2014/03/12 00:00

あの歴史的名曲が独自のアレンジで蘇る――Cojok、「クリムゾンキングの宮殿」カヴァー収録のニュー・アルバムをハイレゾ・リリース!

2006年に結成の2ピース・バンド、Cojok(コジョ)。エレクトロニカ、フォーク、プログレ、クラシック等様々な音楽を消化し、“アコトロニカ”と称する独自のジャンルを展開。その世界観は空想世界のような神秘的な美しさを持ち、聴くものを別世界へといざなう。今回OTOTOY限定で配信開始したのは、歴史的名曲「クリムゾンキングの宮殿」のカヴァーを含む全8曲。根岸孝旨、岸利至、ゴンドウトモヒコら日本の音楽シーンの第一線で活躍するゲスト・ミュージシャンを迎えた、壮大な作品となっている。

さらにメンバー2人へ、アルバムに迫るロング・インタヴューを実施。これを読めば、この壮大な作品についてのすべてが分かっていただけるはずだ。インタヴューと合わせて、是非ともハイレゾで、この音をお楽しみいただきたい。

Cojok待望のニュー・アルバムをハイレゾ・リリース!

Cojok / UNTRSHIA(24bit/48kHz wav)
まとめ購入のみ 1,500円

【収録曲】
1. クリムゾンキングの宮殿
2. 十三月の詩
3. アフローディア
4. ファム・ファタールのくちづけ
5. 孤独への漂着-Lagoon Complete Mix-
6. かたつむりと洋梨
7. マリサへの手紙
8. 聖者の行進

ご購入していただくと特製ブックレットが同梱されます。

>>『UNTRSHIA (アントルシア)』特設サイト

Cojok New Album『UNTRSHIA』PV
Cojok New Album『UNTRSHIA』PV

INTERVIEW : Cojok

左から、Kco、阿瀬さとし

異常とも言える“狂気”や”殺気”、あるいはどうしようもないほどの美しさ。そのようなものに触れることができるのが私たちである。1969年、異様なまでの時代性を閉じ込めた作品が生まれた。キング・クリムゾン『クリムゾンキングの宮殿』である。一人の男の顔面で埋め尽くされた不気味なジャケット、世紀に残るリフで始まる「21世紀のスキッツォイド・マン」、パンク・レーベルの名にもなった「エピタフ」など、混沌の中で幻想的な音の数々を生み出したアルバム。なかでも最終曲「クリムゾンキングの宮殿」はプログレッシヴ・ロックの枠に収まらず、幽玄で神秘に満ちた孤高の楽曲として、クリムゾンの代表曲になっている。その難解さ故、カヴァーすることにためらいを感じたミュージシャンも多いだろう。

OTOTOYのインタビューは2度目(前回のインタヴューはこちら)となる、アコトロニカ・ノイズ・オーケストラユニットCojokは、この曲をカヴァーすることを選択した。驚くべきことに、アルバム1曲目に披露している。それは彼らの自信の表れであり、クリムゾンが提示したテーゼへの答えと捉えてもよいのではないか?

3枚目となるアルバム『UNTRSHIA』ではこれまでのアコトロニカ・ワールドを十分に披露しながらも、アジアン・テイストなポップ・ソングを散りばめ、Cojokが新たな段階にステップしたことがわかる。絵画からインスパイアされた曲からは、想像力を掻き立てられるだろうし、阿瀬のサウンドと、Kcoの歌詞そのものがアーティスティックに響いてくると思う。つまり、受け手はどのように解釈してもよい。それがCojokの望んでいることなのだから。難しい音楽と思われるかもしれない。その思い込みを息抜きして、よく晴れた日に聞いてみると、すっと体に入ってくると思う。OTOTOYで購入すると、特製ブックレットも付いてくるため、このインタヴューと共に手がかりとして利用してほしい。2014年、この作品がどの様に響くのか。いつか『UNTRSHIA』を振り返る日が来ると考えている。

インタヴュー & 文 & インタヴュー写真 : 山田慎(sweet music)
インタヴュー場所 : 大阪中崎町 Salon de AManTO

会心の出来になったと思います。自信作です。サウンドもどんな環境でも気持ちよく鳴ってくれます(阿瀬)

――前作『OLIVIA』はOTOTOYでDSD配信するなど、高音質音源にこだわって製作したと思いますが、本作『UNTRSHIA』も負けずと素晴らしいサウンドですね。音の粒がしっかりしていて、スネアやヴォーカルの残響音がスーッと伸びながら消えていく感じ。僕はiMacのスピーカーで聞いていますが、音響施設が整った環境でも聴いてみたいなと思いました。

阿瀬さとし(以下、阿瀬) : 会心の出来になったと思います。自信作です。サウンドもどんな環境でも気持ちよく鳴ってくれますよね。これは最終ミックスとマスタリングを担当してくれたエンジニアの中村公輔さんいわく「元々ピンク・フロイドとか1970年代っぽい方向だったけど、レディオヘッドみたいな時代感の音に仕上げてみた」とのことです。

Kco : 中村さんが投げ返してくれる音は、言わんとすることを的確に汲んでくださっていて、痒いところに手が届くような感じでした。後日メールで「技術的に良くしたというよりは、Cojokと僕が通ってきた音楽が一致して生まれた化学反応のような感じだと思う」とおっしゃってくれて、嬉しかったです。良い効果が生まれていたんだと思います。

阿瀬 : 僕らは高音質にこだわっているというより、作ったものを忠実な状態で聞いてもらいたいだけなんです。今回の配信フォーマットは24bit/48kHzのWAVですけど、これってマスタリングを終えて僕らが受け取ったデータそのままなんですね。当然だけど、この作品を一生懸命作ったし、リスナーもお金を出して買ってくれるんだから、シンプルに一番良い状態で届けたいだけですね。

――中村公輔さんに音についての注文は付けたのでしょうか?

