『TOKYO BOOTLEG -7th anniversary party-』@新木場STUDIO COAST

J-ROCKを筆頭に、アイドル、ボカロ、アニソンまで、日本中に眠るポップかつ良質なナンバーをかけまくるDJ&LIVEパーティー『TOKYO BOOTLEG』。近年はフランスや香港にも進出を果たしたこのパーティーが、旗揚げ7周年を記念した一大イヴェントを新木場STUDIO COASTで開催した。駆けつけたのは、GOING UNDER GROUND、BiS、Wienners、みそっかす、大森靖子、きのこ帝国、BELLRING少女ハート、THE イナズマ戦隊といった充実の面々。パーティーを主宰するDJ O-antは以前、OTOTOYの取材に対して、「J-ROCKっていうのはどこの国にもない音楽で、誰にも恥ずかしがることはないと思う」と語ってくれた。そんな彼の姿勢は、STUDIO COASTという巨大な会場を前にしても変わることはない。今、東京の最先端で何が起こっているのか。現場の熱気を閉じ込めたライヴ・レポートをお届けする。

日本の音楽を、胸を張って誇りたい。その思いから誕生した邦楽DJパーティー、『TOKYO BOOTLEG』(通称 : ブトレグ)の7周年に際し、そのアニヴァーサリー・パーティーが、11月10日(日)に新木場STUDIO COASTで行われた。風が強くやや寒い天候だったにも関わらず、開場前からたくさんのファンが押し寄せ、会場は音楽に対する熱い空気で満たされている。ロック・ファンからアイドル・ファンまでが混ざり合う、一期一会の空間に密着した。

ステージは全部で2つ。入口左手にあるHappiness!!-COMPLETE LOUNGEはDJブースであると同時に、アイドルやエンターテイナーがパフォーマンスを行う場所としてにぎわいを見せる。主宰チームの一人であるDJあばっとがオープニングを務めると、徐々に会場のテンションは引き上げられていく。Especiaはステージ中央で円になり、360度を使ってファンを魅了。せのしすたあ、アニソンディスコなど強烈な個性を放つ面々が、アイドル・ファンからロック・ファンまでを刺激した。

そのステージを背に直進、階段を上がった先にあるのが、TOKYOSTAGEとBTLGSTAGEだ。代わる代わる登場するアクトは、ブトレグ常連から旬のアーティストまで幅広い。旬といっても、消費されていく一過性の音楽を集めるのではつまらない。ブトレグでは、3人のDJ(O-ant a.k.a あーりーしゃん、SMYLE、あばっと)が今後も聴き継がれていくであろうオススメのアーティストをセレクトしている。

トップバッターのTHE イナズマ戦隊は、「セルフ・カヴァーしてきました! 」と披露した「ズッコケ男道」でミラーボールの輝きを増幅。みそっかすは、デストロイはるきち(Vo, Gt)のギターを構える姿がサムライのような美しさと狂気を湛えている。Wiennersは掛け声とビートの絶妙な絡み合いを披露し、終始、客席をダンス・フロアに変えていた。そんな光景に思わず息をのまずにはいられない。

そして、特に印象的であったのが、本イヴェントの主宰であるO-ant a.k.a あーりーしゃんのプレイだ。流した楽曲に合わせ、曲名とアーティスト名をVJで流す親切さはブトレグならではのものだが、それだけではない。「すごいいい曲だから覚えて帰って」とクリープハイプ「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」や、「俺はこっちのほうがいいと思う」とアジカン「リライト」の新録ヴァージョンを流すなど、自身のレコメンドを織り交ぜながら、リスナーと積極的にコミュニケーションを図るのだ。その姿勢に、DJイヴェントとしての強い信念のようなものを感じた。

続いてピアノゾンビのパフォーマンス。ホネヌキマン様(大王/Key/Dance)の登場シーンから始まり、下僕のヘドバンで会場が盛り上がる。演奏あり、ストーリーあり、パフォーマンスありのパーティー感がなんともブトレグらしい。KEYTALKは「太陽系リフレイン」の伸びやかなベースを天井に解き放ち、バックドロップシンデレラに次ぐブトレグ常連組の貫録を見せつける。新メンバーがお披露目されたBiSと研究員(BiSファンの通称)の阿吽の呼吸も見事であったし、トリのGOING UNDER GROUNDがはっきりとした歌声で歌い上げた「ハミングバード」も印象的であった。そこから感じた“祭りのあと感”も心地いい。

O-ant a.k.a あーりーしゃんからの終演後の挨拶にもあったが、この対バンを一期一会の仲間たちと一緒に過ごすということ、この当たり前の一瞬を特別なこととするのが『TOKYO BOOTLEG』なのだと強く感じた。どのアーティストも初見だけでは収まりきらない魅力を存分に発揮していたし、アイドルたちも「なんだこれは!?」と思わせるような好奇心を刺激してくれた。一心不乱に踊るオーディエンスたちは、子・氓フような純粋さとキラキラ感に溢れていた。この輝きこそ、音楽好きが得られる最高の快感であるし、同時に主催者側の一番の楽しみでもあるのだ。

「良いパーティーは続くよ、じゃあね」という言葉を残して、まだまだ彼らの挑戦は続く。目標は、日本の路上から世界に羽ばたいていくような音楽を見つけ出し、共有していくこと。言葉の通じない人であっても、J-ROCKの良さに目覚めてくれることを信じて。それはまさに今、世界を股に掛けて活躍しているPerfumeのように。本イヴェントの最後に流れたperfumeの「SEVENTH HEAVEN」は、ブトレグのすべてを象徴しているかのようだった。(text by 梶原綾乃)

写真 : 長谷川れみ / 小机暁


TOKYO BOOTLEG -7th anniversary party-
日時 : 2013年11月10日(日)
場所 : 新木場STUDIO COAST
出演 : GOING UNDER GROUND / BiS / ピアノゾンビ / Wienners / バックドロップシンデレラ / みそっかす / 大森靖子 / きのこ帝国 / BELLRING少女ハート / THE イナズマ戦隊 / KEYTALK / LUNKHEAD / akinyan electro / アニソンディスコ / Especia / ONIGAWARA / せのしすたぁ / TAKENOKO▲ / daoko / ダンコーン / DJ 班長+terubowz / みきちゅ / DJ 憂 / リバーシブル吉岡 / ワンリルキス / O-ant / SMYLE / あばっと / VJ MAR

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『TOKYO BOOTLEG』のこれまで

2006年4月29日、「日本のロックを極めよう! 」というO-ant呼びかけのもと、集ったDJ陣により〈TOKYO BOOTLEG〉旗揚げ。VOL.3開催から渋谷CHELSEA HOTELに居を構え、ライヴとDJの空間融合をコンセプトに開催を重ねていく。2007年9月にDJあばっとがResident DJとして正式加入。幾度かのメンバー・チェンジを経て、2009年3月から現在のResident4名体制となる。2009年9月に3周年となるパーティーを代官山UNITで開催。2010年は半年間の充電期間に挟むものの、同年11月に4周年パーティーを代官山UNITにおいて成功させる。2010年11月24日にオフィシャルMIX CD『TOKYO BOOTLEG 2010 MIXED BY DJ あばっと』をリリース。最近では、フランスの〈JAPAN EXPO SUD〉や香港の〈COMIC WORLD〉など、 海外での活動も展開している。

『TOKYO BOOTLEG』 OFFICIAL WEB SITE

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