チェンバロの名器で継承するスパニッシュ・ピアノの絶技──大木和音、DSD11.2MHzライヴ録音作を配信

2016年3月11日から3月13日にかけて行われたハイレゾの祭典、〈HIGH RESOLUTION FESTIVAL at SPIRAL〉。そのなかでも最終日は、中島ノブユキ、渋谷慶一郎のトーク・ショウやピアニスト丈青の公開ライヴ・レコーディングなどが開催され、ある意味で鍵盤楽器一色に染まった1日だった。

そしてその日、ライヴ・レコーディングに臨んだもうひとりの才女が、ピアノの原型となった鍵盤楽器、チェンバロの奏者として世界で初めてDSD11.2MHzレコーディングを行った大木和音。しかも今回は、同じDSD11.2MHzレコーディングといっても、オーデイエンスを目の前に極限の緊張感をまといながらの録音。彼女の新たな挑戦ともいえるレコーディング作品をOTOTOYで独占配信します。

それにともない大木和音と本公演を企画し世界的に活躍する調律師、狩野真のふたりを迎えてインタヴューを敢行。本作ができるまでの裏側やOTOTOYではあまり馴染みのないかもしれないチェンバロの魅力を大いに語ってもらった。

大木和音 / Latina -内なる印象

【Track List】
01. 三美神 (デュフリ)
02. 子守歌 (グラナドス)
03. アストゥリアス (アルベニス)
04. 火祭りの踊り (ファリャ)
05. オリエンタル (グラナドス)
06. アンダルーサ (グラナドス)
07. ソナタ K.213 (スカルラッティ)
08. アラベスカ (グラナドス)
09. 内なる印象より 哀歌 I, II, III, IV, 悲しい鳥、小舟 (モンポウ)
10. 歌と踊り 第6番 (モンポウ)
11. スキタイ人の行進 (ロワイエ)
12. 一つ目巨人(アンコール) (ラモー)

【配信形態】
【左パッケージ】DSD11.2MHz + mp3 / 【右パッケージ】24bit/96kHz (WAV / ALAC / FLAC) / AAC
>>ファイル形式について
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【価格】
まとめ購入のみ 2160円(税込)

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本作品の11.2MHz版はファイル・サイズが大きいため、Windowsに標準搭載された解凍ツールでは正常に展開できない場合がございます。その場合、お手数ですが、Explzhという解凍ソフトをお試しください。

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大木和音 Latina -内なる印象 作品クレジット

All Songs Performed by Kazune Oki
Recorded at Spiral Hall

Recorded & Mixed by Taiji Okuda(studio MSR)

Harpsichord technician : Makoto Kano

Project Director : Makoto Kano

Supported by PREMIUM COMPACT AUDIO GUIDE & Net Audio

写真 : 大橋祐希
当日使用したチェンバロ
クリスチャン・クロール・レプリカ

クリスチャン・クロール(リヨン) 1770年製(オリジナルの楽器はスイス : 個人所蔵)

レプリカ製作者 : オリビエ・ファディーニ(パリ)
仕様 : 245cm / 8feet×2・4feet×1 / リュートストップ
音域 : C¹~g³

レプリカの製作者、オリビエ・ファディーニは、木材、塗料など素材を徹底して選び抜くだけでなく、響板の応力を重視し、楽器の音色や表現力を究極まで再現します。伝統的技術を重んじながらも新しいアイディアを活かす、現代で最もクリエイティブな制作者の一人です。
また 1オクターブの足鍵盤は低音を持続させ、今までに無い幅広い共鳴感と音色感を可能にしました。この楽器は、バロックから現代音楽まで幅広く対応でき、演奏者の想像力を限り無くかき立てます。(text by 狩野真)

INTERVIEW : 大木和音 × 狩野真

未体験の楽器の音色に触れ、その時代を想像するのは、音楽を楽しむ上で至福の時間である。今回の大木和音のチェンバロ演奏『Latina -内なる印象』は、僕にその時間を与えてくれたとても重要なアルバムだ。また、以下のインタビューに綴られている調律師の狩野真の言葉は、その時間を更に豊かなものにしてくれる。さぁ、ぜひこの音源を聴き、インタビューを読みながら、未知なる体験をしてみて欲しい。貴重なインタビューです。

インタヴュー・文 : 飯田仁一郎
構成 : 中村純
写真 : 関口佳代

いまの世のなかにおいてもチェンバロという楽器は進化していく。(狩野)

——大木(和音)さんのチェンバロとの出会いは?

