2017/06/25 00:00
バンドの原点に立ち戻る傑作アルバム
自主レーベル立ち上げ後に届けられた初のフル・アルバム『Friends Again』。同じく自主レーベルからリリースしたシングル『マイガール』やEP『君の町にも雨はふるのかい?』と比べると、一貫して日常に起きる小さな感情の変化やせつなさをこれでもかと言うくらいにポップに優しく歌い上げている。煌びやかに鳴る菅原のギター・ソロや、ゆっくり前へと刻む大塚のベースと藤村のドラムが、いつになく優しい夏目の歌声をのせてしっかりと伝わってきた。リード曲「Coyote」では“台所のお茶碗”や“山手線”、“街の明かり”など、日常にあるワードを散りばめる事によって、今の東京を生きる若者達が出会いと別れを繰り返しながら、それでも前に進んでいるのだと共感できる。
4人が鳴らす音と歌詞を化学反応のように混ざり合わせてしっかりと聴き手に届ける。一見当たり前のようだがバンドを続ける中では意外と難しいことを、結成10年が経った今、原点に立ち戻るかのようにやってのけた。だからこのアルバムは聴き手の共感を生み、何回でも聴きたいと思えるのだ。(金秀奈)
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 250円(税込) / アルバム 2,400円(税込)
