大躍進をみせるCHAIがコンプレックスを持ち続けるワケ──「我がまま」な自分らしさを肯定する新EPリリース

双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、『NEO - ニュ ー・エキサイト・オンナバンド』、CHAI。数々のイベントや大型フェスに出演し、2018年には2度目の〈SXSW〉への出演やアメリカ西海岸ツアーも敢行するなど、まさに波に乗っている彼女たち。この勢いをさらに加速させること間違いなしの新EP『わがまマニア』が2018年5月9日(水)にリリースされた! この発売に合わせてOTOTOYではCHAIへのインタヴューを掲載します。2度目のアメリカ・ツアー、新作『わがまマニア』について、そして“わがまま”であることのすばらしさを語ってくれた!

2018年、大注目バンドの最新作!

CHAI / わがまマニア



【価格】
1,600円(+税)

【品番】
CHAI 006

【発売元】
OTEMOYAN record

【収録曲】
1. We Are Musician
2. アイム・ミー
3. フューチャー
4. FAT-MOTTO
5. Center of the FACE !

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※今回、OTOTOYでの配信はございません。

INTERVIEW : CHAI

CHAIの躍進がすごい! もう毎日CHAIのニュースがあって、その度にうれしくなってしまう。この躍進の要素として、もちろん彼女たちの愛らしさ、メッセージ、佇まいなどもあるけれど、なによりもびっくりするほど曲がかっこよくて、ライヴが最高だってことを忘れちゃいけない。このインタヴューでも、「CHAIは、ミュージシャンですよ」だって。アイドルでも芸人でもなく、ミュージシャンってことだ。当たり前だけど、とても大事な部分だよね。さぁ、さぁ、この躍進はもう止まらないぞ!

インタヴュー : 飯田仁一郎
文・構成 : 北村奈都樹
写真 : 鳥居洋介

2度目のアメリカ・ツアー、CHAIはなにを感じた?!

──2年目のアメリカ・ツアーはどうだった?

マナ(Vo.&Key.) : ぜんぜん違った! 今回はアメリカで〈BURGER Records〉からアルバム(『PINK』)をリリースしてからはじめてのツアーと〈SXSW〉だったの。だから「日本人だから」とかではなくて、ちゃんとミュージシャンとしてのCHAIがいいと思ってくれていて。そういうふうに実感できる環境がたくさんあった。

ユウキ(Ba.&Cho.) : 前回は《Japan Nite》だったからどうしても「日本人」という見られ方をしてたの。

《Japan Nite》
〈SXSW Music Festival〉で行われる日本人アーティストのショーケース・イベント。
過去には、NUMBER GIRL、LOVE PSYCHEDELICO、氣志團、ELLEGARDEN、チャットモンチー、OKAMOTO'Sなども出演している。

──そうなんだ!

ユウキ : それこそ、「去年CHAIを見たから今年も来たよ」とか「4時間かけて来たよ」とか、CHAIを知っててきてくれたお客さんがいて、去年と違う環境でやれた。歌ってくれてる人がいたりとか。

──今回アメリカ・ツアーに行った目的は?

マナ : やっぱりグラミーをとりたいから!

──なるほど。近づいてる感じはしますか?

マナ : 全然してないんだけど…(笑)。

ユウキ : やっぱりアメリカに行ったら行ったで、グラミー賞は遠いんだっていう実感が湧いた。日本にいると、遠すぎて実感がわかなくて曖昧だけど、アメリカに行ったらグラミーがすごい賞として存在してる意味もわかった。みんなが目指して、挫折する人もたくさんいる、ということを実感した。

──今回は1回目よりも冷静に、自分たちの音楽をみることができた?

マナ : いっつも冷静じゃないんだけど、地面歩いたかなって感じかな。ちょっとだけね。

──どうやったら取れると思う?

ユウキ : いい曲をつくること。

──ライヴを良くするんじゃなくて、曲自体の強度を上げよう、と。

マナ : すごくいい曲だったら、どんな場所でも環境でもよく聴こえるの。どこにいっても勝てる曲じゃないと通用しないし。だからその両方が欲しくなったから、曲自体を極めようと思った。

──それはどういうところで気付いたの?

マナ : アメリカに行って、スーパーオーガニズムとかESGとか普段聴いてるアーティストのライヴを観にいって。ライヴも素晴らしいんだけど、耳で聴いてもいいし、クオリティが違かった。人が集まるものってこういうものなんだなって思った。

カナ(Vo.&Gt.) : 余計にグラミーを獲りたいって思った。

──この1年で、気持ち的に変わったこととかありますか?