大木和音(以下、大木) : 最初はピアノをやっていましたが、とりわけ好きでずっと継続していたのが、バッハでした。高校生のときに、バッハの曲をチェンバロで聴いた瞬間に、心に響くものがあってやってみたいなと。ピアノでなくて、チェンバロで初めて聴いたバッハのコンチェルトに、かっこいいなぁとびっくりしたんです。

——チェンバロの魅力とは?

大木 : ピアノと形は似ていますけど、ピアノは弦をハンマーで叩くのに対して、チェンバロは鳥の羽の軸で、弦を弾く(はじく)。演奏していくにしたがって、その弦の音が重なり合い、音のシャワーのように降り注いできて、それを全身に浴びて演奏する贅沢感は、なんともいえません。アルペジオもすごい気持ち良いですし。

大木和音

——狩野(真)さんから見たチェンバロの魅力とは?

狩野真(以下、狩野) : 最初は(チェンバロのような)古楽器って地味で音が貧素なイメージであんまり好きじゃなかったんです。が、ヨーロッパで本当に美しい音色のチェンバロに巡り合ったときに、すごい楽器なんだなと思いました。それまでは、あまり興味を持てなかったチェンバロ曲でしたが、そのチェンバロで奏でられる音楽は実際にはどういうものがあるんだろうかと掘り下げ、ラモー(※1)やクープラン(※2)を聴いてくうちにただものではない楽器だなと思いましたね。そこから古楽器に対してもっと敬意を持ち、かなり掘り下げて調べるようになりましたね。

——大木さんが本プログラムで弾いたチェンバロについて教えてください。

狩野 : 1770年のバロック時代後期に作られたクリスチャン・クロールのレプリカです。1770年はまだチェンバロもピアノも両方ともあった時代なんですね。チェンバロにはペダルがないのですが、ピアノにはありますよね。クリスチャン・クロールは、これから来るであろう新しい時代の音楽表現を意識した機能が各所に見受けられるんです。もちろんペダルは有りませんが(笑)。しかし、ときの流れとともにチェンバロの時代はピアノの時代に取って代わられました。つまり、現代においてもチェンバロという楽器は進化する余地がたくさん残っていると言うことです。そこが楽器のおもしろいところでもあり〈大木和音 《Latina》 内なる印象〉のプログラムのなかに活かされているんです。

——どのような経緯でクリスチャン・クロールのレプリカと出会ったのですか?

狩野 : 彼女(大木和音)を支援している方が病気でお亡くなりになったんですが、生前に彼女のために最高の楽器を選んでくれとのことで、制作途中のクリスチャン・クロールのレプリカを探し当てました。しかし完成までに6年という期間を要したものですからその間にその方は亡くなってしまったんですけど、その意思を継いで彼女のところに納品されたんです。6年がかりでできた楽器っていうのはほとんど類を見ないのですが、本当にすごい楽器なんです。

——いままで使ってたチェンバロとはやはり全然違う?

大木 : 初めて出合ったときから音量も響き方も全然違いましたね。それでパリから日本に持ってきて、最初の1、2ヶ月は狩野さんの工房で日本の空気に馴染むように預かっていただき、仕事の合間に調整していただいて。いい楽器はとてもデリケートなので扱い方によっては傷むのも早いって言うんですけど、狩野さんは自分の子供のように楽器を可愛がってくださるんで、傷むどころか私のタッチと音の鳴らし方に合わせて、楽器が一緒に成長してくれるんですね。狩野さんの技術は恐ろしく、たぶん制作者もびっくりしていると思います。

——どなたが作ったのでしょうか?

