2018/04/16 00:00

【REVIEW】ロックンロール覚醒──春ねむり、目覚めのシャウトを打ち鳴らす初のフル・アルバムをリリース

春ねむり

横浜出身のポエトリー・ラッパー、春ねむり。2016年10月に1stミニ・アルバム『さよなら、ユースフォビア』でデビュー、昨年6月に2ndミニ・アルバム『アトム・ハート・マザー』をリリースした。そして3作品目となる、初のフル・アルバム『春と修羅』が完成した。諸刃の剣のように近付けば危うく、力強さすら感じさせる彼女の言葉達は、ラップのリズムに隙間なく詰め込まれ、彼女独特のエモーショナルなサウンドへと変わっていく。さらに今作には客演として突然少年、NERO IMAI、リミックスとして長谷川白紙が参加している。音楽の新しい可能性を追求する彼らとの楽曲は、春ねむりの新たなバック・グラウンドを知るきっかけとなるだろう。そんな本作をより深く楽しんでいただくため、OTOTOYではレヴューを掲載することにした。

自身初のフル・アルバム!!

春ねむり / 春と修羅

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC

【配信価格】
単曲 250円(税込) / アルバム 1800円(税込)

【収録曲】
1.MAKE MORE NOISE OF YOU
2.鳴らして
3.アンダーグラウンド
4.春と修羅
5.zzz
6.ロストプラネット
7.せかいをとりかえしておくれ
8.夜を泳いでた
9.zzz
10.ナインティーン
11.ゆめをみよう
12.zzz
13.ロックンロールは死なない with 突然少年
14.zzz
15.夜を泳いでた (Nemu remix)
16.アンダーグラウンド feat.NERO IMAI (shnkuti remix)
17.鳴らして (長谷川白紙 remix)

春ねむり「春と修羅」 Music Video ティザー
春ねむり「春と修羅」 Music Video ティザー

REVIEW : 春ねむり 『春と修羅』

21歳、突如マイクを握り“うたう最終兵器”として活動をはじめたポエトリー・ラッパー、春ねむり。ポエトリー・ラッパー、トラックメーカー、シンガー・ソングライターなど、彼女の呼ばれ方や音楽的ルーツは様々だ。しかし今作は、全体的なサウンドとして、トラックよりもバンド・サウンドの印象が強く、ヴォーカルもよりロックな歌い方になっている。そして歌詞についても、前作では「こうなりたい」という吐き出すだけの“孤独”や“怒り”が印象的だったが、今作ではそうした“孤独”や“怒り”を受け入れたように感じる。

そんな春ねむりの集大成とも言える今作は、全17曲のフル・アルバムとなっている。M4タイトル曲「春と修羅」は宮沢賢治の文学作品からインスパイアされた渾身の1曲。激しくうねるシューゲイザー・ロックのサウンドに、“孤独”を歌う彼女が重なり、後半へ向かうに連れてそのエモーショナルさは更に加速度を増していく。M7「せかいをとりかえしておくれ」は、今作の中で一番ポップで、メロディこそないものの絶妙なバランスで非常にキャッチーな曲となっている。一度聴くと耳に残ってしまうこの感覚は、間違いなく新世代のJ-POPを予感させるだろう。

春ねむり「せかいをとりかえしておくれ」 Music Video
春ねむり「せかいをとりかえしておくれ」 Music Video

また今作には新曲のほか、永遠の初期衝動を感じさせるオルタナティヴ・ロック・バンド「突然少年」を迎えてバンド・アレンジされた、1stミニ・アルバム『さよなら、ユースフォビア』からの人気曲、M13「ロックンロールは死なない with 突然少年」が収録。トラックとは違う一発録りならではの疾走感や熱量、そして春ねむりの純粋さが更に引き出された音源となっている。

春ねむり「ロックンロールは死なない with 突然少年」レコーディングドキュメンタリー
春ねむり「ロックンロールは死なない with 突然少年」レコーディングドキュメンタリー

自分の中の感情を着実に自分の中へと落とし込んでいく、春ねむり。途方もない“孤独”や“怒り”を受け入れた彼女だからこそ、生み出せるエモーショナルさや言葉、サウンド、その全てを詰め込んだアルバムとなっている。彼女の心は、まさに“ロックン・ロール”そのものだろう。(text by 平野幸代)

『春と修羅』のご購入はこちらから

レーベル Perfect Music  発売日 2018/04/11

01. 02. 03. 04. 05. 06. 07. 08. 09. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17.

