2013/08/09 00:00

約10年前に結成、マイペースに活動を続けてきた片想い。ファンク、シティ・ポップ、ヒップホップとさまざまなジャンルを含んだ音楽性、そして、その笑いと踊りがごちゃまぜのヴァラエティ豊かなライヴ。彼らはイベントに出演するたびに絶賛の波を起こしながらも、これまでリリース音源は、即完売ですでにプレミア付きとなっているアナログ・レコードのみという状態。そんな片想いが、ついに待望のファースト・アルバム『片想インダハウス』をカクバリズムよりリリース! OTOTOYではリーダーのMC.sirafu(Vo、Tp、Gt、Pan)と片岡シン(Vo、三線)にインタヴューを敢行。音源と合わせて、お楽しみください。

片想い / 片想インダハウス
【価格】
mp3、WAVともに 単曲 200円 / まとめ 2,200円

1. 管によせて / 2. tristeza de carnaval / 3. スモーキーオモロ / 4. Daily Disco / 5. 踊る理由 / 6. すべてを / 7. ひかりの中からこんにちわ / 8. ユニバース / 9. レクリエーションソング / 10. 踊れ! 洗濯機 / 11. 国境

ワンマン・ライヴが決定!!

【片想いワンマン・ライヴ“片想インダハウス”】

2013年9月29日(日)@東京キネマ倶楽部
OPEN 17:00 / START 18:00
ADV 3,000円(別途1D)

下記プレイガイドにてチケット発売中!
・ぴあ(P : 206-455)
・ローソン(L : 76559)
・e+
・GAN-BAN(店頭販売のみ)

>>『片想インダハウス』特設サイトはこちら

INTERVIEW : MC.sirafu、片岡シン

片想いのまわりにはいつも笑顔が溢れている。なぜかわからないけれど、彼らの音楽を聴くとき、彼らの言葉に触れるとき、人は顔を綻ばせずにはいられない。別に特段バカなことをしているわけでもない、むしろ、その表現はシリアスで、ときにドキッとするような鋭いひとことをなげかけてくることさえある。それでも、ぼくらが片想いに親しみを感じずにはいられないのは、彼らの言葉がどこまでも普通の人の普通の言葉による、普遍的な音楽であるからだ。 MC.sirafu(Vo、Tp、Gt、Steelpan)率いるバンド=片想いは、10年以上もキャリアがあるにも関わらず、これまでアルバムを出してこなかった。「ずっと、作りたいとは思っていた」とは、片岡シン(Vo、三線)の言葉だが、それはこちらの台詞でもあって、ぼくらも、ずっと待っていた。片想いは、2013年8月7日、待望のファースト・アルバム『片想インダハウス』をリリースする。 チョコレート・パフェと瓶ビールからはじまったインタヴュー。どぎつくて書けないインパクトのつよい発言もでてきたけれど、MC.sirafuと片岡シンの語る言葉はウィットに富みながら、同時に、片想いへの愛情をひしひしと感じさせるものだった。片想いが、満を持して世に送り出す『片想インダハウス』。平熱の音楽のよろこびは、いま、きっと、ここにある。

インタヴュー & 文 : 小田部仁

>>片想いの首謀者、MC.sirafuとは何者?

とにかく感動させたい(MC.sirafu)

ーー山岸聖太さんが監督された「Daily Disco」のMV観ました! 片想いの皆さん総出演の、濃密な人間ドラマに圧倒される作品でした。特に片岡さん、名演技でしたね。

片岡シン(以下、片岡) : いやぁ、僕もまさかあんなに背が伸びるとは思わなかったですねぇ。カメラの映りとかなんですかね、どうやってるのかはわかんないんですけど。
MC.sirafu : 僕なんか急に怒っちゃったりもしたんですけど。テンポをどうしても早くしたかったんでね…。

ーー…と、いうことで、片想いのユーモラスな部分が、PVからは垣間みれたわけですけど。

MC.sirafu : そうですね、ちょっとそれ感じてもらわないと…(笑)。
片岡 : 改めて言われると、恥ずかしいですね…(笑)。

片想い / Daily Disco
片想い / Daily Disco

ーーユーモラスな要素って片想いというバンドでは多々見受けられると思うんですけど、みなさん意図して、ふざけたりとか、おもしろいことをしようとしてるんですか?

