2017/04/12 11:58

LEF!!! CREW!!! は迎合しない──転機の2017年、パンクとしてのダンス・ミュージックを極めるWSZ80決意表明インタヴュー

UKやUSのアンダーグラウンド・ミュージックに触発されたパンク・ロッカー、WSZ80(ワシズ・エイティ)によるダンス・ミュージック・ユニットLEF!!! CREW!!! 。彼らの高い熱量を持って繰り広げるDJパフォーマンスとフロアの狂乱ぶりは東京のアンダーグラウンド・カルチャーを語る上で欠かせない物語を生んできた。この度、2016年よりWSZ80のみのワンマン体制となったLEF!!!CREW!!! が転機のEPをリリース。OTOTOYではそのニューEPを、WSZ80へのインタヴューを付してお届けする。

LEF!!! CREW!!! のNEW EPをハイレゾ配信

LEF!!! CREW!!! / BOOTLEF 001: STANCE
【収録曲】
1. K.I.L.L (short)
2. I Love James Dance, Right? (How To Make A Punk Rock Song)

【配信形態】
24bit/48kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC

【配信価格】
WAV / ALAC / FLAC / AAC : 単曲 250円 / まとめ価格 500円(税込)

INTERVIEW : WSZ80(LEF!!! CREW!!! )

LEF!!! CREW!!! が、変わる。2009年より異色の狂乱DJクルーとして日本のアンダーグラウンド界を賑わせてきたLEF!!! CREW!!! 。試行錯誤の一年を経て、夜明けの新作EPリリースを目前に控えOTOTOYに現れたクルー・リーダーWSZ80は、勢いが違った。まるで将来の夢を嬉々として熱く語る少年のような、はたまた自らの使命に奮起し立ち上がった活動家のような語気、熱意に満ち溢れながら、ダンス・ミュージックへの期待とDJカルチャーに身を置くものとしてのプライド、そして名は変えず変革するLEF!!! CREW!!! の展望について語ってくれた。

インタヴュー : 飯田仁一郎
文 & 構成 : 椿拓真

名前変えてないだけで、もうまるで別物ですね。

ーーLEF!!! CREW!!! は、今どんな活動体制ですか?

WSZ80 : 今は完全に1人でやってます。1人でもLEF!!! CREW!!! 。

ーーなぜ1人に?

WSZ80 : 2014年にオフィシャルのMIX CD「THIS IS HARDCORE」をリリースし、150本近くの現場及びツアーをしてきたこの年の終わる頃になると、他のメンバーも完全にどうかしてて。「現場にはきてるけど何していいかわからない」って状態で、もはや俺1人でやっているような感じが続いてたから。最後まで修正しようと会話はしてたつもりだったんですがね、最終的にはディスコミュニケーションがあって俺も信用できなくなり、もう2016年からはきっぱりと1人でやることに決めました。

ーーなるほど。一人になったこともあってか、2016年はだいぶ模索していたなぁという印象なんですが、それまでのLEF!!! CREW!!! を継承する気はなかったのでしょうか。

WSZ80 : それはなかったです。メンバーいる時は、ぞれぞれのメンバーの色も考えて複数編成のDJセットを作っていたけど、俺1人になれば自ずと俺の好みだけになるわけだし、他のメンバーがいたからできたけどもうそれはできないということもありますしね。

ーー以前はできて、今はできないことっていうのは?

WSZ80 : 複数の時、俺はグループを俯瞰するある種のディレクター目線でプレイしてる部分もあったので、例えば裸になるメンバーがいたらそれも結果が面白くなれば良しという風に考えてました。でも俺1人だったら絶対嫌ですから、脱ぐとか。もしそれこそLEF!!! CREW!!! っていうなら、名前は変えてないだけで、まるで別物ですね。

ーーLEF!!! CREW!!!という名前を変えない理由をお訊きしたいです。

WSZ80 : まずLEF!!! (レフ)は自分が作り上げたものだし、 皆でやりきった感とかあれば変えたりもしたかもだけどそれ実際なかったから。っていうのは、LEF!!! CREW!!! ってDJだけどバンドみたいなグループにしたかったんです。「誰か一人でも抜けたら終わり」とか、スタジオ入って「そこ違う。こういうアレンジでやりたいんだ」って喧嘩しても、まぁなんだかんだライヴに向けて良くなっていくというようなイメージを理想としてたんですが、ぶっちゃけレフの歴史でそんなバチバチとやりあうこともなかったですし。

ーー1度もなかったと。

WSZ80 : 最初の4人から1人抜け、3人になりバランスが変わってからは特にですね。デモを聴かせて「どうしようか」って訊いても、これといったアンサーは返ってこなくなってしまった気がします。あとレフって名前は根本的に、20年以上の付き合いがあり俺が常にその背中を追ってきたATATAのヴォーカルであるナベさん(奈部川光義)にもらった名前なんで、俺にとってはまず別の大切な意味があるんです。

ーーでも名前が同じなら、グループ活動時のLEF!!! CREW!!! 感を求めてくるお客さんっていますよね?

