2011/06/13 00:00

THE POSIES / Blood / Candy

90年代から現在にまで世界中で続くロックン・ロール・ポップスのシーンを創り上げたバンド、「THE POSIES」 最高傑作と噂される最新作がデラックス・ヴァージョンで登場!

6/1 THE POSIES JAPAN TOUR 2011@shibuya club QUATTRO

90年代USオルタナ、グランジ勢の中でも、BIG STAR(現在、ジョン・アウアとケン・ストリングフェローが参加している)直系のパワー・ポップと言えるキラメキに満ちたメロディで活躍、2005年に再始動を果たしたTHE POSIES。今年リリースされた最新作『Blood / Candy』を携えての5年ぶりの来日公演の中で、唯一のバンド・セットとなった渋谷クアトロ。OCEANLANEのアコースティック・セットが終わる頃には、フロアは満員に膨れ上がり、メンバーが登場すると会場が沸きあがる。前列に並ぶのはもちろん、スマートなケン・ストリングフェローと、ケヴィン・シールズか、岡村ちゃんかというジョン・アウア。

『Blood / Candy』のオープニング「Plastic Paperbacks」、そしていきなりの「Flavor Of The Month」と、音源以上にハードでラウドな演奏と、ステージで飛び跳ねまくる二人の姿に、一気にフロアも大歓声に包まれる。ゲスト・ヴォーカルのキャロライン(MICE PARADE)を迎えての「Licenses To Hide」は、ケンがピアノを弾く、MIKAか、BEN FOLDSを連想させるようなポップ・ソングで、ライヴも良かったけれど、正直… キャロラインが可愛すぎたよね。うん。

続いて、ステージを降りたキャロラインに捧げるように「So Caroline」、ジョンとケンのツイン・ギターとハーモニーのみで聴かせる「Throwaway」、そして「Solar Sisters」で中盤のピークを迎えた辺りから、会場全体に一体感が生まれてくる。音源よりも遥かに荒々しく、オルタナ、グランジなバンド・サウンドの中でも、THE POSIESのメロディやコーラス・ワークの魅力は損なわれるどころか、その輝きと熱量を増していく。楽曲の良さと、プレイヤビリティの高さ、どちらもあるからこそできることだろう。ジョンの甘い歌声と、ことあるごとに唾を吐き散らすケンのエモーショナルなヴォーカルが絡み合うハーモニーもさすがの一言。そして、ダイナミックかつ的確に支えていくリズム隊の上で、あらゆる表情を見せるジョンのギターも凄まじかった。野獣の咆哮のような荒々しいファズで暴れ回ったかと思えば、煌くような多幸感溢れる音階をフロアに降り注ぐ。

「The Glitter Prize」、「For The Ashes」、「Enewetak」、「She’s Coming Down Again!」という新作群から、本編ラスト「Dream All Day」、そしてアンコールまで、シンプルなギター・ロックで変幻自在に景色を描き、様々な表情を見せ、感情を迸らせるライヴは、まるでTHE POSIESという一つの生命体を見ているようだった。「もっとやれ!」という観客の熱気をムンムンに孕んだダブル・アンコールの空気が、何よりもこの日のライヴの素晴らしさを証明していたと思う。アンコールの際には、ケンが東北大震災に触れ「音楽は娯楽でしかないかもしれないけれど、皆がこの大震災から立ち直っていく過程の一部分に僕たちの音楽がなれることを願っているよ。」という主旨のメッセージを真摯に投げかける。それ以外にも、日本のスタッフをMCで紹介し、礼を述べる彼らの人柄には、本当に暖かい気持ちにさせられた。アンコールの際には、ステージの袖からスタッフが十分に熱のこもった拍手をさらに煽る。そういう一体感もまた、あの空間を生み出す大切な要素だった。

終演後に目にすることができたセット・リストには、アンコールの最後にTEENAGE FUNCLUBの「Everything Flows」と記されていた。実際には演奏されなかったが、それでよかったと思う。他に何も付け足す必要のない素晴らしいライヴが終わった後、しばらく拍手は鳴り止まなかった。(Text by 佐々木健治)

THE POSIES JAPAN TOUR JAPAN TOUR 2011

開催日 : 2011年6月1日(水)
会場 : shibuya club QUATTRO
LIVE : The POSIES
スペシャル・ゲスト : OCEANLANE (Vo、G x 2のアコースティックセット)
ゲスト・ヴォーカル : CAROLINE (Mice Parade)

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