阿瀬 : 具体的な音についてのオーダーはしてません。ただ僕がやったミックスのバランスだけは崩さないでくださいと。今回、中村さんが最終ミックスとマスタリング引き受けてくれることが決まった段階で、僕のアプローチはより一層アーティスティックになったと思います(笑)。外人がやるような、かなり滅茶なこともしてるけど、「表現」だけを優先し、ミックスしていきましたね。最後は中村さんが良い状態にまとめてくれるだろうと(笑)。それが結果的に良かったと思います。僕みたいな中途半端な知識しかないものがエンジニア的なアプローチをしても、きっとこじんまりした作品になると思うんですよ。今作は特にぶっちぎったサウンドにしたかったので。

これアコトロニカじゃん!(阿瀬)

――アルバムの内容についてお伺いします。1曲目に「クリムゾンキングの宮殿」を選んだのには度肝を抜かされたというか。

阿瀬 : そうですね、あの歴史的名曲ですから… ちょっと勇気が必要でした(笑)。

――阿瀬さんは前回のインタヴューでロバート・フリップやエイドリアン・ブリューに影響を受けたと話していましたね。

阿瀬 : ただ、この作品はブリューもいないし、フリップ色も薄いですよね。ピート・シンフィールドの詩の世界と、イアン・マクドナルドの音楽的センスが際立っています。僕は10代のときに初めてクリムゾンのファースト・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』を聞きました。まだ子供なので、あまりピンとこなかったんだけど、最後の曲「クリムゾンキングの宮殿」のメロディーが、なんとも言いがたい美しさと殺気があると感じていたんです。子供心にちょっと怖かったかな。

“Cojok流”の「クリムゾンキングの宮殿」

――カヴァーをいつかやりたいという思いはあったのでしょうか?

阿瀬 : いやあ、当時は全くなかったですね。昔におじさんとクリムゾンのコピー・バンドやったりはしてたけど(笑)。カヴァーしようと思ったきっかけは、2年ほど前に何気にこの曲を聴いてたら、ちょっとおこがましい言い方だけど、表現しようとしてることがCojokと通ずるものを感じたんですね。サウンド的にいえば、アコースティック、壮大なコーラス、ノイジーなギター・サウンドとが絶妙なバランスで共存してる。これアコトロニカじゃん! って思いました。もちろん1969年というイギリスの時代背景があってこそ生まれた曲なんだけどね。それで、Kcoに「この曲カバーしたいんだけど、どう?」って提案してみて。

Kco : キング・クリムゾンは聴いたことがなかったんですけど、この曲を聴いて、その哲学的な形而上学的な歌詞の世界に衝撃を受けました。曲のサイズに言葉を当てはめたような音楽ではなく、コンセプトが真ん中にあり、それにあわせて音が選ばれて音楽ができている、というところにも強く共感しました。例えば、〈The purple piper plays his tune〉という言葉の部分で、ちゃんと笛の音が入ってくるとか、物語性が強い。聞き手の想像力や瞑想力をすごく掻き立てるような音楽だなって。自分の理想としている音楽表現って、まさにこれだなと思いました。

阿瀬 : クリムゾンなんて相当コアなファンもいそうじゃないですか。なにげにCojokのFacebookで「クリムゾンキングの宮殿をカヴァーしてみようかな」と書き込んだんですよ。「君らには200年早い!」とか否定が殺到すると思ったんだけど、サンレコ編集長の國崎晋さんなどから「ぜひ聴いてみたい!」とか「Cojokに合いそう!」と反応を沢山頂いたんです。「じゃ、やって良いのかな?」って。それからデモを作り始めました。長い旅の始まりですね(笑)。

――原曲を活かした点とCojokらしさを出した点について教えてください。

阿瀬 : メロディーは一切変えてないです。あと楽器に関してもテーマとなってるフレーズは全て活かしています。アコースティック・ギターは全部僕が弾いたんだけど、当然ながらオリジナルの質感には遠く及ばなかった。だったら独自のやり方でやろうということで、ハーモニクスだけサンプリングっぽくしたり、アルペジオを左右交互に振り分けたりとか、いつものアコトロニカな手法でやりました。コーネリアスの『POINT』というアルバムが好きで、アコギのエディットのやり方とか影響受けています。あとリズムに関しては全然変えちゃいましたね。当初は生で行こうと思ったけど、あのマイケル・ジャイルズと同じ風に叩ける人はそういないし、同じフレーズを僕が打ち込みでやっても作品としてつまらない。それなら、これもCojokでやってるアプローチでトライしようと。特異なローファイ・ビートと奇抜なフィルインとの組み合わせ。こういうのは得意なので。

