2018/01/24 19:00

高橋健太郎、橋爪徹と2017年のハイレゾを振り返り2018年を占う──OTOTOYトピック2018 ハイレゾ編

昨年末より掲載してきた音楽トピックをジャンルごとに振り返る「OTOTOYトピック2017」。ヒップホップ編、アイドル編、J-POP編、ロック編と続き、今回はハイレゾ編。“ハイレゾ音楽制作ユニット”として活動する音楽ユニット、Beagle Kickのプロデューサーであり、オーディオ・ライター、音響エンジニアとしても活動する橋爪徹を迎え、音楽評論家であり、プレイヤー、サウンド・エンジニアも務めるOTOTOYシニア・プロデューサーの高橋健太郎と、2017年のハイレゾ関係の動向を振り返り、今後のハイレゾを取り巻く環境を占う対談を行なった。

ハイレゾってなに? って方はまずはこちらのページをチェックです!

ハイレゾ対談 : 橋爪徹 × 高橋健太郎

高橋健太郎(以下、高橋) : 橋爪さんはオーディオ・ライターと録音と、どんなバランスでやっていらっしゃるんですか。

橋爪徹(以下、橋爪) : 現在は週4で働きながら、空いた時間でオーディオ記事を作ったり、OTOTOYでも配信しているBeagle Kickを和田(貴史)と一緒にやったりしているんですけど、もともと音響エンジニアとして2006年にセミプロでデビューして、10年くらいやっていたんです。それは音声専門だったんですけど、WEBラジオとかトークライヴとか、リーディングシアターの音響をやったり、フリーランスで声優さんとか芸人さん、アニメゲーム業界の人たちと色々やったりしていました。

高橋 : 音響のスキルについては、どこか学校を出られたんですか?

橋爪 : いや、完全に独学ですね。

高橋 : 橋爪さんはOTOTOYで精力的に配信して頂いていて、フォーマット的にもチャレンジングなことをされていて。

橋爪 : 768kHz/32bit整数というモンスター・フォーマットで配信させていただいています。一応、配信販売は世界初っぽいので。

高橋 : いやもう、ビックリしました。それ、うちで再生できたっけ? となって。橋爪さんがハイレゾに興味を持って制作しようと思ったのはいつからなんですか?

橋爪 : Beagle Kickは2013年からやっているんですけど、もともと私が声優になりたくて東京に来たので、ニコニコ生放送とかでオーディオビジュアルとか自分が好きな話題の番組をやろうかなという考えから、懇意にしていた作曲家の和田に「既存曲を提供してください」って話をしたら、著作権の関係で使えなくなってしまったので「新しい曲を作りますよ」って言ってくれたんです。そこで、どうせなら生楽器を使ってハイレゾでやりましょうっていう話になったんですよ。それで私の方から提案して作ったのが、1stシングル『Your Time』だったんです。M3という音楽系の即売会でもそこそこ反響があったので、ユニットとして継続していくことになって今に至るのがBeagle Kickなんです。

高橋 : フォーマット的には今までどんな変遷なんですか。

橋爪 : 最初は32bit-float/96kHzで、1stアルバムを2015年に出したときはもう32bit-float/192kHzで録っていました。それ以降はホールでDSD 5.6MHzを一発で録ったり、つい最近は32bit-integer/768kHzをやってっていう流れですね。

高橋 : DSD 11.2MHzはまだやってないですか?

橋爪 : まだやってないですね。

高橋 : 2017年はRME ADI-2 Proが出たじゃないですか? あれが機材的にはエポックだったように思うんですよ。

RME ADI-2 Pro
RME ADI-2 Pro
最大サンプルレート768kHzならびにDSDの再生/録音にも対応したAD/DAコンバーターであるだけでなく、USB DAC、USBオーディオ・インターフェイス、さらにハイエンドなヘッドフォン・アンプとしても最高品質を提供するデバイス。
RMEが新たに提唱するプラグ&プレイのコンセプトにより、ADI-2 Proは接続された端子に合わせて自動的に、AD/DAコンバーターやUSBインターフェイス、アナログプリアンプなどのモードを適切に切り換えて動作する。もちろん必要に応じてシチュエーションに合わせた詳細な設定調整にも対応!

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橋爪 : 11.2MHzも768kHzも対応していますもんね。和田が機材好きなので「ADI-2 Pro」を買って、768kHzをやってみたんです。今まで2回くらいホールでDSD 5.6Mzを録ってますけど、DA-3000でシンクさせてマルチトラックで録っていました。隣にADI-2 Proを置いてパラレルで11.2MHzで録る、みたいなことも今後はできるとは思います。

高橋 : 僕も買おうと思っていてまだ買っていないんですけど、ADI-2 Proを使って11.2MHzで録音するときのソフトウェアが未知数なので。

橋爪 : プロジェクトとしてはまだやってないですけど、Sound it!8 Proかバンドル版のSound it! 8 for ADI-2 Proを使えばできると思います。

MQA-CDの登場で、なにが、どう変わる?

