2017/11/15 00:00

【REVIEW】地に足がついていない!? ──愛はズボーン、煎じ詰めた“待望”の1stフル・アルバムリリース

OTOTOYとレコード・プレス・メーカーの東洋化成によるコラボレーション・レーベル〈TOYOTOY〉から初のアナログ盤となる『銀ギラ』のリリースや、自主企画イベント〈アメ村天国〉の開催など、今年は飛躍の年であることがうかがえる、愛はズボーン。そんな彼らがこのたび満を持して、1stフル・アルバム『どれじんてえぜ』をリリースした。本作のジャケットは世界的画家・黒田征太郎が手掛けている。黒田は愛はズボーンのメンバーたちが敬愛している画家で、まさに細部にまで強い想いが込められた作品に仕上がったと言えるだろう。そんな彼らの活躍を良質なハイレゾ音質で感じることができるのは、OTOTOYだけ! 本作をさらに楽しむテキストとして、レヴューも掲載! 未来の音楽濃縮盤をとくとご堪能いただきたい!

ハイレゾはOTOTOYだけ! 未来の音楽が濃縮された、1stフル・アルバム

愛はズボーン / どれじんてえぜ

【配信形態】
WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC
>>>ハイレゾとは?

【価格】
単曲 200円(税込) / まとめ 1,800円(税込)

【収録曲】
01. どれじんてえぜ
02. ちゅうぶらりん
03. Z scream!
04. adult swim-friends岡崎体育-
05. 27
06. もねの絵のよう
07. 空飛ぶピンクのユニコーン
08. MAJIMEチャンネル ver.2.0
09. Strawberry Mind (LADY FLASH cover)
10. デーモンのレモン
11. ゆ〜らめりか
12. 生きてるって感じ

どれじんてえぜ / 愛はズボーン
どれじんてえぜ / 愛はズボーン

REVIEW : 愛はズボーン 『どれじんてえぜ』

自主企画〈アメ村天国〉の開催や、フェスへの出演などで着実に知名度を上げている愛はズボーン。彼らは今までに、「生きている意味ってなんだ!」「何が正しくて、何が間違いなんだ!」といった、誰もが1度は悩み、哲学の分野においても考察され続けている内容をキャッチーかつポップに仕上げ、耳へと届く難解さを極限まで排除し、“耳に残って仕方がない”楽曲を作り上げてきた。そんな愛はズボーンが今回リリースする『どれじんてえぜ』は、一体どんな作品なのだろうか。

MAJIMEチャンネル / 愛はズボーン
MAJIMEチャンネル / 愛はズボーン

本作を聴いて連想させられたのは、「地に足が付いておらず、行き先が定まっていない状態」だった。しかし、「1stフル・アルバムでそのイメージはどうなのか?」という憂いは不要だ。本作の表題曲であるM1「どれじんてえぜ」はまさに、哲学用語をもとに生まれた「どれ+ジンテーゼ」という造語である。未だに何が音楽の正解であり、目指す場所か模索し続けている様子を表現しており、M2「ちゅうぶらりん」でも怠惰な様子でふらふらとし、やはり行き先の定まらない様子を感じさせる。M4「adult swim-friends岡崎体育-」では、タイトルの通り、ヒップホップ・ユニット「いざゆかんとす」を結成したことのある岡崎体育をエディットに迎えた楽曲。中毒性バンド×中毒性ソングライターのタッグにより生まれたこの曲は、愛はズボーンにとって打ち込みという新たな試みが世に打ち出された。あまりの意外性による衝撃から足元をすくわれ、そのまま宇宙へ放り出された心地に。無重力の完全無防備な中で彼らの音楽に包まれ、洗脳せれてゆく。

