なぜバンドをやってるの?ーーTHE TOKYO、〈オレたちしんじゅく族〉のテーマ曲を独占配信!! バンドマンの本質に迫る座談会を掲載
キャロル、クールス、尾崎豊、世良公則、めんたいロックなど、ジャパニーズ・ロックンロールの初期衝動が憑依したかのような5人組ロック・バンド、THE TOKYO。メンバーのコダマタイチが雑誌『Men's Non-no』の専属モデルとしても活動するなど、ファッション・センスも抜群に、クールに転がり続けている若き新星たちだ。このたび、THE TOKYOが新宿LOFTと主催する異例の1年間ぶっ通し企画〈オレたちしんじゅく族〉のテーマ曲である「C’MON」をOTOTOY限定で配信スタート!! モデル・女優として多方面に活躍する北山詩織をキャストに迎えて約1年ぶりに制作された昭和映画風のMVも初公開する!! さらに、Large House Satisfaction、THE PINBALLS、the twenties、Yellow Studsのメンバーを迎え「なぜバンドをやっているか」というテーマの座談会も掲載。盛りだくさんの本特集で、THE TOKYO、そしてバンドの魅力を堪能してほしい。
まずは、初公開となるTHE TOKYOのMVをじっくりとご覧ください。
MVのきらめきを音源でも!!「C'MON」をOTOTOY独占配信!!
THE TOKYO / C'MON
【配信形態】WAV / ALAC / FLAC / AAC
【配信価格】 単曲 216円(税込)
THE TOKYO × 新宿LOFT〈LET’S GO LOFT オレたちしんじゅく族〉の開催を記念して発表、同イベントのテーマ曲「C’MON」。〈LET’S GO LOFT オレたちしんじゅく族〉とは、THE TOKYOが日本の老舗ライヴハウス新宿LOFTとタッグを組んで敢行する2015年ぶっ通し企画。無名のロック・バンドが名だたるバンド、アーティストを相手どり空前絶後の百人組手に挑む。これまでに行われた7回のイベントには武藤昭平withウエノコウジ、THE NEATBEATS、ザ50回転ズ、THE BOHEMIANS、Large House Satisfactionなど現在のロックシーンを作り上げてきた、そして今後作っていくであろう錚々たる顔ぶれが集結している。ライヴハウスは、ロックは、音楽は、もっともっと情動的で大きな熱量を秘めたものだ。失われつつある生の感情やきらめきを「オレたちしんじゅく族」というイベント、そしてこの「C’MON」という曲に託す。
THE TOKYOも参加しているCOOLSトリビュートの配信も同時スタート!!
V.A. / A TRIBUTE TO COOLS GET HOT COOL BLOOD BROTHERS
【配信形態】mp3
【配信価格】 単曲 250円 / まとめ価格 2,400円(税込)
【Track List】
1. 泣きながらツイスト / クールス
2. シンデレラ / 藤井フミヤ
3. T-BIRD CRUISIN' / TCR横浜銀蝿RSR
4. 恋の炎は燃えて / クレイジーケンバンド
5. 薔薇の刺青 / キノコホテル
6. CINDERELLA LIBERTY / CONNY
7. いかしたグッドモーション / Kozzy Iwakawa and B.A.D Allstars
8. Mr.ハーレー・ダビッドソン / 伊集院幸希
9. 紫のハイウェイ / YELLOW STUDS
10. バースデイ / バンヒロシ(バンビーノ)
11. CHANCE'S / 輪入道
12. CLIMAX / JABBERLOOP
13. ひびわれたグラス / THE TOKYO
14. 追憶 / Ye Crack (チャーリー森田 & 小林ヨシオ)
座談会 : 5組のバンド7名が本音で語る「なぜバンドをやっているの?」