高橋 : 誰かがノウハウ示してくれたら、買いたいなと思いながら、2017年は過ぎちゃったんですよ。それにしても、24bit/48kHzでハイレゾと騒いでいた頃からすると、隔世の観がありますね。OTOTOYは2009年にハイレゾ配信を、2年くらい遅れてDSDでの配信を始めて。僕もKORGのMR-2000Sを2台か3台持って行ってライヴ録音をやるようになったのが7年くらい前でした。2013年から年末に渋谷ヒカリエで「DSD SHOP」をやるようになって、2016年にそれを発展させた「ハイレゾフェス」を開催して。

それに関連して色んな企画をやったんですけれど、2017年は一休みというか、「ハイレゾフェス」をやらなかったんですよ。だから2017年のトレンドがどうだったのかというのは、今日、橋爪さんにお聞きしたかったところなんですけど。

橋爪 : 一通り振り返ってみたんですけど、もともと私が認知しているものと、ニュースサイトを見てみて、ざっと11個くらいあったんですけど、大きなトピックとしては3つくらいかなと思っていて。「MQA-CDの登場」「768kHz/32bitの音源が登場したこと」あとは、ストリーミング関係ですね。PrimeSeatでDSD11.2MHzの世界初ライヴ・ストリーミング配信が実現したっていうことと、あとはTIDALがハイレゾのストリーミングをMQAを使ってやってましたけど、MQAがDeezerともパートナー契約を結んだので、今後ストリーミングにもハイレゾが入っていくような流れが2017年にでき始めたのが一番大きなトピックかなと思いますね。ただ、CD音質ではやっとDeezerが日本に入ってきましたけど、MQAが日本のDeezerサービスに入ってくるかは未定なのでなんとも言えないところはあります。

高橋 : 2018年、日本でもMQAはかなり来る予感がありますね。

MQA
MQA(Master Quality Authenticated)は、メリディアン社が開発した音声コーデック技術。48kHz以上の情報を「ミュージック折り紙」と呼ばれる技術により、ノイズ・フロア以下のローレベル領域に畳み込む込むことでCD並の転送レートまで小容量化。同時にインパルス応答を大幅に改善させた。
エンコーディングは最大768kHzまでのマスターまで対応。MQA音源はFLACなどの既存PCMファイル形式のためMQAデコーダーが無くてもCD並の音質で再生互換性が確保されている。

橋爪 : いままでファイルとしてのMQAはどうしてもDACがないとフルデコードできないというのがあったんですけど、MQA-CDであれば、とりあえずCDとしては聴けて、MQAのエンコードを通しているから時間軸情報がシャープになっているんですよ。なので、同じ音源のCD版を聴くよりも一応音が良いです。デコーダーを持っていない人も結構良い音で聴けるし、デコーダーを持っていれば176.4kHzといったハイレゾに展開できるメディアなので。

高橋 : 16bit/44.1kHzで聴いても、時間軸的に整理されている?

橋爪 : そうですね。「本来はこういう音で録れていたであろう」という音に復元してくれてるんですよね。どうしてもデジタルフィルターとか通ると時間軸情報ってぼけちゃうので。それをピシっとすることで、音像のディティールが豊かになったり空間情報が精密になって、サウンドステージがよりリアルになるっていうところがあるものですから。今はまだジャズ・クラシックなど限られたタイトルですが、希望のあるメディアだなって思ってます。もちろん、Beagle Kickも2ndはMQA-CDで出そうと思ってるんですけど。

高橋 : フォーマット的には32bitの整数ですよね。DSD5.6/1bitも体験されていると思うんですけど、768kHz/32bitの方に可能性を感じることってあります?

橋爪 : 個人的には、DSDの音の方が好きですね。「今そこで鳴っている音」というか、卓で2ミックスで聴いてるリアルな音っていう気がするので。768kHzは“超正確無比”というか、ものすごくカチッとした音で、ここまでサンプリングを上げると結構滑らかな音になるんですよ。まるでDSDみたいな。でもDSDの音ではないんですよね。そこで本当に楽器の音の立ち上がり立ち下がりが精密になってくるので、「ここまでマイクで録れてたのか」っていうことがわかる音源になってますね。まあそれは32bitの効果もあるんですけどね。

高橋 : 僕もかなりDSD信者だったんですけど、家でもCDを聴くのでリアルタイムでDSD2.8に変換してくれるCDプレイヤーをずっと使っていて。ただ、変換するとやっぱり訛るので、パルス的な速い音源だとどうもグルーヴが変わっちゃう。

