改名で到達した新たな境地とは?──珠玉のロック・バンド、Koochewsenが初の配信限定リリース

Koochewsen(左からベントラーカオル、小林リヨ、西平匠杜、網走ぱうろ)

昨年10月にクウチュウ戦から改名したロック・バンド、Koochewsenが、初の配信限定シングルをリリース!! キラキラしたスペイシーでロマンティックなポップチューンと、歌謡曲と抒情的なサウンドをミックスさせたようなメロウなトラック。真逆の組み合わせで構成された1stデジタル・シングルを、愛の籠ったレヴューと合わせてお届けします。ちなみに今回の配信はiTunesとOTOTOY限定ですが、CDと同音質で買えるのはOTOTOYだけです! 要チェック!

新機軸を指し示した、バンド初の配信シングル!

Koochewsen / ヴィーナスの恋人/深海魚のマーチ

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC

【配信価格】
単曲 250円(税込) / アルバム価格 500円(税込)

【収録曲】
01. ヴィーナスの恋人
02. 深海魚のマーチ



【REVIEW】Koochewsen『ヴィーナスの恋人 / 深海魚のマーチ』

Koochewsenが新譜を出した。初の配信シングル、そしてバンド名を「クウチュウ戦」から「Koochewsen」に改めて初のリリース。同時公開されたMVでは、リヨ(Vo.)が美術も担当し、その独自の世界観に華を添えている。『バック・トゥー・ザ・フューチャー』に登場したギターを抱え、花束たっぷりのメガホンを片手に歌うシーンは、昨年9月の東京ワンマンを思い出さずにはいられない。

改名といえども、字面が変わっただけと言ってしまえばそれまでだ。しかしこれは間違いなく大きな変化だった。リヨは改名の理由を“バンド名に入った「戦」という漢字が持つ意味からの解放“だと言った。正直なところ1フォロワーとしては、戦わなくなったクウチュウ戦がどう変容するのか、不安の方が大きかったのだが、それは杞憂だったようだ。「意味から解放するっていうことで、これは必要なことだった。読みにくいとか、まあ確かに、色々あると思う。この名前は、今まで色々あった中で何年も続けてきたものだから、反発する人がいるのは当然のことだよ。だから、これから俺らがどう変えていくか。どうやってそれを塗り替えていくか。そこに良いものがあれば、名前なんて関係ない」改名直後のライヴでドラムの網走がこんなことを言っていたが、その言葉は本当のものになった。


Koochewsen / 愛去ってhealing(live @新代田FEVER 2017.9.28)

電撃的に発表された改名以降、Koochewsenは以前よりもより明確に「愛に向かう」という表現になっていった気がする。昔からこのバンドの根幹には常に「愛」が描かれており、その点は今までのアルバムでも変わらないのだが、Koochewsenになったことでその描き方はより決定的なものとなった。それはライヴ・パフォーマンスを一見すればわかることだと思う。ダイアナ・ロスの歌う「Ain't No Mountain High Enough」で登場したかと思うと、音の奔流で我々を包み込み、圧倒する。抒情的で暴力的なその体験は近接性を帯びているのに、眩しいぐらいの高みにあって、倒錯した不思議な高揚感をもたらすのだ。それはそこに溢れんばかりの愛情が満ちてるからではないだろうか。

本題に戻ろう。今回のリリースは確信的ポップ・ソングと、少し歌謡的な一面を持ったトラックの両A面シングル。真逆に位置するような2曲だが、ここでそれを提示することそれ自体が、Koochewsenというバンドの二面性を表しているように思える。

「ヴィーナスの恋人」は、金平糖のようなきらきらしたシンセが折り重なって心地よく耳に飛び込む、Koochewsenの新たなキラー・チューンだ。凄くポップでキュートなのに、日常のすぐ側にあるフィクション、どこか変わっているのにたまらなく安心するような、そんな不思議な郷愁感を聴き手に湧き起こす。一方、「深海魚のマーチ」は、ベントラーカオル(Key.)が作曲を担当した、メロウで心の深いところまで沈み込むような楽曲。リヨの叙情的な含みのある歌声、沈み込むような甘いベース・ライン、畳み掛けるドラミング、宝石のようなピアノ・ソロのすべてが、エモーショナルに我々を刺激する。

その2つは正反対で、むしろ両立できることの方が難しい。でも彼らはそれを為しえてしまう。1月のライヴはまさにその体現だったと言えよう。For Tracy Hydeの企画でシティポップを渇望するリスナーをあっという間に魅了したかと思えば、割礼との対バンでは本来のプログレッシブな妖しい魅力を存分に炸裂させ、耳の肥えたリスナーを唸らせる。やはりこんなバンドは他に類を見ないと思う。これからの彼らの未来にますます期待するばかりだ。(Text by 阿部文香)

レーベル fantastic planets/PTA  発売日 2018/02/02

※ 曲名をクリックすると試聴できます。


Koochewsenの過去作品はこちら!!

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LIVE SCHEDULE

〈『ヴィーナスの恋人/深海魚のマーチ』発売記念2マンライブ “We are from Venus”〉
2018年3月31日(土) @東京 下北沢SHELTER
時間:OPEN 18:00/START 18:30
w/Helsinki Lambda Club

先行予約の先着150名様に当日会場でKoochewsen秘蔵demo音源をプレゼント!
1.ヴィーナスの恋人(リヨ作成打ち込みdemo)
2.深海魚のマーチ(ベントラー作成打ち込みカラオケdemo)
3.愛去ってhealing(リヨ弾き語り)
受付期間:2/2(金)12:00~2/8(木) 23:00

>>MORE LIVE INFORMATION

PROFILE

Koochewsen

平成生まれのロック・カルテット。2008年、大学1年のリヨ(Vo,Gt)とニシヒラユミコ(Ba)が原型バンドを結成。2011年1月、ベントラーカオル(Key)加入。同年7月にリヨが突然ペルーに飛び、アマゾンのジャングルの奥で行われる神秘的な儀式に参加。その後、2012年3月までイギリス / オランダなど、ヨーロッパを放浪。2014年5月、アバシリ(Dr)が正式加入し、新体制のクウチュウ戦が誕生。
2015年5月に1stミニ・アルバム『コンパクト』、2016年1月に2ndミニ・アルバム『Sukoshi Fushigi』、8月に3rdミニ・アルバム『超能力セレナーデ』をリリース。2017年には独立し、1st love albumと銘打った『愛のクウチュウ戦』をドロップした。9月に東名阪でのレコ発ワンマンを大成功させたかと思うと、突如バンド名表記を「Koochewsen」に改名。今作は改名後初のリリース作品となる。

>>Koochewsen Official HP

>>Koochewsen Official Twitter

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レヴュー

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筆者について
阿部 文香 (阿部 文香)

1996年生まれの大学生。駒澤 零(こまさわ れん)って名前で絵も描いてます。Twitterは@ren_ren0824。

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