2016/10/19 12:04

〈でれんの!?サマソニ!?2016〉出演、Bluemsのニューシングルを独占配信&初インタビュー公開!

結成1年足らずで全国流通の音源もない、無名の新人である。だが、絶対の自信を持って推させていただきたいバンドこそ、Bluemsである。先日、惜しまれつつも活動終了を迎えたガリレオ・ガリレイを彷彿とさせる、キャッチーな歌メロと海外のサウンドのバランス感。それでいて、より広く受け入れられるであろうポップさを兼ね備えた彼らは、既に今年のサマーソニック新人枠〈でれんの!?サマソニ!?2016〉出場経験を持ち、にわかに注目を集めつつある。そんな彼ら、実は昨年12月に解散した恋する円盤の元メンバーが中心となって結成されたバンド。そうなれば、彼らの音楽の素晴らしいバランス感は納得いただけるだろう。

今回OTOTOYでは、そんな注目必至のBluemsの最新シングル『Wednesday Escape』を独占配信! 加えて、メディア初掲載となるインタヴューも公開します!

オトトイの限定配信です!

Bluems / Wednesday Escape
【Track List】
01. Wednesday Escape


【配信形態 / 価格】
16bit/44.1kHz WAV
単曲 250円(税込)



INTERVIEW : Bluems

今年の春、Bluemsが初めて公開した音源「ショート・トリップ」を聴かせてもらったとき、彼らに感じていた漠然とした不安が吹き飛んだのを今でも鮮明に覚えている。前身バンドの突然の解散とゼロからのスタート、東京のインディ・シーンの様相――様々な不安要素を勝手に案じていたのが馬鹿らしくなるほど、彼らは純粋に自分たちの好みを反映させたグッド・ミュージックを奏でていた。

今回オトトイで配信する「Wednesday Escape」は、〈でれんの!?サマソニ!? 2016〉出演に併せてYouTubeでMVが公開されたもので、1st demo『Short Trip EP』の収録曲とは一線を画す、ほのかにマッドチェスター的な湿っぽさを感じさせるナンバーになっている。メディア初掲載となるインタビューでは、ソングライティングを担う3人(!)に参加してもらい、彼らの魅力のひとつでもある多彩な音楽的なバックボーンとバンドのヴィジョンについて語ってもらった。

取材、文、写真 : 寺島 和貴

バンド内に3人ソングライターがいるのがBluemsの面白いところかなって

(左から)辻本秀太郎(ba), 大塚真太朗(vo/gt), 山中卓人(gt)

──初インタビューということなので、まずは結成の経緯から教えて下さい。

大塚 : 以前は恋する円盤というバンドをやっていたのですが、去年の冬に解散してしまって。それで、恋する円盤で一緒にやっていた弟の(大塚)薫平(dr)や中村(key)と「またバンドやりたいね」っていう話になって結成しました。

──他の二人のメンバーはどのように集まったんですか?

大塚 : (山中)卓人(gt)は、恋する円盤のサポートで弾いてもらっていたし、昔から知ってる仲なのでそのまま誘いました。辻本(ba)はもともとギタリストなんですけど、Bluemsでベース弾いてくれないかなって思ってたんですよ。そうしたら「辻本が家でベースの練習をしてるらしい」っていう噂が流れてきて(笑)。

──それは、加入に対するアピール?(笑)

辻本 : 全然そんな話があったなんて知らなくて(笑)。一人で宅録をやっていたので、自分でベースを入れたくて練習してました。

大塚 : それを聞いて、辻本に頼んだら快諾してくれて。それでこの5人が揃いました。それが去年の11月から12月にかけてですね。

──どういうヴィジョンでBluemsを始めたんですか?

山中 : 自分たちがずっと聴いてきた海外の音楽の要素を抽出して、最終的に日本語のいい音楽を作りたいっていう感じですね。

大塚 : あと、今日来てる3人は全員ソングライターなんですよ。バンド内に3人曲が書ける人間がいるっていうのはBluemsの面白いところかなって思いますね。

──確かに、それだけ引き出しの数が多いっていうことですもんね。Blumesの音楽性としても、USインディの要素も、UKロックの要素も、日本の歌ものの要素もあって。具体的な名前を挙げるとしたら、どういう音楽から影響を受けていますか?

大塚 : いろんな音楽を聴いてきたけど、やっぱり自分の中ではアジアン・カンフー・ジェネレーションの存在は大きいですね。自分たちの好きな海外の音楽を落とし込みながら日本語で素晴らしい音楽を作って、スタジアム級のバンドとして成功してますし。お手本のような存在ですね。

山中 : ガールズやクリストファー・オウエンスは好きですね。プレイヤーとしては、ペイヴメントやマック・デマルコみたいな変化球っぽいノリで弾きながら、最終的にはスピッツのような聴きやすい音楽に仕上げるっていうことを意識してます。

辻本 : 僕は結構ビッグなバンド大好きで。Bluemsをやる上だとビートルズやリバティーンズからの影響が強いですかね。コーラス・ワークとかはアレンジする上ですごく参考にしてます。

──分厚いコーラス・ワークはBluemsの強みですよね。今挙げてもらったような音楽を日本語のグッド・ミュージックに落とし込んでいくとき、どうやってそのバランスをとっているんですか?

