2013/02/26 00:00

「FITTING ROOM VOL.1」

音楽とビジュアルの融合をテーマに2012年6月下北沢にて活動を開始したTシャツ・デザイン・ブランド「音と絵」が、2013年2月22日(金)、新宿JAMにて、初めてのイベントを行った。その名も「FITTING ROOM VOL.1」 。試着室と名付けられた本イベントは、入場PASSがなんとTシャツというユニークさ。19時からスタートし朝方まで音楽が鳴り止まないという、サービス精神満載の一夜となった。そのイベントの模様をレポート。これを読んで、ぜひ2回目以降の開催にも注目してほしい!!


音と絵 presents「FITTING ROOM VOL.1」
2013年2月22日(金)@新宿JAM
OPEN / START : 18:00 / 19:00 CLOSE : 29:00

【LIVE】
日の毬 / Emerald / thatta / 倉内太 / TACOBONDS / 僕のレテパシーズ / H MOUNTAINS / fula / henrytennis / MUSQIS SEXTET / THE ピンクトカレフ / 笹口騒音ハーモニカ

【転換ACT】
DJ 兄弟仁義 / DJ wonder_wonder(FunLandRyCreation) / DJ 332542(FIRE JAM / らしょうもん) / DJ 阿部広太(FIRE JAM / SUNN) / DJ 高木敬介(FIRE JAM / SUNN)/ DJ 社長(radio DTM)/ YDO(みんなの戦艦 / ベルノバジャムズ / わっしょいキヨシ / ちくわテイスティング協会)

>>主催者インタビューはこちらから

入場PASSがTシャツ!! 音と絵が主催するTシャツ&音楽イベント

バンドTシャツなどを手がける企業"音と絵"ことOTOEが主催する、音楽とTシャツのイベント「FITTING ROOM VOL.1」に足を運んだ。

19時40分頃、会場の新宿JAMに着いた。入口で受付を済ますと、Tシャツの引換券をもらう。この券を引換所に持って行くと、OTOEブランドのTシャツを1枚もらえるらしい。まず、この時点で普通のライヴとは違う。ホールの中に入ると、オールナイト・イベントにも関わらず、すでに結構な数の観客がいた。一番目のバンド、僕のレテパシーズのライヴが始まっている。メンバーはOTOEとコラボして作ったバンドTシャツを着ていた。ボーカル・古宮大志の自由なパフォーマンスに、会場は早くも熱気に包まれる。対象的に、次に出演したEmeraldは、静かに深く感情を込めるような演奏を見せた。

photo by 矢口枝里

転換中、OTOEの社長・平田崇人から、この日のイベントの説明がある。地下にあるライヴ・ホールを出て、1Fのスタジオに行くと、フードや休憩所、出演者の物販があるとのこと。このイベントの目玉の一つでもある、入場者特典のTシャツの引換所も、ここに設置されているらしい。説明を聞き、さっそくそちらに行ってみることにした。スタジオの中に入るとフード・スペースがあり、その奥にTシャツ引換所、バンドの物販、休憩所が、それぞれ1部屋ごとに割り振られている。まずは、Tシャツ引換所に足を運んだ。30種類以上あると思われるTシャツの中から、気に入ったデザイン、サイズを選びカウンターに持って行くと、引換券と交換出来る仕組みになっている。色やデザインも様々で、すでにほとんど在庫がないものもあった。これらのTシャツは、OTOEのサイトの通販で取り扱っており、値段も様々。引換券を使用した後でも、対象のものは1500円という格安で買えるらしい。ちなみに筆者は、鳥の絵画がデザインされたTシャツを選んだ。こちらは普段、3500円で売られているとのこと。このイベントの前売りチケット料金が2500円であることを考えると、これだけでも元が取れる計算だ。なお、この部屋には引換対象以外のOTOEのTシャツや、フリー・マーケットの商品なども飾られており、これらもその場で購入出来るようになっていた。通販メインでの販売であるOTOEのTシャツを、実際に手に取りその場で買えるのは、このイベント・タイトルである「FITTING ROOM」にフィットした企画だ。

photo by Toru NIshikawa

再びライヴ・フロアに戻る。会場内をよく見ると、カメラやドリンク・カウンターなどのスタッフが、皆OTOEのTシャツを着ていることに気づく。これもまた、ライヴ・ハウスとしては珍しい光景だ。スタッフの一人一人が、Tシャツのモデルになっているような趣きである。

