原点回帰と追い求める理想──自分達の歩幅で進み始めたgoodtimes、待望の初インタヴュー!

10年超のバンドキャリアを持つ、井上朝陽(Vo&Gt.)、安田そうし(Gt.)の2人が新たにスタートさせたギター・ロック・バンド、goodtimes(グッドタイムス)。2017年3月より《12ヶ月連続音源配信》をOTOTOYで行い、注目を集めている彼ら。この度、第8弾「みにくいいきもの」の配信を記念し、goodtimes初インタヴューを掲載する。彼らの過去の配信作もおさらいしながら楽しめる記事となっているので、楽曲と照らし合わせながら読み進めていただきたい。

goodtimes 「鈍感なふりを続ける心」に突き刺さる第8弾


goodtimes / みにくいいきもの

【配信形態】
WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC

【配信価格】
単曲 250円(税込)

【収録曲】
1. みにくいいきもの


goodtimes「みにくいいきもの」Music Video



INTERVIEW : 音楽を始めようって思ったきっかけは歌いたくなる曲だった

goodtimes

1度聴いたら耳から離れないキャッチーなメロディーと、無自覚になるまで心の奥底に沈めた本心を、いとも簡単に突くことで、着実に名を広めているgoodtimes。彼らの12ヶ月連続音源配信もついに第8回目に突入。今回は、配信とともに、9月24日に行われた自主企画〈"君が来る場所" vol.2〉の直後に行った初インタヴューを掲載。goodtimes結成話、音楽のルーツ、今目指す場所について存分に語ってもらった。心底音楽を愛し、理想の音楽を追い求める彼らの今を見逃さないでほしい。

インタヴュー&原稿 : 飯田仁一郎 & 宮尾茉実
写真 : 中山優司

本当に音楽以外のことに興味がなくなってしまったんです

左から、井上朝陽(Vo&Gt.)、安田そうし(Gt.)

──goodtimesの結成にいたるまでの流れを教えていただけますか?

井上朝陽(Vo.)(以下、朝陽) : 以前やっていたバンドに一区切りつけたくて、ドラム以外の3人で新しいバンドLを始めたんです。その後しばらくしてベースが抜けて、2人が残ってこの形、goodtimesになったという感覚ですね。でも元々地元の仲間だし、曲を作っているのも僕らだったので、不安はあったけど、核心はぶれませんでしたね。2人が残っているんだったら大丈夫だろうって。

──Lでは、どのような音楽をやっていたんでしょう?

朝陽 : 前のバンドの最初の1年はびっくりするくらい先が見えない音楽とかライヴをやっていました。キャラクターもライヴもめちゃくちゃで。迷宮入りしていましたね。

──なぜそんなに瞑想していたんでしょう?

朝陽 : バンド名を新しくして、違うバンドとしてやるなら変わらなあかんというのと、前バンドの人たちだって言われたくないと思ってしまったんですよね。

安田そうし(Gt.)(以下、そうし) : 違うことやらなって思い込んでしまっていました。

──なるほど。ではLからgoodtimesへの変化っていうのはなんだったのでしょう?

朝陽 : Lの1番最後のライヴで、やってる意味を考えてしまうほどの酷いライヴをしてしまったんです。でもその時ちょうどレコーディング中で、ライヴはくそだけど、音源は好きだなって思ったんです。前バンドで10年以上もやって、よくも悪くもライヴバンドだった僕らは、一緒にやっていたback numberのように羽ばたいていくバンドをいくつも見てきたわけなんですけど、そういうバンドたちは、ライヴはもちろんだけど、それだけじゃなかったんですよね。だからgoodtimesに名前を変える時に、楽しくないならライヴをやらなくてええんじゃないかってことを、僕は提案をしていました.