Kco : わたしはヴォーカルの立ち位置に気を使いました。原曲では、ナレーターのようにものすごく淡々と歌っていて、4番まであるのに、メロディーに変化をつけることもなく細工もしていないんです。ドラムで言うと、ずっとオカズなしで同じビートを繰返すだけ、という感じですね。ヴォーカリストとしてはそれはとてもつまらない。もっと抑揚をつけたいし、エモーショナルにしたくなるんです。でも、なぜそんなに淡々と歌っているのかを考えたときに、それによって周りの音のうねりや狂気がいっそう引き立てられているんじゃないかなと思ったんです。曲がドラマチックに感じられるのも、一貫して客観的に情景を描写しているボーカルのおかげだと。だからCojokのカヴァーでも意識して感情を押さえ、ストーリーテラーのような気持ちで歌いました。

――音の配置にこだわっていることが分かりますし、並々ならぬ気合を感じましたよ。ゲスト・プレイヤーについて教えてください。

阿瀬 : ベースは根岸考旨さん。この曲は根岸さんが弾いてくれなかったら世に出さなかったかもしれません。ユニバーサル・ミュージック・パブリッシングより使用許可がおりて、リリースが具体的となり、そこから僕が作ったデモを本チャンにもっていく作業を始めたんだけど…、なかなか「デモ」から脱却できなくて。何が足りないのか悩んでたら、「ベース入ってないじゃん!」ってことに気づいて(笑)。実際にはチェロとサイン波で低音は作ってたんだけど、なにか違う。それで根岸さんにお願いして弾いてもらったら、曲全体にものスゴいウネリが生まれてビックリしましたね。そこでやっと完成への道筋が出来たんだと思います。それとベース・プレイでいえばピーター・ガブリエル的だったり、トニー・レビン的だったりするアプローチが随所にあり、セクションごとに聴きどころ満載ですよ。ちなみに根岸さん、僕の伝え方が悪かったのか、レコーディング直前まで「宮殿」ではなく「21世紀のスキッツォイド・マン」をやると思ってたらしく、練習してくれてたみたいです(笑)。いま考えたら、あのユニゾンとかどうしてたんだろうって…。

録り音をひとつひとつ、みんなで聴き比べて吟味する作業はわくわくしましたよ(Kco)

――フリューゲル・ホルンは色気があるというか。あの部分だけでもずっと聴けると思いました。

阿瀬 : オリジナルではイアン・マクドナルドが吹いている長いフルート・ソロがあるんだけど、このセクションをどうしようかずっと悩んでて。フルート奏者を手配して譜面渡して吹いてもらっても、なんだかつまらないし。そこをフリューゲル・ホルン奏者のゴンドウトモヒコさんにお願いしました。ゴンドウさんはYMOに参加されてたり、原田知世さんや高橋幸宏さんたちとpupaというバンドをされてたり、僕は大好きでずっと聴かせてもらってました。レコーディングは「かなりハードルが高く苦戦した」と仰ってましたね。一応楽譜を作ってお渡ししたんだけど、フレーズ指定はしませんでした。でも「名曲だし変えちゃうのも何だと思い」とのことで、ほぼオリジナル通りに吹ききってくださいました。本当に素晴らしいですよね。データが送られてきて、僕のトラックに貼付けて鳴らしてみたら、もうそれだけで見事な世界観でエキサイトしましたね。

King Crimson / The Court of the Crimson King
King Crimson / The Court of the Crimson King

――なるほど。フリューゲル・ホルンは本当に聴きどころですね。

Kco : ゴンドウさんと同じセクションでは、Cojokのライブでもドラムを叩いてくれてる早藤寿美子がシンバル演奏で参加してくれています。あの“チキチキ”鳴ってるプレイですね。寿美子は、素材もメーカーもサイズも違うさまざまなシンバルをスタジオに持ち込んで、何通りもの音色を試してくれました。録り音をひとつひとつ、みんなで聴き比べて吟味する作業はわくわくしましたよ。

阿瀬 : それともう一つの目玉セクションは、最初に登場するシンセソロの部分をプログラマーの岸利至さんがやってくださってます。ヴォコーダー、シンセ、ビートとほとんどのパートを作ってくれて、完全に岸さんワールドになっています。このセクションは僕のデモの段階ではドラムンベースが入っていたり、若干浮いたセクションになっていたんだけど、さらに別の色彩を投入してコントラストをつけたいと思ったんです。それで岸さんにお願いしました。リスナーもきっと楽しめるだろうし、好きにやってくださいと(笑)。

Kco : 岸さんはPGPとTWO TRIBESというバンドをされているんですけど、私は作詞をお手伝いしたり、ライヴにゲスト参加させて頂いて、仲良くさせてもらっています。お互いのバンドを応援しあえる関係で、ずっと「いっしょに音をつくりたいね」と話していました。それもあって岸さんは今回の参加を本当に喜んで引き受けてくださって、いろんなアイデアやアドヴァイスをいただきました。