橋爪 : ああ〜それはありますね。

高橋 : それもあって、最近はあんまりDSD変換して聴かない方向になってきましたね。オーディオの世界では、2017年はESS Sabreの新世代のDACチップ、ES9028、ES9038のシリーズが話題でしたね。ES9038PROを搭載したOppoのSonica DACがヒット商品になったり。あと、僕個人では2016年にSOUNDWARRIORという日本のメーカーがリアルタイムでアップサンプリングできるDACを出していて、とあるオーディオ誌の試聴をブラインド試聴したら音も良かったんですね。しかも、それがリアルタイムのアップサンプリングもできる。そんなソースでもハード側で5.6MHzのDSDにアップサンプリングできてしまう。

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OPPO Digital Sonica DAC
>> 高橋健太郎のOTO-TOY-LAB──ハイレゾ/PCオーディオ研究室【第13回】 OPPO Digital Sonica DAC

橋爪 : たしか、11.2MHzまでアップサンプリングに対応してますよね?

高橋 : もとのサンプルレートが高くないと11.2MHzまではいかないんですよ。44.1kHzや48kHzだと、5.6MHzまでなんですけれど、ハード側でリアルタイム・サンプリングしてくれるんで、全然ストレスがないんですよ。ソフトウェア上でリアルタイム・サンプリングすると、結構PCの挙動が怪しくなるから、仕事中とかはやりにくいんですけれど、何も気にしなくていい。

橋爪 : 重いですからね、DSD⇒PCM変換は特に。

高橋 : そのSOUNDWARRIORのDACが値段も10万円切っているんで、買ってみたら、すごく重宝するようになった。YouTube見る時も常時アップサンプリングになって。で、使ってるうちに5.6DSDアップサンプリングよりも、なぜか、356DXDが好きになってきちゃったんですよ。ソースに対して無理がないからかもしれないですが、ともかく、このDACのお陰でアップサンプリングのことをごちゃごちゃ考えなくて済むようになりましたね。MQAもそんな感じになってくるんじゃないかな。ハイレゾだからこうとか、MQAを入れたからこうとか、セッティングを考えなくて良い時代になっていく。そうなって行かないと広がらないし。

橋爪 : USB-DACにはやっぱり一通り、世の中に存在する音源に対しては対応してほしいし、「どうせ音源が少なくて聴かれないだろうから」っていうことで、メーカーや音源を作る側が自らスペックを下げてしまうというのは、個人的には自滅行為だと思っていて。逆に音楽ソフトも、これでもかって、それこそ「誰が聴けるんだ!?」っていう超ハイレートで魅力的な音源を率先して作っていくことで、「こんな胸躍る楽曲が揃っているんだったら買ってみようかな」と思って欲しいので。当たり前のように機材側が対応していてほしいというのはありますね。

カラオケやスマートスピーカーにもハイレゾの波が!?

高橋 : 挑戦的ですね。いま、橋爪さんたちの楽曲制作のスタイルとしては、どういうパターンが多いんですか?

橋爪 : 基本的に音楽の実務的なことは和田にすべて任せているので、僕は「こういう曲にしたい」とか、レコーディングに同席してミックスやマスタリングに口を出すとかなんですけど、基本的には和田のプライベート・スタジオにミュージシャンを呼んでレコーディングして、マルチで録ってPro Toolsでミックスするという形ですね。Pro Toolsは192kHz/32Bit-Floatで やっています。

1stアルバムのときはちょっと実験的なことをやっていて、Pro Toolsでミックスは最小限に留めて、SSLの卓にマルチで立ち上げてそれをアナログアウトボードとかを使ってミックスしたものをDA-3000で5.6MHz DSD(2ch)で録るんです。その録ったものを32bit/96kHzにしてマスタリング・エンジニアに回して24bit/96kHzにしてもらうっていうことをやったんですけど、めちゃくちゃ良かったです。一度アナログ卓を通してアナログミックスしたものを5.6のDSDにして最終的にはPCMの96になったとしても、最終的なマスタリング結果はデジタルミックスしたものとは全然違ったので。

高橋 : 違いますよね、DSDの質感はかなり残りますよね。

橋爪 : 残ります、残ります。音がピュアかといえばそうじゃないんですけど、ただ人間が感じる音の良さっていうんですかね。圧倒的に卓でミックスした方が良かったですね。今回、2ndアルバムを2018年に作ろうと決めたんです。一部DSDもありますけど、PCMは全部192で作っていて。2ミックスを出して、外部のマスタリング・エンジニアに依頼することを決めてて。192のマスタリングを作りつつ、和田のスタジオでMQA-CD用の24bit/176.4kHzを作って出し、ハイレゾに関しては24bit/192kHzで出そうと思ってます。あと、もしかしたら実験的なことをやるかもしれないですね。

高橋 : どんなことをやるんですか?