──それで改名することにしたんですね。

そうし : 名前にしっくりきてなかったですしね。言いにくいし、書きにくいし、検索しにくい(笑)。

──検索に関しては、goodtimesでも一緒じゃないですか?(笑)。

一同 : ははは(笑)。

朝陽 : 名前のセンスないんですよね(笑)。そこらへんにあまりこだわりはなくて(笑)。ライヴでもそうだったように、本当に音楽以外のことに興味がなくなってしまったんです。今のバンドマンってめちゃくちゃ求められるじゃないですか。フェス、営業、配信って。そんな中で、周りのバンドマンが鬱になることも最近多くて、不思議でしょうがないんですよ。ドロップ・アウトした人たちが音楽やって、発散するものだったのに、ドロップ・アウトしたはずの人たちが鬱になってるんですよ。多くを求められてもこなせるバンドはやればいいんですけど、僕はやりたくないなって思ってしまったんですよね。小器用に生きたかったですけど、できなかった。できてしまっていたら自分が歌っている歌も変わっていただろうとも思いますけどね。そういうのを一新したかったから名前を変えたかったのはあります。

井上朝陽(Vo&Gt.)

──それで残ったものは「曲」だけだったと。

朝陽 : そうですね。作っている曲しかなかったですし、音楽ってそれだけでええものやと思ったんですよね。

──ちなみに安田さんは、井上さんの変化についてどう捉えていたんでしょうか?

そうし : 曲に頼るのは一緒だったので、それはそれでいいとは思っていました。朝陽が投げてきた曲を僕がアレンジして、返してそれを発信するっていう作り方をしていましたしね。さっき言ってた通り、Lに関しては、最初は難しかったけど、後半くらいには曲のやりたいことは見えてきていたんですよ。

朝陽 : RADWIMPSになろうとしてたよな、俺ら(笑)。

そうし : 小器用にしようとすればするほど、どつぼにはまって行っていたので、自分たちが面白いとか気持ちいいと思える曲にしようって方向を変えてからやっと見え始めましたね。今goodtimesでやっているうちの何曲かは、Lの後半から芽生え始めていて、その辺からは随分意識が変わりました。俺もライヴをおもんないと思っていた中で、朝陽が「ライヴでは喋らん。MCもせえへんし、曲だけやる」って言ってきたことがあったんです。でも俺は朝陽の持ち味が死んでしまうからどうしてもそれが嫌だったんです。あの空気、雰囲気がどうしても井上朝陽なので、それをなくしては意味がないっていうので話し合いもした時期でしたね。

──Lの後半に見えてきた曲というのは、どういう曲だったんですか?

そうし : シンプルな曲でしたね。

朝陽 : いろんな会場が存在する中で、そのキャパで求められる曲っていうのはあると思うんですよ。ある程度のビートがあって、キャパ相応のノリやすい、手を上げやすい曲。ずっと200、300のキャパのライヴハウスでバンドをやってると、知らず知らずにそういう曲を作るようになってしまうんですよね。でももともと自分が好きで始めた音楽ってそうじゃなかったんですよ。そもそもシチュエーション別に聞きたくなる曲が、自分が音楽を始めたルーツなんです。だから前バンドの時は、音楽が好きだった理由が曲作りに生かされていなかった。200、300人を満足させるための曲作りをしていて、誰のために曲を作るのかのベクトルが変わってきてしまっていたことに気がつきましたね。

楽しいだけで終わらせたくないんですよね。楽しいを伝染させたい

──ルーツとなった音楽というのはどんなものだったんでしょう?

朝陽 : 僕らの音楽の始め方はベタなものだったんです。10代の頃好きな子とカラオケに行くタイミングができて、カラオケで歌えるように、1位から10位のヒットチャート音楽を借りまくって、その中にミスチルの「everybody 〜秩序のない現代にドロップキック〜」が入っていて。これがロックかと衝撃を受けながら16~18歳になってHi-STANDARDからGreen Dayと洋楽のパンク、ジャパコアにもはまりました。ああいった時の真っ只中にいましたからね。

そうし : まさにバンド・ブームでしたね。

朝陽 : Green Day、Foo Fightersとかを聴いたりして。僕もそうしも、かっこつけるわけじゃないですけど、洋楽しか聴いていなかった部分がありました。

そうし : あと、僕はシュールな歌ものも大好きなんですね。

朝陽 : だから彼は当時、女ヴォーカルじゃないとやらないって言ってたんですよ。

安田そうし(Gt.)