阿瀬 : 本当に光栄でした。実際に岸さんが作られた音を受け取って、僕のトラックに貼ってみたら、サウンドのクオリティーはもとより、音の立ち上がりの早さに驚きましたね。あまりにカッコいいので、そのまま使いたかったんだけど、僕の作る音ってわりとローファイで鈍い感じなので、並べるとどうしてもへこんで聞こえてしまって。その調整がちょっと難しかったです。それで岸さんにもアドヴァイスをもらいつつバランスをとった結果、ベストな形になりました。あり得ないような世界になりましたね。僕のギターも入っていて、ロングトーンの方はロバート・フリップというより布袋寅泰さんっぽいと思ってるんですが…。これはデモの段階から入ってたギターですけど、ふつつかながら残させてもらいました。岸さんのヴォコーダーとユニゾンできてるのが嬉しかったです(笑)。この部分では根岸さんのベースも入っていて、原曲通りシーケンス・フレーズを淡々と弾いてるんだけど、岸さんのセクションが終わった途端、オリャー! って感じでヒートアップして、うなりまくってるところは鳥肌ものですよ。

Kco : 今回しみじみと感じたのは、参加してくださった方々のふところの広さですね。「自己主張」じゃなく「Cojokとの共存」を第一に考えて、楽しんで演奏してくださったことが伝わって来るんです。日本の一線で活躍する方々の、本当の凄さを思い知りました。音の立ち上がりや演奏は当たり前に凄いし、強烈な個性や存在感があるので、目立つように小細工なんかしなくても自然とみんなの耳を惹き付けてしまう。もしも自分が他の誰かのフィールドで演奏する際には、こんなふうに“大きな”演奏ができるようになりたい、と思いました。勉強になるコラボレーションばかりでしたね。

――「クリムゾンキングの宮殿」は制作で苦労した点はあります? 全部大変だったと思いますが(笑)。

阿瀬 : うん。全部大変(笑)。今回、本格的な制作に入る前に、僕がミックスした「聖者の行進」のデモをプロデューサーの藤井丈司さんに聞いていただく機会があって。そこで、「これだけやれるんだったら本チャンも自分でやるべきだ。こういう音楽に法則はないし」と言ってくださって。それで自分でミックスをやろうと決意しました。今回は大先輩がプレイした音も扱うというので、一人の作業中でもずっと緊張感ありましたね。あとファイルの扱いはとくに気を使いました…。かなり過敏になってて、事あるごとに何台ものハードディスクにバックアップを取っていましたね。でも家が燃えたら終わりだなと思って、サーバーにもバックアップを取ったり。

Kco : 地震がきたら大変なことになるから、作業部屋のMacの上にクッション置いてましたからね(笑)。

一同 : (爆笑)

阿瀬 : ハードディスクもバスタオルで包んでた(笑)。

Kco : そうやって命を懸けて作ったということもありつつ、やはり「アコトロニカ・ノイズ・オーケストラ」というサウンドの面でも、象徴主義的な楽曲のコンセプトを音で表現したという意味でも、この曲は一番Cojokの本来の力を出せたし、バンドの方向性やアルバムのテーマをはっきりと主張する作品に仕上がったと思ったので、アルバムの一曲目にしました。

Cojok流ポップ・ソングというのをずっと模索していて(阿瀬)

――2曲目「十三月の詩」は今までになくキャッチーでびっくりしました。「クリムゾンキングの宮殿」に続く曲ということで余計に。

阿瀬 : 当初は「アフローディア」を2曲目にもってくるつもりだったんですよ。でも1曲目があまりに壮大になりすぎたので(笑)、もう少し軽い感じの方がいいかなって。それで以前にKcoが作ってきたフォーキーなトラックを思い出して。お蔵入りしたものだったんだけど「これを2曲目に入れてみない?」って相談してみたら反対された(笑)。

Kco : 作ったときはフォークフォークしすぎているというか、アイリッシュ色が強くて、Cojokでやる必要性はないかなと思ったんです。あまりにも普通すぎるというか、ありがちだったので。でも阿瀬さんのアコトロニクスなアレンジでCojokらしさが出ましたね。

阿瀬 : サウンド的には、Kcoがデモを持ってきた段階で、ジョニ・ミッチェルとかジョーン・バエズのアコースティック調にエレクトロっぽい感じと、アコーディオンが入っていたんです。ベースも入れてあったよね。ビートやストリングス、ホーンは僕が入れたけど、質感と雰囲気はそのまま完成させた感じ。僕的にはこのトラックは一番気に入ってるかも。

Kco : 「十三月の詩」というタイトルは、子供の頃に読んだ、たまいいずみさん・永田萠さんの詩集絵本から拝借しました。曲は詩集の内容とは無関係ですけどね。「十三月」という、メルヘンでありながらも不安定で奇妙な名詞に、当時から魅了されていたんです。

――歌詞を読んで日本じゃない感じがしました(笑)。

Kco : そうですね。この異国情緒漂うサウンドに、リスナーが「ここではないどこかわからない場所」を連想して「なんかわからないけど愉しい気分」になるように、“束の間の現実逃避”を表現しています。

――4曲目「ファム・ファタールのくちづけ」もキャッチーですよね。今回のアルバムは要所要所でポップさが見られます。

阿瀬 : Cojok流ポップ・ソングというのをずっと模索していて、この曲が生まれました。グライムスが作ったトラックにU2のエッジがギターを弾いてるような感じだけど(笑)。それで、もっと独自な感じにしたくて歌について抽象的な注文を付けましたね。