ゆ〜らめりか / 愛はズボーン
ゆ〜らめりか / 愛はズボーン

初期衝動を感じさせるほどのパワフルなライヴ・パフォーマンスにより、一見ライヴ・バンドと思われがちな彼ら。しかし、楽曲自体がジャンルにとらわれない様々な試みが行われており、聴き応えのあるものばかりなのだ。彼らは直近の目標へ一直線で向かえるかというとそうではない。しかし、試行錯誤し、時間をかけて煎じ詰めた音楽と彼らの挑戦し続ける姿勢がかけ合わさった時、いつバンド界隈の最前線に立ってもおかしくないほどの爆発力を生む。どこかふらふら、右往左往。まさに、地に足をつけない彼らだが、それがいい。地に足をつけていない生き物は縛られることなく自由であり、どこへだって行ける。無限の可能性をもつ彼らの最前、最高、最新作を聴き逃さないでほしい。(text by 宮尾茉実)

前作の初7inch音源もOTOTOY独占配信中!

最初から最後まで「上がりっぱなし」をテーマに作られた1曲「銀ギラ」。カネシロマサヒデ作曲のバンド初となる完全打ち込み音源に、カネシロの独特の世界観のある歌詞をのせた1曲。M2には、GIMA☆KENTA作詞作曲「Z scream!」を収録。

>>特集記事はこちら

その他過去作品もチェック!!

LIVE INFORMATION

〈アメ村天国2017前夜祭〉
2017年11月24日(金)@心斎橋pangea
時間 : Open 18:00 / Start 18:30
出演 : AFRICA / TENDOUJI
  【O.A】愛はズボーン
  【O.O.A】超能力戦士ドリアン

〈アメ村天国 2017〉
2017年11月25日(土)@大阪 アメリカ村
時間 : Open 11:00 / Start 12:00

>>詳細はこちら

〈『Time,Time,Time』発売記念ガチンコ2マンフロアライブ Helsinki Lambda Club vs. 愛はズボーン”タイマン、タイマン、タイマン!!"〉
2017年12月28日(木)@新代田FEVER
出演 : 愛はズボーン / Helsinki Lambda Club
Open 18:30 / Start 19:00

>>more live information

〈アメ村天国 2017〉の出演者の作品も配信中!

PROFILE

愛はズボーン

2011年7月、金城昌秀(Gt / Vo)、白井達也(Ba)、富永遼右(Dr)、儀間建太(Vo / Gt)の不動の4人で結成。バンド名は「日本人にしか付ける事の出来ない名前」をテーマに命名。語感は英語「Iwasborn」。

2015年2月、初の全国流通盤1stミニ・アルバム『IWZBN』をリリース。2016年2月、2ndミニ・アルバム『MAGMAそれは太陽のデジャヴュ』発売。哲学的な歌詞をポップに昇華したリード曲「MAJIMEチャンネル」はMVと共に各地で話題に。同2月フロントマンである金城昌秀と儀間☆KENTAに岡崎体育を加えたヒップホップ・ユニット「いざゆかんとす」結成。YouTubeのみでMVを発表するという遊び心のある活動を展開。

2016年9月には初のワンマン(心斎橋 Pangea)を見事ソールドアウト。 11月大阪アメリカ村一帯を使った自主企画〈アメ村天国〉開催。12月FM802主催〈RADIOCRAZY〉初出演。2017年4月、2nd Single「ゆ〜らめりか」を発売。バンドの新しい音楽性を示す。7月には初の台湾ツアー、〈BAYCAMPKOBE〉、グッドモーニングアメリカ主催〈凌ぎ合う〉に出演。8月には関西を代表する野外フェス〈RUSHBALL2017〉にも出演。

11月3日(レコードの日)にバンド・キャリア初のアナログ作品となる7インチ・シングルをOTOTOYと東洋化成のコラボレーション・レーベル〈TOYOTOY〉からリリース。そして11月15日には待望の1st ALBUM『どれじんてえぜ』の発売が決定している。

>>愛はズボーン official site

この記事の筆者
宮尾茉実

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[レヴュー] 愛はズボーン

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