WSZ80 : いますね。確かにレフを名乗っている以上いて当然だし、俺も最初はそれに応えたい気持ちもありました。俺らは特に周りを巻き込んでく形で躍動してきたクルーだったところもあったから、俺だけになっても簡単には辞めらんないぞ!的な業(報い)みたいな感覚もありました。レフを名乗っている以上、続きましたからその試練は様々と。とはいえ俺の中ではもうそれは2016年までの現場で応じきったと思うし、1人でのLEF!!! CREW!!! も既に2年以上も経つんでいい加減、過去とは一線をつけさせて欲しいと思ったりもします。

パンクであるダンスミュージック

ーー新しいLEF!!! CREW!!! っていうのは、具体的にはどんなイメージになるんですか?

WSZ80 : そもそも俺はダンス・ミュージックにハードコア・パンクを感じて演ってるので、そこは変わらず、ブレずとより鋭角に。パンクであるダンス・ミュージックに一層磨きをかけてきます。

ーーそれはどんなもの? 

WSZ80 : 例えばULTRA JAPANみたいな現場であろうと、バッド・ブレインズを鳴らすような迎合なきスタイルこそがレフのダンス・ミュージックです。EDMによる一連のブーム? でDJの形ってある側面は一般層にまで伝わったけど、もはや俺の好きだったもんとは完全に別物です。例えばディプロひとつとっても、最近の子が知ってるEDM層に合わせたディプロと、俺の好きなディプロは違ってて。10年以上も昔から誰も発掘してない音を掘りおこして再構築して新しい流れを提示してきたディプロが俺の言ってるディプロだから。「リアーナのリミックスやエド・シーランの流行りのネタを使ってギャルを踊らせた! 」っていうのは、DJのサービス業的な側面ではありでも、少なくとも俺はそういったことには興味がない。LEF!!! CREW!!! のダンス・ミュージックはまずアティテュードありきの音楽なんで。

ーーなるほど。それがLEF!!!CREW!!! 2017。

WSZ80 : そう。いままでも迎合してたつもりはなかったけど、トレンドは少し気にしすぎてたかに今は思う。でもBAYCAMPのようなフェスに出た時も、自分の工夫さえすれば寄らないプレイでもジャンル違いの人でも踊らせられることは証明出来たし、これからはさらに合わせるサービス精神がなくなるというか、トレンドにさえ迎合することすらなくなると思います。

ーーでも、最先端のものだと思ってやっている?

WSZ80 : 根底にあるのは常に最先端ですよ。ダンス・ミュージックにパンクがあると思うのは時代の最前線で形をかえてきたからこそ。もちろんクラシックなパンク・ロックを否定するわけではないけど、俺のパンクは少なくとも時代によってその形が変わりゆくものだと信じてる。あとは例えば、”東京アンダーグラウンド”というシーンにはハバナイ(Have a Nice Day!)がいるし、バンドならリミテッド(Limited Express (has gone?))がいるんだからもうそれでいい。でもダンス・ミュージックには俺が思うパンクな事(音)って中々ないじゃないですか。だから俺はやるんだっていう感覚があります。サービスだらけの今、媚びは売らないっていう一つの最先端。それがこの先、人にウケるかウケないかなんてわからないっていう。だって最先端なんだもん! っていう感じです(笑)。

俺は現場の人間だからそれでこそ血が騒ぎましたね

ーーLEF!!! CREW!!! はLive Setなんですか?

WSZ80 : 今はもうずっとLive Setですね。これまではあくまでDJのフォーマットで、皆と同じDJブースを使って同じ機材で段違いにぶち上げるってのをやってきたけど、昨今のEDMのバブルでもう完全にそことは一線ひきたくなりましたね。ダサいコントローラーとか使うのやだし、パソコンは閉じて、クールなシンセサイザーを並べて、リズムや音を一から鳴らし奏ねてくっていうライヴセット、モジュラーも組みました。

ーーモジュラー・シンセなんですね。

WSZ80 : そうです。その道は知らなかったので、飛びこみで専門店に通って1から教えてもらい勉強しました。モジュラーのイベントがあると聞けば飛んでって、この前は昼間から一日中かけて30組近くのモジュラー・アーティストを見たんですけど、まぁとにかく面白い。ただあれってセットを組む自体が既に表現だから、基本その先の対外的なパフォーマンスを目指す人ってあまりいなかったんです。そこがモジュラーの魅力なんですが、俺は現場の人間だからそれでこそ血が騒ぎましたね「モジュラー・シンセをフィジカルに使い倒せたら、この先相当に面白くなる。」とか思っちゃったんです。