MC.sirafu : 笑いと音楽ってなかなかひとつの表現として両立できるものじゃないんですよ。一緒にやっちゃうと寒くなる。でも、うちらは勝手にふざけるから…。それを観て、笑いたい人は笑えばいいと思うんです。

ーーなるほど。

MC.sirafu : 僕らは結構、人を感動させるつもりで音楽をやってるんですよ。「こんな音楽のそんなところに踊りが入ってくるなんて! 」っていう、想像もできないことが起こって、それをみて、結果“笑う”っていうことは、音楽に感動して涙を流すことと同列だと僕は思っているんです。どういう反応でもいいんですけど、とにかく感動させたいんですね。

どうしても、バンドマンにはなりきれない(片岡)

ーーまず片想いっていうバンドの成り立ちが、すごくおもしろいと思うんですけど。issy(Vo、Key)さんと片岡さんは、バンド結成前、沖縄に住んでらしたんですよね。

片岡 : そうなんですよ。僕は日芸の演劇学科を中退しているんですけど、そのときにいろいろやりたいことがあって、それで、まずお金を貯めようと思ったんですよね。で、どうせお金を貯めるだけなら景色のいいところに行きたいと思って、石垣島に住んでたんです。issyは普通に大学を卒業してずっと長期旅行をしていたんですけど、インドにいたときに60キロで走っているバスから飛び降りて酷い怪我をしちゃったので、もう日本に帰ろうってことになって、その道中で沖縄の俺の家に来たんですよ。

ーーで、その後、東京に帰ってきて、片想いを結成することになったわけですけど、なんでまた、3人でバンドをはじめようと思った訳ですか? 他にもいろいろな表現手段はあったわけですよね?

MC.sirafu : 当時、僕は自分が一番適応できる表現の場っていうのを探していたんです。演劇もやったし、音楽もやったし、DJもやったし、自分にできそうなことってのは大概やったんですよね。で、そんなときに、僕が当時知っていた人たちの中では一番おもしろい人が東京に帰って来るっていうんで、一緒になんかやりたいなと思って。別に特に楽器を弾ける人たちじゃなかったんだけど、一番手っ取り早いしおもしろいことができるかもってことで、バンドを組んだんですね。

ーー最初になにか「これを、やろう」っていうようなコンセプトはあったんですか?

MC.sirafu : とりあえず、やっぱり歌ものでポップスをやるっていうのが、わかりやすく自分たちがやりたいことを表現できるんじゃないかなって思って、まず、最初に音源(『Always She Said It First』)を作ってはじめたんですよ。そこでいろいろお互いの好きな音楽に中間地点を見つけながら、進めていったって感じですね。
片岡 : 最初は、ドラムもベースもいなかったんで、どうしていこうかねえって感じだったんですけど、MC.sirafuまわりの人たちをサポートで連れてきて、ようやくライヴできたって感じでしたね。
MC.sirafu : でも、その人たちも全員バンド経験のない人たちだったんですよ(笑)。なんかそういう音楽がカッコいいなって思ったんですよね。街のお祭りとかで演奏している中学生のブラス・バンドがカッコよくみえる瞬間とか、おじいちゃん、おばあちゃんがやっている管弦楽団に感動しちゃうときとかが、僕にはあって。洗練されていないものにこそ、見た目にも音楽的にもプロにはできない独特のよさとか発想とかがあると思うんですよね。そういうことができないかなぁって目論みは当初からありましたね。

