ポップで「TOO MUCHすぎる」完成度ーージャック達、約2年ぶり新作アルバムをリリース

左から、一色進、夏秋文尚、宙GGPキハラ

東京インディーシーンの隠れた秘宝・一色進率いるバンド、ジャック達が約2年ぶりにアルバムをリリース。サポート含めたメンバー全員がヴォーカル担当の曲あり、ゲスト・アーティストとのデュエットありと多彩な曲で構成された『JACK TOO MUCH』について、メンバー全員にインタヴュー。

ジャック達 / JACK TOO MUCH

【配信形態】
WAV / ALAC / FLAC / AAC

【価格】
単曲 200円(税込) / アルバム 2,000円(税込)

まとめ購入者には歌詞カードPDFがつきます。

【Track List】
01. 暁ワンダー・ボーイ
02. マイ・ベイビィ・アン
03. カジュアル
04. スキニー・スキニー
05. ブロッコリー
06. 飛ぶ前に跳べ
07. 君は2こ上
08. The Time Has Come
09. Stormy April Blues
10. プラスティック・トイ
11. Silly Girl
12. アル・カポネ
13. 天国行き最終列車

INTERVIEW : ジャック達

酸いも甘いも嚙み分けた熟練のミュージシャンたちが練りに練って曲を生み出した結果、こんなにもピュアなロック・アルバムになるものだろうか。楽器を奏でて歌を歌う、バンドの楽しさはこれに尽きる。そしてリスナーとしてその音楽を聴く喜び。そんな単純な気持ちを感じるくらい、『JACK TOO MUCH』は歌を歌い楽器を演奏する楽しさが溢れんばかりに伝わってくるアルバムだ。かといってその楽曲たちは決して単純なわけじゃない。思わずハッとさせられる音や言葉、にやりとしてしまうフレーズをたっぷり堪能できる。このアルバムを作ったのは、昨年ソロ・アルバム『60』でまさかのEDMを聴かせた一色進、今年夏に大なり><小なりで『PLUG AWAY+』を発表した宙GGPキハラ、moonriders/はちみつぱいのサポート・ドラマーとしても活躍する夏秋文尚の3人とサポート・ベーシストの大田譲(カーネーション)から成る、ジャック達。今年はなかなか集まることができなかったという一色、キハラ、夏秋の3人に話を訊いた。

インタヴュー : 岡本貴之
写真 : 大橋祐希

色々新しいことをやれたかなと思います

――“ジャックはもうたくさん”(『JACK TOO MUCH』)と言いつつ、すごく手応えのあるアルバムが出来たんじゃないですか?

一色進(Vo.Gt、以下一色) : まあ、もうたくさんっていうのは冗談だけど、前回の『JOYTIME』が大作で17分の曲が入ったりしていたアルバムなので、今回は3、4分のキャッチーな曲を集めたアルバムを出したかったというのはありました。その方が本来あるべきバンドの姿なので。

宙GGPキハラ(Gt、以下キハラ) : 個人的にはアルバムの仕上がりは過剰なくらいの充実した感じがあります。これからツアーを控えているんですけど、どうやって演奏したら面白いかなって、頭がどんどん先に行っているくらいの良い作品になったという実感はありますね。今回は俺も夏秋さんも、もう1人(笑)も歌いましたし(サポートベーシストの大田譲が「Silly Girl」を歌っている)、バラエティに富んだアルバムになりました。

夏秋文尚(Dr、以下夏秋) : 今回はベースとドラムを一緒に録ったりとか、録音方法がこれまでとちょっと違ったりして、色々新しいことをやれたかなと思います。自分も歌ってるし(笑)。

――かなり多彩なアレンジの曲が並んでいますよね。どんな曲を集めてアルバムにしようと考えてたんですか?

一色 : 僕自身の音楽のルーツがGS(グループサウンズ)なんです。GSのバンドはシングルA面は歌謡曲みたいな曲なんだけど、B面は洋楽のカバーをやっていて、めちゃめちゃカッコイイ作品がいっぱいあって。そういう曲を書きたいなと思って曲作りを始めたときに、家にあったザ・モンキーズの『BY REQUEST』という80曲入りのCDを聴いていて、「モンキーズみたいなサウンドはこれから面白いんじゃないかな」と思って、モンキーズみたいな曲とGSみたいな曲を書きためてたら、今年の6月に出ちゃったじゃないですか?