ユウキ : ずっと変わんないことの方が多いかも。なんだろう…… ずっと外タレ精神でライヴをしてる(笑)。外タレの精神で行ったら、アウェイとか関係なくみんなを盛り上げられるって思う。そういう部分は変わってないかな。

──外タレの精神って?

カナ : 日本人って「なんかすいません」って、謙虚になっちゃうじゃん。でも、ステージに立ったらそんなこと言ってられない。だもんで、アメリカ人の気分でやったら「うわー」ってなれる!

──外タレの精神を知れたっていうのは、アメリカでライヴをやったから?

カナ : それもあるかもだけど、先輩のバンドとかとライヴをやったり大きなステージでライヴをしたりするようになって、その部分は強くなったかも。いつでもアウェイの方が、気持ちも強く入れられる。

ユウキ : 「失礼します…」じゃなくて、「私だ! CHAIだぞ!」みたいな。(笑)

ユナ(Dr.&Cho.) : アメリカに行ってそういう環境でライヴをしたら、日本の環境ってすごいんだなって思って。どう考えても狭いじゃんみたいなステージとかがあって、ドラムの椅子から落ちたこともあるし。環境が万全じゃない状態でツアーを回れたことで自信と、どこでもやっていけるぞっていうタフさがついたと思う。

コンプレックスは、持ってていいものだと思ってるから持ち続けてる

──なるほど。『わがまマニア』の話に移りたいんだけど、このアルバム・タイトルの意味は?

ユウキ : 「わがまま」って悪いイメージがあるけど、本当は「我がまま」だから、自分が自分らしくあるのが1番かわいいよってことを伝えたい。

──前回のアルバム『PINK』からメッセージは変わってない?

ユウキ : 変わってない。コンプレックスがあるかないかとか関係なく、自分は自分だよって。

──いまのCHAIみたいにステージが大きくなっている状況になると、コンプレックスは減ったりするの?

ユナ : 全然減らないよ。

カナ : 減らなくていいかなって思ってる。

──むしろ減らなくていいと思ってるんだ。

マナ : 減っちゃうと人間変わっちゃうんじゃないかな。

カナ : コンプレックスは、持ってていいものだと思ってるから持ち続けてる。

──そうなんだね。アルバムのなかではどれが最初にできたの?

マナ : 「アイム・ミー」かな。


アイム・ミー

──この曲のコンセプトは?

マナ : 心地良さ。夕方の心地よさを目指した(笑)。

──もうちょっと具体的にないの(笑)? モチーフはない?

ユウキ : あえて言わなくていいかな(笑)。

マナ : モチーフは5つぐらいある!

──5つのモチーフを組み合わせて夕暮れ時に落ち着く曲にしたんだ。個人的には、前作の代表曲「sayonara complex」の次のフェーズにいったのかなって思ったけど。


sayonara complex

マナ : それよりかはハッピーかな。「sayonara complex」は悲しくしようとして作ったわけではないけど、なんとなくちょっとエモい感じになった。でも「アイム・ミー」はエモさを求めてなくてハッピーにした。

──歌詞は全部ユウキさんですが、この曲に関してはどういうイメージで作りましたか?

ユウキ : 「アイム・ミー」は“わがまマニア"っていうコンセプトに1番近い歌詞かな。「わがままなわたしだから可愛い」ってことを言いたかった。ダイエットのことじゃなくて、「ステーキにバター」みたいに油に油をのせて食べるような「これが好きだから好き!」ってことを歌詞にした。

──では、「フューチャー」はどういうイメージで曲を作ったんですか。

マナ : 対「人」がいるイメージで作った。たとえば、私たちがステージにいてお客さんが1万人ぐらいいる。私たちのことを1万人がみてくれてるところで、こういう曲をやったら超かわいいんじゃないみたいな。私たちが子供らしくみえるようなものを作りたくて。子供でいることがかわいいなって思う瞬間が多かったから、それを作りたかった。


CHAI/フューチャー

──子供らしくいることがかわいい?

マナ : メンバー4人が、すごく楽しく一生懸命演奏して、ワーってなってる。その子供っぽさが見えた瞬間って、私たちにとっていちばんかわいくて愛らしい瞬間だと思う。そんな姿が想像できるような曲を作りたかった。

──CHAIが目指す方向も同じ?

