【ライヴ・レポート】Helsinki Lambda Club × teto 2days2マン企画──1日目の模様をお届け

巷を賑わせたスプリットから2曲を配信中

Helsinki Lambda Club,teto / split

【配信形態】
WAV、ALAC、FLAC(16bit/44.1kHz) / AAC
単曲 216円(税込) / まとめ 432円(税込)

【収録曲】
1. King Of The White Chip
2. 36.4


REPORT : Helsinki Lambda Club × teto

2017年4月18日に行われた、Helsinki Lambda Club×tetoのスプリットアルバムの発売を記念した2daysライヴ“Last Comer”の1日目の様子をお届け。次世代の担い手最重要候補とも言えるこの2バンドの対バンを音楽メディアとしては見逃すわけにはいかないだろう。東高円寺U.F.O CLUBは蒸し風呂のような熱気と酸素が薄く感じられるほどに超満員。誰もがこの日を待ちわびていたかのような表情を浮かべていた。

文 : 宮尾茉実
写真 : 高田真希子

先攻 : Helsinki Lambda Club

(Helsinki Lambda Club)左からBa.稲葉 Vo.橋本 Dr.アベ Gt.クマガイ
 

4月18日 東高円寺U.F.O CLUB。定刻。先攻はヘルシンキ。ギラついたような雰囲気から盛り上がり必須の「Skin」でスタートすると予想されたが、なんと「NEON SISTER」のフレーズで大いに裏切られる。女性ヴォーカルをコーラスに迎えた繊細な楽曲のイメージが一変して熱を帯びたパンクな部分が前面に表れた。この熱量から、メンバーがいかにこの日を心待ちにしていたかということが感じられた。

この日先行販売されたHelsinki Lambda Club × tetoスプリットアルバム『split』から「King Of The White Chip」と「Boys Will Be Boys」を披露。ドラム、ベース、ギターが油絵の積層構造のように塗り重ねられ、どこをとっても鮮やかさを持ち合わせたその新曲は、塗りたての絵の具のように光沢感を持ち合わせキラキラと輝いているように思えた。これからライヴで披露されるごとに深みを増してゆくと思うと鳥肌がたつ。

その後も〈いらっしゃいませ満タンですか、いらっしゃいませ満タンですか…〉のフレーズとともにtetoへの敬意を込め「高層ビルと人工衛星」のカヴァーを披露。ヘルシンキなりのアレンジ含んだものではなく本家の楽曲のままぶつかりに行った。観客もそれに応えるように飛び跳ね、拳を高く突き上げる。そんな姿を見て「tetoで一番盛り上がるのやめてもらっていいですか?(笑)」と橋本は苦笑した。tetoとのツーマンということに焦点が行きがちな今回のライヴだが、なんといってもこの日は『ME to ME』のRECにも多く携わりメンバーから絶対的な信頼を得ているクマガイタイキ(ex.group2)の加入後初のライヴであった。これがヘルシンキを勢いづけた大きな理由の1つであったに違いない。

彼らは「自ら発信していくことが不得意である」と言うほど、バンド自身のPRはもちろん、バンド内の出来事や苦労を表に出すことは少ない。ドラマ仕立てで表に語り、聴衆の心を揺さぶることも彼らは良しとしなかった。しかし演奏する姿は正直で、明日、明後日と日を重ねるごとにいいものができる希望と手応えに満ちていたことはメンバー含め、この日いた全ての人が感じられたことなのではないだろうか。Vo.橋本の描く歌詞は哲学的な深みをはらむこともあれば、映画「パルプ・フィクション」を彷彿させる予定調和な展開を持たない面白さとジョークが垣間見えたりもする。そんな様々な表情を持ち合わせた楽曲が人々を驚かし、新鮮な気持ちにもさせているのであろう。

後攻 : teto

(teto)左からBa.佐藤 Dr.福田 Vo.小池 Gt.山崎

「もち曲が少ないので出し切ります」そう言ってtetoは「朝焼け」でスタートした。ライヴは初期衝動を詰め込みまくったようなエネルギーに満ち溢れたものだった。ギターはかき鳴らされ、言葉の波が襲ってきて、息をつく暇もない。しかし、ただ勢いをぶつけるだけではなくフロア全体を巻き込む力があったのはたしかであり、これが彼らの魅力の1つなのだろう。『sprit』にも収録されている「36.4℃」を披露。それはACIDMANの赤橙でも、My Hair is Badの真赤でもない、少しカッコ悪い、ワインのシミのような深赤。しかしそれは私たちの心に小さく、でもしっかりと印象付ける1曲であった。