この座談会は、THE TOKYOのコダマアツシと、新宿LOFTの柳沢英則と3人で話をしていたときに、ふとした質問に対する答えがきっかけで実現したものだ。その質問は、「なんでバンドやっているの?」。受け取り方によっては失礼ともとられかねない質問に、コダマアツシは即座に「幸せになるため」と答えてくれた。シンプルでわかりやすい言葉だっただけにビックリしてしまった。きっと僕は、無意識に楽しいからとか、モテるからとか、紋切り型の答えを予測してしまっていたのだろう。でも、「幸せになるため」ってどういうことだ? 音楽で一攫千金なんてことも考えにくい2015年のいま、なんでバンドマンはバンドをしているんだ? そんな疑問を掘り下げたいという気持ちが強くなり、なかなか面と向かって話すことのないテーマ「なぜバンドをやっているの?」で座談会を行おうと提案していた。そして、第一線で活動する5組のバンドからメンバーが集ってくれた。なかなか聞くことのできないバンドマン同士の本音の座談会。その一端をぜひご覧いただけたら幸いだ。
参加者
THE TOKYO : コダマアツシ(VO.)、コダマタイチ(Guitar)
Large House Satisfaction : 小林要司(Vo.&Guitar)
THE PINBALLS : 古川貴之(Vo)
the twenties : タカイリョウ(VO&Gt)
Yellow Studs : 野村太一(Key.Vo.) / 野村良平(Gt.Cho)
インタヴュー&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希
俺はちゃんと与えられるんだなと思った
ーーこの企画は、THE TOKYOのアツシさんに「なんでバンドをやっているの?」って訊いたときに「幸せになるため」って即答したことがきっかけで立ち上がったんですけど、なんでアツシさんはあんなにすぐ即答できたんですか?
コダマアツシ(以下、アツシ) : 普段からそういうことを考えているからですかね。あんまりすっきりした性格じゃなくて、うじうじ考えることが多いんですよ。片想いとかもそうですけど、好きになったものに振り向いて欲しいじゃないですか? 俺はロックのことを好きになっちゃったから、ロックに振り向いて欲しいなって。未だにすっごい片思いだと思っていて、振り向いてくれたら幸せになれるだろうなって、あのときに言ったんです。
野村太一(以下、太一) : ちょっと質問していいですか? この中で思い悩むタイプの人って何人います?
(Large House Satisfaction・小林要司以外、全員手をあげる)
ーー小林さんは、思い悩まない性格っていう自覚があるんですか?
小林要司 (以下、小林) : あんまり悩まないですね。自分たちがやってることに対して最強にかっこいいと思っているから、そんなに思わないですね。
野村良平(以下、良平) : 俺はバンドでは思わないですけど、生活で悩むんですよね。
古川貴之(以下、古川) : そう。バンドっていうか未来について思い悩むことはありますよね。
タカイリョウ(以下、タカイ) : 単純に生活でお金がないことに対して悩むくらい。
太一 : タイチ君、全然しゃべらないね(笑)?
コダマタイチ(以下、タイチ) : 内弁慶なんですよ。僕は全然音楽とかをやっていない普通の友達としかちゃんと喋れないかもしれないです。
太一 : でもさ、始めた理由が「幸せになりたいから」っていうのはすごいと思うよ。俺の理由は、やることがなかったから。ダメな生活のなかで何かしたいなと思っていて、『Men's Non-no』に応募してみようって思ったら「顔がでかすぎる」と言われ(笑)、カメラマンになろうと思ったんですけど、カメラは高いし、現像代も馬鹿にならないので、ピアノを昔弾いていたからバンドしかないかなと。
ーーそんな消去法だったんですか(笑)?
