岡村靖幸さん
“和製プリンス”ってチャッチイから嫌い。
岡村さんはそんなに“大丈夫”なミュージシャンではないと思う。
私が生まれる前から、岡村さんが声を上げれば、
老若男女がヒィヒィ言いながら、
「ヤバい!」「カッコイイ!」とついていっていた、らしい。
(音楽家としての岡村靖幸黎明期を、今回初めて知りました。
私のなかにある岡村さんの記憶は、ここ2年くらいだけど、
それからずっと気になっています。)
音楽同様、観られることにもピカイチの才能があると皆さんは言う。
「間違ってないけどいまそれをやる場面じゃない」というおもしろさは、
岡村靖幸さんの持てる才能である。
でも、他の人と違うのは「みんなの前の岡村靖幸」との付き合い方じゃないかしら。
岡村さんがもう少しバカだったら、「一線越えちゃってる俺、カッコイイな」
岡村さんがもう少し器用だったら、「これはパフォーマンスしてる俺だから」
とか、バーで漏らしながら割り切れるんじゃないかな。
私が好きな岡村さんはやたら真面目でまともな人。
すごく真面目な思考回路を持って、
「なんとなくの常識」を習得せずにいたら、
「間違ってないけどいまそれをやる場面じゃない」ってズレが生じたのかな。
普通と変態が、一緒になっている。
そういうアンバランスなところがすごく、ゾクゾクする。
岡村さんには、どうなって欲しいのかわからない。
自身の美学に厳しくいて、でも苦しまないでほしい。
私の目に映る岡村さんは、これからもずっとスリリングで、ハラハラしながら見守っていたい。
小学校の頃、目立つから好きになって、それから大人になっても近況を知りたくなってしまうような、そういう恋心なんです。
コムアイ
Twitter : @KOM_I