1st EPを出しただけとは思えないほど熱狂的な盛り上がりを見せ、tetoはヘルシンキの人気曲「All my loving」をカヴァー。こちらはtetoなりのスピード感満載で披露され、「あのトワイライト」では胸を打たれ目を潤ませる者もいた。あまりの盛り上がりにまるでワンマンライヴを見させられている感覚におちいった。それは持ち曲を全て出し切ったからではなく、全精力を注ぎ込んだライヴをみせたからではないだろうか。結成されて間もないバンドではあるが、銀杏BOYZでもandymoriでもない、tetoという何にも代えがたい大きな存在に歩みを進めているように感じられてワクワクが止まらなかった。

ライヴが全て終わった時。数年後、ネットで彼らの名前を検索した時にこのページが出てきて、「ああこんなに逃してはならないライヴが2017年にあったのか」と後悔させたいといっちょ前に思ってしまったのだ。お互いに負けられないと思える相手がいて、そんな中でかっこよく成長してしまうなんて、夢があるじゃないか。(Text by 宮尾茉実)

過去作もチェック!

Helsinki Lambda Club / olutta

UK.PROJECT主催のオーディションで最優秀賞を獲得したHelsinki Lambda Clubのファースト・ミニアルバム。大好きだったバンドが解散。それにともなう喪失感。ぽっかりと穴があいてしまっていませんか? もう恋なんてしない、なんて思っていませんか? ヘルシンキラムダクラブはあなたの「ココロのスキマ」お埋めします。

Helsinki Lambda Club / 友達にもどろう

前作のミニアルバムから約一年ぶりのリリースとなる今作のフォーマットは、4曲入りマキシシングル! 恋人に言われたらグサっとくる一言「友達にもどろう」というタイトルに決定。ジャケットのイラストは、初代4コマGP優勝者であり、芸人のおほしんたろうの書き下ろしである。かわいい。大切だった人と区切りをつけたいときに発する「友達にもどろう」という言葉みたいに、胸にグサっと響いたり、楽しかった日々を思い出したり、哀愁ただよう記憶だったり、どろどろになってしまった情念だったり、兎にも角にも多種多様な感情がひとつにまとまってしまった音源に仕上がった。

Helsinki Lambda Club / ME to ME

バンド初となるフルアルバム完成。2017年のキーワードは”ニューオルタナティブ”。彼らがその渦の中心となる。

Helsinki Lambda Club LIVE SCHEDULE

CHAI presents "ロード・ツー・ダ・GRAMMYs” season3
2017年5月24日(水)@渋谷 TSUTAYA O-nest
出演 : CHAI、Helsinki Lambda Club

新レーベル Hamsterdam Records 設立記念ワンマンライブ "Get Hamstoned…”
2017年6月30日(金)@渋谷WWW

詳しいライヴ情報はこちらから

Helsinki Lambda Club PROFILE

2013年夏、西千葉にあるラーメン武蔵家の近所でバンド結成。THE CUREとTHE DRUMSが恋人同士になったような、そこから紆余曲折を経てThe LibertinesとTHE STONE ROSESが飲み友になってしまったかのような、まるでSex and the City的な、なんでもありなニューオルタナティブサウンドを特徴とする。シャンプーをしながら無意識で口ずさむぐらい、曲がポップ。そして、正統派ソングライターの橋本の歌詞はぐっとくるばかりか、歌詞内のさりげない小ネタにも知的センスを感じてしまう。

Helsinki Lambda Club HP 

teto LIVE SCHEDULE

下北沢SHELTER 愛はズボーン”ゆ〜らめりか”リリースツアー東京編
2017年5月16日(火)@下北沢SHELTER
出演 : 愛はズボーン/SPARK!! SOUND!! SHOW!!/teto/deronderonderon

BAYCAMP 2017
2017年9月9日(土)@川崎市東扇島東公園 特設ステージ
オールナイト/雨天決行

詳しいライヴ情報はこちらから

teto PROFILE

2016年に埼玉県を中心に結成。同年4月より活動開始。同年10月、1stEP「Pain Pain Pain」をリリース。同年11月、サーキットフェス「下北沢にて」のオーディション枠に200組を超える応募の中から選出される。2017年1月レーベルUKPROJECTに加入発表。

teto HP

この記事の筆者

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