狩野 : オリヴィエ・ファディーニっていう人生をかけてチェンバロを作っているひと。彼が1770年製のクリスチャン・クロールのオリジナルを修復するとともに製作した、言わばクローンのような楽器が彼女のチェンバロです。オリジナル楽器は、二百数十年経ていますので、寝かしの浅い新しい木をつかって修復はできないんです。そのために材料はお城の修復時に出る天井材とか床材の古木を使ってるんですよ。その古い材料で修復するとともにその材料で、もう1台、まったくそっくりなクローンを作るんですね。ですから、ものすごい年月がかかるんです。

狩野真

※1 : ジャン=フィリップ・ラモー(1683〜1764年)
バッハややヘンデルと同世代のバロック時代の18世紀フランス最大の作曲家。

※2 : フランソワ・クープラン(1668〜1733年)
バロック時代中期から後期を代表するフランスの作曲家。

アリシア・デ・ラローチャのピアノをチェンバロで受け継ぐ(狩野)

——そもそもチェンバロはいつ生まれたのでしょう?

狩野 : はっきりわかりませんが、1500年代あたりでしょうか。ちなみにピアノは1708、9年にチェンバロのボディのなかに打弦アクションっていうメカニックをいれてイタリアのバルトロメオ・クリストフォリ(※3)が作ったのが最初なんですね。でも、チェンバロがすぐにピアノに変わったわけではないんです。現にバッハはいくらピアノ製作者がピアノを持っていっても、絶対弾かなかったみたいです。死ぬ間際になってジルバーマン(※4)というピアノをちょこっと弾いてすぐ亡くなってしまうので、彼の人生の99%は、ピアノじゃなくてチェンバロを弾いていたんです。


バルトロメオ・クリストフォリが製作したピアノ

——なるほど。その後ピアノが残り、逆にチェンバロがメジャーではなくなっていったのは、何故なのでしょう?

狩野 : 当時音楽は神や高い権威に対する捧げ物や献上品でした。しかしその後、時代は変わり、音楽は、作曲家が自分を表現するためのものになっていった。チェンバロはすごく崇高で美しくて澄んだ音は出ますが、打弦楽器のピアノのように自在な強弱や爆発的な音は出ません。またピアノは弦の張力がどんどん高くなっていき、そのうちトータルで20トンくらいの力がかかるようになり、チェンバロのような木製では抑えられなくなるほどになりました。よって音域が増え、音量も豊かになり、よりスケールの大きな曲も沢山生まれました。モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンにしても、みんな作曲家にしてピアニストですから、そういう天才音楽家が自分の音楽を表現するためにピアノに変化を要求していって、いまのピアノになっていったんです。

——ピアノの方が爆発的な表現力がある。そのなかで大木さんがチェンバロの方が魅力的に感じる理由とは?

大木 : 自分が表現したいことを伝えやすいのがチェンバロ。ピアノももちろん好きですが、チェンバロを弾くとやっぱりしっくりくるんです。

——〈HIGH RESOLUTION FESTIVAL at SPIRAL〉でのプログラム〈大木和音 《Latina》 内なる印象〉のコンセプトとは?

狩野 : DSDのライヴ録音ということで、最初に決まっていたのが丈青さんのGrotrian-Steinweg 223(※5)を使ったジャズ・ライヴでした。そのピアノはアルド・チッコリーニ氏(※6)がイタリアで使っていたピアノで音色感もあってイメージを湧かせる楽器として丈青さんもすごい気に入ってて。そこで、それに負けない音色と表現力、ピアノにはない倍音構成を持った楽器をもってくることでハイレゾの特性が明らかに見えるんじゃないかとスパイラルの山上(修平)さんと一緒に話をしました。それでバロック音楽以外にハンガリアン・ロックというチェンバロでは前衛的な音楽で、ユトレヒト音楽院(※7)を卒業した経歴を持つ大木和音がこの機会に当てはまると思い推薦したんです。

——なるほど。

狩野 : チェンバロがピアノにはない魅力を持っているなと気づいてから、いつもこのプログラムをやりたいって思っていたんですね。ですからそれをやれるアーティストに出会ったことが、このプログラムができた理由なんです。

——そのプログラムで表現したかったこととは?

