んで行けたらいいなと思っていますので、応援よろしくお願いします!

LIVE SCHEDULE

tvk「ミュートマ2」presents 帰ってきた アイドル・オン・ザ・ビーチ in 三浦海岸

2018年8月18日(土)@音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2018
(オープニングアクトとして出演)
開場:14:00
開演:14:30


PROFILE

南端まいな

2018年2月に解散したアイドルグループ「アイドルネッサンス」のメンバーとして2014年5月にデビュー、約4年に渡り活動。Zepp DiverCity TOKYO、ディファ有明でのワンマンライブを成功させ、CD、配信合わせて15作のシングル、1作のミニアルバム、2作のアルバムをリリース。
2018年8月、配信シングル「センチメートル」をリリースし本格的に活動を再開。 ラグビーをこよなく愛する18歳。

>>Twitter

この記事の筆者

[インタヴュー] 南端まいな

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