2011/12/14 00:00

ワンコイン・シリーズ第2弾シングル! BTBも参加!

ZEN-LA-ROCK / WINTER GIFT

リード・トラック「NEW JACK UR BODY feat. BTB」では、ヒップ・ホップ・シーンでは常に話題を集めているJAZZY SPORT所属のプロデューサーgrooveman Spotとタッグを組み、1980~90年代に大流行したニュージャックスウィングを完全にアップ・デート。さらに、世界中のアーティストから注目される次世代スピーカー、TDK Life on RecordブランドSpeaker Boomboxのプロモーション・タイアップ・ソングに決定。

ZEN-LA-ROCKが送る! 暮れの元気なご挨拶

8月にワンコイン・シングル『Summer Vacation』を発表して日本の夏を踊らせたZEN-LA-ROCKが、こたつにうずくまる全ての日本人にランニングマンさせるべく、冬にもワンコイン・シングルを発表する。しかもリード曲で選んだ武器はまさかのニュージャックスウィング(脚注1)。80年代後半から90年代前半のクラブを席巻したこの音楽を、21世紀も10年以上が過ぎた今になってあえて引っ張り出してきたその心意気やよし!! ニュージャックスウィング。それは90年代にクラブを謳歌していた人にとっては青春の音楽であろう。反対に、その時代を知らない人にとっては、もう遠い昔に終わった音楽なのかもしれない。結局どちらの人にとっても、この音楽は決して今生きている音楽ではなく、20年前の歴史を体感する音楽なのだろうと思う。Wreck-n-Effectの例を出すまでもなく、全盛期にはヒップ・ホップでも笑顔の黒人がジャケに映っているようなアルバムではよくニュージャックスウィングが使われていたもので、ディグ(脚注2)をしていると、当時発表された怪しげな作品にもよく出会う。

しかし、ニュージャックスウィングは流行り病のように世界中に広まった後、あっという間に過去の音楽となってしまった。Teddy Riley一人を残して。

そうなった現在、この音楽についてまわるイメージは「古臭い」「昔流行ったが、今では終わった音楽」といったものではないだろうか。そんな中でZEN-LA-ROCKがあえて「NEW JACK UR BODY」を仕掛けてきたのは、ニュージャックスウィングを「きちんと過去の音楽にしてあげる」ためだと言えると思う。90年代という現代から中途半端な時間的距離に生きたこの音楽を、いっそ60年代のファンクやジャズ、ソウルといった歴史の中の音楽と同列に置いてあげることで、これらの音楽と同じように、ニュージャックスウィングはサンプリングされ、現代的ヒップ・ホップ・ビーツの中に組み込むことで現代に返り咲ける音楽になったのだ。

そう受け取るならば、この曲は「今さらニュージャックスウィングを持ち出すなんて古い」のではなく、「今ニュージャックスウィングを使うから新しい」のだ。プロデュースにgrooveman Spot、サイド・キックに盟友BTBを迎えて仕上がったこの曲の完成度は、ひとえにZEN-LA-ROCKのニュージャックスウィングに対する愛情の賜物である。それはこの音楽に対する憧憬を具現化したというよりは、好きだからこそ、今この音楽を一度ひと思いにぶっ殺して、現代で無理矢理蘇生させたとでも言うべきものだろう。アカペラだけでも聴けてしまうこのグル―ヴをぜひ体感してほしい。

ロボ宙を迎えた「COMBINATE FUTURE 2012 feat ロボ宙」、「Summer Vacation」のリミックス・コンテスト優勝作品である「WINTER VACATION」も悪くないが、これまでのZEN-LA-ROCK作品の延長線上にある曲のため、新鮮味という点ではややパンチは薄い。それでもワンコインでこれだけ熱く語らせてくれるシングルはそうそうないだろう。下手なアーティストのアルバムよりずっと中身のある全5曲。(Text by 遼)

脚注1 : ファンクにヒップ・ホップ的手法を組み合わせ、そこにソウルあるいは若干のゴスペル的メロディー・ハーモニーのセンスを加味することによって生まれたスタイル。この手法を1980年代後半に生み出した中心人物がTeddy Riley。
脚注2 : ディグ(Dig)=レコードや中古CDを掘ること。

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LIVE INFORMATION

THROWBACK 88〜98 PRESENTS『WINTER GIFT』release party
powerd by TDK Life on Record Boombox
2011年12月22日(木・祝前日)@LOOPANNEX(渋谷)
OPEN : 23:00〜
ENTRANCE : 3000(1D)
LIVE : ZEN-LA-ROCK × JOY&HAMMER
DJ : MITSU THE BEATS、KZA、GROOVEMAN SPOT、KEN-SKE TAP aka BLACKSAUCER、NK-SUNSHINE、WAXXX RUB and more...★

PROFILE

ZEN-LA-ROCK

1997年、MOODMAN主催のイベント『低音不敗』で初ラップを行ったのち、都内のクラブで友人と共にPARTYをスタートさせる。1999年、YOU THE ROCK★の「超楽C-E-Z2000」にフィーチャリング以後、3年間YOU THE ROCK★と全国各地でライヴ活動を共にして活動の場を広げる。2004年には待望のファースト・シングル「ZEN.ZEN.ZEN」、セカンド・シングル「FUNK BOX PARTY」を続けてリリース、また同年開催されたメタモルフォーゼにてAFRIKA BAMBAATAAのステージに飛び入り参加、アカペラで会場をROCKし「ファンキーだ! 」と言わしめるエレクトロ・ファンクの正統後継者でもある。2007年に待望のファースト・アルバム『ZEN-LA-ROCK』をリリース、YOU THE ROCK★、KZA(FORCE OF NATURE)、ロボ宙、L?K?O、サイプレス上野、1DRINK(ex-キミドリ)など豪華が面子が参加し話題となった。そして、そのリリース・パーティー「SPACE CONVENTION」の模様を収録した映像作品も発表した。また、AFRA、SKYFISH、SPEX SAVERS、DONSTA、ARTICALIZMというレギュラー・メンバーで構成される新感覚RADIOプログラム『OUTTANET』を2009年2月より本格始動(開局)させ話題となっている。a.k.a.の"COMBINATE FUTURE"はTHE RAMM:ELL:ZEEによる命名。

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この記事の筆者

[レヴュー] ZEN-LA-ROCK

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