2017/01/26 18:42

CONTI鹿島 x サラーム海上の、魅力があるにもほどがあるインドよもやま話──シタール x 変拍子なCONTIの新作をフリー配信

インド由来の“近い”距離感で握手を交わすサラーム海上(右)とCONTIの鹿島信治(左)

インドの民族楽器、シタール、かのジョージ・ハリソンやブライアン・ジョーンズをも魅了した弦楽器(例えが古いか)。タブラとともに、日本では代表的なインドの楽器(実際には北インド)として認知している人も多いだろう。このシタールをインド音楽から遠く離れ、自由自在に操り、オルタナ〜プログレな変拍子バリバリのドラムとともにオリジナルすぎるサウンドを生み出す2人組ユニット、CONTI。3月のリリースのアルバム『THE LAST MARCH』(詳しくは記事下方にて)に先駆けて、ミニ・アルバム『FANFARE OF THE LAST MARCH』のハイレゾ音源をフリーで配信する。もうこれはどう考えてもごちゃごちゃ書くよりも聴いてもらった方が早いのです、フリーだし。唯一無二のサウンドをぜひとも。そして今回、OTOTOYでは本作のリリースにかこつけて、シタールの鹿島信治と、インドはもちろんのこと、中近東やアフリカ、ヨーロッパ、そして世界中の音楽、そして食に精通したライター、サラーム海上とともにインド対談を行った。ぜひとも、本作のフリー音源を聴きながら(といってもインド民族音楽ではないですよ)を、インド文化の魅力を垣間見てはいかがでしょうか?

アルバムに先駆けて、ミニ・アルバムのハイレゾ版をフリー配信!

Conti / FANFARE OF THE LAST MARCH(24bit/48kHz)
【Track List】
01. AM (TUNING NOISE)
02. NEO UNION
03. FANFARE OF THE LAST MARCH
04. DREAMCASTER
05. MACHINE MARCH (19XX)
06. ELECTRIC SKY BLUES (19XX)

【配信形態 / 価格】
24bit/48kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
フリーダウンロード

対談 : 鹿島信治(CONTI) x サラーム海上

さて、この対談、単にインド好きが……程度の話ではない、ご存知のようにサラーム海上はその道のプロとして、音楽はもちろん、食に関してもインドをはじめ各地を探訪、料理本を出し料理イベントを各所で行うほどの識者である。そして今回のもうひとりの登壇者、CONTIの鹿島信治もまた音楽の他に食、しかもインド料理に一家言あるアーティストなのだ。彼は音楽活動の他に、画家でもある武田尋善とともに南インド料理を探求するユニット、マサラワーラーとして活動している(詳しくは下記のホームページへ)。彼らも現地を幾度も訪れ、料理イベントや料理本を刊行するなど、ここ日本に現地の味を広めているのだ。変拍子の楽曲に乗せシタールを弾きながら、南インド料理の伝道師として活動するCONTIの鹿島信治とはなにものなのか? その謎を解き明かすべく、この対談をブックしたわけだ。と、思ったら日本の日常からはやはりまだまだ未知なインドの姿がふんわり浮き上がりつつ、鹿島の活動もふんわりとその輪郭が浮き上がるそんな対談となった。

マサラワーラーのホームページはコチラ

取材&文 : 河村祐介
対談取材写真 : 東 玄太
アーティスト写真 / ライヴ写真 : 朝岡英輔(http://asaokaeisuke.tumblr.com/)

料理は南インドなんですけど、シタールは北インドの楽器なんですよね


海上 : 鹿島くんはいつからシタールなの?

鹿島 : このバンドをはじめたのが2000年の終わりくらいで、シタールはそこからですね。

海上 : 17年くらいか。

鹿島 : シタールをインド音楽として真面目にやろうという気持ちがあったことはなく……もともとバンドでギターをやってたんですけど、しっくりこなくて。そこでやりはじめた楽器なんですよね。もうぐちゃぐちゃ(笑)。

海上 : でもそういう形でインドの音楽やる人少ないよね。ヨシダダイキチさんや、インドに住んでるサブちゃん(新井たかひろ、サントゥール奏者)は古典音楽をがんばってる。特にサブちゃんは古典だけやっているからね。ダイキチさんとU-Zhaanはいろいろやりつつ古典もちゃんと練習し続けている。だから、鹿島くんはミナクマリさんにスタンスは近い。シタールを使って自分の音楽を作るという。