カクバリズム10周年記念@新木場 STUDIO COASTでのライヴの模様

片岡 : 僕なんか、それまで一度もバンドなんてやったことがなかったから、初ライヴが26とか7のときだったんですよ。まず、バンドっていうものがわけわかんない。今回、タワーレコードにもアルバムが並ぶ訳ですけど、当時は、それすら目標にもできない様な感じでしたね。
MC.sirafu : みんな、ライヴをやりはじめてから、モニターの存在に気付くのに1年かかりましたからね(笑)。
片岡 : こんなふうにやっていたのかっていう驚きですよ! だから、どうしても、バンドマンにはなりきれないんですよ、ずっと。どこか他人の土俵に居る感じなんです。そういう感覚をエキサイティングだな、と思ってやっていますね。もしかしたら、そういう意識だったからこそ、片想いを続けられたのかもしれない。

ーー2004年に先ほど仰っていた最初の音源『Always She Said It First』、2006年に『東京フェアウェル』を出されているわけですけど。

MC.sirafu : 消したはずの歴史の産物ですね(笑)。
片岡 : 意図的に廃盤にしたものなんですよ。それはなんでかっていうと…。
片岡&MC.sirafu : 音源にリヴァーブをかけすぎたんですよ(笑)。
片岡 : 僕らね、リヴァーブをかけすぎちゃう癖があるんですよ、歌がうまくなったような気がするんで。でも、数々の批判を聴いた人から受けまして。

ーー今回のアルバムは、割とデッドな音像で。あんまりリヴァーブかかってないですね(笑)。

片岡 : 頑張ったんですから。「いや、でもやっぱりリヴァーブはあったほうがいいんじゃねえか? 」とか不安になったりもしたんですけど、そこは抑えて… いやぁ、僕らも大人になりましたね。

ーーははは(笑)。

片岡 : (笑)。でも、真面目な話、その2枚と今回のアルバムでなにが一番違うって、メンバーが違うんですよ。そこが一番大きい。だから、過去2枚出した音源を自分たちの音源って認めたくないっていうか… それで、廃盤にしたんですよね。

ーーそんなメンバーのみなさんを、片岡さんとMC.sirafuさんに紹介して頂きたいんですけど。まず、issy、あだち麗三郎(Vo、Dr)さん、伴瀬朝彦(Vo、Ba)さんのおさんかたについて訊かせて下さい。

片岡 : issyは片想いにはなくてはならない存在なんですけど、8割5分方、メンバーをいらつかせている。残りの1割5分のいい部分をライヴで発揮しているって感じですね。プレイもずっとみていると、笑っちゃうんですよ。
MC.sirafu : issyが石だとしたら、あだちくんは風ですね。伴瀬朝彦が土なんで。彼らには自然の属性がついてるんです。
片岡 : もう、他のメンバーには、そんな属性なんてないんですけどね(笑)。

ーーなんなんですかそれ(笑)! 遠藤里美(Vo、Sax)さん、大河原明子(Hr)さんは、どんな方達ですか?

MC.sirafu : えんちゃん(遠藤)は、混浴のお風呂とか入っても全裸で入ってきちゃうタイプですね。っていうか、もう、地方行くとリハーサルが終わったらすぐに温泉に行っちゃう。
片岡 : えんちゃんとあだっちゃんは、地方とか行くと、いつの間にかどこかに消えている。みんなで、ちょっと呑みながら出番まで待とうかな… なんてって思ってたりしたら、「あれ? いないじゃん」っていう。
MC.sirafu : 大河原さんは一番の変人ですね。もともと、僕の同僚で、ホルンが吹けるから誘ったんです。パン作りが凄く好きで… 酵母が発酵していく様子を写真に撮って3日毎にブログにアップしたりしてるんですよ…。

ーー最後はオラリー(Vo、ピアニカ)さんですが、オラリーさんの加入と時期を同じくして、片想いの代表曲でもある「踊る理由」ができたそうですね。

MC.sirafu : 「踊る理由」はオラリーが加入したので「作ろう」ってことになってできた曲なんですよ。オラリーは片想いの潤滑油みたいなものなんです。8人いるメンバーの関係性がスムーズになるというか、彼女のお陰で、僕らが自分たちそれぞれの役割をまっとうできるんですよ。
片岡 : 僕としては、7人のメンバーで片想いがまとまってきたところを、オラリーが加入してきたことによって、さらにもう一段押し上げたような印象があるんです。
MC.sirafu : 言ってみりゃ、リヴァーブみたいなものですね(笑)。