──へええ!

そうし : 女性の綺麗な声が届くくらいのJ-POPがよかったんですよね。安藤裕子さんとかも好きです。

──では、ライヴハウスのキャパじゃなくて、もっと大きいところを目指すとしたらそれはどこなんでしょうか?

朝陽 : ドームとか、もうなんでも。いけるところまでいきますよ。1番は街角でキャーキャー言われたい。

──モテたい気持ちは未だにあるんですね。

朝陽 : モテたいというか、知っていてほしいっていうのがあるんですよね。昔、自分の知らない人が僕のことを見てる感覚が嫌で、家の外に出たくなかったんです。でも有名人になったら、みんな自分がどういう人か知っているからこんなに不安になることもないと思ったんです。

──安田さんはそういうのそろそろ卒業しろよ、みたいなことはないんですか?(笑)。

朝陽 : こいつ、僕よりちやほやされたいですからね(笑)! 2人とも根がめっちゃ暗いんですよ。人見知りやし、いや、この歳になっても人見知りとか言えないんですけど。

そうし : 全てにおいて認められたいんですよね。曲もしかり、発言もしかり。

──その中で、最前戦に立っていた同志が売れる姿を見ていて、自分たちも売れたいっていう気持ちは消えていないんですね。

朝陽 : ぜんっぜん! それのためにやってるんですから。売れへんのやったらやめますよ(笑)!

──今日のステージ(9.24@渋谷O-crest)では、楽しい! 楽しい! って言っていたから、色々経験した中で、「今、楽しければそれでいい」ってやり方なのかと思っていました。

そうし : いや、心の底から売れたいですね。

朝陽 : そこで終わらせたくないんですよね。楽しいを伝染させたい。この1曲が売れへんのやったらやめる。って気持ちで楽曲を作り続けてはいます。

──いいですね。ということは、まだそう思える曲ができていないんですね。

そうし : そうですね。それっぽい曲ができたとしても、なにか足りないってなるんですよ。次から次へと作りたいものはでてくるので。そこに到達はしていないですね。

堅苦しいこと抜きで、一緒に作れたらいいなと思うんですよね

井上朝陽(Vo&Gt.)

──では、goodtimesが曲を作る上でこだわっている部分は?

朝陽 : メロディアス!

そうし : キャッチー!

朝陽 : 音楽を始めよう、歌を歌おうってなった時に感銘を受けた曲がなんで好きやったかっていうと歌いたくなる曲だったからなんですよね。

──それはミスチルですか?

朝陽 : そうですね。J-POPの方ですね。日本詞じゃないと歌っていてもストレートには届きづらいし、僕らが10代の頃はミスチル、サザン、ウルフルズ、奥田民生さんって黄金世代がいたので、そういう曲が書きたいなって思っていました。歌いたくなるメロディ。あと、恋した時に聴いとくか、とか歌っとくか。みたいな曲。

そうし : 1回聴いて耳に入ってこなかったら終わりですからね。

──歌詞の部分で、伝えたいメッセージはありますか?

朝陽 : 僕の歌う歌詞ってあるあるなんですよね。聴く人に寄り添うタイプの曲。

そうし : いや、でも、こいつひねくれてますよ。帰結する部分が人と少し違う感じがしますね。

──シチュエーションはわかりやすい中でも、歌詞の内容は一癖ある印象ですよね。

朝陽 : 世の中にある僕の好きな曲は、みんな歌ってることが一緒なんですよ。成就するラブソング、失恋ソング、人生を謳歌する歌、応援歌、とか。歌ってることは一緒なんですけど言い回しが違うんですよ。だから、僕の言葉で書こうとはしていますね。「優しい」の一言でも言い方はそれぞれですし。

──お客さんにどう思って欲しいとかはありますか?