鹿島 : それも極端にインド音楽もやらないっていう方向で。でもいま思うと、インド音楽もちゃんとやっといた方が良かったなと思って(笑)。

海上 : そのぶん、インド料理をやったと。

鹿島 : インドからは抜け出せない(笑)。それ以前から料理をしてたわけではなくて。それもね、不思議な縁で。若いうちって揚げ物とか、肉とか茶色いものばっかり食ってるじゃないですか、それが南インド料理に出会って、「野菜だけでこんなに食えるんだ」と思って。それからハマって。そっちのインド料理をやりはじめてからは10年くらい。料理は南インドなんですけど、シタールは北インドの楽器なんですよね。

海上 : そうだよね。僕は北インドの料理が好きなんだけど、日本は南インド系の美味しいところがいまは多いよね。

鹿島 : 北インド系のお店ってないんですか?

海上 : うーん、北インドの前からある名店がどれだけがんばってるかだよね。インドって80年代の東京と一緒で1年行かないとすぐに流行が変わっちゃう。だから、東京でインドの味って言ってても、1年に一回くらい現地に行ってないと負けだよね。フランス料理と一緒でさ。

鹿島 : 毎年変わりますよね。この前、インド行ったばっかりですよね。

海上 : 高額紙幣の廃止になったと思ったら、いまや支払い全部、お財布携帯でピッだよ。日本なんかより全然適応早い。あと移動はすべてUber。現金なんて使ってない。8000円分最初に使ったけど、あとはカードでまかなえた。空港で両替したら、1ルピー=2円ぐらいで計算してたんだけど、クレジットの明細みたら、1ルピー=1.72円で計算されてて、俺勝ち組(笑)。

鹿島 : でも安宿とか現金だけじゃないですか。

海上 : それでも現金両替すると15パーセントも損するんだよ。それだけにとどまらず、次はクレジットカードとかデビットカードもいらない、指紋認証決済の世界にいくとモーディー首相が言ってたよ。

鹿島 : すごいレベルで進歩してますよね。あと、CDはもう出ないですね。インドの古典音楽も好きで聞くんですけど、現在のロック・バンドもいいのが結構あって。昔はインドの音階を使ったロックバンドが多かったんだけど、いまは「UKなのかな?」みたいなバンドもいて。

海上 : デリーでCD屋なんて2軒しかなかったもん。

鹿島 : 配信か、カードが売っててそこに山ほど曲が入ってるとか。でも現物欲しいんですよね。

海上 : 俺もラジオ番組やってるからCD盤が絶対必要なんだけど、ないんだよ。

鹿島 : コンピューターさえあれば、すぐに買えちゃうんですけどね。CD欲しいんですよね。もうどんどん潰れてる。あとCDの再発ってしないですよね。

海上 : まだストックの管理とかがうまくいってないじゃないかな。例えばファブインディアに行って服買うんだけど、基本的にMサイズが売り切れてる。例えば日本だったらMサイズを2倍作るとか考えると思うけど、そういうことは考えられないんだよね。あれだけ優れた人種なのにさ。電子化も進んでるけど、そういうダメなところもあって、そのふたつが同時に進んでる。

鹿島 : 電話線のないところでiPhoneですからね。時代を飛び越えちゃってますよね。

南インド料理の魅力とは?

海上 : そういえば、鹿島くんのカレーは何故、南インド料理なの?

鹿島 : 北インドも作ってたんですけど、僕らがやりはじめたころって、極端に南インドのカレーってやってる人が少なかったんですよ。沼尻匡彦さんがいたくらいで、沼尻さんがケララの風っていうお店をはじめるちょっと前で。そこから南インド系のお店がどんどん増えてて。