Kco : 「国籍不明な民族的なメロディーにして」と(笑)。そういうのはいままでやったことがなかったので戸惑いました。でも、アジアン・テイストなメロディーってとってもエロティックだし、それをこんなポップスサウンドにくっつけるのはおもしろいな、と感じて。インド、中国、ブルガリアなどの伝統音楽を聞いて、そこから日本的情緒を足したメロディーを考えました。

阿瀬 : 最初は想定内のものを持ってきて(笑)。だから「これじゃない」とKcoに言いましたね。あとは…。

Kco : 「あえて音を外して」と言われました。キーはAメジャーだけど、メロディーだけはマイナーに行ったり、危うい感じを出してと言われて、悩みながら何度も作り直しました。歌は造語ですが、今回は英語寄りの造語ではなくて、中国語や韓国語の発音を取り入れたものにしました。結果的に新しい世界が広がったと思います。

阿瀬 : 今回アルバム全体を通して、声を散りばめているんですけど、この曲のサビは50個くらい歌のトラックを録って。ユニゾンなんですけど、微妙に歌い方変えたりしてね。エンヤがやってるような感じ。

幻想的なライヴ

――5曲目「孤独への漂着」は『OLIVEA』に入っている「Lagoon」のリミックスになりますね。ビートをどんどん刻んでいって、ハンマーで打ちのめされる様な気持ちになります(笑)。

阿瀬 : そうそう(笑)。僕のイメージでは、機械的な工場の音が頑張って音楽を作っていて、その真ん中に歌があります。その歌が全体を制御してるんだけど、歌がいなくなったら暴走していくんです。でも、すぐに力つきて、最後に壊れてしまうという感じで作りました。最後に出てくる歪んだベースは根岸さんですけど、めちゃくちゃ燃えて弾いてくれました(笑)。ちなみに、これはリミックスではなくコンプリート(完成系)ですね。歌も全部録り直しています。なぜコンプリートなのか、聴いてもらえれば理解してもらえるかと。

――6曲目「かたつむりと洋梨」は不思議なタイトルですが、物凄くシンプルなドラムに、ほぼルート弾きのベースで、インディー・ロックバンドっぽさもあります。こんなにシンプルな曲は珍しいですね。

阿瀬 : そうですね。本気でやってるのかと思うくらい単調なリズムですね。ある意味この曲が一番バランス取るの難しかったかな。これもポップ・ソングなんだけど、僕の狙ってる微妙なポップ加減って、ちょっとでも的が外れたら、ただの手抜きしたような曲になっちゃうので。このトラックは特にギリギリのところを突いてると思います。ヴォーカルも昔にKcoがiBookの内蔵マイクで録ったものをあえて採用してます。単体では聴けたものじゃないんだけど、トラックにはめると心地よい。これも上手くいきました。

Kco : 単純明快でポップな曲調の中でも、Cojokの官能的な世界観は出ていると思います。「蝸牛と洋梨」は言い換えると「男と女」。ヌメヌメとした体液をまとう蝸牛は男、甘い蜜を滴らせながら転がる洋梨は、横向きに寝そべる女。つまりは情事を表した曲です。ただ、Cojokが表現したいのは単なる「エロ」としての情事ではなくて、「情事」というものに象徴される儚さや倦怠感なんです。あえてこんなからっとした明るい曲調にすることで、爽やかな中にも淋しさや虚しさを描き出せていると思います。

阿瀬 : ベースは白岡真奈さんが弾いてくれました。彼女は歌詞やコンセプトなど、曲の内面を大切に思ってくれるプレイヤーで、前作『OLIVEA』でも弾いてくれています。今回、この曲でもとても心地よい8ビートを刻んでくれています。「ファム・ファタールのくちづけ」のベースも彼女ですね。あの低音のウネリ方って女性独特だなって感じました。

「君たちの音楽は完璧だけど、ひとつだけ足りないのはユーモア。それがあれば世界に行けるよ」と言われた(Kco)

――7曲目「マリサへの手紙」は最小限の音で作ってますね。マイク1本だけという。

阿瀬 : Kcoの弾き語りの曲ですね。当初、入れる予定はなかったんだよね。 8曲目の「聖者の行進」につながる曲がなかなか見つからなくて。悩んだときに以前に録った「マリサの手紙」を聴いてみたら、粗い部分もあったけど、とても良いムードに聞こえて。僕が「これ入れよう」って提案しました。アルバム全体としてずっと構築されたサウンドが続くので、その中でこういう曲はいいなって感じて。僕の音は一切入ってないけど、そこにはこだわりませんでした。

Kco : 作りこんだ音ばかりだと聞く人も疲れるだろうから、遊び心があってボリューム感の少ない曲も意図的に散りばめたんですよね。「クリムゾンキングの宮殿」はものすごいステレオ感や奥行きがありますが、「マリサへの手紙」はモノラル録音でギターと声だけ。緻密に構築することなく、完全一発録りです。「聖者の行進」のダイナミズムを引き立てるという意味でも、電子音の合間にほっと一息つくという意味でも、この曲は重要な役割を果たしています。

――最後の「聖者の行進」で締めようと思った経緯は?