橋爪 : またアナログミックスとかをするかもしれないですね。新曲は最低でも3曲入れたいねっていう話はしていて、それを全部PCMでやるのか、ホールで録るのか。スタジオでも一発レコーディングを768のときはやりましたし、何かしら面白いことはやるかもしれないですね。

高橋 : 自分たちの制作以外で、2017年に刺激を受けたことってありますか?

橋爪 : やっぱり、768kHzを作ろうと思ったのは、Lantisのプロデューサー・佐藤純之介さんが結城アイラさんのアルバムで、1曲だけ768kHz/32bitを作ってくれたんですね。それが恐らく世界初だったんですけど。雑誌付録という形で「Net Audio vol.27」に収録されたんですけど、e-onkyo musicではDXDまでで。それを聞いたときに「やっぱり佐藤さんが最初にやられたんだな」って思ったんですけど、第二弾は僕らがやりたいなっていうことで和田を口説いたんです。結果、和田自身がRMEのADI-2 Proを購入して1曲制作することになりました。その後、ご縁あって「RMEに是非来てください」という話になったので行って音源を提供して、色んなプロ向けのイベントとかオーディオ・イベントで、僕らの音源が聴けるようになっているんですけど、それが1番大きかったですね。それと、興味があるっていう側面では「ハイレゾカラオケ」が登場したことですね。

高橋 : へえ〜。

橋爪 : これはどういうものかというと、マイクに入ってきたアナログ音声を無線で飛ばして、デッキ側で192kHz/24bitでAD変換して処理しているんです。なので、音楽はCD音質のものをアップサンプリングしてミックスしているんですけど、192を処理するためにDSPの性能を上げたんですって。それによって、遅延なくすぐに返ってきて気持ちよく歌えるというものなんです。

高橋 : サンプリング・レートが上がれば遅延が減りますからね。

橋爪 : この対談が決まってから、八王子のカラオケに行ってきたんですよ(笑)。結論から言うと、正直すぐに隣に行ってハイレゾじゃないカラオケをやって比較しないと、わからないレベルの歌いやすさでした。ただ、ハイレゾカラオケのためにセットアップされたアンプ、スピーカーだったりが、従来の中域がモコモコしてもっさりしたカラオケの音に比べるとものすごくクッキリと声も曲も聴こえるんですよ。ワイドレンジで、特に低域の質感がリッチなんですよね。まるでリハスタで歌っているようなクリアな感じで返ってくるので、そういう意味で歌いやすさがあったんですよね。「カラオケボックスでこんなに綺麗に返ってくるんだ!?」って。

今はそのセットアップされた部屋を使うには500円の追加チャージがかかるんですけど、それがいずれ当たり前になって、音が良いカラオケが増えることによって、音楽を聴くのが好きでカラオケに行く人たちの耳が肥えるというか。普段日常的に聴いてる音がスマホや安価なイヤフォンだったりするわけで、カラオケに行くときくらいは、ちゃんとした音で聴けるんだったら、それはオーディオ文化にとっても多少の恩恵があるんじゃないかなって思いました。

高橋 : 他にはありますか?

橋爪 : 将来的に注目したいのは、スマートスピーカーです。今のところ、ハイレゾをストレートに再生できるスマートスピーカーはないんですけど、DLNA(Digital Living Network Alliance)のハイレゾのデータをロスレスで無線でスマートスピーカーに送って、スマートスピーカーの中で48kHz/24bitに変換して流すっていうのは、一応ONKYO製品だけ対応しているらしいんです。でも今スマートスピーカーってすごく話題になってるじゃないですか? 声で語り掛けてコミュニケーションができるっていうのがあるんですけど、普段音楽を聴かない人が聴くようになると思うんですよね。ストリーミングが中心ではありますけど。今まで聴かなかった人が気軽に聴けるってすごく大事だと思うんです。

そうやって入ってきた人が、スマートスピーカーを選ぶときに、たまたま良い音のスピーカーがあった、ハイレゾっていうのもあるんだ、ってどんどん音の良い音楽ソースに触れて行ってくれたとしたら、また今までのアプローチとは違ったオーディオへの入り口が出来てくると思います。古株のオーディオ業界の評論家さんとか業界人は「なんだあんなもの、どうせ音質なんて二の次だろ」って、揶揄している人もいるんですけど、僕なんかは「まず最初は掴みでしょ、音質なんかは後で良いんですよ」って思うし、スマートスピーカーは今後、ここ2、3年ですごく来るんじゃないですかね。

高橋 : 今、製品として出ているのはONKYOにあるんですか?

橋爪 : ONKYOで2種類、SONYで1種類、JBLで2種類。あとはオーディオ・メーカーじゃないところからいくつか出てますね。

高橋 : それは全部スピーカーの側でデコードしている?