海上 : 南インド=「健康にいいもの」みたいな感じにもなってるよね。俺は北インドの肉の塊だけ1キロとかハードコアなやつ食いたいよ。

鹿島 : 南インドは、なんか土地自体が僕は合うんですよね。気候とかも。チェンナイはお店も外れない。レベルが高い。肉も魚も食べますしね。タミルナードゥの中部、マドライとか行ったら、なんの肉でも食べる地域がありますしね。北インドに僕はそんなに行ってなくて、でもシタールは北インドで、南インドはヴィーナですからね。インドの音楽はやっぱり最初はラヴィ・シャンカルとかニキル・ベナルジーとか、北インドの音楽を聴いていて、シタールとかですよね。それでいてプログレッシヴ・ロックとかきいていて、なにやってもいいようなフィールドでやりたいなっていうのがあって。あとは本当の民族音楽になっちゃうと、インドの現地の師匠と師弟関係になって、そうなるといろいろ制約が出てきちゃうと思うので。

海上 : 勝手にはいろんなことできなくなるよね。

鹿島 : 師匠によると思うけどね。でもダイキチさんにしろ、U-Zhaanにしろ、とにかく練習してますよね。

海上 : 今回インドにはダイキチさんと行ったんだけど、3ベッドルームの部屋を借りてて、僕はその一部屋を又借りした。ダイキチさんは夜中の3時とか5時ぐらいまで練習して、また寝て、10時から練習してっていう。本当に食って寝て、あとは練習っていうのを繰り返してた。

鹿島 : そうしないとインドの古典はできないですよね。そもそもインド人でやってる人は子供の時からやっているわけで。でもその環境があるとミュージシャンの子たちはちゃんと育ちますよね。

海上 : U-Zhaanも、前に一緒にフランス行った時に、飛行機にまる1日乗ってたら叩けなくなったって言ってた。次の日、ずっとこもって練習して取り戻してた。

鹿島 : そのぐらいじゃないと弾けないんですよね。

海上 : でもポップ・ミュージックというのは必ずしもそういうものが必要ではないしね。

シタールは、なによりドラムの音量とやるのは相当きついんですよ

photo by 朝岡英輔

──シタールのおもしろさってどこですか?

鹿島 : おもしろいって言ってやってますけどね、なによりドラムとやるのは相当きついんですよ(笑)。シタールはあの音量の楽器と一緒に演奏するのは相当きつくて。最初の5~6年は試行錯誤で。バランス的にどっちをとるのかっていう話で、でもドラムの音は下げるなっていう感じで、シタールをどうにかするっていうことでやってたんですけど、きつかったですよ、難しい…… なにがよかったんですかね(笑)。よく辞めなかったなと思いましたよ。最初の1年なんて、自分の音がまったく聞こえずにやってたんですけど。そのときはよく練習だけはやめずにやってたなと思って。2年目ぐらいからようやくできるようになって。その状態でもやってたというのはなにか魅力があったんだと思うんですけど。あれはなんなんでしょうね……。あとは他にいないっていうのはでかいと思います。いわゆるロックのライヴハウスの環境下でバンドとして、シタールがレコーディングではなく、メインで入ってるバンドなんていないですからね。それで「どうにかしたい」ってしぶとく続けてたんですよ。やっとちゃんとまとまったという感じがしますね。ダイキチさんもそうですけど、かなりみんな試行錯誤してやってますよね。

海上 : なにせ楽器の立て付けが悪いからね。工業製品ではないからね。

鹿島 : 「音をよくするために作ってる楽器」という感じで、人間の方に引き寄せて「人間が弾きやすい」とかそういうコンセプトで作られてないですよね。こっちがどうにかしないといけない(笑)。

海上 : だって、どう考えても立て付け悪いのによく壊れないよねって感じだね。

鹿島 : でも民芸品感覚で売ってるやつと、ちゃんとした楽器のやつを買うと全然音が違いますね。バンドでやってて難しかったのは、逆にすごい音鳴りのいいシタールを使うと、音が鳴りすぎてライヴハウスで倍音が回りすぎちゃうんですよね。悪い楽器だとこんどは、もちろんまったく鳴らないし。歯がゆい感じで。いまRikhi Ramっていうメーカーがエレクトロニック・シタールを出してて。その会社はシタール・メーカーとしては超一流なんですけど、それでエレキのピックアップがついてるんですけど、そのピックアップがひどくて(笑)。

