suzumokuの初期衝動2作品が高音質で配信開始!

デビューと同時にそのクオリティの高い完成度と幅広い音楽性を呑込んだオリジナリティで衝撃を与えたsuzumoku。そのデビュー作『コンセント』と2ndアルバム『プロペラ』がCDを超える高音質フォーマット“HQD”で登場! HQDとは「High Quality Distribution」の略で、データ形式は24bit/48KHzのWAVファイル。マスタリング・エンジニアには高橋健太郎を迎え、ここ最近のsuzumoku作品のクリアな魅力とはまた違った、初期の荒けずりな息遣いが聞こえてきそうな新たなサウンドに蘇っている。また、3rdアルバム『素晴らしい世界』と6月に発売したばかりのsuzumoku初のシングル「アイス缶珈琲」も同時配信スタート!

コンセント
1. プラグ / 2. 盲者の旅路 / 3. 昨日のワルツ / 4. Blue Box / 5. ユーカリ / 6. 如月 / 7. 週末

プロペラ
1. 酒気帯び散歩 / 2. Complicite / 3. レイニードライブ / 4. 適当に透明な世界 / 5. 退屈な映画 / 6. セスナの空 / 7. 西日工場の煙




こちらの2作品をアルバムで購入いただくと、特典としてデジタル・ブックレットが付いてきます!

〈24bit/48k 高音質(HQD)とは?〉
今やミュージシャンの多くは 24bit/44.1kHz以上で録音しています。HQDは、CDにする段階で16bit/44.1kHzへミックス・ダウンすることにより削られてしまった、録音マイクがわずかに捉えることができるアーティストの息づかいや、録音スタジオの空気感なども伝えることが出来ます。https://ototoy.jp/feature/hqd

interview

デビュー作『コンセント』の冒頭を飾る「プラグ」を初めて聴いたとき、ハッとさせられたことをハッキリと覚えている。もっと正確に言うならば、彼のはじくギターの音色を聴いて、すぐに紛れもなく"ホンモノ"だと思った。スウィングしたギターのストロークや、甘美に響くフィンガー・ピッキングから、彼が好きだと言う戦前のブルースやジャズからの影響を確かに感じたのだが、suzumokuはそれをしっかりと自分の音楽ヘと消化していたからだ。

彼の歌にはとにかく説得力がある。suzumokuの歌が弾き語りでもバンドでも各方面から共感を得るのは、彼がリスナーと同じく、悩んだり考えたりする一人の人間として歌を紡ぐからだ。suzumokuという人間の自問自答している様を、あくまで一例として歌にしている。それゆえに誰しもが共感できるようなポイントをもった懐の深いものばかりた。

一度は脇に置いておこうと決めた歌うという行為。しかしsuzumokuは今も歌い続け、より遠くへ自分の歌を届けようとしている。なぜ彼が、いまもう一度、歌うことを選択したのかその理由を聞いた。(text by KOJI MINOSHIMA)

作った時の当初の気持ちが、いい感じに増幅してる

——3月に『素晴らしい世界』をリリースした後、すぐにシングル「アイス缶珈琲」をリリースしましたが、なぜこのタイミングでのシングル・リリースだったのでしょうか?

suzumoku(以下S) : このタイミングでシングルっていう意図は特にはなかったのですが、僕は新曲が出来たらすぐにリリースしたいんです(笑)。ライヴでもアイス缶珈琲をどんどん歌っていたので、シングルで出してみようって話になったんです。でもシングルっていうのが初体験なんで、どうなるのかなぁって思っていたんですけど、1曲のためにCDが作られるっていう過程を考えると、その曲がすごい大事に思えてきたんです。また次回シングルを出す時に活かされますし、良い経験になりましたね。

——CDバージョンでは、さらに50分以上にも及ぶライヴ録音を収録していますが、これはそもそもどういうアイデアから?