片想いが、僕の人生だから(MC.sirafu)

ーーMC.sirafuさんは、片想いのほかにもたくさんのプロジェクトに参加されているわけですけど、片想いをやっていてたのしいと思う瞬間はなんですか?

MC.sirafu : んー、なにかな? 片想いって、ライヴをやっているときもすぐ終わっちゃうし、それをあんまり思い出さないし… なんか生活の一部みたいなものなんですよね。僕にとっても一番気合いが入っていないバンドなんで。

ーーじゃあ、なんでわざわざ、片想いをやるんですかね?

MC.sirafu : それは、片想いが僕の人生だからですね。片想いだけは、僕が自分で作ったバンドですから。10年も続けているわけだから、もちろん、そのあいだにはいろんなことがあって、それぞれの人生もあって…。「このバンドで食っていこう! 」とかそういうバンドじゃないのにも関わらず、それでもいまのメンバーで3年位続いているっていうのにはなにかしらの理由はあると思うんですよ。僕にとっては、片想いが生活の一部だからだな。

ーー片想いのライヴからは、とても温かなムードを感じるのですが。ポジティヴなエネルギーをいつも貰えます。

FUJI ROCK FESTIVAL 2012「苗場食堂」でのライヴの模様

片岡 : バンドが家族みたいになってきている雰囲気があるからなのかな。ポジティヴさはあるかもしれないです。バンド・メンバー、個々人は全然ネガティヴなんですけどね…。
MC.sirafu : 大体、ライヴにくる人、心に闇を抱えてそうな人多いし(笑)。うちら同様にね。
片岡 : 自分たちよりすこしは明るく振る舞っている僕たちをみて「あぁ、なんかたのしい」ってなるんじゃないかな(笑)。
MC.sirafu : でも、もしかしたら、それは時代が病んでるからかもしれないですね。盛り上げなきゃいけない、元気を与えなきゃいけないなんて使命感は僕らにはまったくない。たのしんでもらえればいいけれど、たのしみかたとか踊りかたなんてべつになんだっていい。

ーー片想いはパーティー・バンドなんて言われることも多いわけですけど、その自意識は特にないということですね。

MC.sirafu : 最近、パーティーでもフェスでも、その場の在りかたみたいなものが均一化していると思うんですよ。音楽もそれに影響されて似たようなものばかりになっている。盛り上げどころ、ブレイクどころみたいなものを、フェスでお客さんが盛り上がるためのアレンジにしているミュージシャンすらいる。そういうの、糞食らえって思うんですよ。例えば10年前、クラブ・カルチャーが浸透しはじめた頃はいろんなことが自由でしたよ。みんな、踊りでも楽しみ方でも、恥ずかしがりながらそれぞれ各人で模索している様子がみてとれた。今も、そういう風な状態が理想だと思っているんです。僕らの音楽を聴いてくれた人たちがそれぞれに咀嚼して、感動してくれればそれでいい。

心の中に入れて持ち運べる音楽(MC.sirafu)

ーーそもそも片想いは10年以上のキャリアがあるわけですけど、なんでいま、ファーストを作ろうって思い立ったんですか?