阿瀬 : 今作は様々な色彩の楽曲が入ってるし、冒険もしているんだけど、最後はCojokの一番王道とする形で、しかも確実に進化したというのを示せる曲というので「聖者の行進」で締めました。旅の終わりのようなね。強くなって帰ってきましたという。曲調的には宮崎駿のような世界も少し意識したかな。いわゆる山とか川とかという実世界に見えるものを描くんじゃなく、もう少し非現実的な世界を表現したかった。作るのは一番時間かかったけど大作になりましたね。根岸さんのベースも地の底から支えてくれてるようで、とても力強い。

Kco : 仮歌は造語で録って、それに合わせてトラックを作ったので、そこに後から言葉を当てはめるのはかなり大変でしたね。造語の響きがそのままメロディーの印象になってしまっているので、それを壊さないよう、母音を造語に合わせつつも、つじつまのあった文章として完成させないといけなかったので。歌詞が出来てからも、ニュアンス的にやっぱり造語の方がいいんじゃないかなどと、何度も歌を録り直して葛藤しました。

――このアルバムができて思うことはありますか?

阿瀬 : ハードコアかつ美しい大作になりました。先輩方や周りの仲間達の力添えがあって完成したのは言うまでもありません。感謝しかないです。あと思うのは、こういったデスクトップ上で構築していくコラージュ的な手法でずっとアコトロニカを作ってきたけど、今作ではやり尽した感じがあって…、そろそろ違う段階へ進みたいなと。もう少し演奏家としての部分も強めたいし、サウンド的にもっと瞬間的な音を収めたものにしたいですね。もちろんCojokの芯は崩さず。この何年かでどんな環境でやっても自分たちの音楽はぶれないという自信もついたし、違う旅もしてみたい。そして僕らなりの「ユーモア」も見つかった気がするしね。

Kco : 以前、根岸さんに「君たちの音楽は完璧だけど、ひとつだけ足りないのはユーモア。それがあれば世界に行けるよ」と言われたことがあって。それ以来、その言葉はずっと引っかかっていたし目標でもありました。「Cojokのとってのユーモアってなんだろう」って、自分たちなりに探し続けてきたんです。それは単に歌詞を日本語にするとか、ポップな楽曲を作るとかいう「わかりやすくする」という意味ではないのはわかっていて、今の音楽性を貫いたまま、より多くの人の心に入っていけるバンドに成長するにはどうすればいいか、それを意識しながら、この2年間いろんな先輩方とたくさんご一緒してきました。そうして経験を積むうちに少しずつ、自分たちの振り幅が広がってきたと実感しています。このアルバムでは今のわたしたちなりの「ユーモア」を提示できているんじゃないかな。

――今回からはタイトルが日本語になったのもそのような要因ですよね。

阿瀬 : これも僕が提案しました。美術館に絵画とか見に行ってもタイトルが日本語じゃないですか。そこから導かれる部分もあったりするから。音楽も同様かと、リスナーの立場になって考えてみた。でも前だったら日本語タイトルは絶対に使わなかったよね。

Kco : このアルバムを作りながら、「もっとリスナーがCojokに入り込む余地を与えてもいいんじゃないか?」と思ったんです。これからはオープンに開放して、自由に中に踏み込んでもらって、楽しんでもらえる音楽になりたい、という気持ちが出てきたんです。日本語のタイトルは、リスナーに踏み込んでもらうための最初の窓口のつもりです。原題の直訳ではなくて、映画の邦題のように意訳し、日本語独特の良さを出せる言葉を選びました。だからまずはタイトルから色々と想像したり、空想して欲しいです。

まずは聴いて自由に想像をふくらませて、自分なりのインスピレーションで感じてもらいたい(Kco)

――想像とありましたが、アルバムを通して絵からのアプローチを感じますね。絵を見て、それを音に落としこむ作業も想像力だと思うんです。

Kco : 絵画の影響はCojokの曲作りには欠かせないものですね。どの曲もまずはテーマやコンセプトがなにより重要で、コンセプトを考える時に、絵画から得たインスピレーションを反映したりします。ただ、絵に描かれていることをそのまま音楽で表そうということではなく、あくまでそれを観た時に自分が覚えた「印象」や「感情」を曲に投じています。

阿瀬 : そうだね。僕も印象派の絵が好きで、とくにクロード・モネの絵画からは多くのヒントをもらっていて。情景をそのまま描くのではなく、その時に感じた「印象」や光の変化などをいかに色彩で表すか。そんなことを音作りに置き換えると新しい発想が生まれたりします。ただ、今はそういう発想を自分たちの中だけで完結せず、リスナーにもキッチリと伝えて、何よりCojokで楽しんでもらいたいかな。

――OTOTOYの配信は特製ブックレット付きですね。2010年からCojokのアートワークを担当するブルガリア共和国在住の画家・フォトグラファーHaate Kaateが本作も手がけている様ですが、彼女との出会いのきっかけを教えて頂けますか?