※ 曲番をクリックすると試聴できます。

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 250円(税込) / アルバム 1,800円(税込)
【配信ページ】
https://ototoy.jp/_/default/p/99733

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LIVE SCHEDULE

リリース記念インストア・イベント
2018年4月21日(土)@新宿TOWER RECORDS
2018年4月22日(日)@名古屋PARCO TOWER RECORDS
2018年4月24日(火)@京都ヴィレッジヴァンガード新京極店
2018年4月25日(水)@大阪・難波TOWER RECORDS

春ねむりpre.「ねむりりぱ! vol.4」
2018/05/12(土)@下北沢ERA
OPEN 23:30 / CLOSE 5:00
2000円(+1drink 600円 または +Free Drink 2000円)
出演 : NERO IMAI / quon6 / Kaine dot co / bridge 他
>>> イベント公式サイト

- 特典情報 -
4月11日(水)発売、春ねむり『春と修羅』(PMFL-9001/ PMFL-0008)を、
当日ご持参 or 会場にてご購入頂いたお客様に、先着でサイン入りポスター(非売品)をプレゼント!

- ご注意 -
当イベントは深夜公演です。18歳未満及び高校生以下の方はご入場出来ません。
当日会場にてIDチェックを行いますので、入口にて写真付身分証明書を必ずご提示下さい。

>>> その他詳しいライヴ情報はこちら

PROFILE

春ねむり

1995年生まれ、横浜出身のシンガー・ソングライター、ポエトリー・ラッパー、トラックメーカー。17歳からバンドをはじめ、シンセを担当。21歳、突如マイクを握り、“うたう最終兵器”こと「春ねむり」としての活動をはじめた。自身で全楽曲の作詞・作曲を担当している。活動をはじめて数ヶ月後には、正規音源未発売ながら〈BAYCAMP 2016〉にO.A.として出演。 また、音楽プロデューサー、蔦谷好位置氏とのコラボ曲「さよならぼくのシンデレラ」の制作では リリックと歌唱を担当。2016年10月、1stミニ・アルバム『さよなら、ユースフォビア』でデビュー。その後、デビュー3ヶ月でワンマン・ライヴをソールドアウトし、複数のフェス、サーキット・イベントへ出演。そして、活動開始から一年、2ndミニ・アルバム『アトム・ハート・マザー』をリリース。同作品が、2017年6月度「タワレコメン」へ選出。直後の夏には、オーディション優勝を経て〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017〉へ出演。9月には後藤まりことの共作シングル「はろー@にゅーわーるど / とりこぼされた街から愛をこめて」をリリース。デビューから1年の節目には、吉祥寺・武蔵野公会堂にて自身初となるホール・ワンマン・ライヴを成功させた。2017年11月、資生堂の医薬品リップクリーム「モアリップ」の Web CMに出演しリリックと歌唱を担当。12月からは3カ月連続自主企画〈冬の大三角〉を行い、ワンマン・ライヴをソールドアウト。2018年、東京女子流(avex)「ラストロマンス」を制作(作詞作曲編曲)するなど作家としても活動開始。3月、「auひかり」のWeb CMに出演しプロレスラーの蝶野正洋と共演。ラップとダンスを担当。これが新世代のジェイポップ、こころはロックンロール。

>>> 春ねむり 公式HP
>>> 春ねむり 公式Twitter

[レヴュー] 春ねむり

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