――モンキーズの20年ぶりの新作が出ましたね(『Good Times!』)。

一色 : それがすごく良くて。「これは呼ばれたのかな、時代に」と(笑)。あとはジャック達っぽいハードな曲を何曲か入れたかったというのもあって。今回はモンキーズの新作が出たのが一番驚きましたね。アンディ・パートリッジ(XTC)とかポール・ウェラー、リヴァース・クオモ(ウィーザー)とか僕が好きなアーティストたちが曲を書いていて、それがミッキー・ドレンツのヴォーカルにバッチリはまっていて、すごく感動したんです。自分の中ですごくタイムリーだったから、そこから、一気に頭の中でサウンドがまとまり出した感じはありましたね。それでこのアルバムはなんとなく上手く行くかなと思ったんですよ。

――「アル・カポネ」のアレンジは一色さんが昨年の出したソロ・アルバム『60』の延長線上にあるようなEDMですよね。ソロだからああいうアルバムを出したのだと思ったんですが、バンドでもやってみようと思ったんですか。

一色 : 今回はマイナーな曲が割と少なかったので、アルバムのどこかしらにこういうマイナーな曲を入れたかったというのがあって。ただ、ああいうアレンジまではいくとは思わなかったですけど。

夏秋 : あれは、ミックスしてくれた松田(信男)さんに結構お任せしているところがあって。一色さんのソロも松田さんがやっているので、より似ているんだと思います。

――かと思えば、「プラスティック・トイ」は全員で「ツェッペリンやろうぜ」って演奏したんじゃないかっていう感じで。この曲の作曲は一色さんとキハラさんの共作なんですね。

キハラ : そうです。2月に、ちょっとしたアクシデントで左手が動かなくなって「弱ったなあ」っていう時期があったんですけど、ちょっと回復してきた頃に一色さんが「手は大事にした方が良いけど、曲をまとめるのは別の話だから」って(笑)、家に来てくれて一緒に曲を仕上げたんです。最初のベースのリフはだいたい作って、曲がガラッと展開するサビの部分は一色さんが差し込んでくれて。だいぶ経ってから4人で初めて音を出したときに、一色さんが作ったパートのところを、ちょっと拍を足したり減らしたりしようって夏秋さんが言って最終的にはちょっと変わった感じになりました。みんな誤解から色んなものを差し込んで来て、その誤解がちょうどまとまるのがジャック達、というのが良い感じで出ている曲だと思います。

――そういう誤解が生みだす面白さというのは、みなさんの引き出しの中にある程度共通したものがあるからそういうこともできるんじゃないですか。

一色 : でも、共通したものってあんまりないような気がするなあ。でも、その方がバンドって上手く行くと思うんですよね。趣味嗜好が単一嗜好みたいなバンドはあんまり広がっていかないんじゃないかなって。

夏秋 : クオリティは高くなるかもしれないけど、膨らむことはないというか、新しいものは出てこないですよね。

一色 : やっぱり、自分たちが驚くくらいじゃないと、人は驚かないと思うんですよ。僕も2人を驚かせようと思って曲を書いてますから。だから「引き出しから物を出してくる」っていう感覚じゃないんですよね、アレンジというのは。何かを当てはめるのではなくて、そこで感じたもの、曲がまずあって「この曲はどうしたい」というところからプレイが始まって、「この曲をどうにかしてやろう」というものがないと。

キハラ : でも色んな固有名詞を引き合いに出すことはありますよ。ただそれに対してみんなの捉え方が違うというのが、余計良いのかなという気がするんですよね。

生きているうちにあと何枚アルバムを出せるだろうとか、この歳になると

――今回のレコーディングはスムーズに進みましたか?

一色 : いやいや、今年はみんな忙しくて全然スムーズにいかなくて。みんなのスケジュールがいっぱいで、集まれるなら録音しよう、ということでライヴをやる暇がなかった(笑)。だから今年2月にライヴをやったきりで、今度のライヴが12月7日のレコ発ですから。アルバムは最初は10月くらいに出したかったんですけど、年の瀬になってしまったという。

――でも年内には絶対出したかったわけですよね。

一色 : そうですね。というのも、1曲目の「暁ワンダー・ボーイ」という曲が、デヴィッド・ボウイが亡くなったすぐ後に出来た曲なので、追悼の意味もあって、やっぱりその年のうちに出さないと意味がないかな、という気持ちがあって。ボウイが死んだとき、家族でもないのに異常に悲しくて。ジョン(・レノン)が死んだときも悲しかったけど、ボウイに関しては何故かちょっと違うというか、「なんでこんなに悲しいんだろう」って自分でもわからないくらいで。それですぐこの曲ができて2月のライヴですぐやったんです。この曲を年内に出したいというのは、アルバムを作る上で大きかったですね。