太一 : 本当に無一文だったし住所不定で、いろいろダメになっちゃって。残ったのは音楽だったんですよね。30歳でお金を稼ごうって目標が変わりましたね。
ーー音楽をして飯を食ってく、と。太一さんは、バンドをやっている目的が明確なんですね。
太一 : 自分たちでライヴをやって、その日暮らしの金を稼いで、音楽だけで生きていけたらいいなと。リアルに考えると、月1人15万ずつあれば生活はできるから、バンドで月収75万円あればやってけるじゃないですか。そこが今のところの目標ですね。
ーー他のみなさんは音楽で食ってこうって気持ちはありますか。
アツシ : そうなりたいですよ。そもそも観てて金がないって思わせたくないんですよね。聴いてくれる人に夢を見て欲しい。
タカイ : やっぱり貧乏のやつや、負けてばっかのやつから出る欲求不満だったり、言葉だったりって、何に対しても強かったりするわけじゃないですか。そういう言葉って音楽に乗っけるべきだなって思うんですよね。
ーーロックをやる以上は夢を見せる必要があると。
小林 : 最初はお客さんなんていなかったし、楽しいからって理由だけでやっていたんですけど、聴いてくれる人が増えていくにつれて考え方が変わってきて。俺はちゃんと与えられるんだなと思ったんです。例えば、大学生とか高校生の子たちが文化祭で俺たちの曲をやるって聞いたときに感動したんですよ。それって、自分たちが学生の頃にしてたことだったから。時代が巡って、いま俺たちがされている。そのときに「あ、やれるんだ俺」と思って。青春時代、漠然としたむかつきみたいなものがあって、それをどうにか音楽にぶつけられたらと思って聴いていたのが、すごく楽しかったんですよ。だから、中学生とか高校生に「つまらないことあってもヘッドホンして爆音で聴けばちょっと強くなった感じになるよ」「そんなに人生いやなことばかりじゃないよ」って言いたい。俺はそうだったから。
アツシ : 与えられるんだっていうのは本当に思いますよ。これで喜んでくれる人が1人でもいて、あの頃の俺たちみたいな気持ちになってくれてるんだって。俺、高校でスポーツに打ち込んでいたんですけど、陸上の跳躍とか1センチでも飛ばなかったら負けなんですよ。そこに対して努力の過程とか、そういうのは関係なくて、単純に1センチでも少なかったら負けだし、0.1秒でも遅かったら負け。そこに、そいつの価値なんかないって感じだった。俺は勝ってる側だったんだけど、突然勝てなくなった時、なんのために生きてきたんだろうと思っちゃって。結局、自分のために練習して、めっちゃ走って、泣きながら練習したこともあったけど、その時に自分がどういうふうに幸せになるかが分からなくなって。でも音楽って自分だけじゃなくて、人と作るものだなって。聴いてる人がいて、俺らがいて、気持よくなれる。
太一 : 1人2,500円くらい払ってライヴハウスに来てくれるじゃないですか。その金で、普通に風俗とかいけるわけですよ。でもライヴに来てくれる人がいる。そういうことを通して、俺らは30分で2,500円のライヴをできる人間ですってお客さんに教えてもらったんですよ。ライヴは観たことないけど、東北大震災でヴィレヴァンでCDを買って、一家全員がまた音楽聴くようになりましたって話を聞いたとき、逆に勇気をもらって、それが僕らのロックになってくんだなって思ったり。
どうしようもないけど一生考えつづけるものだと思うんです
ーー良平さんがバンドをはじめたきっかけはどういうものなんですか。
良平 : 音楽を聴くのはすごい好きだったんですけど、別にバンドをやりたいわけじゃなくて、1人で楽器を触ってるような人間だったんです。うちの兄貴が入ったらって誘ってくれたのがきっかけですね。
太一 : すごいボロいマンションで2人で住んでいた時に、「群馬に帰ろっかな」的なことを言ってたんですよね。しょんぼりしてたから、音楽やったら楽しいんじゃないかって誘ってみたら、最初は友達のバンドに入って、そこから育ってくれたんで、よし、引き抜こうって思って自分のバンドに入れたんですよ。
ーー(笑)。
太一 : スタジオもライヴもそうですけど、あれより楽しいことないですね。きついこともあるけど、それに変わる快感もないし、他にやることもない。お客さんも僕らのことを気に入ってくれて、アイデンティティ的なものが少し出てきた。普段俺は落ち込みやすい人間なんですけど、スタジオがあるとちょっと楽しみなんですよね。元気になる場所かなって。
小林 : いつの間にか時間が過ぎてる瞬間ありますよね。ライヴのリハっていうよりは曲を練ってる時とか。
古川 : この曲、自分が作ったものだから誰かに聴いてもらいたいっていう気持ちとかもあるじゃないですか。今、話してて思い出したんですけど、好きな子に自分でテープ録って送りましたよ(笑)。
タイチ : 僕、未だにやりますよ(笑)。
太一 : タイチくんは、なんで音楽はじめたの?
