2017/01/28 15:04

Suchmos躍進の図、ここに完成! 新アルバム『THE KIDS』をハイレゾ配信

2016年は、まさにSuchmosの急成長の年だったといえるだろう。2016年は14本の夏フェスに出演、フジロックフェスティバルのホワイトステージでも圧巻のライヴ・パフォーマンスを見せつけた。また昨年発売したEP『LOVE&VICE』収録曲の「STAY TUNE」は、CMソングに起用され、ライヴ・シーンを飛び越えてさらなる知名度を得た格好となった。そう、ライヴ、音源のどちらにおいても彼らの実力を世間に知らしめた1年となった。そんなSuchmosが前作『THE BAY』から1年6ヶ月ぶりのフル・アルバム『THE KIDS』をリリースする。

間違いなくジャンルレスな決定作

Suchmos / THE KIDS

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC
>>>ハイレゾとは?

【配信価格】
アルバム 2037円(税込)

【収録曲】
1. A.G.I.T.
2. STAY TUNE
3. PINKVIBES
4. TOBACCO
5. SNOOZE
6. DUMBO
7. INTERLUDE S.G.S.4
8. MINT
9. SEAWEED
10. ARE WE ALONE
11. BODY

Suchmos/A.G.I.T.
Suchmos/A.G.I.T.

REVIEW : さらに洗練されたグルーヴ感

昨年大きな注目を集めた中で唯一足りないピースであった「アルバムのリリース」、最後のピースとして、Suchmos躍進の図にはまることになる。もう聴く前から、その音源に期待せずにはいられない。それほどまでに彼らの勢いは明確なものだ。すでに発表されている曲の他に新曲を7曲収録したこのアルバム。アルバムのっけから、「A. G. I. T.」は、ギター、キーボード、そしてYONCEの伸びのあるヴォーカルからして、すでに名盤の到来を予期させる。もうワクワク感しかない。シングル曲の「STAY TUNE」、いわずもがな、メロウでシルキーな「PINKVIBES」の極上のグルーヴ。もはやこの時点で、アルバムの魅力にメロメロになっている自分がいることに気づく。続く「TOBACCO」では、ミドルテンポのファンク・ナンバーで、「言いなりなら簡単だって」「プライドをグラムで売れ それを買うやつに 死ぬまで従え」と歌うリリックに耳が引き寄せられる。そんなつまらないやつは置いておいて俺らは楽しくやってるよという感情、クールでいて、それでいてこうした奥底に熱いパッションを込めた歌詞もSuchmosの音楽の魅力のひとつであることに気づく。また詞といえば、「SEAWEED」のサビでリフレインされる英詞と日本語の掛け合いの、音(韻)としての気持ち良さが顕著だが、その歌詞には、やはり日本語ラップ以降の「ことば」使いを強烈に感じさせる。

サビ以外ほぼ英詞の「DUMBO」では、サビの日本語の部分で「アマチュアもプロも変わんないね」と歌う。インディーでここまで注目された彼らが言うと妙に説得力があるのだ。おそらく、彼らのインストのシリーズ「S.G.S.」(これまで『The Bay』『LOVE & VICE』『MINT CONDITION』に収録)の最新作となるインスト曲「INTERLUDE S.G.S.4」も、また彼らの演奏者としての魅力の側面も伝えてくれる。ダウンテンポの間を進むゆったりとキーボードとギターが掛け合いながらとても気持ちよく進んで行く。アルバムの熱量でいっぱいになった体と頭をクール・ダウンさせてくれる。

さらに自分たちのサウンドを洗練させたSuchmosがつくり出した『THE KIDS』。前作よりも各パートの音はクリアに、とくにベースとキーボードが印象的に聴こえた。迫力あるベース・ラインによって、彼らの最大の特徴とも言えるグルーヴ感はその説得力を増すばかりだ。洗練したファンク・サウンドに対して、気取った感じのない、“やんちゃ”な気概すら感じる熱くナチュラルな歌詞が語りかけてくる。こうしたSuchmosの魅力がぎっしりとつまったアルバムだ。すでにある勢いを背に、さらにさまざまな場において話題を呼ぶアルバムになるのではないか。彼らが夢と語る横浜スタジアムでのライヴもそう遠くない夢だろう。大きい会場で多くの観客を前にして自由に音楽を奏でている姿が容易に想像できる。(text by 鈴木雄希)

過去作もチェック!

LIVE SCHEDULE

Suchmos<TOUR THE KIDS>
2017年3月2日(木)@神奈川県 club Lizard YOKOHAMA
2017年3月5日(日)@静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
2017年3月8日(水)@栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
2017年3月10日(金)@京都府 KYOTO MUSE
2017年3月11日(土)@岡山県 YEBISU YA PRO
2017年3月15日(水)@群馬県 高崎club FLEEZ
2017年3月17日(金)@新潟県 新潟LOTS
2017年3月18日(土)@石川県 金沢EIGHT HALL
2017年3月26日(日)@北海道 札幌PENNY LANE24
2017年4月1日(土)@宮城県 Rensa
2017年4月7日(金)@広島県 広島CLUB QUATTRO
2017年4月9日(日)@福岡県 BEAT STATION
2017年4月13日(木)@大阪府 なんば Hatch
2017年4月15日(土)@大阪府 なんば Hatch
2017年4月16日(日)@愛知県 DIAMOND HALL
2017年4月18日(火)@愛知県 DIAMOND HALL
2017年4月22日(土)@東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール
2017年4月23日(日)@東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール

PROFILE

2013 年 1 月結成。ROCK、JAZZ、HIP HOP などブラックミュージックにインスパ イアされた Suchmos。メンバー全員神奈川育ち。Vo.YONCE は湘南・茅ヶ崎生まれ、 レペゼン茅ヶ崎。都内ライブハウス、神奈川・湘南のイベントを中心に活動。 バンド名の由来は、スキャットのパイオニア、ルイ・アームストロングの愛称サッ チモからパイオニアとなるべく引用。 普段からバイブスを共有していた、YONCE(Vo)、HSU(Ba)、OK(Dr)、TAIKING(Gt)、 KCEE(Dj)、TAIHEI(Key) の 6 人グループ。

Suchmos公式HP

この記事の筆者
鈴木 雄希

1994年生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、2017年にOTOTOY編集部に加入。主にロックやJ-POPを中心に企画、編集、執筆をしています。お笑い好きのテレビっ子。

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[レヴュー] Suchmos

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