橋爪 : そうですね。DA変換はしていますね。当然スマートスピーカーにハイレゾをネイティブに再生できる機能が出来れば良いですし、そういったオーディオとの親和性をもっと高めて、「たまたま買ったスピーカーが音が良かった、ハイレゾにも対応していた」というのがベストですよね。今までオーディオ機器なんか視界に入ってなかった人たちが、使ってみたくなるような導線ができるかもしれないなっていうところに、ちょっと希望を感じてますね。

高橋 : 結構カジュアルなものが好きなんですね?

橋爪 : いや、全然(笑)。僕は結構ガチなオーディオ・ファンなので、ちゃんとスピーカーで聴いてほしいし、アンプは最低でも20万くらいとかスピーカーもペアで20万くらいのものを買って欲しいなとかありますけど、ぶっちゃけこれだけ娯楽が多様化していてスマホでなんでもやる時代に、「10何万のアンプを買ってくれ」って言われても無理じゃないですか? なので少しでも入りやすい入り口を用意してキチンと導線を作って興味がある人を確実に引き込むようなチャンネルを作ることが大事だと思います。

これまでオーディオに興味がなかった人たちにも、アクセスできる方法を真剣に考えないといけないというか、僕はオーディオ人ですし、自分の好み以前に将来を救うために。正直、もう沈みゆく泥船に乗っていると思いますし、ハイレゾも含めて将来は明るくないと思っているので、もっと危機感を持ってオーディオを広めていく可能性の芽を感じられるようになりたいし、自分はそうありたいですね。

高橋 : じゃあ、個人として、最近のオーディオ機器、録音も含めてすごくインパクトがあったものってありますか。

橋爪 : 個人的には、Auro-3D(オーロ3D)が印象に残っています。所謂サラウンドフォーマットの1つなんですけど、今までドルビーデジタルとかDTSというのは、チャンネルベースのオーディオでした。そこにドルビーアトモスとDTS:Xが入ってきてオブジェクトオーディオになって、プラネタリウムみたいな半円球のところにクリエーターがどこでも音像を配置できるようになったんですね。Auro-3Dというのはあくまでチェンネルベースなんですけど、チャンネルベースにすることによってAVアンプ側で、アトモスとかDTS:Xのような高負荷な処理が必要なくなったので、ハイレートの音源を収録できるんです。

なので理論上は384kHz/32bitの9.1chまで行けるんですけど、もっぱら192kHz/24bitが最大のようです。なので、オブジェクトオーディオではできないハイレートなフォーマットをマルチチャンネルで収録して、それをチャンネルベースで鳴らすことができるんです。イベントとかで聴かせて頂いて、後ろの席だったんですけど、それでもビックリするくらいの臨場感で。スピーカーの配置のちょっと外の後ろ側だったんですけど、まるでコンサート会場の窓から漏れてくる音を聴いてるような臨場感だったんです。特に高さ方向の音場感が格別で。それはすごく面白いなと思いました。

高橋 : でも、それを家に入れようと思うと…。

橋爪 : 相当難しいと思います。天井スピーカーも難しいですけど、Auro-3Dっていうのは、ハイトスピーカーなんですよね。フロントハイトとリアハイトということで、サラウンドのさらに上に作る必要があるんですけど、なのでまあ、正直厳しいですよね。現実的にやるとしたら、フロントとリアのところにイネーブルを置いて天井反射でやるっていう形になると思いますけど。ただ、本来天井から聴こえてくる音ではないので。所謂リアハイト、後ろの方の上の方ですから、実現は難しいけど試みとしては面白いというか、今までになかった音楽を聴く上でのマルチ・サラウンドというか。ただ、音楽の試聴体験としては新感覚でしたね。DSPの演算によるバーチャル音場とは次元の違うものを感じました。全く別の臨場感というか。

他で言うと、ハイレゾ対応スマホが出てきたことも確認はしたんですけど、それに関しては正直出てきてくれて良かったというのはありますし、自分も雑誌でレヴューはしたんですけど、少なくともandroidはハイレゾが当たり前になって欲しいとは思います。やっぱり、いくつかある選択肢の中で当たり前のようにハイレゾが入っているっていう状況にしないと、「ハイレゾのために何万円か余分に払う」っていう世界だとどうしても敷居が高くなっちゃうから、もともとハイレゾを楽しんでいる人しか入ってこないと思うんですよね。

