2010/08/23 00:00

VOL.14

7月4日、福岡で開催した「藤井よしえ救祭ライブ 〜治そうぜ!〜」というイベント、これは現在癌闘病中である藤井よしえを、その名のとおり救う祭り。福岡音楽シーンにとってとても重要な彼女を慕う全国のバンド・マンやお客さんが集まり、「元気になれ! 」と祈りを込めた一夜。
それは、救祭の域を越えた、夢のような空間だった。笑顔と涙と、さらに笑顔。

音楽の理想的な空間があった。会場には溢れかえる人、人、人。九州各県から、東京から、大阪から、広島から、山口から、各地からたくさんお客さんが駆けつけた。最近はあまり見なくなったような人たちも、この日ばかりはと集い、ここ10年間くらいの我々のシーンを凝縮したような顔ぶれが集まった。まるで盛大な同窓会パーティーのような賑わいだった。

入り口でお客さんに折り紙を配り、みんなで鶴を1羽ずつ折ってもらい千羽鶴を作った。コワモテもロン毛もイレズミもみんな一生懸命鶴を折る(笑)。かわいい光景だ。

ライブは全てのバンドが素晴らしかった!! みんな思いを込めまくった入魂の演奏。どのバンドも「次のライブは…」とか「物販が…」とかのMCは一切なし。ひたすらみんな「治そうぜ! 」「治る! 」「奇跡は起きる! 」と言葉少なくメッセージを叫んでたのが印象的だった。バンドは20分、弾き語りは6分とみんな短い持ち時間にも関わらず、きっちり演奏時間を守りほぼ時間どおりに進んだのも素晴らしかった。おかげで、飛び入り枠で歌えた人もたくさんいて、イベントに花を添えてくれた。

ASAYAKE01君は大阪から新幹線で夕方に着いて数時間滞在し、1曲飛び入りで歌って帰って行った。プレイス・コールド・スペースの大木さんも東京から飛行機で来てたった2時間くらい会場の空気を吸って、1曲歌い帰って行った。アイさんとクリも東京から飛び入り参加し、ベイビーも加わりセロハンズの「テクノコ」は懐かしかった。178長野さん、イクマさんにも歌ってもらった。他にも歌いたそうな人、歌って欲しい人はいっぱいいたけど、時間的にギリギリだったのでごめんなさいと、ここで言いたい。この飛び入り枠で一番泣けたのは、マッちゃんのヘタクソな歌だったなぁ。井上さんからいきなり指名されて(笑) あれ初めての弾き語りだったのかな? 音楽に歌唱力は必要ない、伝わるものは伝わる、と教えてくれたようだった。更に会場に来れなかった人からの電報や、ビデオ・レターが送られてきてて、そういうものも温かかった。

夕方頃、藤井さんから「今向かってます、なんか行くの怖い(笑)...」ってメールが届く。しばらくして藤井さんがめっちゃオシャレして会場に到着(笑)。会場の隅からずっと笑顔で見守ってた。

会場内どこに行ってもひたすら笑顔、笑顔、笑顔の空間がつづく。

イベント後半、リミテッドのユカリちゃんが感情を大爆発させた! 泣きながら、笑いながら、叫びながらの大暴走ライブ!! 会場中が大きく揺さぶられた。そしてこの日の為に大復活、MOTHトールボーイ! MOTHメンバーが後ろにずらりと並び、オルガンを弾き語りで「イマジン」。泣かせる。出番を次に控えてる井上さんはもう顔を見ずとも、号泣しとるのが気配でわかった。ステージ上で感情を堪えきれなくなりながらもfolk enough入魂の3曲を演奏。その姿をフロアで見ながら、魂の震えが止まらなかった。震える魂のままステージ上へ。nontroppo入魂の2曲を演奏。会場全体が巨大なエネルギー体と化していた。最後の曲「赤い彗星」を歌い終えた後、皆のエネルギーを集約させるようにギターを高く持ち上げ、そして叫んだ。

「今夜のスペシャルゲスト!! ガロリンズ〜〜〜〜〜!!!!! 」

うおおおおおお!!!! よしええええええええ!!!!!!!!!