タイチ : 兄貴が音楽の先生にギターをもらったのがきっかけです。もともと音楽がかっこいいとか、そういうことも思っていなくて、弾いてみろって言われてギターを弾いたのが中1だったんです。その前から、おじいちゃんがカラオケ好きで、連れて行ってもらったりして歌うのが大好きで、小学2年生の時に音楽の先生に歌手になれって言われたんですよ。そういうのも微妙に覚えてて、音楽って楽しいなって思いだしたのが中1の時。バンドはそっからその気持ちで自然にですね。最初に組んだのは中2です。
太一 : バンドはじめてやったのは何歳ですか?
良平 : 俺は15。
古川 : THE PINBALLSは2006年にやってるんですけど、中2くらいからやってます。
ーー2人は結構遅いんですよね。
太一 : 俺は23歳。
タカイ : 俺も23、4歳かな。このバンドが初めてなんですよ。中学からずっとしたくてもできなかった。友達がいなくて(笑)、メンバーが集まらなかった。自分の存在を誰かに認めてほしくてバンドやってる。多分、みんなどっかに認められたいっていうのはあると思うんですよね。
ーー学校とかで怒られてばかりの人が、音楽業界の中に入ったら逆に認められる場所だったっていうエピソードもあったりしますけど、そういうのってありますか?
アツシ : 俺はそういう人は両想いの人だと思いますよ。19歳の時に東京に来て、ロンドンナイトの箱で3年スタッフやった時に挫折をしたんです。俺はロックじゃねえんだと思って。名古屋からひょろって出てきて、ロックやりたいんです、やらせてくださいってすごいガンガン言ってたけど、すげーマジな人たちが集まってきていて、壮絶な人生を送ってきてる人たちばっかりで。単身で永ちゃんみたいに上京してきて成り上がるみたいなこともしてないし、俺ロックじゃねんだなって思った時にすげえ片想いだなって。逆にその人達よりも愛さないとダメだ、愛さないと一生振り向いてくれねえと思って。それを知った時から本気でロックやろうって決めたんですよ。
古川 : 思うんですけど、ロック好きはロックだと思うんですよ。人間性じゃなくて、単純にロックっていう音楽が好きだったらロックだと思うんです。
タカイ : 俺けっこうずっと最近考えてるんだけど、だらしない生活をしていればロックっていうわけでもなくて、むしろ、ずっとレコードをあさってる人のほうが、本当にロック好きなんだなと思う。単純に人柄とかよりも、普段からロックを聴いてる人って、ロックかなって俺は思うんです。
アツシ : だから、俺もロックだって言えるようになったんですよ。俺ほど好きなやついないでしょって思えるから。
タイチ : あの… ロックの話でちょっと言わなきゃなって思って。
一同 : おー!!! きたねー!!!
タイチ : さっき皆さんが言っていたこと、僕はそうは思わない(笑)。
ーーおおおおおお。
タイチ : もちろん、いろんな人が、いろんな答えを持っていたり、そういうのはすごいいいことだと思うんです。でも僕は、まるでロックが何か分からなくて。どうしようもないけど一生考えつづけるものだと思うんです。実際、ロックが何かってずっと考えられるんです。僕は考えることを何者かが与えてくれたと思ってるんですよね。それって人間がやるべきことだし、宿題は期限がありますけど、そこには期限がないので。
ーー考え続けることがロックだと。
タカイ : ロックって人それぞれじゃないですか。だって、人間性に対してロックじゃないって言ってる人もいれば、音楽性に対して言ってる人もいるし。誰かが言うロックに対して、あーだこーだ考えるよりも、俺はロックが好きならロックでいいやんて思う。
小林 : ロックって何? って質問のとき、考え方とかスタイルとかってみんな言うけど、俺の中ではAC/DCなんだよね。なんでかっていうと、あの人達は何十年も同じことずっと繰り返している。偉大なるマンネリズムっていう言葉が付くくらいずっとやっていて、ヴォーカルが死んでも新しいヴォーカルを入れてバンドをやるっていう。その列車のような推進力というか、何があっても突き進む感じ。それはAC/DCっていう音楽だからなんですけど、ラージハウスもそう思ったんですよね。だから、人生においてロックとは? っていう格言や名言っぽいような感じでは言えないし、言わなくてもいいと思う。
太一 : さっき質問があった、音楽業界という場所だからこそ認められる場所ができたかっていうと、それは俺はないんですよ。たぶん俺はバイトやったらバイト・リーダーにすぐなっちゃうタイプなんで(笑)。環境はどこだろうがいけますね。バンドやってるのが性に合ってるみたいな。
ーー古川さんはどうですか?