高橋 : iPhoneなんか3GSくらいの頃の方が音が良いですからね(笑)。

橋爪 : ははははは。iPhoneはこの前flac対応になったんですけど、やっぱり内部のチップがハイレートに対応していないので、ハイレゾ対応にはほど遠いというか。圧倒的多数の人がスマホで音楽を聴いているのに、まだこの状況なのかと。僕はオーディオの未来を守りたいという人間なので、そういう意味では今後ハイレゾ対応が増えて欲しいですし、当たり前になって欲しいですよね。アニメとか声優ゲームとのコラボは2017年はオーディオ・メーカーがかなり積極的にやっていたんです。もしかしたらオーディオや高音質音源にお金を払ってくれるかもしれないっていう人たちにもう少しアクセスできるようなことを、もっともっと考えて行きたいなと思いますね。

高橋 : なるほどね。

橋爪 : 2017年はアニメ・コラボ作品がすごく多かったんですよね。調べたら少なくとも11作品あって。ONKYOとかパイオニアとかSONYがほとんどですけど、DENONは声優さんとコラボしてヘッドフォンを作ったりしていて。所謂スマートホンの最初からついてるイヤフォンとか2、3000円のイヤフォンを使っている人たちに興味を持ってもらえるきっかけにはなるので、個人的にはさらに増えて欲しいと思ってます。

結局ハイレゾを取り巻く環境ってどうなんでしょう?

橋爪 : そういえば、OTOTOYさんに訊いてみたい話題があるんです。

高橋 : はい、どうぞ。

橋爪 : 2017年にVICTOR STUDIO HD-Music.とHQMストアが終了したんです。やっぱりハイレゾ配信サイトを続けるのって大変だと思うんですよね。どうしても1つのサイトに音源が集中すればそこでみんな買っちゃうし、慣れ親しんだところで買ってしまう。OTOTOYさんの場合は、インディー系も含めて色んな音源がありますけど、実際にHD-Music.とHQMが終わってしまったので、こういう状況を見ると配信サイトがいくつもあることに対してOTOTOYさんとしてどう受け止めていらっしゃるのでしょうか。

高橋 : OTOTOYのスタンスっていうのは、アーティストだったりレーベルだったり、クリエイター側がやりたいことができる場所を提供するっていうのがあるんですね。OTOTOYは前身のレコミュニ時代を含めると2004年からやっているわけなんですけど、ハイレゾっていうのはその中で出てきたトピックの1つで、それは僕らがスタジオで当たり前に聴いてきた音がどうして聴けないのかっていうところから始まって。たまたま僕がクラムボンのミトくんと友人だったので、お酒の場で「PCの中に48kHz/24bitのマスターがあるんだけど」「それ、そのまま配信できない?」っていうやりとりから始まってるんですよ。

だけど、アーティスト側も「出したいんだけど、出せない」という状況があって。その困難を取り除いていくことがOTOTOYの仕事だったりしたんです。「出したいものが出せる」という、それは別にハイレゾじゃなくても良いんですね。「こういうことをやりたいんだけど、できないだろうか」っていうときに、普通の大きな会社の既存の配信サイトやレーベルにはできないことをOTOTOYに持ってきてくれれば何かできるかもしれないっていう、そういうスタンスだったんですよね。

橋爪 : その中の1つがハイレゾだったんですね。

高橋 : そうです。だから、DSDを始めたのも、「サウンド&レコーディング・マガジン」の國崎晋さんにある日呼び出されて、「このままだとDSDは終わってしまう」という話で、DSD音源を作るから配信してくれないかって。「ちょっとそれはデータ量が…」っていう話だったんだけど、そう言われたらやらざるを得ないというか。「じゃあやってみましょう」みたいなことで始めているんですね。

レーベル Sound & Recording  発売日 2010/08/12

01. 02. 03. 04. 05. 06. 07. 08.

※ 曲番をクリックすると試聴できます。

それで実際やってみて、これは可能性があるという実感を得て、僕らでもDSDのライヴ音源を作ろうとか、DSD SHOPを作ってDSDのプロモーションに努めようとか、そういうスタンスでやってきているので、根幹にあるのは「他でできないこともOTOTOYだったらできますよ」っていうことなんですよね。とはいえ、11.2MHzとか今までにないフォーマットを持ってこられたら、まずは「ウッ」って思うんですけれど (笑)。

橋爪 : 確かに。「1曲1Gですけど」みたいな(笑)。

高橋 : 「うちのサーバー負荷が…」っていう話になるんですけど(笑)、でも持ち込まれたらもうやるしかない。

橋爪 : いやぁ〜その気概は本当に素晴らしいです!