ユウキ : うん。楽しいって思ったら子供に戻るんだよね。それが1番出るときは、すっごいお客さんがいるときのライヴなの。

──先ほど出てきた“1万人"というキーワードは、いろんな大きいステージでやった経験から出てきたもの? いままでの曲は1万人っていうキャパシティにおいては強度が弱かったってこと?

マナ : そうではないかな。『PINK』までは耳で聴いていいイメージができるって感じだったけど、これは耳だけじゃなくて、いざライヴでやっても良いイメージで作った。

カナ : カナが弾いてるキーボードはそうだね。ドラムとかも。

──1万人の前でライヴをやってるイメージができる曲ってことですね。

マナ : そうそう。

──でも1万人となると、もっとシャープにスタイリッシュにしようと思うアーティストもいるじゃないですか。

ユウキ : うーん…… すましてるよりは、人間っぽくて中身までみえちゃう感じを出したいし、かっこつけはしたくない。

──なるほど。初期の曲のほうがそういう雰囲気が出しやすいのかなと思ったけど。

マナ : あれは違うかな。おもちゃって感じで、その場でしかない音楽。原点としてはいいけどそれ以上にはなにもない。いまはもうちょっとその部分を磨いてる。

──「フューチャー」の歌詞はどういうイメージ?

ユウキ : みんなで歌うイメージだったから、ロマンチックだけど元気で「CHAIの歌」にしようと思った。「グラミー賞に向かって自信を持ってどんどん行くもんで、みんなついてこい!」「CHAIを信じてついてこい!」ってことをいいたくて、タイトルも「フューチャー」にした。

──未来を想像させるものってCHAIにとってはじめての曲だと思いました。

ユウキ : 人に伝えるってことを考えて作ってたから、テーマを大きくしてみた。コンプレックスをもったままどんどんいくもんで、“自信とコンプレックスのある人間"を見てて! って感じにしたくて。そういうロマンチックなことも入れながらやってみた感じ!

──なるほど、「ついてこい!」と。「自信」というキーワードが出てきましたが、2年前に比べて自信はついてきましたか。

ユウキ : まだついてきてない部分もあるけど、ついてきた部分もある。なんていうか…… これから自信をつけていく私たちを見てて! って感じかな。

カナ : ステージに立つときに外タレの精神が強くなった(笑)。 気持ちも強くなったしね。あと、「もっと伝えたいから必死に演奏しよう」とか、そういう気持ちは大きくなったかな。

──「We Are Musician」はどういうイメージで作ったの?

マナ : カートゥーンネットワークがすごい好きで、あのイメージの曲がほしくて作った。

──リフもいいし、変な音がいっぱい入ってるし、かっこいいよね! ああいうのは誰のアイデアなんですか?

マナ : あれはエンジニアと一緒に考えた。

ユウキ : みんなでいっぱい喋って。

──いつもどういうふうに録音やミックスをしていくんですか。

マナ : 最初からずっと一緒にやっている今本修さんっていうエンジニアが天才だから。気も合うし、CHAIの遊び心もわかってるし、最新の音にも敏感だし、発想が天才的なの。

ユウキ : 遊び心がすごいあって、いくところまで行ってくれる。

カナ : そんなシンプルでいいの? って、逆に言われるくらい(笑)。

──CHAI的には入れて欲しいの?

ユウキ : 入れて欲しい。入れたうえで抜いたりする。

──ドラムの音とかもめちゃめちゃ凝ってるもんね。これはメンバーのアイデア?

ユウキ : こういうのがしたいって先に言って、やってもらうかな。

──CHAIにとってこういう音にしたいってあるの?

カナ : 曲によって違うけど、ベースとドラムの音にいちばんこだわってるかな。

──曲ごとに音のイメージは変えてるの?

カナ : そうだね。みんなでアイデアだして、「ドラムはこういう感じがいいね」って。


Center of the FACE !

それぞれのアイデンティティが必要ってこと

──ちなみにアルバム・タイトルは、『わがまマニア』ですが、CHAIのなかでいちばんワガママなのは誰ですか?

ユウキ : みんなワガママじゃない?

マナ : みんな基本的に自由だよ。鼻ほじりたいときはほじるし。食べたいものは食べたいときに食べる。ダイエットとか気にしないから。

──CHAIはみんなで共同生活を送ってるわけだけど、そのなかでイライラすることとかないの?

