2013/10/24 00:00

レディオヘッドやエイフェックス・ツインにまで支持されるフォー・テットこと、キエラン・ヘブデンの新作、『Beautiful Rewind』が自身のレーベル、Text Recordsからリリースされた。本作はメロディー・メイカーとしての才能、また優れたビート・メイカーとしての才能が遺憾なく発揮された傑作だ。なお11月30日(土)~12月1日(日)にわたって開催される「Hostess Club Weekender」への出演も決定しており、予習として本作をチェックしてみてはいかがだろうか?

Four Tet / Beautiful Rewind

【価格】
mp3 wav 単曲 200円 / まとめ購入 1,500円

【Track List】
01. Gong
02. Parallel Jalebi
03. Our Navigation
04. Ba Teaches Yoga
05. Kool FM
06. Crush
07. Buchla
08. Aerial
09. Ever Never
10. Unicorn
11. Your Body Feels

近年のアンダーグラウンドの時代性を感じさせる要素が融和

今夏のアナウンス以来、待望されていた、キーラン・ヘブデンのプロジェクト、フォー・テットのアルバム『Beautiful Rewind』が、自身が運営するレーベル、Text Recordsから発表された。Text Recordsからのフォー・テット名義のアルバム・リリースはこれで2枚目。前作『Pink』はデータ( ! )の4ddという限定的なフォーマットでの発売(日本のみCDでも発売)であったが、今作はCD、ヴァイナル、データでのリリースとなる。 「Gong」という曲名通りのガムラン的な要素が、ダブステップにミックスされたような楽曲でアルバムはスタートする。アルバム中には、シングルとして先行発売され話題を呼んだ5曲目「Kool FM」に代表されるイーブン・キックと力強いヴォイスが荒々しいエネルギッシュなトラもある。アルバム全体の流れはベース・ミュージック的な前半から始まり、4つ打ちの中盤をへて、フォー・テットの真骨頂でもあるメロディアスで幻想的な世界観を強めながら「Your Body Feels」と儚く囁くようなヴォーカルでクライマックスをむかえる。

ほぼ全編にわたってダンサブルなビートが入り、クラブ・ミュージックに傾倒していた前作とくらべると、今作はバリエーション豊かな楽曲と、それがいきる展開があり、リスニング的な側面が強いと感じた(それだけに前作がデータのみで、今作はヴァイナルが切られているのは少々不思議だが)。 テクノ/ハウス、エレクトロニカの隙間を縫うような作風はそのままに、ポスト・ダブステップやLAを中心としたビート・シーンの影響など、近年のアンダーグラウンドの時代性を感じさせる要素が融和した、彼らしい雑食性の高さを感じさせる作品となっている。変わらない!! フォー・テットの個性と、確かに進歩し続けている彼の感性がむきだしとなった、繊細で淡く、あせた色使いで描かれたアルバムだ。(text by 杉本陸)

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PROFILE

フォー・テット
フォー・テットは、イギリスのミュージシャンであるキーラン・ヘブデンのソロ・プロジェクト。イギリスのポストロック・バンド、フリッジの元メンバー。ヒップホップ・ミュージックやエレクトロニカ、テクノ、ジャズ、グライム、フォークソングなどの要素を取り入れた楽曲で知られる。またハウス・ミュージックからの影響も色濃い。リミキサーとしても多方面で活躍しており、エイフェックス・ツイン、エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイ、スーパー・ファーリー・アニマルズ、レディオヘッド、ブロック・パーティー、アンドリュー・バード、バトルス、ザ・エックス・エックス、ブラック・サバスなどビッグ・アーティストの楽曲リミックスを手がけている。

この記事の筆者

[レヴュー] Four Tet

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