阿瀬 : ちょうどCojokのファースト・アルバムを作ってる時期に、僕がMySpaceで彼女の絵を偶然に見つけたのかな。それで、その作品が僕たちの表現しようとしてることにとても近い気がして、勇気を出してコンタクトをとってみました。すぐさま返事があって、メールでディスカッションしていくうちに、やはり表現者としてお互いシンクロする部分が多々あって、そこから一緒に作品を作ることになったんです。

アルバムのテーマである「ヴァニタス」をHaate Kaateがアートワークとして再現したものを見て、どのように感じましたか?

Kco : 最初に見たとき、全く思いがけない題材を選んで描いてくれたことに意表を突かれて、すごく驚いたにも関わらず、全然違和感を感じなかったんです。彼女の表現力の素晴らしさを再確認しましたね。彼女とはこれで三度目の仕事になるので、多くを伝えなくてもCojokの音楽を理解してくれていると信頼しています。だから今回は「とりあえず曲を聴いて、あなたのインスピレーションで描いてみて」と任せたんです。

――Cojokは英歌詞ですが、ブックレットにあえて訳詞のみを掲載した意味を教えて頂けますか?

Kco : たとえば絵画を鑑賞する時、まず眺めて想像を膨らませ、自分なりに楽しむことが第一段階だと思うんです。Cojokの音楽もそんなふうに、まずは聴いて自由に想像をふくらませて、自分なりのインスピレーションで感じてもらいたいと思っていて、そのために私たちは、五感を刺激し想像力を掻き立てるような工夫をサウンドの随所に凝らしています。だからリスナーの楽しみがこの段階で完結したとしても、それはそれで全然いいと思っているんですよね。でも、絵画は眺めるだけでも楽しめるけど、解説を読むともっと深く味わえる。感じるだけでなく制作者の思惑が知れると、より面白いと思うんです。だから歌詞カードには訳詞を掲載しています。歌詞は、いろんな意味合いに受け取れたりどこまでも深読みできるように、隠喩や暗喩を用いて、易しい言葉で書くことを心がけています。ちなみに今回のブックレットは阿瀬さんの手作りですよ。

――Cojokはアートからの影響が強いと思うんです。具体的に『UNTRSHIA』に影響を与えた画家や作品名を教えて頂けますか? また、それらからはどの様なインスピレーションを受けたのでしょうか?

Kco : 絵画の影響でいうと「アフローディア」はウジェーヌ・ドラクロワの「怒れるメディア」で、「ファム・ファタールのくちづけ」は、ウィリアム・ブグローの「サテュロスとニンフ」です。ギリシア神話の登場人物で、メディアはとても残忍な一面を持つ美女なんですが、ドラクロワの描くメディアの表情には、切羽詰まった狂気の中に、母性や、やりきれない悲しみなどが見事に込められていました。そういう、言葉にならない感情や感覚を音にして表現するというのはCojokがモットーにしている部分です。「アフローディア」は静と動、狂気と愛、憎しみと侘しさなどを一曲の中で表現出来たCojokらしい曲だと思います。「サテュロスとニンフ」はとても幻想的で明るい絵ですが、複数の綺麗なニンフ(女の精霊)たちが、一人の男を甘い言葉でたぶらかして沼に引きずり込もうとしているように見える、危険な香りのする作品です。「ファム・ファタールのくちづけ」は、笑顔に隠された女の小悪魔的な本性と、そんな陰湿なものをまるで感じさせないような、明るいサウンドに仕上げることができました。

――ありがとうございます。「楽しんでもらう」ということを話していますが、「楽しんでもらう」って簡単に聞こえますけど、難しいですよね。そういう意味でも『UNTRSHIA』は意欲作だなと思いました。ライヴも観たいです。

阿瀬 : 結成当初は自分たちの表現をがむしゃらに伝えたいという思いだけでしたね。「これがCojokの表現だ!」という感じで音をかき鳴らしてたんだけど、それでは伝わりませんよね。今はもっと楽しんでもらいたいというか…、それは決してポップな曲をやったり、分かりやすい曲をやるということではなく、Cojokなりの表現での楽しませ方を模索しています。ビョークなんかでも、あれだけの芸術性や世界観をもってしても、ライヴではお客さんが本当に楽しそうじゃないですか。それが真の音楽力なんじゃないかと。以前OTOTOYのインタヴューでMONOの後藤さんが「あるとき社会に貢献できない音楽家は芸術家じゃないんじゃないかって思ったんですよね」ってことを仰ってて、それを読んで本当にそうだなって感じました。そして今の自分たちには全く貢献はできていないなと思って。僕らも芸術家になれるよう頑張りたいです。

佐久間さんとの出会いがなかったら、僕らはいまCojokをやってなかったのは確かです(阿瀬)

――最後に。佐久間さんがお亡くなりになりましたが、一緒に仕事もしていましたよね

阿瀬 : 色々な思いがありすぎて、なかなか言葉として出てきません。ただ佐久間さんとの出会いがなかったら、僕らはいまCojokをやってなかったのは確かです。それくらい大きな存在。我々は音楽家なので、佐久間さんから受け継いだことは言葉ではなく、音楽で引き継いでいくのが義務ですよね。その思いは佐久間さんの遺作を聞かせてもらって、さらに強まりました。

Kco : きっと、佐久間さんでなければCojokのようなバンドを目に留めてくださることはなかったでしょうね。いっしょにやろうと誘ってくださることもなかった。いろいろな思いはつのりますが、気持ちを言葉で語るよりも、わたしたちは佐久間さんの見いだしてくれたこの音楽に心から誇りを持って、自分たちの信じる方をまっすぐ向いて、Cojokの活動を一生懸命やることだけがすべてだと思っています。

阿瀬 : そういえば一度、佐久間さんと3人で明け方に梅田の街を歩いたことがあったよね。なぜかいまでもそのときのことをよく思い出すんだ。

Cojokの過去作をチェック!