一色進

――今のお話を聞くと、アルバムの最後が「天国行き最終列車」で締めくくられるところに繋げて考えてしまいます。

一色 : こっちは単なるラヴ・ソングなんですけどね。天国の意味が変わっている(笑)。

――ああ、なるほど(笑)。ボウイのこともあって、死生観みたいなものを意識してこういう並びにしてアルバムをまとめたのかと思いました。

一色 : そういうのは、いつもありますよ。生きているうちにあと何枚アルバムを出せるだろうとか、この歳になると。でも俺が死んだとしてもアルバムは残るわけで、そういう意味では、そういう部分は昔若い頃に作っていた作品よりはありますね。

――キハラさんが前回のジャック達のインタヴュー(2009年)で「ユース・カルチャーっぽい音楽と、ジャック達のそれでは、広がりのスピードが違って、それはなんでなんだろうって理由を探しながらやっているのが今のモチベーションの一つ」と言っていたのですが、今はそういう気持ちはどうなんでしょうか。

キハラ : 前にOTOTOYさんでインタヴューして頂いたときはメンバーが抜けたばかりの時期で、それもきっかけでシングルを隔月で2曲ずつ出すっていう普通なら無茶な感じのことを始めた頃で。俺たち的には、配信だったら作った翌日にすぐ売れるんじゃねえかっていう即効性のあることを始めるんだっていう気持ちだったんですけど、モノがなくても結局は配信するのに1ヶ月前くらいには納品しなくちゃならないっていう現実に対するジレンマもあったんだなって、今は思います。だから、「若い人の音楽と自分たちの音楽の広がり方が~」っていうのは、ちょっとやっかみも半分あってそういう言い方をしたのかなって。今は年齢的に若くて面白いバンドの人たちとも一色さんの繋がりから一緒にライヴをやったりしているので、年齢とかスピードとかはもはや関係なくて。 ただ、本当に良いものができたときには、少なくとももうちょっと多くの人に聴いてもらいたいなという気持ちはありますね。だからこそもう本当に、とにかく音を作ることだけ、「もっと前より良いものを作る」ということにより一層向かっています。

宙GGPキハラ

一色 : もちろん売れるに越したことがないというのは当たり前なんだけど、良い作品を作って後世に残したい、という気持ちの方が強いんですよ。「これは他の人は作れないだろう」っていう、俺にしか作れないものがあるはずだから、それを残さなきゃいけないなという方が強いんです。それが自分の仕事だし、音楽を作らなきゃいけないという気持ちが常にあるんですよ。だから、常に新しいことはやりたいから新曲は書くんだけど、「もうこれは自分の曲じゃないな」と思ったらたぶん、もう作るのをやめると思う。自分の中にある程度レベルがあって、それ以上のものじゃないと作る意味がないと思っているので。ジャック達みたいなバンドはつまらなかったらそこで終わりなんですよ。曲を作るのは一定じゃなくて、色んなタームで出来てくるんだけど。歌詞を書くのもそんなに簡単じゃないし。

――歌詞といえば、麥野むぎ(パンタンシノワ)さんが参加している「ブロッコリー」のってどんなシチュエーションなのかと思ってしまいました。ただブロッコリーとカリフラワーを間違えて買ってきて怒られているのかなという。

一色 : 基本的に歌の主人公は強い女の子が多いから、だいたい怒られているんだけど(笑)。でも具体的に何かがあったとかいう話じゃなくて、考えるんですよ。「Stormy April Blues」にしても歌詞の通りにパラシュートで降りてきたわけじゃないんで。基本的に歌詞はフィクションなんで、何割かのリアルと何割かのフィクションを入れて小説を書くように練って行くんです。

――麥野むぎさんはどういう経緯で参加したんですか?

一色 : 黄金町の試聴室で「イントロポン!!」っていうビートルズのイントロ当ての企画があって呼ばれて行ったらむぎちゃんが1人若手で来ていて、1回戦で俺と対戦したんだよね。そういうご縁です(笑)。タイツとかもファンだったっていうし、機会があればと思って、ちょうど今回「ブロッコリー」に女の子のパートがあったからちょうど良かった。面白かったです。

「もう歌うしかない」って(笑)

―― 一色さん以外のメンバーさんが歌っている曲について伺いますけど、夏秋さんは英語の曲「The Time Has Come」で歌っていて、キハラさんは「スキニー・スキニー」。どちらもライヴでも披露されるんですよね?

