【ライヴレポート】Helsinki Lambda Club 彼らの伝えたい「いい」音楽たちをひっさげたツアー、完結。

稲葉航大、アベヨウスケ、橋本薫、佐久間公平

今日も電車に乗って、携帯ニュースを開いてみる。人は世の中の過激な出来事や批判に自然と目がいく。巷を賑わすスキャンダルは皆好きなのに聞き耳立てるだけで、タブーと分かっているが故に踏み込むことは無い。こんなニュースもしばらくしたら忘れてしまうんだろうな。そう考えながら渋谷へと向かった。Helsinki Lambda Clubのツアーファイナルを見届けるために。

テキスト : 宮尾茉実
写真 : 高田真希子

REPORT

昨年11月にリリースした1stフルアルバム『ME to ME』を提げて全国7箇所をまわったツアー『From ME to YOU』も渋谷WWWにていよいよ大詰め。定刻19時に橋本薫(Vo.)自らがメガホンを手に取り撮影した「Skin」のMVを上映。WWWでスクリーンを使用するという、実に新鮮な演出にフロアも大興奮。ちょっぴりR指定が入ってしまいそうなMVはDVD-ROMで来場者にプレゼントされ、ベッドの下や引き出しの天井部分なんてベタな場所に隠したくなってしまう仕様となった。

上映が終わりSEと共に千秋楽のゲストに相応しいCzecho No Republicが登場。圧巻のパフォーマンスで会場を十二分に温めた。

転換も終わり、いよいよお待ちかねの彼らが登場。

「Helsinki Lambda Clubです、よろしくお願いします。」

と軽めの挨拶、しかし始まるのは先ほどMVでも流れたキラーチューン「Skin」というギャップ!ニューアルバムの中でも橋本節の効いた言葉遊びが一際現れている作品で、フロアも1曲目から大盛り上がり。続けて「ユアンと踊れ」「All My Loving」「DRIVE(スーパーカーcover)」と人気曲を続けて披露し、稲葉航大(Ba)の独特なダンスもいつも異常に絶好調。長髪、派手な衣装、そして彼のベーステクニックはどんなに広いステージでも見劣りすることがなく、存在感を醸し出すことは間違いないだろう。

ヘルシンキの代表曲と言っても過言ではない「Lost in the Supermarket」での盛り上がりは最高潮!稲葉コールで更に勢いが増し、フロアも汗ばみながら笑顔を輝かせた。「ゲストをお呼びしたいと思います。」と橋本はここでRECでも参加していたThe Wisely Brothersの真舘晴子(Vo.)をステージに招き入れる。女性のコーラスが入ることによって繊細さが増し、柔らかく耳触りの良い楽曲となった本当の「NEON SISTER」が聴けるのも千秋楽ならではの贅沢であろう。

ないがしろにしてしまいがちだけど、いないと困ってしまうあの子「lipstick」やアベヨウスケ(Dr)が作詞した「彷徨いSummer Ends」につづいて、「Morning Wood」を披露。「皆さん、Czecho No Republicはお好きですか?ダンスはお好きですか?」と観客に問いかけるとわぁあっと歓声が上がりCzecho No Republicの「DANCE」がスタート。リスペクトの意味も込めたヘルシンキ流の「DANCE」で身体心地よく揺らした。

その後も「マニーハニー」「目と目」と今作に収録されている作品を余すことなく披露していった。この『ME to ME』というアルバムが今までのヘルシンキの作品で最高傑作であり、何十回と繰り返し聴いてきた分、ツアーという機会では全曲余すことなく生演奏で聴きたかった。そうすることで今日のライヴの余韻と共にアルバムをまた一段と自分にとっての特別な1枚にすることができるからだ。ツアーを含めてこんなに1枚のアルバムを愛せることが、今までとこれからあと何回あるだろうか。

「This is a pen.」の間奏で橋本は「普段手を挙げろとか、声出せとか言わないんですけど、この曲の最後のサビは声が高いんで、みんなで歌ってもらっていいですか?」と問いかける。その問いかけに観客は大合唱で応えた。