古川 : みなさんの話を聞いて、すごく感動していて。みなさんが仰ってることがすご分かるというか。さっき言っていた1センチ飛べないとか0.1秒遅いと否定される世界を僕も知っていて、その経験がなかったらロックやりたいって思ってなかったような気がするし。その人たちが何かしたいっていうのをすごく応援したい。
一同 : (笑)。
古川 : 僕はここにいる人間が好きです。ロックの形って、はっきりと思い描けるじゃないですか。でも1つ1つの音楽を聴くと全然違うと思うんです、ここにいる人たちの。だけど、それが全部好きです。
またおじさんにやられたなってすごく思っちゃった
ーーみなさんは硬派なバンドというか、自分たちのロックを信じてやっているバンドだと思うんですね。失礼な質問かもしれないんですけど、どうしてこのスタイルを続けてるのかなっていうのを訊きたいなと思っていて。
小林 : 曲を作った時はすげー最高にかっこいいって今でも思っているんですけど、「あれ、俺たちが思ってるほどでもないかな」っていうときはありますよ。それって、バンドやってるやつは絶対に思うし、それでもそれを好きって言ってくれる人もいるのもわかるんですけど、響いてないって思うときもあるんです。こいつらを響かせるためには今度はこうしてみよう、こういう曲ちょっとやってみようとか、自分たちのOKラインとNGラインは考えたりしてます。「流石にこれはできなくね!?」「でもみんな好きだよね」「でもさすがに厳しいでしょ」っていうせめぎあいをずっと繰り返してやっていたりするんです。
太一 : ただ、古い音楽をやってるつもりはないんですよね。パッと聴いて、パッと見で古めかしい音楽なのかなって思われちゃうこともあるけど、蓋を開けてみれば、そんなことないって分かってくれるし。結局は作っていて自分が好きになっちゃう瞬間があるじゃないですか。この曲、大好きすぎる!! みたいなね。自分で聴きたい曲を自分で作ってたんだなみたいな。それが当たればいいなって思いながら信じてやっているんですよ。
ーーやっぱりリスナーとしては、好きなバンドがずっと続いてほしいんですよ。
太一 : とってもありがたいんですけど、それって無責任な言葉だなって思うんですよ(笑)。
ーーもちろん僕もこの仕事をしているなかで、解散したりするバンドを数多くみてきて続けられない事情もわかるんですけど、やっぱり続けてほしい、聴いていたい。逆にずっと続けたいって思わないんですか。
太一 : もし曲が止まったらもうこれ以上出てこないってなったら俺は辞めます。
良平 : 心が折れたらですよね。僕3日に1回くらい折れるんで(笑)。アルバムとか出して、思ったより反応がなかった時とか、馬鹿だなお前らって思いますけどね。これかっこいいのにって。当たることがないから、なんでこんなところでやってんだみたいに思うときもありますし。やっぱり、もっと大きいところでやりたいじゃないですか。自分なりにかっこいいと思った音楽が響かなかった時のあの挫折はね。
小林 : バンドの理想ってあるじゃない? 自分の置かれている立場があって、知り合いのバンドがどんどんデカイ箱でソールドを重ねていって、何が違うんだろうなってことは考えますよね。
アツシ : 世間の目と、自分の評価の2種類があって、世間の目を気にするんだよね、バンドマンって。
小林 : 今ライヴハウスに来てるお客さんって、やっぱ音楽が好きな人だと思うし、ライヴハウスまで来るやつって相当好きだと思う。ライヴハウスまでに来ないお茶の間の人にも存在を知られてこそだと思うんですよ。
ーーそれこそ、先日Ken Yokoyamaさんがミュージックステーションに出て、バンドをお茶の間にも届けるために俺たちが出ていくんだって経緯をブログに書いていたじゃないですか。
小林 : あれはすごくよかったですよね。あそこまで大きな人が、そういうことをしている姿っていうのは。
古川 : リハの話、やばかったですよね。バラバラだったけど、その後の楽屋でみんなで話して、本番に挑んで成功したんですよ。
