2013/01/16 00:00

Toro Y Moi / Anything In Return

【配信価格】
mp3、wav 単曲 200円 / アルバム 1,500円

約2年ぶりのオリジナル・アルバムとなる同作は、カルフォルニアのバークレーで制作。アメリカ西海岸のファンクやソウルからの影響を昇華した楽曲やハウス・トラックなど、全13曲を収めた作品となる。

チルウェイヴから派生した歪んだポップ感

米サウスカロライナ州、コロンビア在住のベッドルーム・クリエイター、チャズ・バンディックのソロ・プロジェクトToro y Moi。国内外から高い評価を得たエレクトロ・アーティストの2nd アルバム『Underneath the Pine』から約2年ぶりとなる、今回の3rd アルバム『Anything In Return』の国内盤がリリースされた。前作で大きく注目を集めたため、今作にも大きく期待をしてしまうが、一度全部を聴いてみて思ったことは、期待をしても大丈夫だということ。

リード曲である「So Many Details」では、ドラムを中心に多彩な音の重なりをみせ、曲の広がり方が美しい。2曲目の「Say That」では、聴いているうちについついリズムをとってしまうほど乗ってしまう。これらの曲はPVも公開されているので、そちらを見てもらい曲のイメージを知るのも面白い。このアルバムを通して聴いてみると、どの曲にも広大な奥行きが感じ取れることに気付く。また、様々な楽器の音が聴こえることも楽しめる要素となっている。エレクトロ・サウンドにそれらの楽器が違和感なく、そこにあるべきものとして存在している。エレクトロ・サウンドと聞くと、どうしても大音量で聴きたくなってしまうが、今作は静かな音で聴くと、とても心地が良い気分に浸ることができる。このアルバムには、そう感じさせてくれる要素が多く含まれている。だが、このアルバムを何度も聴いていると、やはり迫力のある音で聴いてみたくなってしまい、いざ大音量で聴いたときには、彼が鳴らすビートを身体全体で感じることができる。まるで、音量によって表情を変えるような作品なのかと錯覚してしまう。

チルウェイヴ・シーンに登場した新星の甘く楽曲を突き抜けるコーラスは今だ健在だが、ビートという武器でチルウェイヴを越えた表現方法を示した。クラブでも存分に楽しめるダンス・ミュージックでありながら、部屋で本でも読みながら聞き入るようなサウンドも体感することが出来る。甘く、染み入るコーラスの後ろに映える“パキっ”としたビートの変化は、聞く者の心を常に誘惑し続けるに違いない。(text by 益子直人)

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PROFILE

Toro Y Moi

2009年にCarpark Recordsからリリースした『Blessa』で一躍注目を集め、2010年にファースト・アルバム『Causers of This』を発表。その弛緩したドリーミーかつトロピカルなエレクトロニック・サウンドで、インディー・ポップ・シーンに静かなる旋風を巻き起こしている。2011年、1年という短いスパンで『Underneath the Pine』をリリース。前作でのエレクトロニック / サンプリング的な音づくりを排し、自分で演奏した生音を主体にナチュラルなサウンドを展開した。「Toro」はスペイン語でBull(牛)を意味し、「Y Moi」はフランス語でAnd Me(と私)を意味している。

Toro Y Moi official HP

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