【ハイレゾ配信 / REVIEW】Superorganismが描き出すアクシデンタルなポップの質感

写真 : Jordan Hughes

ニューイングランド、ロンドン、ニュージーランド、さらにはヴォーカルは10代の日本系という…… その多様な出自と同様、これまたさまざまな要素が結びついたミュータントなポップ・ミュージックを生み出す新鋭バンド、Superorganism。エレクトロ的なビートの音作りと思いきや、ふと気づけばローファイ・ポップあり、サイケデリック・ロックの質感も、そしてはたまたカット&ペーストで文脈すらもズタズタにしつつもビビッドなポップ・ミュージックを作り上げてしまった初期のサンプリング・ベースのヒップホップを彷彿をさせるようなサウンドも。先日の来日公演も好評となった彼らの1stアルバムを配信開始! OTOTOYでは、そのサウンドの隅々までを覗き見ることのできるハイレゾ配信です!

ハイレゾ版&お得なCDと同様音質のWAV / FLAC / ALAC版を配信中

Superorganism / Superorganism【左パッケージ : ハイレゾ版】
【右パッケージ : CD音質版】

【Track List】
01. It’s All Good
02. Everybody Wants To Be Famous
03. Nobody Cares
04. Reflections On The Screen
05. SPRORGNSM
06. Something For Your M.I.N.D.
07. Nai’s March
08. The Prawn Song
09. Relax
10. Night Time

【配信形態 / 価格】
【左パッケージ : ハイレゾ版】
24bit/44.1kHz WAV / ALAC / FLAC
AC
単曲 410円(税込) / アルバムまとめ購入 2,601円(税込)

【右パッケージ : CD音質版】
16bit/44.1kHz WAV / ALAC / FLAC
AC
単曲 250円(税込) / アルバムまとめ購入 1,650円(税込)

REVIEW : Superorganism『Superorganism』

文 : 尾野泰幸


正直、目の前で何が起きているかわからないでいる。オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、韓国、日本と出自を異にするメンバーからなる8人組のバンドが、海を越えて作り出したこの音楽に対してだ。「そもそも“わかる”って何? そこに到達点はある? 何かを完全に理解することなんてできる?」そうSUPERORGANISMが、いたずらっぽいまなざしで発する問いに対して、わたしは何も答えを用意できなかった。いや、用意できる答えなど最初から存在しないのだろうか?

ポップを形作る、カット&ペーストの総体


この音楽は、インディー・ロックでありインディー・ロックでなく、サイケ・ポップでありサイケポップでなく、ヒップホップでありヒップホップでない。数秒ごとに目まぐるしく動き回るサウンドと、サンプリングの山、山、山。やっと捕まえたと思っても、この音楽は私たちの手からスルリと抜け出してしまう。一方向からの単純明快な説明など、彼らの音楽には必要でないようだ。とにかく、この「わからなさ」から出発しよう。きっと、入り口はそこしかない。そうだ! SUPERORGANISMの本作は「理解」から最も隔たったポップ・ミュージックなのだ。これが私が今、この文章を書きながら彼らの音楽を少しだけでも捕まえるために、ようやく出した答えだ。もちろん、今まで論じてきたようにこの解釈も、SUPERORGANISMの音楽にとっては大きな意味をなさない。それは、この音楽に対する「理解のような何か」でしかない。

わたしもあなたも、SUPERORGANISMが本作で無数に用意している音の、元ネタの結び目を探し、ひとつひとつ解いていかなければならない。これだけは確かだ。今からこの音楽を耳にするひとりひとりの解釈の総体がこの音楽を構築していくのだ。目的地をはじめから設定せず、「理解のような何か」を積み上げよう。常に固定せず、幾多の解釈へと開かれている音楽こそが、2018年以降のポップ・ミュージックとして相応しいと本作は伝えているのだ。

PROFILE

Superorganism

ロンドンを拠点に活動、イギリス、日本、オーストラリア、ニュージーランドという多国籍のメンバー8人によるバンド。フランク・オーシャンやエズラ・クーニグ(ヴァンパイア・ウィークエンド)が、Apple Musicのラジオ番組で彼らの楽曲をオンエアし話題を呼ぶ。2017年6月に両A面シングル「It's All Good」 「Nobody Cares」をリリース。9月にアークティック・モンキーズやフランツ・フェルディナンドが所属する英名門レーベル<Domino>と契約したことを発表。2018年2月にはアルバムリリース前にも関わらず渋谷WWWにて来日公演を行いソールドアウトとなった。3月にデビュー・アルバムをリリース。夏には早くもフジロックフェスティバルで2度目の来日公演を行うことが決定している。

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