「TVHBD」では、曲が一時中断し、何やら稲葉はソワソワし始める…。間奏、稲葉の気ままな合図で全員の演奏を合わせるということを試みるが、稲葉が何度意図的にタイミングをずらしても4人の息はピッタリと合う。「こんなのは喋りながらでもねーできるんですよ。こんだけやってると。」と橋本。稲葉は「バンドの成長って凄いね…」と自身も驚いた表情を見せる。そんなひとまわりふたまわりも大きくなった姿に感動した観客からも歓声が巻き起こった。佐久間公平(Gt)の一時脱退を経て、改めてオリジナルメンバーで始めることを選択したヘルシンキ。このちょっとした瞬間で、このメンバーで再出発したことには意味があったと確信させられたし、4人のカッコいいバンドマンの姿をまざまざと見せつけられた。

ライヴ中、彼らは「自分たちのいいものを伝えたい」という自身のテーマを改めて掲げた。今回のアルバムのツアーでゲストに呼んだ、Analogfish、Kidori Kidori、DENIMS、The Wisely Brothers、dontaku、odol、TENDOUJI、ONIGAWARA、Homecomings、PELICAN FUNCLUB、CHAI、YUEY、挫・人間、おとぎ話、そしてこの日のCzecho No Republic。このバンドたちと対バンできたことを誇りに思いながら邁進し続けたことによって、彼らはこんなにも痺れるほどかっこいいバンドになったのだ。是非これらのバンドの音源もチェックしてほしい。Helsinki Lambda Clubが好きなあなたたちにもきっと響く要素があるはずだ。

アンコールでは拍手と共に稲葉コールが巻き起こり、ライブ合間にも笑顔は絶えない。メンバー全員、グッズの黒いTシャツを身に纏い、嬉しい発表があるという。それは

Helsinki Lambda Clubが新レーベル「Hamsterdam Records」を発足!

記念すべきリリース第一弾目となる作品は巷で話題沸騰中のtetoを迎えてのスプリットCD!
リリースは6月!

tetoとのツーマン企画、2days決定!

6月にはワンマン、場所は渋谷WWW

といった盛りだくさんな内容。勢いは増すばかりの彼らの今後にも目が離せない!そしてこのとんでもないことが起こってしまう予感を確信へと変えるように新曲「King Of The White Chip」を初披露した。最後は「宵山ミラーボール」を今まで回ってきた全国7箇所と本日のライヴの勢いすべてを受けて疾走感満載で走り抜けライヴを締めくくった!

終わった瞬間は全員が走りきったかのような清々しさと心地よさに満ち満ちていた。気づくとLINEニュースも溜まったメールマガジンもTwitterの《前回ログインからのできごと》もそっちのけで、彼らと共にツアーを回った戦友たちの音源を、彼らの楽曲を聴きながらひたすら探していた。きっと新しいワクワクに出会える。いつもの電車に乗りながらそう確信できた一夜だった。

RECOMMEND

ME To ME / Helsinki Lambda Club

バンド初となるフルアルバム完成。2017年のキーワードは”ニューオルタナティブ”。彼らがその渦の中心となる。

Almost A Rainbow / Analogfish

虹のない人生なんて。年間ベストに数多く取り上げられた前作「最近のぼくら」から11 ヶ月。Analogfish 待望のニューアルバムはフレッシュな躍動感を伴ったバンド史上最速のインターバルで発表する風通しの良いシティロックアルバムです。

OUTSIDE / Kidori Kidori

『OUTSIDE』と名付けられた今作は、新曲「アウトサイダー」を始め、会場限定ソノシートに収録されている人気曲「タイムセール」、約2年振りとなる英語の新曲「The Puddle」など、5曲を収録したミニアルバム。新曲「アウトサイダー」は特にこの作品を象徴しており、メインストリームに迎合することをよしとせず、独自の道を歩き続ける彼らならではの視点と決意がこもっている。音楽的にもさらに深化した今のKidori Kidoriのサウンドを聴く事ができる作品となっている。