片岡 : ちゃんとしたアルバムを作りたいとはずっと思っていたんです。ただ、やっぱり作るきっかけになったのは、この8人のメンバーが揃ったということですね。それこそ『東京フェアウェル』を出した頃と比べると、片想いの状況もいろいろと変わったんですよ。メンバーが揃って、「踊る理由」という曲が認知されはじめて、それをカクバリズムが7インチで出してくれるって言ってくれて… でも、それでもやっぱりアルバムをどうやって作ったらいいのか、具体的な方法がわからなかった。自分たちで作れたらいいなぁとは思っていたけれど。
MC.sirafu : これまでしっかりかたちにできていなかった自分たちのダメさもありますけどね(笑)。
片岡 : でも、結果として、ファースト・アルバムとしてこの『片想インダハウス』を出せるっていうのがすごくうれしいんですよ。あれが、3枚目でもなく4枚目でもなく、1枚目なんだっていうのが、すごく感慨深いんです。

ーー当初からアルバムの全体像みたいなものはみえていたんですかね?

MC.sirafu : 僕は、いままでも曲を作るときは“アルバムの何曲目”みたいなイメージで作ったりしてたんですよね。「管によせて」なんかはまさにアルバムの1曲目のイメージで作曲したし。そういう意味ではずーっと10年間、アルバムの構想はあったんですよ。

ーー片想いにおいて、MC.sirafuさんは1曲のなかにどのような聴きどころを作りますか?

MC.sirafu : あんまり片想いの曲はコードを多用していないんですよ。2~3のコードの繰り返しだったりするシンプルなものもあったり。でも、同じような展開の楽曲をアレンジでどうおもしろく聴かすか、同じコード進行の上でどれだけおもしろいことができるだろうかっていう考え方でやっているんですね。見せ方によってこうも違う見せ方ができるぜっていうところをかなり強く意識しながら作曲しています。人生は見方によっては喜劇でもあり悲劇でもあるみたいな。そういうことを表現したい。

レディオヘッドの裏ながらライヴは大盛況!

ーー片想いは、楽曲のなかでメンバー全員がヴォーカルをとるわけですが、これは結構珍しいと思うのですが。

MC.sirafu : 例えば、漫画に例えると、おもしろい漫画って主役に魅力がなくて、脇役が目立っていたりしますよね。脇役がたっているからこそ、主役のよさがでたりする… そんなキャラクター同士の相互作用ってあるじゃないですか。僕は片想いはそういう人間関係が現れるバンドだと思っているんです。
片岡 : まさに、男塾のようなバンドを目指していますね…。

ーー童謡のような、どこかノスタルジーを感じさせるような、非常に覚えやすいメロディーを片想いは多用しますね。

片岡 : 僕がそれこそ教会で生まれた子供なので、賛美歌で育ってきているわけですよ。アルバムでは僕がメロディーをすこし書いているところもあるんですけど、そこは賛美歌から持ってきたりとかしているんですよね。だから、キャッチーさとか、童謡ってよりは民謡(トラディショナル)みたいなものはそこが影響しているかもしれないです。
MC.sirafu : 口ずさめることっていうのは、なによりだなと音楽を作っている身としては思うわけですね。やっぱり自分の好きな曲って鼻歌で歌ったりするじゃないですか? iPodに入れて音楽を持ち運ぶんじゃなくて、心のなかに入れて持ち運べる音楽というのが一番いいと思うんです。

ーーそういったメロディーに対して、演奏はとてもグルーヴィーで一曲目の「管によせて」じゃないですけど、非常に“黒い”ですよね。

片岡 : どうしてもそうなっちゃうんだよね。どっちも好きだから。黒い音楽ばっかりを聴いていたってこともあるしね。まぁ、本物のブラック・ミュージックができないからこそ憧れている節もある。できないなりにやっているんですよね、われわれの手法として。
MC.sirafu : これはブラック・ミュージックに関してだけではないんですけど、僕らは、形式美みたいなものに憧れるところがあるんです。逆に追求しすぎるとこれもまた寒い。どうせできやしないし。たとえば「ひかりの中からこんにちわ」の語りの部分とかを本気の落語でやったら、それはきっとおもしろくないんですよ。ただ、要素をカットアップして、違う見せ方で提示することでそれは新鮮なものになるんですね。

ーー10年越しのすばらしいファースト・アルバムを見事作りあげた訳ですが、今後、片想いはどうしていきたいですか?