太一 : 当時は、テレビなんて出なくても何万枚も売れるし、出る必要性を感じない、どこ行ってもすげーお客さんが来てくれるみたいな状況があったかもしれないけど、いまはみんなが観れるところに出ていかないと単純にロックが弱ってくと思うんですよ。
アツシ : でも、俺は、またおじさんにやられたなってすごく思っちゃった。なんでできないんだろう、俺らみたいな。
ーーアツシさんはやられたって気持ちがあったんですか。
アツシ : めっちゃ思いますよ。フジロックとかサマソニでロックのメインアクトって言ったらみんな40〜50歳超えじゃないですか。そこに憧れちまった自分らも悪いんだけど、すげー悔しいっすよね。
小林 : そうやって悔しいって思ったことも言えるのは、すごいよね。
太一 : いやー、助かるわーって、俺なんか思ったもん(笑)。
一同 : (笑)。
アツシ : ブームと文化って違うじゃないですか? ブームの方がもちろん脚光を浴びるんですけど、バンドがちゃんと文化になってくれればいいなと思うんです。
ロックも、江戸落語になればいいと思う
ーー短い時間でしたけど、それぞれがバンドをやっている理由が少なからず垣間見えたんじゃないかと思います。最後に、それぞれの展望をお訊きして座談会をしめましょうか。
小林 : 大きい今の音楽シーンは置いておいて、ラージハウスとしては、わーっと売れたい。秋に新しいアルバムが出るんですけど、俺らみたいなバンドが売れたら、やっぱりなんか変わると思うから、俺は正直ブームでもいいと思ってるんですよ。文化になるっていうのはほんとに先の話で、まずはブームを作らないといけないから。認められてるから、売れてる訳だしさ。俺はそういうの作りたいっすね。
良平 : 自分の理想をもっとつるっと具現化できるようになればいいなと思います。もっといい具合に音を具現化できたらなって。だからいろんなバンドさんの音源聴いてますし、自分の中で蓄えてそれを出せるように…。
太一 : それはお前の目標だな。
良平 : バンドとしては、もっと大きいところでやれたらいいなと思います。お客さんに興味持たれるため、日本中に名刺を配れるように、自分たちが何をできるか考えながら精力的に活動していけたらなって思います。
古川 : 僕は良い曲を書いて、お客さんを裏切らないライヴをしたい。本当にかっこいいと思った人たちが第一線にいて、栄光を掴んでるところを見たら、やったなと思うと思います。だからみなさんに頑張って欲しいし、自分もそこにいれるようにしっかりとがんばりたいです。
アツシ : 落語とか歌舞伎って、古いことじゃ全然ねえと思っていて。ロックも、江戸落語になればいいと思う。気持ちいい世界になってほしいじゃないですか? 俺が好きなものを一緒に好きになってくれる人が1人でも増えたら、それは気持ちいいし、文化にしたいですね。そういう風になるように食らいついて長いことやっていきたいです。
タイチ : 文化が残ればいいって話、すごい賛成で。僕は芸能をやってるって意識も強いんですが、平面的な芸能ってニュースになっても、次の日にはさーって冷めてくのが僕でも分かるっていうか。いきなりドカーンって売れても1日で忘れられちゃうこともあるんですよね。音楽だったら、音楽じゃなくてもそうかもしれないですけど、一個人としてってより、カルチャーやシーンとしてみんなから忘れられない可能性があるってすごく思うんです。忘れさせない痕跡を残すっていう歴史、それがしたいです。こうやって話するのすごい嬉しかったです。
タカイ : 僕はちょっと今日まじめにしゃべりすぎちゃったな。あの子かわいいね~とか言いながら適当に過ごしたい
一同 : (笑)。
タカイ : the twentiesとしては、売れたいですね!! それ以外、何もないです。単純ですよ。邪魔するやつは死ねって思うし、評価してくれるやつは心からありがとうって思います。ずっとそれだけっす。昔は、自分以外のバンドが売れるのは嫌だったんですよ。今は仲間や好きなバンドが人気になったら嬉しいし、それに乗っけてほしい。(笑)。今日のこの雑談を一生覚えてるので、この中で誰か売れた時は是非お願いしますよ。
全員 : それはお互い様ですよ(笑)。
LIVE SCHEDULE