日の毬のライヴでは、演奏中ステージに呼ばれた平田社長が、ギターを手に取り演奏するという、貴重なコラボレーションが見られた。続いては、フロア後方に設けられたサブ・ステージでのYDOのライヴ。ここからしばらくの間、メイン・ステージでのバンド演奏と、サブ・ステージでの弾き語り演奏が交互に行われた。YDOは、「Tシャツ」というお題で、即興の曲を作り演奏した。彼が普段やっている、ちくわテイスティング協会や、ベルノバジャムズなどのバンドからは想像出来ないような、優しくて情緒的な歌とメロディが新鮮だった。henrytennisの演奏を挟み、OTOEのTシャツと言えばこの人、お馴染みの FADE Tシャツに身を包んだ、笹口騒音ハーモニカが登場。彼が最近よく被っているFADE帽子も、OTOEとのコラボレーションにより作ったものらしい。観客を座らせ、今までとは一風変わったライヴとなる。最後に演奏された「SAYONARA BABY BLUE」では、温かい歌声が会場を包んだ。

photo by Toru NIshikawa

夜も更け、時間は深夜0時近くとなる。この時点でタイム・テーブルは約1時間押し。場内の人々は、皆いい感じにお酒が回って来ている様子。さすがに少し疲れたので、再び1Fのスタジオへ行き、フードを食べながら休憩をとる。ここにある休憩所は、「FITTING ROOM(試着室)」と名付けられていたせいか、中は常に閑散としていた。そのおかげでゆっくり休めたのだが、スタジオの中では一番広いスペースが取られていただけに、少しもったいない気もした。フード・スペースとTシャツ引換所は、常に混雑している印象だったので、ここは少し配慮が必要か。

フロアに戻ると、8人編成で大所帯のバンド、MUSQIS SEXTETの迫力のサウンドにより、新宿JAMは熱狂の渦へ。その後、倉内太、fulaがエモーショナルな演奏を聴かせる。ここからは、バンド演奏に合間にDJが曲を流し、フロアを温めた。H MOUNTAINSのグルーヴが響き、TACOBONDSの鋭利なサウンドと、ギターを今にも破壊するのではないかと思うような激しいパフォーマンスに、客席前方はモッシュで応えていた。

photo by スズキリョー

ライヴはまだまだ続く。ここからはドリンクがタイム・サービスで全て300円とアナウンスされる。続いてのバンドは、THE ピンクトカレフ。観客の外国人の「ファック」という野次に、ボーカル・大森靖子が無言で中指を立てると、ピリピリとした緊迫感の中、圧巻のパフォーマンスを見せつけた。radioDTM社長のDJを挟み、バンドとしては最後の出演となるthattaのライヴが始まる。この時点で、時計は5時近くを回っていた。オルタナティブで重厚なサウンドに、観客はトリップし、一体となる。最後に相応しいダイナミックな演奏だった。thattaの演奏が終わると、観客は満足したのか、大半が会場を後にしていた。もう始発電車が動き出している時間。

最後のDJが始まったのは朝の6時頃。この時点でフロアに残っていたのは、完全に酔いが回りハイになったバンドマンや関係者が数人。DJ兄弟仁義の大内ライダーがロボットに変身したのを見届け、筆者も会場を後にした。果たして宴は、いつまで続いたのだろうか。

photo by Kumiko Kudo

イベント全体としては、出演者も含め、非常に濃い内容となっていた。ただその分、タイム・テーブルに余裕が欲しいと感じた。時間に余裕があれば、Tシャツもゆっくりと物色することが出来る。Tシャツ売り場のスペースも、もう少し余裕があればなお良い。今回は長丁場のイベントとなったので、2日間に分けての開催なども面白いかもしれない。新たな可能性と、期待を感じさせてくれるイベントだった。(text by 前田将博)

『FITTING ROOM VOL.1』の出演者の音源をチェック

Penetration

thatta

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音と絵

音楽とビジュアルの融合をテーマに2012年6月、下北沢にて活動を開始。アーティストのコンサート・グッズやアパレル・ブランドのノベルティ・グッズ製作、グラフィックとウェブを中心としたデザイン制作を行う傍ら、自社ブランドであるOTOE Brandを展開中。2012年はアーティストやフェス、イベントとのコラボTシャツが話題となり、新進気鋭のTシャツ・デザイン・ブランドとして今ノリにのっている。

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