MC.sirafu : 今回アルバムの特典でDVDをつけるのに、山岸聖太さんやカクバリズムの協力で、めちゃくちゃたくさん映像を作って貰ったんですけど… やっぱり自分たちでできることとできないことっていうのがあるんですよ。総括的におもしろい表現を作り上げるのは、個人の力じゃないし、バンドだけの力じゃないし、信頼できる人たちが出会って集ってできるものだと思うので、いろんな人の協力を仰ぎながら、このふざける態度を崩さず、またちょっとおもしろいことができたらなと思ってますね。

RECOMMEND

ザ・なつやすみバンド / TNB!

東京インディーズ・シーンにおいて最もリリースが待たれているバンド。センチメンタルでエモーショナルな、リスナーの涙腺を緩ます、ピアノ・ロック・サウンド。さらにスティールパンやトランペットが加わり、トロピカリズモにも通ずるスティールパン+Dr+Ba+Keyの極上のリゾート・エキゾチック・サウンド。

(((さらうんど))) / New Age

(((さらうんど)))の音楽が僕らの街に鳴り響き、煌めき合い、いつもの風景を違うものにする。(((さらうんど)))の音楽が走り出す。躍動するメロディとビートの詰まった僕らの『New Age』2013年の決定盤!! 山下達郎氏もCDを購入したとインタヴューで発言したり、KREVA氏、吉井雄一氏(THE CONTEMPORARY FIX)にもblogで紹介されるなど、イルリメとTraks Boys、各々のいたシーンにとどまらず、より多くの方面で好評を得た、傑作1stアルバム『(((さらうんど)))』から1年。待望の2ndアルバム『New Age』が完成です! 先日アナログ12インチのみでシングルリリースされた大名曲、「空中分解するアイラビュー」を始め、その他にもcero・荒内佑氏、スカート・澤部渡氏といった新しい世代の才能達がそれぞれ作曲を担当した楽曲(「Swan Songs Story」、「Neon Tetra」)など、前作からさらに進化した、まさにNew Age! な (((さらうんど)))ならではのポップ・ミュージックが収められております。さらに前途のアナログ12インチではRemixを制作して頂き、大きな話題を集める事となった砂原良徳氏には、今作では「きみは New Age」の作曲・アレンジ・プロデュースで参加して頂いております。

>>特集ページはこちら

cero / My Lost City

前作アルバム「WORLD RECORD」がロングセラーを続けるceroの才能が爆発した2ndアルバム完成! 小旅行から大航海へ。彼らには新しい音楽と時代の風が吹いている。新たな時代を築いていく名盤!

>>特集ページはこちら

カクバリズムの作品をチェック!!

LIVE INFORMATION

片想いワンマン・ライヴ“片想インダハウス”
2013年9月29日(日)@東京キネマ倶楽部
OPEN 17:00 / START 18:00

STARS ON 13
2013年10月13日(日)@岡山県 中世夢が原
OPEN 10:30 / START 11:30
w/ あらかじめ決められた恋人たちへ、ハナレグミ、レキシ、スチャダラパー、YOUR SONG IS GOOD and more

PROFILE

片想い

結成はだいたい10年前くらいに遡る。現在は片岡シン、MC.sirafu、issy、あだち麗三郎、伴瀬朝彦、遠藤里美、大河原明子、オラリーの8人組。昨年はFUJI ROCK FESTIVALにも出演し、RADIOHEADの裏をもっとも盛り上げたバンドである。インディー・シーンでは絶大な信頼を誇るバンドでもあり、多数の名曲と胸躍るライヴは初見の方でも、子供でも大人でもご機嫌にさせるすばらしいバンドである。都内のライブは毎度売り切れになることばかりで、アルバム発売前よりかなり盛り上がっている。9月29日にはレコ発ワンマンライブを東京キネマ倶楽部で開催予定。マイペースに素敵に活動していく街の音楽家たち。大注目です!

>>片想い official website

この記事の筆者

[インタヴュー] 片想い

TOP