夏秋 : なぜかこの曲を歌わされました(笑)。出来てきたら英語だったという。

夏秋文尚

一色 : 夏秋の声が60年代70年代のブリティッシュっぽい感じがするんじゃないかと思って、英語にしたら面白いと思って英語の歌詞を書いて行ったんです。

夏秋 : 最初「英語の曲を歌わないか」ってメールが来たとき、どうしていいかわからなくて返事をしなかったんだよね。歌っていいのかどうかよくわからないうちに出来上がっちゃって、「もう歌うしかない」って(笑)。

一色 : この曲と、宙の「スキニー・スキニー」と大田君の「Silly Girl」の3曲は絶対ライヴでやろうと思っています。

キハラ : 「スキニー・スキニー」は、マシュー・スウィートの「ガールフレンド」みたいに歌えたらなと思って、歌の練習でスタジオに行ったりして。結果的に全然違うものになったんですが、おおむね好評で大田先輩にも「人柄が出てる」って言われたので(笑)。そういう意味では良かったなと。あとはライヴでこれをどうやってできるかというところが自分なりのチャレンジですね。ライヴでも頑張って歌います。

一色 : 「暁ワンダーボーイ」を初めてライヴでやった日に、客席で泣いてる人が何人かいたんですよ。今回のアルバムでも、本当は「マイ・ベイビィ・アン」から始まるのが普通だと思うんだけど、ボウイを偲ぶ気持ちもあって「暁ワンダーボーイ」を1曲目にしたんです。キャリアの中でも代表するような曲ができたと思っているので、ぜひ繰り返し聴いてほしいですね。

DISCOGRAPHY

関連作品

LIVE INFORMATION

JACK TOO MUCH TOUR 2017

2017年2月9日(木)@ 吉祥寺マンダラ2
出演:ジャック達 、オープニング・アクト : パンタンシノワ
前売3000円/当日3500円(+1drink )
開場18:30/開演19:30
予約お問い合わせ 吉祥寺マンダラ2

2017年2月11日(土)@鶴舞KDハポン
出演:ジャック達
前売3000円/当日3500円(+1 drink)
開場18:00/開演19:00
予約お問い合わせ K.Dハポン MUSIC FIELD

2017年2月12日(日)@ 梅田ムジカ・ジャポニカ
出演:ジャック達
前売3000円/当日3500円
開場18:00/開演19:00
予約お問い合わせ ムジカ・ジャポニカ

ご予約は各地のお店 HP/お電話 か、出演者のSNS等でも承ります

2016一色エレキ歳末大売り出し 「ISSIKI TOO MUCH」

2016年12月25日(日)
場所:黄金町試聴室その2
出演:一色進、宙GGPキハラ、他
開場:18:30 / 開演:19:00
料金:予約 2,000円+1drink (500円) / 当日 2,500円+1drink (500円)

ジャック達 最新アルバム『JACK TOO MUCH』発売記念トーク&ミニ・ライヴ

2017年1月13日(金)
場所:新宿dues
時間:OPEN 19:30 / START 20:00
内容:トーク&ミニライヴ
出演: 一色進/宙GGPキハラ ※ミニライヴは2名での演奏になります

■参加方法
ジャック達『JACK TOO MUCH』をお買い上げの方にイベント参加券を差し上げます。
※入場時に1ドリンク代(500円)をいただきます
■イベント参加券 配布対象店舗
新宿BF日本のロック・インディーズ館/お茶の水駅前店/神保町店/下北沢店/
吉祥寺店/中野店/立川店/町田店/高田馬場店/池袋店/横浜関内店/横浜西口店/
千葉店/柏店/北浦和店/渋谷中古センター/大宮店/大阪店/オンラインショップ

注意事項

■お問合わせ
ディスクユニオン営業部
TEL:03-3511-9931(平日10:00~19:00 土日祝日を除く)
e-Mail: jpop@diskunion.co.jp

PROFILE

ジャック達

伝説のバンド・シネマやタイツに在籍していた一色進(Vo,Gt)を中心に宙GGPキハラ(Gt)、夏秋文尚(Dr)、福島ピート幹夫(B)の4人で結成。2005年1stアルバム『MY BEAUTIFUL GIRL』発表、2007年2ndアルバム『HI-LAND』を発表後に福島が脱退しトリオとなる、以降ベースには大田譲(カーネーション)をサポートメンバーに迎え、2008年~2009年配信シングル「ジャックフルーツ・シングルズ」12曲を発売(2014年初CD化)、2015年3rdアルバム『JOYTIME』、2016年12月『JACK TOO MUCH』を発売した。

>>HP

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インタヴュー

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