ーーそれで敢えてアナログ回帰するということですか。

WSZ80 : 敢えてというか、世代感もまずあって。やはりアナログのほうが自分は断然と直感的に操作できるんです。若者はネイティヴにパソコンを乗りこなせるからそれでいいけど、古い俺はいくら毎日PCを立ち上げてるからといって正直未だに苦手な感情って拭えなかったりする。まぁ機材は実際何を使おうが、いかに楽器的に弾き倒せるかどうかが最重要だと思うので、より自分なりにシンプルに向かった結果としての原点への回帰です。ナチュラル・ボーンでDTMから最初に音楽を始めた世代と、DTMをあとから頭で理解しようとしてる俺ではやはり少し難しい。

ーーそんなに慣れに差がありますか。

WSZ80 : あります。以前、TREKKIE TRAXのCarpainterと北海道に行った時、函館から札幌までバスで移動したんだけど、バス乗った瞬間、彼はパソコン開いてDTMをやり始めたんです。みてるとキーボードだけなのに実に直感的に操作してて「弾いてる」わけですよ。「ジャーン」ってまるで楽器のように。彼はその数時間くらいで一曲以上つくってたんだけど、そのスピード感とその使い方はまじでかなわないな〜と。そもそも移動中にPCを開くこと自体、俺には相当なストレスだし。なんで「アナログって音がいいんだぜ」というよりか、まず慣れ親しんだ楽器を使いこみたいってだけの思いです。楽器なら俺も移動はもちろん弾きながらでも寝れるかもだし。とはいえシンセサイザーを弾くのは実際初めてなんですけどね、俺、昔はベースだったんで(笑)

ーーその一新したLEF!!! CREW!!! は、4月14日に行われる『LEF!!! CREW!!! -BRAND NEW LIVE-』で、お目見えなんですね。

WSZ80 : そうですね。2016年の現場では本当に色々と試行錯誤をさせてもらったんです。失敗もした。そのお陰で出来た表現を一旦、この日これからの先へ向けて仕上げて臨みます。実はこの間、主催事やパーティーを仕切ることすら自粛してたんだけど、この日は、今の今まで俺を支え続けてくれた皆が全国から集まってくれるので本当に嬉しい涙のラインナップでもあります。盟友のロック・バンドATATAを筆頭に、沖縄でKu’Dammというパーティーをやってるガジェット・シンセの使い手のKIMに、香川は高松からがしゃどくろという2人組がライヴします。DJにはりんご音楽祭のdj sleeperを始め、レフクルーには今も昔も絶対に欠かせない存在のTSUTCHIEさん (SHAKKAZOMBIE)はもちろん、世話になりっぱの江ノ島オッパーラからPOWBOYZが駆けつけてくれたり、LEF!!! CREW!!! 結成以前からの同胞SAKANAもDJくれます。会場は今噂の下北沢THREEの金曜枠BLOC PARTYとのコラボですから入場は完全に無料ですし。LEF!!! CREW!!! のBRAND NEW STYLEはあくまでの第一歩でお披露目程度になるかもしれないけど、少なくともこの日を見てくれれば、俺=LEF!!! CREW!!! のやりたいことは伝わるでしょう。これ見て例え「ああ俺の好きなLEF!!! CREW!!! は終わったな」って思う人がいてもそれでいいんです。いい加減その辺は自分の中でも蹴りをつけたい。もう過去は演らずに未来を鳴らす、とにかく自分と自分の好きなダンス・ミュージックの間にある新たなる可能性を模索するつもり。以後改めてのよろしくです。

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LIVE INFORMATION

〈LEF!!! CREW!!! -BRAND NEW LIVE- meets BLOCK PARTY〉
・4月14日(金)@下北沢 THREE
START / END : 20:00 / 27:00??? (楽しければそりゃ朝まで)
出演 : LEF!!! CREW!!! / ATATA (from FEVER) / KIM (from OKINAWA) / がしゃどくろ (from 香川高松) / TSUTCHIE (SHAKKAZOMBIE) / dj sleeper (りんご音楽祭) / SAKANA (SUISAW) / POW BOYZ & BEERSKI BOYS (OPPA-LA OxGx)
料金 : FREE

PROFILE

LEF!!! CREW!!!

2015年!複数メンバーによるLEF!!! CREW!!! と完全にケリをつけ、前衛的に試行と錯誤を繰り返し続けた2016年を経て。WSZ80のワンマン・バンドとして完全なるライブセット(演奏)へと変貌を遂げたレフクルーのこれが完成系!2017年、ついにとそのベールを脱ぎはじめる!!!

>>LEF!!! CREW!!! HP

この記事の筆者
鶯巣 大介

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