海上 : あれ、みんな変えて使ってるでしょ。

鹿島 : そう、僕も変えましたもん。「なんであれがついてるのかな」って思うぐらいのやつがついてて。ほとんど音拾わないんですよ。

海上 : 一流メーカーなのにね。

──シタールとしては超一流なんでよね。

鹿島 : そうですよ、ギターでいうとフェンダーとかそういう会社のブランドですよ。

──フェンダーのピックアップがダメだったらどうすんだって感じっすね(笑)。

海上 : もう、ピックアップなんて別のやつが考えればいいっていうぐらいのもんでしょう。シタールとしてはちゃんと作るけど、あとはお前らカスタマイズしろっていう感じの。

(カスタマイズから始まるディープすぎるインドあるある話のため少々省略)

「お前、真面目に働け」って説教してあげて

海上 : それにしても経済成長って本当にすごいよね。社会が良くなるのと、自分の一年後とか二年後の生活がよくなることがリンクしているという。昭和40年代ぐらいの日本もそうだったろうけど。物価が10%来年はあがるけど、自分の生活も10%給料上がるって考えられるし。どんどん電子化が進んでるし。

鹿島 : チャイ売りがカードになるでしょうね。駅で待ってたら、「ここにタッチしたら買えるから」って寄ってくる世の中になるんですよ。あとで明細見たら、チャイ1杯がすごい値段とかあるんだろうな(笑)。

海上 : そういえばクトゥブ・ミナールに、この前観光で行ったんだけど、今回の旅行ではじめて“悪いやつ”に話かけられてワクワクしちゃって(笑)。おもしろいからInstagramに顔さらしちゃったんだけどさ。「お前、田舎の同級生とか起業してるだろ? お前はこんなとこで、こんなはたらき方でいいと思ってるの?」って言って(笑)。「お前、真面目に働け」って説教してあげて。

鹿島 : まだ観光地にちゃんといるんですね。

海上 : いや久々に「いた!」っていう。

鹿島 : この前、ニュー・デリーの駅前行ったら、客引きとか「いるのかな?」って観てたら全然こなくて。

海上 : 今もいるのって靴磨きぐらいだよね。「耳かき」とかもいなくなった。もはやインドは普通に就職して働いた方がいいっていう世の中にちゃんとなったんだろうね。

鹿島 : でもチャイ屋はむちゃくちゃ儲かってるという話は聞きました。

海上 : サーケットってニューデリーで一番南の方にいったんだけど、もうチャイ飲むとことかあんまりなくて、スタバみたいなところばっかりになってたよ。

鹿島 : そっちはないんですね。気軽にご飯食べてチャイ飲むとかできないんですね。南インドの方はまだコーヒーがあるな。

海上 : ガードマンとかが道端でチャイを飲んでたら、一緒に買ってきてもらわないと、パッとは見つからないような。

「いつも食ってるやつ」って俺らが作った料理をインド人に食べてもらって

海上 : 話は戻るけど、南インド料理はどうやって学んだの?

鹿島 : はじめは本を見たり、インターネットをみたりで自分で作るところからはじまって。それが1品、2品、3品と増えて、1日に3~4品作るようになってて。止まらなくなって、知り合いにそれを食べさせてたら、それじゃことが収まらなくなって、いろんな人を呼んでやってたら、もう止まらなくなっちゃって。

海上 : 俺もそう。

鹿島 : そうなんですよね。それをマサラワーラーとして、相方と本格的になってきて。それで最終的にインドでイベントをやろうってことになったんですよ。マハーバリプラムっていうチェンナイのちょっと南のところ、いわゆる観光地というかリゾート的なところなんだけど、そこで場所が借りれたんで、インド人に日本人のインド料理を食わせようってイベントをやって。そのときはちょっと演奏もやって。マサラワーラーの武田が絵描きなんで、絵も描いたりして総合的な感じでやって。インド人はなんの感動もせずに「あ、いつも食ってるやつ」って俺らが作ってる料理を食べてもらって。でも、それはすごいうれしくて、最高の評価だと思ってて。

海上 : たしかに。それはうれしいね。

鹿島 : しかも『The Hindu』紙の記者がきていて、新聞に載ってちょっと現地でも広がったというのがあって。あとはチェンナイの料理研究家の女性の家にいってちょっと習ったんですけど、ある程度自分たちでやってたので、新しいのを習うというよりも、いままでやったことが間違いではないって確認した感じですね。どこかの現地のホテルで修行をしていたとかはないんですよ。現地行ったら「あれがおいしいらしい」とか「お祭りがあるらしい」とか遊び廻ってるだけですからね(笑)。

海上 : それは俺も同じ。そうやってやってると、タミル語(南インドのタミル人の言語で、公用語のひとつ)がわかるようになるんじゃない?