朝陽 : どう思ったんかを聞きたいですね。僕はこういうつもりで書いたけど君はどういうことを感じたのかとか。全然違う方向で考えられていたらめちゃくちゃ嬉しいです。だから逆に言い当てられたくもない。

そうし : 朝陽の歌詞は、聴いていて言い回しがおもしろいなって思うことがちょいちょいありますね。人と違うなって。

──なるほど。今日のライヴはどうでしたか?

朝陽 : 楽しかったです。今楽しい間隔でライヴはできていますね。でも月にライヴが5回になったら全然面白くないんだと思います。ライヴをやるべきタイミングがあると思うし、バンドそれぞれのペースがあるので。今の僕は月1本のライヴでもいいかなとは思っています。

──もうちょっと固まってきたりしたら全国まわったりする予定なんでしょうか?

そうし : 周りが固まったらやりたいなとは思いますね。サポートメンバーでやっていることもあるので。

朝陽 : かまってちゃんなので、かまってくれる人がいる限り、やりたいと思っています。

──じゃあ、昔はかまってくれる人がいないのに、ライヴをしていたってことですもんね。

そうし : そうですね。所構わず行ってました。

朝陽 : サービス業だとは思うんですけど、そっちが楽しませてくれよって姿勢でお客さんがこなくてもいいじゃないかって思うんです。堅苦しいこと抜きで、一緒に作れたらいいなと思うんですよね。

──今日のライヴでもおっしゃってましたもんね。これは過去のバンドを経験したことでたどり着いた考えということですか?

朝陽 : そうですね。

──ちなみにgoodtimesのお2人が今目指しているところはどこなんでしょうか?

朝陽 : アルバム制作ですかね。僕たちバンド人生が長いながらも1枚しかフル・アルバムを作ったことがないので。いいアルバムを作りたいですね。

──売れたいって気持ちはありつつも、まずはアルバムだと。

朝陽 : 売れることはアルバムありきだとも思いますしね。

安田そうし(Gt.)

──どんなアルバムにしたいとかっていうイメージはあるんですか?

朝陽 : 今のところないですね。1つ憧れがあるのは、コンセプト・アルバムですね。1つの物語になっているみたいなものに憧れます。

そうし : 捨て曲は作りたくないですね。

──B面の曲であってもここにあるからいいんだと。

そうし : 全曲題名を覚えられて、とか。それがめっちゃいいアーティストやと思うので。

──作りたいのはフル・アルバムなんですね。

朝陽 : そうですね。フル・アルバムが1番楽しい。

そうし : 間違いない。ミニ・アルバムじゃちょっと足りないですね。こんなのもあんなのもできるってことを伝えられるのがアルバムだと思うので。いいものを作れば周りも固まるんじゃないかと思いますしね。そんな予感がしています。

朝陽 : めちゃめちゃちやほやされたい(笑)!

──これからが楽しみですね! ありがとうございました。

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LIVE INFORMATION

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2017年12月07日(木)@大阪・福島LIVE SQUARE 2nd LINE
時間 : 未定

〈goodtimes 企画 "君が来る場所" vol.4〉
2017年12月21日(木)@東京・渋谷TSUTAYA O-Crest
時間 : 未定

〈goodtimes ワンマンライヴ "Parking Go Away"〉
2018年3月4日(日)@TSUTAYA O-Crest
時間 : Open 18:00 / Start 18:30

>>more live information

PROFILE

goodtimes

2016年結成。メロディ重視のギター・サウンドを前面に出しつつ、音楽バブル時代の影響を感じさせる普遍性、キャッチーさを含んだクセになる、心くすぐるポップ・ミュージックを展開。

>>goodtimes official site

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筆者について
J J (JJ)

パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyのチーフ・プロデューサー。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。ototoyでは、リミエキのJJとして喋っている時は、JJ(Limited Express (has gone?))と記載しています。

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