大歓声の中、藤井さんがステージへ。ギターを手渡す。ギターの重さに耐えれるかなって位、細くなってしまった藤井さんの身体。そして始まった、ガロリンズのライブ!! おなじみの曲たちだけど、1曲1曲の重みが違う。みんなこの瞬間を大事に大事に食い入るようにステージを見つめてる。最後の曲のステージ上でアホみたいに暴れる俺と井上さん。お客さんもステージ上になだれ込み、もの凄い祭り状態と化す!! 泣きながら、笑いながら、アホみたいに狂喜乱舞する!!! これが俺たちなりの救祭ライブだ!!!!!

その様子を記録した動画がコレ。

藤井さんへの金銭的救祭という意味だけじゃなく。気持ちの救祭! 我々全員の気持ちも全部ひっくるめて救祭できたと思う。やるべきかどうか悩んだけど、やってよかった!!!!

最後に挨拶を藤井さんがした。子供みたいに「エーン、エーン」って泣きながら何度も「ありがとう」って言ってた。みーんな泣いた。

余命半年… でもそんなの信じない。だって藤井さんは最後に「これからも音楽を、ライブ・ハウスを盛り上げて行きましょう! 」と言った。「みんなもっともっとライブに来てください! 」って言った。「やりたいことを、素直にやりましょう、楽しみましょう! 」と言った。すげえヤツだ、アホすぎて涙が止まらんよ。こんな人だから、これだけ好かれて、人が集まるんだ。幸せもんだよ、藤井さんは...

この日、集まったお客さんの数、313名。出演者34組。そして、集まった救祭基金の総額は、

なんと919,321円。

感謝!!!!!!!

この金額にはお客さんが払ってくれたチケット代以外にも、会場に来れないけど、俺宛にチケット代を送ってくれた人や、手渡してくれた人。チケット代を倍の値段で買ってくれた人、出演者だけどお金募金してくれた人、物販の売り上げを全て貢献してくれた人、「今日は会場代はもらえんよ」と言って、なんとハコ代をタダにしてくれたVooDooLounege。そんな全ての気持ちが詰まった919,321円である。まるごと渡すからね!

これだけあれば、藤井さんも手が出なかった高額な治療も薬も受けれる。ほんとに奇跡だっておこリ得る。だから、まだまだ死んでもらっちゃ困るっ!

生きろ!!!!!!

4-DIMENSION MUSIC THERAPY~Tribute to GARORINZ~

福岡アンダー・グラウンド・シーンの中心で奮闘してきた藤井よしえ率いるGARORINZ (ガロリンズ)。彼女と親交の深い15アーティストによる、コンピレーション・アルバムが完成!

4-DIMENSION MUSIC THERAPY〜Tribute to GARORINZ〜
LessThanTV/ch-80/2,100yen(CD) or 1,800(Download)
2010.09.03 Release!!!

視聴はジャケットをクリック!
1. you are king in smell small country / RUINS alone
2. Chicken / デラシネ
3. selfish days / Limited Express (has gone?)
4. Free / イルリメ
5. サディスティックラブ / accidents in too large field
6. Queen / 曽我部恵一
7. Remain / JON (犬)
8. Queen's Heart / MELT-BANANA
9. 夢の影 / EEVEE ft.1Z3
10. trip! / KIRIHITO
11. RIGHT DRESS!! / PANICSMILE
12. I Have No Legs / DODDODO
13. I need I / eastern youth
14. sweet wind (noumi yoshie) / 二階堂和美
15. イロアザヤカ / あふりらんぽ

This is "music therapy" for yoshie from Less than TV
全曲、ガロリンズとnoumi yoshie(藤井よしえソロ)のカヴァー楽曲です。

>>参加ミュージシャンからのコメントはこちら

PROFILE

ボギー。ダンス仕様のライブ・バンドとして高評価を得ているnontroppoのボーカル&ギター。ニュー・ウェイヴ、レゲエ、ダブ、ジャズ、プログレ、サンバやトランス・ミュージック等あらゆる音楽的要素を内包したカラフルで不思議なサウンドに、無国籍なダンス・ビートが絡み、聴く者全てを狂喜の「祭」、もしくはありもしない架空のリゾート地へといざなうちょっぴり危険なトロピカル・アヴァン・ダンス・ミュージックを奏でる。

blog : ボギーの悪趣味音楽作法

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