鹿島 : いや、全然しゃべれないですよ。どこ行きたいとか、食べたいとか、その程度の言葉しかわからないですよ。

海上 : 俺もタミル語は無理…ヒンディー語はカタカナで発音できるけど、タミルは無理だなって思った。

鹿島 : タミル語は文法的には日本語とほぼ同じなんで、そこに言葉を当てはめていけばいいんですよ。

海上 : でも、発音できない言葉ばかりじゃん。

鹿島 : たしかに、でもインド人は優しいんで察してくれますよ。

海上 : 話戻すと、その南インド料理のマサラワーラーやりながら、このコンチをやっていたと。

鹿島 : でも正直な話、マサラワーラーがすごい忙しくなって。サラームさんと知り合ったのも料理の方ですからね。阿佐ヶ谷ロフトAでやってた〈印度百景〉ですよね。

海上 : そうそう、そのトークショーに俺が出てて、料理をマサラワーラーで。今回出るアルバム(今回のミニと3月リリースのフル・アルバム)は、どのくらいかけて作ったんですか?

鹿島 : 4年くらいかけて作りましたね。レコーディングしたのが2012年で……寝かしたというか……。

海上 : でもその間に料理が仕事になったんでしょ? はじめて会った時はサラリーマンやってなかった?

鹿島 : ちゃんとしたサラリーマンってことではないんですが、なんとなく仕事はしてて。でもマサラワーラーとライヴ、そして仕事をしてたら本当休みがなくなって、体調を崩しやすくなって。いままでかかったことのないインフルエンザとかそういう病気にかかるようになってしまって。免疫がすげー下がって、仕事を辞めました(笑)。そのときは「これ(南インド料理)で食っていけるのかな」って悩んでたんですけど、なんとかなるもんですよね。

海上 : 僕も、独立してはじめの半年は悩みましたよ。

鹿島 : やっぱり悩みますよね。そんな活動をやってまして。

海上 : それが実を結んでちゃんと作品も出てるわけだし。

料理と音楽のおいしい関係

海上 : 今年の目標は?

鹿島 : メンバーと話してて、マサラワーラーとコンチのセットでツアーもいいのかなって。

海上 : 音楽と料理のセットでやる方がニーズもあるし、しっかり稼げるからいいでしょう。料理のイベントは19時スタートっていうと18時半にはお客さんが並び始めるんですよ。でもDJのイベントは終電過ぎて初めて「今日は埋まらなかった……」ってなるわけじゃん。それだけ違うよね。

鹿島 : 料理のイベントはテッパンですよね。

海上 : そうなんだよ、予約で埋まるもん。

鹿島 : そうやっていろいろな形でできるんで、いろいろやっていきたいですね。

海上 : 舌と耳と、あと鼻で楽しめると(編注スパイスの香り)

鹿島 : コンチをはじめたきっかけも、もともとドラムは民族音楽をそんなに好きでもなくて、そういう民族音楽の匂いを残さず、民族楽器を入れるというのでやってて。でも、料理をやりはじめてから、インド関係のミュージシャンとかも知り合いになるようになって、いろんな交流ができるようになって。それまではバンドマンだけですね。料理をやったら音楽的にもいろいろ広がりましたね。いろんなことをやった方がつながるなっていう。

海上 : 今年はさらにアルバムがリリースされることでライヴが増えるといいね。

──最後に、今回の『FANFARE OF THE LAST MARCH』はフリーで配信という感じなんですが。

鹿島 : いままで聴いたことがない人にも聴いてもらえるような形になっているかなと思ってて。なかなかライヴハウスってはじめての場合って来づらいと思うので、そういう人にぜひ聴いてもらって「なんだろうこの音楽は、見てみたい」ってきっかけになったらうれしいかなと。

海上 : シタールを使いながら、インド古典と関係のない音楽をする人たち。こういう人たちがたくさん出てくるきっかけになる1枚になったらいいなと。2017年らしい作品だと思う。