Cojok+徳澤青弦カルテット / QUANT

レコーディング・スタジオでの一発録りをライヴとして公開し、そこでDSD収録した音源を配信するイベント“Premium Studio Live”。その第6弾としてKcoと阿瀬さとしによる2人組ユニットCojokとチェリスト徳澤青弦が率いる弦楽四重奏を、音響ハウスSTUDIO 1に招いて行った際の記録。阿瀬がコンピューターやギターを使って繰り出すエレクトロニックなサウンドと、カルテットによる繊細かつアグレッシヴな演奏とが解け合う中、Kcoのヴォーカルがスタジオに高らかに響き渡る。さらにはそこにゲストとして登場した屋敷豪太と根岸孝旨の2人による強力なリズム、権藤知彦のエフェクティヴなフリューゲル・ホーンのサウンドも加わり、ダイナミックな音像が立ち現れていく様はまさに圧巻。そんな見事な音像を作り上げたのが、YMOを手掛けたことで知られるレコーディング・エンジニア飯尾芳史氏。Premium Studio Live史上、もっともゴージャスなサウンドに仕上がった本作をご堪能あれ。

>>特集ページはこちら

Cojok / OLIVEA(DSD+mp3 Ver.)

OLIVEAとは「LIVE(=生きもの達)」と、「LOVE(=愛)」が交わり合うことの連続。それが、「ALIVE(=生きている)」という実感である。今のCojokが創り出せる限りを尽くした遜色なしの完璧なアルバムに仕上がりました。しかし同時に、次の遥かなる旅へ向けての出発地点でもあり、まだ見ぬ未来への挑戦と覚悟が詰まった作品でもあります。営みはまだまだ続いて行く。「生きている」という実感が、この体にありつづける限り。

>>特集ページはこちら

Cojok / Fall/Mo'mentina

Cojokによる最新作は、退廃的で喪失感に満ちたテーマを、電子音とストリングスのオーケストレーションで紡いだ壮大なスロー・バラード「Fall」と、きらびやかで瑞々しいアコースティック・ギターの音色を、力強いリズムが包み込む生命感に溢れたミディアム・ナンバー「Mo'mentina」の二作品。プロデュース、ミックスを佐久間正英氏が担当し「Fall」ではピアノ、「Mo'mentina」ではベースで参加。マスタリングは、B-52's、JUDY AND MARY、Coccoなどを手掛ける、NYCのTom Durackの手によるもの。

PROFILE

Cojok

Kco (Voice & Acoustic guitar) 阿瀬さとし (Guitars & Electronics) エレクトロニカ、フォーク、プログレ、クラシック等を消化し、「Aco-tronica」(アコトロニカ)という独自のジャンルを確立。2006年の結成以来、既存するどのシーンにもあてはまることなく唯一無二のスタイルを貫き続ける2ピースバンド。

>>OFFICIAL WEB

この記事の筆者
山田 慎

06/05月よりrecommuniスタッフしております。どうぞよろしくお願いします。お気軽に連絡くださーい。 最新情報、裏情報、タレコミ他、レコミュニの情報はこっちのブログを見てください↓ http://recommuni.exblog.jp/ がんばりますっす。 趣味はライブ鑑賞(O-Nestばかり…)、映画、最近してないけど読書(現代思想ものが好きです)、妄想(社会病理を考えること)、アート鑑賞です。 好きな音楽 情に溢れたものが好きです。基本はポップ(ホフディランは3ndまで)。それから68-76年もののロックは好きですね。キンクスの『アーサー…』とかいうアルバム。で、ローゼスなどUKロックもの。最近はUSインディやら、日本のインディものですかねー。 わからないことやお叱りもお気軽にお願いいたします。ではではよろしくどうぞ。 ----- 08年3月で退社いたしました。長い間、本当にありがとうございました。現在は京都に住んでいます。サイトを運営しているので、よろしければご利用ください。 http://www.sweetmusic.jp/blog/

Cojok、ニュー・アルバムをハイレゾ・リリース! 根岸孝旨、岸利至、ゴンドウトモヒコら参加によるキングクリムゾンの名曲カヴァーを収録!

Cojok、ニュー・アルバムをハイレゾ・リリース! 根岸孝旨、岸利至、ゴンドウトモヒコら参加によるキングクリムゾンの名曲カヴァーを収録!

Hi, how are you? ROSE RECORDSから待望の1stアルバムをリリース!

Hi, how are you? ROSE RECORDSから待望の1stアルバムをリリース!

Everybody Listen! HOTEL MEXICO『Her Decorated Post Love』配信開始

Everybody Listen! HOTEL MEXICO『Her Decorated Post Love』配信開始

[インタヴュー] Cojok

TOP