高橋 : 持ち込まれた瞬間にはこちら側にも用意はないわけです。11.2MHzなんて、配信する側の人間が聴けない状況のものがいきなり来ちゃうわけですよ(笑)。まずは聴けるように最新のDAC買わなきゃいけない。でも、11.2MHzで録るとなると、Pyramix以外ではできなかった。じゃあPyramix買う? みたいなことになる。

橋爪 : ははははは。

高橋 : 個人ではPro Toolsに2〜300万払った後に、さらにPyramixに3〜400万円ってちょっと無理だったんだけど、でも2017年にRME ADI-2 Proが出て、急に敷居が下がった。もうアマチュアでも11.2MHzで録れる可能性が出たから、それがOTOTOYに持ち込まれるかもしれない。面白いですよね。僕も2018年にはRME ADI-2 Proを買って、11.2MHzでマスター作ってみようかと思っていますし。OTOTOYとしてはそんな感じで、新たにチャレンジングなことが出てきたら、「とにかくOTOTOYならやりますよ」と。2018年もそういう姿勢で続けていくと思います。

橋爪 : まさに駆け込み寺みたいな感じになりますよね。

高橋 : それはOTOTOYがもともと持っているインディー精神というか、OTOTOYをやっている人間自体がインディー・レーベルでバンドをやっているような人間なので、そういうところの精神がハイレゾというものとたまたま組み合わさって、ここまで来たんでしょうね。

橋爪 : そもそもハイレゾ専門サイトということではないし、(VICTOR STUDIO HD-Music.とHQMストア等)いくつかの配信サイトは終わってしまったけれども、OTOTOYにしかできないことがあるから、それに対して精力的に取り組んでいくことでOTOTOYは続けていけるんだろうなっていうのは今思いました。

高橋 : 実際のところ、OTOTOYの売上ってかなりハイレゾが占めてるし、OTOTOY自体がここまでこれたのは、いち早くハイレゾをやったからだと思うんですよね。ただ、「ハイレゾ配信サイト」とは中の人間は誰も思ってなくて、それよりは「この音楽を売りたい」とか、そっちの方が大きいと思いますけどね。ただ、「CDじゃなくて配信で買ってもらう」「CDで出来ないことをここだったら実現できる」っていうときに、どうしてもハイレゾになっちゃうんですよね。

橋爪 : まあそうですよね。今更MP3でどこまでの音質が〜、とかやる意味がないですもんね(笑)。やるんだったら上の方ですよね。

高橋 : そうですね。

橋爪 : OTOTOYの他にもハイレゾ配信サイトってmora、e-onkyoってありますけど、実際はもっとあって、乱立する中でそれでも役割分担があるとするならば、たとえばPCで買う人に向けたサイトとか、スマホで買う人に向けたサイトとか、購買層が集まるデバイスに向けて特化するっていうのは全然あって良いと思っていて。あんまりありすぎても買う方としてもリスナーとしてのメリットもないので。もう少し整理されても良いかなっていうことは思います。

高橋 : 必ずしもハイレゾっていうことではないけども、単にファイルを売るだけじゃなくて、それを音楽ファンがどう日常的に聴くか、いかに楽しい環境を作るかっていうところをOTOTOYではやりたくて。それでスマホのアプリを作って、ファイルを買った瞬間に、PCへのダウンロードを待たず、スマホで聴けるようにしたり。あと、今作っているのは、OTOTOで買ったものは、PC上で自分の棚に並んでいて、いつ何を買ったかOTOTOYに行けばすぐわかるっていうもので(OTOTOYの新機能「Collections」)。

OTOTOYの新機能「Collections」
Collections画面
OTOTOYに新たに加わった主にパソコンのブラウザ上で使える新機能です。これまでお客様がOTOTOYで購入 / フリーダウンロードした音源を、ログインするだけでいつでもブラウザで再生、さらに再ダウンロード(一部の再ダウンロード制限パッケージを除く)が簡単にできます。

>> 「Collections」について詳細はこちら

橋爪 : それはとりあえずは、ロッシー圧縮だけども、ただ自分が買ったものがCDだろうが圧縮音源だろうがバーッと出てくるっていうことですか?

高橋 : そうです。今はストリーミング・サービスで何でも聴けるような時代になりましたけど、自分が所有しているものをパッと聴くのって、自分でも何を持っていたかわからなくなったりして、意外に難しいじゃないですか。それが常に棚に整理して置いてある状態になる。あと、いつ買ったかがわかるのって結構良いんですよ、思い出的に。そういうサービスをこれから予定してます。そこから将来的にハイレゾでストリーミングできればもっと良いと思いますけどね。

橋爪 : それこそ、MQAの出番ですよね。これから回線が太くなって、革新的な可逆圧縮のコーデックが登場すれば、どんどんハイレゾで配信できるようになりますよね。

高橋 : 今はあまりにもフォーマットが色々ありすぎて、音楽を聴く方法がありすぎる。僕も家ではアナログ盤も聴くし、CDも聴くし、ファイルも聴く。Apple MusicやSpotifyを立ちげて、ストリーミングも聴くし(笑)。すべてのフォーマットに手を出しているから、どこかのマニアになりきれないんですよね。これをもう少し整理しないと、自分でも訳分からなくなる。今はカセット専門のショップとかもあるし。一般の人からすると、どこに入っていったら良いんだろうっていう時代だと思うんですよね。僕らはたまたま配信サイトっていう立場ですけど、そういうサービスを作っていかないと、一般の人には音楽を聴くということ自体がわかりにくい世界になってしまうと考えているんです。