大塚 : いいメロディを乗っけるっていうことですかね。これはみんな共通して意識していると思います。

山中 : いいメロディっていう大きな軸があるからこそ、オケで好きなことが出来るとも言えますね。

自分が感じたことを入れ込むことで、リアリティのある普遍的な音楽ができる

──歌詞の話になりますけど、以前と比べて歌詞の雰囲気が変わりましたよね。よりリアリティがあるというか。

大塚 : そこまで意識的に歌詞の書き方を変えたわけではないんですけど、フィクションとノンフィクションを上手く混ぜていくのが自分に合ってるなって最近は思ってます。

──つまりそれは、フィクションとノンフィクションの間の世界で、普遍的であるとも言い換えることができると思うんですよ。時と場所を選ばず、自分たちの音楽でもあり続けるし、リスナーのものでも有り続ける。普遍性に対する意識っていうのは、作曲の中でありますか?

大塚 : お茶の間にも届くような音楽をやりたいと思っているから、普遍的なものを作りたいっていう気持ちはあるかもしれない。でも、意識的にやりすぎると程度の低い共感しか得られないと思います。あくまでも自分が感じたことを入れ込むことで初めて、リアリティがあって普遍的な音楽ができると思いますね。

辻本 : 曲の雰囲気も前のバンドから変わったし、それに引っ張られて歌詞も変わってきたと思いますけどね。

山中 : 切ない感じの曲が多いから、歌詞もどことなく孤独感みたいなものを感じますね。

大塚 : サウンドのフィーリングから歌詞を書くことが多いし、無意識だけど変わってるかもね。

最初に聴いたとき、みんな戸惑ってた(笑)

──今回オトトイで配信する「Wednesday Escape」は、Bluemsにとってどういう立ち位置の曲ですか?

辻本 : ターニングポイントになった曲ですね。

大塚 : 最初に僕がスタジオに持っていったとき、みんな戸惑ってたよね(笑)

山中 : 薫平なんか特にね。

──確かに、『Short Trip EP』の曲に比べてグッと重厚感が増した感じはありますよね。

大塚 : これまでは「こういうリフを使いたい」とか「こういう雰囲気にしたい」っていうアイデアが先にあって、そこにメロディを乗せていくっていう作り方をしていたんですよ。でも今回は、純粋に弾き語りで先にコードとメロディがあるっていう形だったから自ずとこれまでと雰囲気も変わって。曲の展開もわかりやすくAメロ〜Bメロ〜サビっていう形だし。

──それまで歌の外側の型から作っていたのが、今回は歌に肉付けをしていくっていう。

大塚 : そうですね。今回は歌という軸を中心に作っていきましたね。

──少し歌い方も変わりました? がなるような歌い方をあまりしない印象だったので。

大塚 : がなり気味なのは、単純にキーが高いところだからかも(笑)。でも、Aメロをかなり低いところで作って、少しずつキーが上がっていくメロになってるんですよ。だから、全体としてエモいメロディにはなってるかも。

山中 : 歌っているときの顔つきも真剣そうな感じになりましたよね。前はただの笑顔だったのに(笑)。

──ただの笑顔って(笑)。さっきの話でも出てきましたけど、やはりいいメロディありきで作っていくことが強く前提になってますよね。となれば、「Wednesday Escape」はこれからのBluemsの指針となる曲になるっていうことですか?

大塚 : もちろん、MVも作ったし気に入ってる曲なんですけど…あくまでもいい曲が出来たっていうことでしかないんですよ(笑)。個人的には、もう少し明るい曲もやっていきたいですね。

辻本 : 今、そんなに暗いですかね?(笑)

大塚 :「Wednesday Escape」は暗いと思うな。別に、明るくても暗くてもいいんだけど(笑)。

辻本 : でも「Wednesday Escape」はストーン・ローゼズを意識してるところがあるから暗いかもしれない。

――UKっぽい湿っぽさはかなり感じましたね。

ライヴハウスで終わりたくない


──いろいろ話をしましたけど、これからのヴィジョンを訊かせてもらえますか?もうすぐ結成1年ですし。

大塚 : やっぱり、3人のソングライターがいるっていうのはBluemsの一番面白いところだと思うので、それぞれの代表曲が出来るぐらいになるといいなって思いますね。

山中 : ライヴを重ねて、どうやったらお客さんに届くかっていうのがわかってきたので、あくまでも自分たちがかっこいいと思うことをやりながらいい曲をたくさん作っていきたいです。あと、こういう音楽をやっている以上、どんどん大きい会場でライブしたいなって思いますね。

大塚 : やっぱり、ライヴハウスで終わりたくないよね。僕らの親の世代とか、そこらへんの道を歩いてる人が聴いても「いい曲だね」って言ってくれるような曲を作りたい。

辻本 : そのためにも、自分が憧れてきたようなビッグなバンドのように、コーラスが豊かで、いいメロディが中心にある曲を作っていきたいですね。

LIVE INFORMATION

『out of place vol.2』
@下北沢LIVEHOLIC
2016年11月4日(金)
OPEN 18:00 / START 18:30
TICKET : ADV 2300円 / DOOR 2800円 (ドリンク代別)
LIVE : Ring Ring Lonely Rollss / Bluems / and more...

『cinnamons 1st EP Release Tour Final』
@新宿MARZ
2016年11月30日(水)
LIVE : cinnamons / Couple / Bluems / and more...
DJ : 斎藤雄 (Getting Better, JUKEBOX)
FOOD : ミンキッチン

PROFILE

Bluems

元・恋する円盤のメンバーでもある大塚真太朗(vo,gt)、大塚薫平(dr)、中村直人(key)を中心に、山中卓人(gt)、辻本秀太郎(ba)を加え、慶應義塾大学の音楽サークルで2016年1月結成。同年6月には初の自主制作盤『Short Trip EP』をリリース。また、同年8月には、結成1年に満たない新人でありながら〈でれんの!? サマソニ!? 2016〉に出演を果たす。愛聴してきた海外の音楽を高いレべルで日本のポップスに昇華させる、期待の新鋭である。
>>Bluems 公式ホームページ

この記事の筆者
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