マナ : ワガママはないかもね。もし非常識だったら言うよ。

カナ : 4人で生活するなんて、気遣いがないと生活できないよ。

マナ : ルールは1個しかない。お風呂に自分が入った形跡を残さない。とにかく綺麗にする!(笑)

──わがままだけど、気遣いは必要ってことね。

ユウキ : わがままは「我がまま」の意味で言ってるから、気遣いは気遣いで別の問題なの。気遣いは大事だけど、ワガママでいた方がいいと思うし、どっちも大事。

──CHAIの音楽は、コンプレックスを持ってる人に対して「自分たちに自信をもっていいよ」って言ってるだけじゃなくて、周囲の人に対して「“我がまま”であることを認めてあげろよ」っていうメッセージもあるわけじゃないですか。その考え方が、ちゃんと4人の共同生活でも成立してるんですね。

ユウキ : その通り! それぞれのアイデンティティが必要ってこと。

──CHAIの曲は、コンプレックスを持ってる人が対象で聴いてしまいがちだけど、そういう人たちだけの曲じゃないですよね。

ユウキ : そう!

──では最後に、ワンマン・ツアーが決まってますが、どんなライヴにしたいですか。

マナ : まずは、はじめてのワンマン・ツアーだから、「CHAIは、ミュージシャンですよ」って感じを出したい。MVでも演奏シーンは撮らないって決めてるから、“変なダンサー”とか“変わったアイドル”とかって間違われることも多いんだよね。だから「私たちはミュージシャンだよ」「ちゃんと弾いてます!」ってことをまず1曲目から伝えたい。

ユウキ : 変わらずに、エンターテイメントにしたい。なんでもやりたいよね!

カナ : いつかドラムごと飛ぶから(笑)!

ユナ : ドラムとか飛ばしたいね! ピューンって(笑)。

過去作もチェック!

古→新

【過去の特集ページ】
・『Sound & Stomach / ボーイズ・セコ・メン』特集 : 東洋化成工場見学
https://ototoy.jp/feature/2017102505

・『Sound & Stomach / ボーイズ・セコ・メン』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/20170301007

・〈SXSW 2017 and US TOUR 2017〉ツアー・レポート
https://ototoy.jp/feature/20170403002

・『ほめごろシリーズ』特集 : レヴュー
https://ototoy.jp/feature/20170426002

・『PINK』特集 : インタヴュー
https://ototoy.jp/feature/2017102505

LIVE SCHEDULE

3rd EP『わがまマニア』リリース記念 Because ウィーアー・CHAIトゥアー 〜ワンマンだよ〜
2018年6月22日(金)@大阪・Music Club JANUS
時間 : OPEN 18:30 / START 19:00
2018年6月23日(土)@名古屋・JAMMIN'
時間 : OPEN 18:00 / START 18:30
2018年6月29日(金)@仙台・LIVE HOUSE enn 2nd
時間 : OPEN 18:30 / START 19:00
2018年7月1日(日)@札幌・BESSIE HALL
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
2018年7月7日(土)@福岡・DRUM Be-1
時間 : OPEN 18:00 / START 18:30
2018年7月12日(木)@東京・LIQUIDROOM
時間 : OPEN 18:15 / START 19:00

3rd EP「わがまマニア」リリース記念 Because ウィーアー・CHAIトゥアー 〜ワンマンだよ〜追加公演
2018年7月14日(土)@渋谷CLUB QUATTRO
時間 : OPEN 17:15 / START 18:00

【ツアー詳細・その他ライヴ情報はこちら】
http://chai-band.com/live

PROFILE

CHAI

ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、『NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド』、それがCHAI。

誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、2016年の春以降、突然いろんな人が「CHAIヤバい」と韻を踏みながら口にしはじめ、ある日突然ノンプロモーションなのにSpotify UKチャートTOP50に代表曲「ぎゃらんぶー」が突如ランクイン! (※最高位36位)。

2017年〈SXSW〉出演と初の全米8都市ツアーも決定し、4月26日にいま現在のCHAIのヤバさがすべて詰め込まれた2nd EP『ほめごろシリーズ』をリリース。

その常軌を逸したライヴ・パフォーマンスを観てしまった全バンドマンがアホらしくなってバンド解散ブームすら起こりかねないほど、彼女たちに触れた君の2017年度衝撃値ナンバーワンは間違いなく『NEOかわいいバンド』、CHAIだよ!

【公式HPはこちら】
http://chai-band.com/
【公式ツイッターはこちら
@2525_chai
【YouTube CHAI Official Channel】
http://www.youtube.com/c/CHAIofficial

 
 
筆者について
J J (JJ)

パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyのチーフ・プロデューサー。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。ototoyでは、リミエキのJJとして喋っている時は、JJ(Limited Express (has gone?))と記載しています。