2012/08/08 00:00

POWER DA PUSH第2弾! 福岡から煙たいサウンドが届いた!

オトトイのヒップ・ホップ担当こと和田隆嗣が、毎月ヒップ・ホップ・タイトルを追い続けるPOWER DA PUSHシリーズが始まりました! 第2弾は福岡からMANTISの新作を紹介。「長いようで短い5年」、「早いようで遅い5年」。待っていたヘッズも数知れず。だが待っただけはあると思わせる1枚が、豪華なMC陣を招いて完成した! 常に地下で活躍し続けてきたMANTISの集大成がここに!

曲ごとに変化するMANTISの魅力に取り憑かれる!!

MANTIS / Word of Mouth
【販売形式】
mp3 150円 / 1500円
WAV 200円 / 2310円
【Track List】
01. Hash Planet / 02. Solstice feat. Nagan Server(MONO ADAPTER.) / 03. Rainy Day Blues / 04. Old Thing / 05. Name feat. Yahiko(HAKUCHUMU / DOWN NORTH CAMP) / 06. Ancient Bullet feat. CUBE c.u.g.p / 07. Cloudburst / 08. Raw and Joke feat. Mass-Hole(MEDULLA) / 09. Step in da South feat. Blue Print / 10. The Riot / 11. Still Struggling feat. FREEZ(RAMB CAMP/EL NINO) / 12. One Ill Word Ask Another feat. BUPPON / 13. Yoru no Tobari feat. Mahina Apple / 14. Memento Mori
「スモーキー」、「ドープ」、「イル」... 全てのヒップ・ホップ・スラングが当てはまる。好きなやつにはにはどっぷりとハマれる14曲。こういうラップをやりたかったMC、このビートを作りたかったビート・メイカーも多いはず。久々に胸の奥が熱くなるシットを戴きました。福岡クオリティー流石です。(OTOTOY / 和田隆嗣)

現場へのアンサー、ヒップ・ホップへの恩返しが詰まった作品

福岡天神親不孝通りを中心に活動するビート・メイカーMANTISのセカンド・アルバム『Word of Mouth』がリリースされた。福岡がヒップ・ホップの結束力が強い地であることは、RAMB CAMP、EL NINOやPOCKYの活躍を見ていれば察しがつくと思うが、MANTISもその一角を担うビート職人であることは今作『World of Mouth』で証明されている。

地元の片隅に追いやられた小さいレコード屋で手に入れたレコードからネタを抽出し、サンプリングをする作業は地味ではあるが、個性をいかんなく発揮される1つの特技として、現在ビート・メイク・シーンは注目されている。作ってきたビートを対戦相手と一対一で披露し、どっちがやばかったかをオーディエンスに決めてもらうイベントもあれば、USの西海岸のシーンから発祥しているLOW END THEORYのビート・シーンも日本で盛り上がりを見せている。

今回MANTISが発表した『Word of Mouth』はインストゥルメンタルのビートものとしても通用するが、ラップをのせることでより強力になり、聞く者の心をくすぐる。それは、今流行りの「顔の見えないところで勝手に盛り上がっている」ような軽いビートではない。福岡の熱く、怪しく、煙り臭いクラブで長年活動してきた仲間や後輩。そして長年待ち望んでいたリスナーの期待へ応えるクオリティーと、共演するMC達へのリスペクトが存分に詰め込まれたビートが展開されていく。初めての共演を果たしたNAGAN SERVERは自身のブログで「たぶんそのうち出会うだろうと思っていた」と語る程シンパシー感じており、Rakimの「Guess Who's Back」ネタを使った「Solstice」では各々の存在意義を主張する楽曲を見事に作り上げた。長野は松本出身のMEDDULAからMASS-HOLEがラップで参加した「Raw And Joke」は、アブストラクトで攻撃的なビートに傾倒しながらも要所に散りばめられている印象的なフレーズに自ずと首が揺れる。また山口県を代表するBUPPONが参加した「One Ill Word Ask Another」はPVも制作される推し曲として作品を引き締め、自問自答し憂いてゆくBUPPONのラップ・スタイルも2011年のファースト・アルバムからぶれること無く表現されている。

今作の『Word of Mouth』からは、以前にDJ PERRO(北海道のMIC JACK PRODCTIONのビート・コンダクター)の『FRIEND OF BLEND』を聞いた時と同じ印象を受けた。北と南の正反対の感性だが、通じるものは1つ。長年信じ続けたヒップ・ホップへの愛と恩返し。きっと地元のクラブに足を運べば応援してくれている仲間がいる。パーティーに強力してくれる後輩や、遊び方を教えてくれた先輩がいる。ヒップ・ホップというツールで出会えた仲間、ストリートでしか学べないこと。ヒップ・ホップで学んだことはヒップ・ホップで返す意思が強く感じ取れる作品だった。もしかしたら煙たがられるかもしれない、古いと言われるかもしれない。それでも、自分はクラブでこの男汁満天の楽曲達を紹介したいと強く思った。(text by AGADA)

POWER DA RECOMMEND


DJ PERRO / FRIEND OF BLEND -DJ PERRO SIDE-

このPERRO Ver.となる今作は、MIC JACK PRODUCTIONのビート・コンダクターDJ DOGGことDJ PERROと『SNOW BLAND』をリリースしたMICHITAという北海道のヒップ・ホップ・シーン代表するビート・メイカー2人による強力なコラボ・アルバムが遂に完成! それぞれがMCを5人ずつ、2人のセレクトで計10人のMCを招き、それぞれのビートに同じラップで曲を紡ぐというビート・メイカー同士で作り上げた新しいラップ・アルバム。


BUPPON / 蓄積タイムラグ

「情熱」と「清算」2つのキーワードが支配するBUPPON待望の1st FULL ALBUM!! 情熱は場所を問わない」と叫んだ前作12inch「SYNCHRONICITY」から2年。地方でヒップ・ホップを続けるが故の思いなどは最早ありがちとされている中、アルバムの中でも一際存在感を放つのは、盟友ALIEN ONE a.k.a 狂 が手掛ける。

BUPPONのインタビュー特集はこちら


RHYDA / FREEWHEELIN' THE HIGHFIELD

RHYDAが仲間と遊びながら吐き出すリアリティーは、まだ誰も言葉にしたことがないものばかりだ。世間のカラカラとした狂騒に隠れて、思い出し笑いのようにふと湧き上がり、脳裏にこびりつく言葉たち。描き出された夜の光景。夢と現実には境などなく、延々に続く今をどう生き、どう戦い、どう遊ぶか。一見無益なその衝動に純粋に向きあう者にとっては、RHYDAの言葉に共感にも似た感情が生まれるはずだ。ヒップ・ホップ・リスナーのみならず、テクノやハードコアのリスナーからの支持も集める理由はそこにあるのだろう。

RHYDAの特集はこちら

PROFILE

MANTIS

3RD STONE official HP

[連載] MANTIS

TOP