ほったらかし / CHAI

コントーションズ×スリッツ÷ポンキッキーズ!!! レペゼン名古屋、双子のマナ・カナ(クリソツ!)、ぶんぶんベースのユウキ(美人!)とドラムのユナ(かわいい!)の4人組「ニュー・エキサイト・オンナバンド」CHAIの、ハイレゾ・アルバム『ほったらかシリーズ』。我々を魅了して止まなかったガールズバンド/ライオットガール達にも匹敵するパンチ力とバイアグラのことを歌っちゃうセクシーさを併せ持つ!?このアルバムは、「けいおん!」に対するオルタナティブからの回答だな。

ISLAY / おとぎ話

「カルチャークラブ」(2015 年 月)に続く約2 年ぶり待望のニューアルバム(8 枚目)。山戸結希監督の映画「溺れるナイフへの書き下ろし提供曲 M10「. めぐり逢えたら」( セルフカバー)も収録した全部入り、納得の全11 曲。青いユーモアを感じさせる圧倒的な歌心とアップデートされたギターロックのデザインセンスが魅力。持ち前の万人受けする心憎いメロディに磨きをかけたポップでキャッチーな楽曲がズラリと並んだ充実作となりました。鉄壁のバンドアンサンブルを強調しながらも要所で顔を出す効果的なシンセの響きが同居を見せる緻密さを増した音作り。ポップセンス全開、グッドメロディ満載のサイケデリックでドリーミーな味わいは秀逸でダンスミュージックでも歌ものでもあり。エッジとグルーヴを両立させた明快でメリハリの効いたソリッドなロックンロールが冴え渡る上昇気流に乗った現在進行形。ISLAY と綴って(アイラ)、トップフォームをキープする絶好調のニューアルバムです。

SALE OF BROKEN DREAMS / Homecomings

京都在住、女の子3人+男の子1人の4ピース・バンドHomecomingsのセカンド・フル・アルバム。2015年夏にリリースされ高い評価を集めたファースト・シングル「HURTS」、YouTubeで公開された「ANOTHER NEW YEAR」も新たなレコーディングで収録。一つの街をテーマにした、まるで短編集のようなカラフルでバラエティに富んだ作品。

LIVE SCHEDULE

新レーベル Hamsterdam Records 設立記念ワンマンライブ
“Get Hamstoned…”
2017年6月30日(金)
会場 : 渋谷WWW
時間 : 開場 18:30 / 開演 19:30
チケット : 前売り 2,800円(+1ドリンク)

Helsinki Lambda Club × teto presents
“Last Comer”
※tetoとのスプリットCD最速先行販売あり

[DAY1]
日程 : 2017年4月18日(火)
会場 : 東高円寺U.F.O. CLUB
時間 : 開場 18:30 / 開演 19:30
チケット : 前売り 2,300円 / 当日 2,800円(共に+1ドリンク)
出演 : Helsinki Lambda Club、teto

[DAY2]
日程 : 2017年4月19日(水)
会場 : 下北沢Daisy Bar
時間 : 開場 18:30 / 開演 19:30
チケット : 前売り 2,300円 / 当日 2,800円(共に+1ドリンク)
出演 : Helsinki Lambda Club、teto

その他のライヴは こちら から

PROFILE

2013年夏、西千葉駅前整骨院でバンド結成。Dinosaur Jr.とThe Strokesが恋人同士になったような、そこから紆余曲折を経てThe LibertinesとHappy Mondaysが飲み友になってしまったかのような、まるで、ビバリーヒルズ青春白書的な、なんでもありなニューオルタナティブサウンドを特徴とする。シャンプーをしながら無意識で口ずさむぐらい、曲がポップ。そして、正統派ソングライターの橋本の歌詞はぐっとくるばかりか、歌詞内のさりげない小ネタにも知的センスを感じてしまう。

Helsinki Lambda Club HP

この記事の筆者

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