橋爪 : そうすると、スマホで圧縮音源でいいか、あるいはネットで違法動画でいいやっていうことになっちゃうんですよね。

高橋 : そうそう。そうじゃない、自分のこだわりのものが手に取れる世界があったらいいなって思いますね。

橋爪 : これからの時代やるんだったら、クラウドとの連携のシステムにしないと無理でしょうね。僕の世代だとやっぱりネットワークオーディオでハイレゾに入ってきた人間なので、正直NASを中心としたシステムにしたいんですけど、でも今の人にNASを買ってルーターを買ってネットワークを組んでくださいっていうのはハードルが高いと思います。そうなると例えばミニコンポにスマホをかざしてアカウント情報を送ってあげればクラウドにある自分の音源がどこからでも聴けるとか、そういったありとあらゆる場所で自分のお気に入りのライブラリにアクセスできて、たまたまそれが音が良いっていう状況を、オーディオ側が作っていかないといけないと思いますけど。

高橋 : NASにハイレゾ音源を収納するのは所有欲を満たすという意味では良いですし、音質的にはCDを聴くより良いですよね。ただ、これもキリがない世界にはなる。

橋爪 : 今のところ私のNASは2テラでまだ一杯になってないですけど、将来的に11.2MHzとかもっとハイレートの音源が当たり前にになってきたら、一杯になっちゃいますよね。

高橋 : 僕も2テラのNASですけど、入れような入れまいか毎回悩むじゃないですか?「このデカいの入れようなかなどうしようかな」って。それもどうもね(笑)。

橋爪 : PCMに関しては、僕はMQAにほれ込んでいるので、MQAがもっと頑張ってくれれば。あれって元がハイレートであればあるほど、最終的なファイルサイズって小さくなるんですよ。96からMQAにしてもそんなに変わらないんですけど、192とかDXDからMQAにすると、96からMQAにしたときと同じくらいのファイルサイズまで小さくできるので。その恩恵って計り知れないんですね。特にポータブルデバイスには。そういうことも考えると、根本的にflac以外の可逆圧縮が生まれてくれればそれに越したことはないですけどね。

高橋 : 何か希望が見えてきましたね。

橋爪 : OTOTOYさんならではの視点がうかがえたので、僕も勉強になりました。今回調べたデータの中で、日本レコード協会によって2016年に行われた「音楽メディアユーザー実態調査」というのがあって。個人的には絶望的な結果だったんです。ハイレゾの認知度が、2015年が50%くらいだったんですけど、2016年で60%くらいの人が知ってますってなってるんです。じゃあハイレゾを聴いてる人がどれくらいいるのかというと、2015年が0.8%、2016年が0.6%ということで、全く変わっていないんです。2016年になっても、利用したいと思う人も含めて積極的な意欲を示している人が2割ちょっとしかいないんですね。「あまり利用したいと思わない」が41%、「まったく利用したいと思わない」が34%っていうことで、この割合を見ると個人的にはまだまだ頑張らないといけないなと思うんですよね。こんなに厳しいのかと。

ハイレゾ、ハイレゾって言ってオーディオ業界なんかはとくに盛り上がってますけど、現実はこうだっていうことを思い知らされましたし、2017年も大して変わってないと思うんですよね。音楽は音が良いことによって感動が深まるんだっていうことが伝わってないし、体験もしてもらってない、いい音で聴きたくなるような音源も提供できていないっていう現状を思い知って。とんでもなく危機的な状況だと思うんですけどね。利用している人が1%未満ですよ。

高橋 : 世の中的にはそういう感じですよね。1番大きいのは、若い人に余ったお金がないんだよね。「この音源を買う2,000円がない」っていう。

橋爪 : 確かに可処分所得は若い人に限らずみんな厳しいですよね。興味深いのは、MMD研究所が去年の5月に行った調査で「年代別音楽に関する意識調査」というのがあります。年齢層ごとに最近1年以内に音楽にお金を使ったかアンケートを取ってるんですけど、10代が1番多いんですよ。10代の約74%が一年以内に音楽にお金を使ってるんですね。それで年齢が上がるごとにお金を使っている人が減っていく傾向があって。もちろん、年齢が上がると一人当たりの単価が違うので金額ベースでは社会人層の方が上になるとは思います。ただ、音楽にお金を払ってる若い人は少ないっていう先入観があったので、正直ビックリしたんですけど。ここの、我々の認識と現実のねじれっていうか、現状認識を正確にやらないとなって思います。

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