狩野 : アリシア・デ・ラローチャ(※8)というピアニストが演奏してきたスペイン音楽をチェンバロで後継すること。彼女が弾くピアノの音っていうのはある意味ピアノじゃないんですよ。巨大なギター。ギターとチェンバロってすごく似ているところがあるんですが、ただ、なにが違うかっていうとチェンバロはヴィブラートがかけられないこと。でも和声や大きなボディーから鳴る倍音を操作することでチェンバロは違った形でそのニュアンスが出せるんです。人は、畳み掛けるように話されるとふつう引いてしまいますよね? チェンバロのその構造から来る独特の音色感は、重なり合う数多くの話声を決して濁すことなく、また表現もトゥーマッチにならず、ある意味ピアノと違った形で生まれる独特の演奏者と聴衆との対話の空間がすごく素敵で、ラテン音楽にものすごく合うと思うんです。


Alicia de Larrocha performs Mompou - LIVE

——チェンバロと合うスペイン音楽が、今回のグラナドス(※9)やアルベニス(※10)、モンポウ(※10)の楽曲だと。

狩野 : グラナドス、アルベニス、モンポウの時代はいまのようにチェンバロが復興されてなかった言わばチェンバロ暗黒時代の作曲家です。彼らの脳裏には美しいピアノの音とギターの音がありました。それを今度は彼らの脳裏になかったチェンバロの音で音楽を作るというのが今回のプログラムで、全く新しい試みなんです。

——なるほど。ということは狩野さんが選曲を?

狩野 : 僕が作曲者とコンセプトを言い、彼女が出してきた曲から一緒に考えました。

※3 : バルトロメオ・クリストフォリ・ディ・フランチェスコ(1655〜1731年)
フィレンツェのメディチ家に仕えたイタリアの楽器製作家、ピアノ技術者。ピアノを発明したとされる。

※4 : ゴットフリート・ジルバーマン(1683〜1753年)
J.S.バッハと同時代に活躍したドイツのオルガン製作者。50以上もの名器を残す。

※5 : Grotrian-Steinweg 223
フリードリッヒ・グロトリアンがグロトリアン社を1835年に創業し、1865年までテオドア・スタインウェグ(STEINWAY創業者の長男、のちSTEINWAYの製作責任者)とともに製作。

※6 : アルド・チッコリーニ(1925〜2015年)
イタリア人ピアニストでサティブームの火付け役となった世界的巨匠。

※7 : ユトレヒト音楽院
オランダのユトレヒトに位置するヨーロッパでも屈指のユトレヒト芸術大学に所属する音楽院。チェンバロのマエストロはシーベ・ヘンストラ。

※8 : アリシア・デ・ラローチャ(1923〜2009年)
スペイン・バルセロナの女性ピアニスト。スペイン音楽の巨匠、スパニッシュギターでなければ出せないニュアンスをピアノで完璧に表現する類を見ないアーティスト。モンポウ自身、彼女の音楽性を絶賛している。

※9 : エンリケ・グラナドス(1867〜1916年)
ロマンティックな作風が特徴的な作曲家・ピアニスト。近代スペイン音楽の礎をつくる。

※10 : イサーク・アルベニス(1860〜1909年)
ロマン後期を代表するスペイン近代民族音楽の先駆者として知られる作曲家・ピアニスト。

※11 : フェデリコ・モンポウ(1893〜1987年)
ドビュッシーやサティの影響を受けたスペイン、カタルーニャの作曲家。

どんな素敵な音楽でも自分の大好きなチェンバロで表現できるようになりたい(大木)

——大木さんはそのセットを実際に弾いたわけですけど、手ごたえは?

大木 : ふつうのチェンバロのコンサートでは演奏されない曲ばかりでしたので、初めての経験で、すごく新鮮で楽しかったです。いままでピアノやギターでの名演奏を聴いてきた曲を、自分の大好きなチェンバロでなんとか表現できないかと探ることで、チェンバロの奏法にもいろいろ発見がありました。それから、いつも弾いているバロック時代の曲も今回演奏した曲も、演奏するにあたって特別に意識し合う必要はなく、結局は同じ音楽だと改めて気付けたし、「どんな音楽でも、素敵な音楽はなんでも、チェンバロで表現できるようになりたい」っていうずっと昔からの願いを、一つのコンセプトのなかで叶えることのできたプログラムでした。

——お客さんがいるなかでのライヴ・レコーディングということで、独特の緊張はありましたか?