『LET'S GO LOFT!オレたちしんじゅく族』8月編
2015年8月12日(水)@新宿LOFT(BAR LOUNGE)
時間 : 開場 19:00 / 開演 19:30
料金 : 前売・予約 1,500円 / 当日券 2,000円(別途1ドリンク)
出演 : THE TOKYO、THE FOREVERS
PROFILE
THE TOKYO
キャロル、クールス、尾崎豊、世良公則、めんたいロックetc。J-ROCK'N'ROLLの初期衝動が、時代を超えて今蘇る! 昭和のスクリーンから飛び出してきた、トッポくてマヌケな5人組ロック・バンド。2015年1月1日、1stミニ・アルバム『GOLDEN HOP』がタワレコ全国リリース。 同時に新宿LOFTと異例の一年間ぶっ通し企画〈オレたちしんじゅく族〉を始動。独特のカラーから映画団体やアパレルとのコラボレーションも多く、一風変わった形で街を転がり続けている。コダマタイチは雑誌「Men's Non-no」専属モデルとしても活動中。
Yellow Studs
ジャズ、昭和歌謡、ガレージ等の要素を取り入れたオリジナルなスタイル、繊細かつダイナミックなスケールで展開される絶妙なアンサンブル。等身大の感情が剥き出しの詩とヴォーカルの独特なしゃがれ声が織りなすピアノ・ロックは聴く者の心を射抜く。2003年結成、2014年6月にリリースした最新作『ALARM』を含め、これまでに7枚のアルバムをリリース。2013年と2014年のツアーでは、2年連続で9割の会場がSOLD OUTし、近年では、全国のライヴハウスやイベントから出演オファーをもらうことが増え、年間70本以上のライヴを行っている。各メディアでMVの放送、映画の挿入曲制作や松田翔太出演KIRIN氷結ストロングのテレビCMに楽曲提供するなど、活動の場は広がっている。
Large House Satisfaction
高校の同級生だった、 小林賢司(Ba.)と田中秀作(Dr.)が組んでいたバンドに、賢司の弟・小林要司(Vo.&Gt.)が加入し結成。70’S~80’Sのロック・シーンから影響を受けたサウンドに、小林要司の荒々しくも艶やかな声が絡み合うバンド。〈COUNTDOWN JAPAN 13/14〉〈ROCK IN JAPAN FES.〉〈SWEET LOVE SHOWER〉などの大型フェスにも出演し、都市型サーキットでは入場規制が頻発するなど注目が高まっている。
Large House Satisfaction Official HP
THE PINBALLS
王道ロックスタイルを踏襲し、進化し続けるロックバンド、THE PINBALLS。2010年、タワーレコード初のアーティスト発掘オーディションにて、見事1位に輝く。〈TREASURE〉〈SUMMER SONIC〉など数々のフェスやイベントに出演し、知名度を高めていく。昨年、初のフル・アルバム『THE PINBALLS』をリリース。2015年、ニコニコ動画などで配信されているアニメ「ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン」第3話のエンディング・テーマに新曲「劇場支配人のテーマ」を提供し、話題となっている。
the twenties
the twentiesは2009年、九州は大分で結成。地元九州にてメキメキと知名度を上げていく中、Vo.タカイリョウの安易な考えから2011年、拠点を東京に移す。上京後もその勢いは止まらず、2012年11月14日に1st mini album『Hello Good Bye』、2014年2月5日には2nd mini album『palm』をリリースする。前衛的なサウンドと圧倒的なライヴ・パフォーマンスであっという間に耳の早いリスナーから注目を浴びる。全国ツアーの〈ぶっころし散歩ツアー〉ワンマン公演はすべて満員御礼に。2014年6月11日、代官山UNITにて行われた盟友Large House Satisfactionとの2マン・イベントも大盛況のうちに幕をとじた。ライヴをまだ観た事が無い方はとにかく一度、熱量MAXの彼らのライヴを体感し、踊り狂って欲しい。