RELEASE INFORMATION

CONTI 11年目のフル・アルバム『THE LAST MARCH』
3月8日(水)よりOTOTOYで独占先行配信


前作より11年振りのリリースとなる今作『THE LAST MARCH』はレコーディングに吉田達也(RUINS、是巨人、高円寺百景、他)、ミックスにAxSxE(NATSUMEN、他)、マスタリングにAxSxEと前川和人(Electric Eel Shock)を起用し、持ち味であるライヴでのアグレッシブさはそのままに多彩なゲスト・ミュージシャンを迎えることで、小林拓馬の創造するSF的世界観を余すことなく表現し詰め込んだコンセプトアルバムとして、4年の歳月を掛け丁寧に制作された。結成16年目を迎えたContiの現在過去未来を内包した、正に集大成であり進化を遂げた未来をも予感させる作品である。OTOTOYで3月8日(水)先行配信開始、CDの全国流通は全国流通開始は3月15日(水)より。

『THE LAST MARCH』参加ミュージシャン
クリ(ex ひまわり/Vocal,etc)、マモル(nhhmbase, マモル&ザ・クリティカルヒッツ/Programming)、AxSxE(NATSUMEN、スペースカンフーマン,etc / Programming)、∴NEU譲(やまのいゆずる / Programming,Rap)、かわかみえり(やまのいゆずる /Rap)、minakumari(Sitar,Vox)、キシノジュンヤ(hopi , the mornings/Programming)、原田仁(ROVO , etc /Bass)、小埜涼子(SAXRUINS , etc / Sax)

LIVE INFORMATION

57pictures amano presents
『俺たちのキセキ~feat.裕美が世界に生まれた日~』
2017年1月26日(木)
@新宿WILDSIDE-TOKYO
開場 15:30 開演 16:00 料金¥2000+1d
出演 : Conti、目&デニーロさくらい、The Damfino、フラミルカ、ラッコ☆戦士、Tetsuu Ota Trio、デニーロさくらい&メデューサ、Monoral Zombie、ハルカカナタ、メロマランディ、57pictures
FOOD : まちゃカレー

2017年2月2日(木)
@秋葉原CLUB GOODMAN
出演 : Conti、他

3月には期間限定復活中のRUINS、岩手と岡山在住の二人組マスロックユニットte_ri、ジャズロックバンドKAGEROの派生ユニットSaraGrace’s OneHotNightを迎えたアルバム先行発売イベント、四月にはアルバム参加ミュージシャンをゲストを迎えたアルバム再現ワンマンライブmeetsマサラワーラーのインド料理食べ放題を開催。

《リリース記念イベント》
アルバムCD先行販売イベント
2017年3月12日
@新宿御苑MERRY-GO-ROUND
出演 : Conti、RUINS、te_ri、SaraGrace’s OneHotNight(from KAGERO)

アルバム再現ワンマンライヴ
2017年4月23日
@渋谷7th FLOOR(昼間)
出演 : Conti+アルバム参加ミュージシャン
インド料理食べ放題:マサラワーラー

PROFILE

photo by 朝岡英輔


(右)小林拓馬/Takuma Kobayashi (Vox,Drums)
http://marchrecordings.tumblr.com_/

(左)鹿島信治/Shinji Kashima (Sitar,Vox)
http://masalawala.info/

シタールとドラムスによる印洋折衷メタモルフォーゼデュオ。現在では道産子アナルX、ISHII NARUTO hold'em BAND、行進は火の中へなど、振り幅が同一人物と思えない多才な活動で周囲を煙に巻く表現を展開し続ける小林拓馬(Vox,Drums)と、インドカルチャーファンからの絶大な支持を集めるインド料理ユニット、マサラワーラーの「カシマワーラー」としてお馴染み鹿島信治(Sitar,Vox)が2000年から活動を続ける二人の音楽の母体とも言えるユニット。小林の幾何学的でスリリングな切れのあるドラミング、鹿島の近未来的とさえ感じる独特のシタールの響き、2人のアグレッシブな変拍子やポリリズムの上をSF漫画を連想させる世界観のトーキングスタイルVoが疾走するアンサンブル。1stCDは各地のCRJで一位などチャートを賑わせ、手塚治虫先生のご長女である手塚るみ子さんからメッセージが寄せられた事などで話題となった。

>>CONTI アーティスト・ページ

[インタヴュー] Conti

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