大木 : とにかく、曲と楽器と和声に自分を委ねるしかないと臨んだのですが、お客さんたちのすごい集中力と高揚感が後押ししてくれて、のびのびと弾けたかなと。でもひとりでレコーディングするのとは全然違いますね。またお客さんから、応援してあげようっていう空気、咳しちゃいけないとか、拍手もここでしたいけどしちゃいけないとか…いろいろな温かな思いを感じとれましたね (笑)。

——できた音源を聴いてみていかがでしたか?

大木 : 弾いた本人なんで、良いことも悪いこともいろいろ覚えているんですが、本当にリアルに再現されています。ですからこれをライヴ版として楽しんでいただくのが、一番の願いです。たまに咳とか入っているとお客さんがいるんだよって逆に安心しちゃうくらいで (笑)。

——狩野さんはどうでしたか?

狩野 : 演奏を聴いたとき、いままでのDSD11.2MHzやCDレコーディングより全然音が落ち着いてるなと。彼女自身が肝を据えたんだろうなというどっしり感がありましたね(笑)。やっぱり弾き直しができないと思うと、潔くなるのかもしれないです(笑)。

——DSD11.2MHzで録音されたチェンバロの音については?

大木 : やっぱりDSD11.2MHzで録ると、同時に鳴っているチェンバロの上鍵盤の弦と下鍵盤の弦の音が、それぞれ別々に聴こえてくるんですよね。これには本当に驚かされました。それから調律も、よりシビアにばっちり合っていなくちゃいけないんです。さらに今回の曲は、バロックの作品じゃないので、いっぱいフラットやシャープがついているので、ふつうは調律できないですよ。狩野さんもそうとう大変だったと思います。

——それほどシビアな調律で狩野さんが今回特に気にされたこととは?

狩野 : いろんな調の曲を緊張感や美しさを持たせながら響かせることで、ストーリー性を持たせること。モンポウの曲はうちに秘めたような和声が微妙に変わっていくところがすごく大切なんです。演奏者もペダルなしで、きれいにその和声を繋げていかなくちゃいけないのですが、それが濁ったり途切れたりしてはいけない。そのためにはお互いのコミュニケーションが重要で、楽器の状態も私のアトリエでの練習のときと本番スパイラルホールのときを同じように作らなくちゃいけないのですが、アトリエとスパイラルホールの空気はやっぱり違う。やはり本番までに、会場の空気に馴染ませるような時間と計画性が必要なんです。自分からプログラムを立てていくということは、料理で言うレシピみたいなもんですよね。さらに演奏家も本番に向けてどんどん緊張感を高めていくので、楽器も一緒に精度を高めていけると素晴らしいコンサートになります。今回のライヴ録音は演奏家、楽器そして聴衆が一体となり新しい音楽の空間を共有した素敵なものになりました。是非聴いていただきたいです。

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LIVE INFORMATION


大木和音チェンバロリサイタル vol.14 〜Celebration〜
2016年5月20日(金)@高崎シティギャラリー・コアホール

PROFILE

大木和音

東京藝術大学チェンバロ科、同大学院修士課程修了。オランダ・ユトレヒト音楽院に留学し、ソリスト・ディプロマを得て卒業。藝大「安宅賞」受賞。旧奏楽堂にてデビュー・リサイタル後、第38回ブルージュ国際古楽コンクール、ディプロマ賞受賞。バロック音楽の再現だけではなく、コンテンポラリー音楽においてもアクティブに表現する。楽器の特性を感覚的に熟知し、音楽の呼吸と楽器の呼吸とを絶妙にコントロールしながら、自分の音楽を構築していく数少ないアーティスト。昨年、チェンバロで初のDSD11.2MHz完全無編集マルチ録音によるフランスバロック作品集『三美神』のレコーディングを成功させ、レコード芸術誌に演奏及び録音のクォリティの高さで絶賛される。世のチェンバロに対する概念を覆す、溢れ出す表現力。色彩豊か且つ壮大な音楽性は、チェンバロの新たな可能性とバロック音楽の真の姿を、現代に浮き彫りにした。

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インタヴュー

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筆者について
J J (JJ)

パンク・バンドLimited Express (has gone?)のギター・ボーカル。BOROFESTAの主催者。ototoyのチーフ・プロデューサー。JUNK Lab Recordsのレーベル・オーナー。ライターやイベント・オーガナイズも多数。ototoyでは、リミエキのJJとして喋っている時は、JJ(Limited Express (has gone?))と記載しています。