S : カップリングにライヴ音源を入れようっていうのは知ってて、2〜3曲選りすぐりのものを収録するのかなって思ってたんですけど、まさかこんなになるとは(笑)。正直ビックリしています。カテゴリーとしてはシングルなんですけど、フル・アルバム以上の内容なんで面白いですよね。

——そのアイデアが実際の作品として出来上がってみてどう思いましたか?

S : 特にライヴ音源については、むしろこうあるべきだなって思いましたね。ライヴって、最初から最後までがライヴじゃないですか? その1曲だけを切り取っちゃうっていうのは、なんかもったいないような気がするんですよね。しかも今回は50分以上、普通のライヴの長さ以上に入ってる訳で。実際のライヴっていうのは早送りも出来ないものだから、しっかり最初から聞いていくっていうのが表現出来ているのが面白いですよね。聞く人達にはヘッドフォンでじっくりと時間を作って聞いてほしいです。そうすれば臨場感を、感じてもらえるんじゃないでしょうか。

—— そのライブ音源は、今回HQDで配信される1st『コンセント』と2nd『プロペラ』からの曲が中心ですが、制作当時と今で、その曲を演奏することに違いはありますか?

S : 作った時の当初の気持ちがいい感じに増幅しています。ギターも上手くなってテクニックも向上しているから、演奏にも余裕が生まれてくるし、その分、曲に気持ちを込めることが出来るので、段々歌っている曲達への愛着も湧いてきて、歌の情景を以前よりも鮮明に思い浮かべながら歌えるようになりましたね。

歌うたいの前に一人の人間だっていうスタンスは変わらない

——例えば『プロペラ』の3曲目「レイニードライブ」の歌詞のように、1stと2ndでは、自身を自問自答しているsuzumokuのパーソナル部分がストレートに出ている印象を受けたんですが、3rdアルバム『素晴らしい世界』以降では、そうではなくなったように感じました。

S : いま思うと『コンセント』や『プロペラ』の曲って、たしかにパーソナルな世界観が強く出ている曲が多いなぁと思います。逆に『素晴らしい世界』では、その世界観をバッと開いて、それをどんどん伝えて行こうっていう気持ちになれていますね。

——気持ちが変化するようなきっかけがあったのでしょうか?

S : そうですね。初期の方がフィンガー・ピッキングが多いんですよ『プロペラ』を出した後にpe'zmokuがあって、久しぶりにスタンディングでピックでかき鳴らして声を張って歌ったんですが、その時にこのスタイルの歌い方って、自分がストリートでやっていた頃、原点だって思ったんです。やるうちにそれがどんどん蘇ってきて、歌詞も素直なストレートなものが出来てきた。『コンセント』、『プロペラ』のパーソナルな部分に、プラス・アルファで元々持ってた素直さをブレンドして、外に向かうことが出来たんです。

——「頑張れ!」とか「そのままでいいよ!」なんて言わずに、あくまでリスナーと同じ目線というか「一緒に悩みましょう!」っていうsuzumokuの立ち位置は、デビューしてから今まで一貫して変わってないですよね。

S : 自分より苦労してる人ってたくさんいると思うんですよ。だからなんか調子に乗って、ちょっとでも天狗になってる自分に気づくと凄い嫌悪感を覚えるんですよ。なんでそんな偉そうに思ってしまったんだろって。かといってリスナーに対して同情するのも違うと思うんですよね。その人のことを全部知っているわけじゃないし、自分の意見を押し付けるのも、さらに困惑させちゃうし。なのでsuzumokuという一例でありたいんです。何か伝えたいことがある時に情景描写を大事にして歌詞を書いてるんです。楽しいことがあった、つらいことがあったとかだけじゃなくて、suzumokuの場合はこういうことがあってこうでしたっていう具体的な部分を歌にしてる。同じような体験をしている人がいれば、共感してもらえるかもしれないし、逆に経験していない人でも情景が浮かんでくれば、そうなのかなぁとか、いやそうじゃないよ、とか意見をもらえたらいい。歌うたいの前に、一人の人間だっていうスタンスは変わらないんです。

——なるほど。『コンセント』と『プロペラ』を最初に聴いた時に、例えばギターの音色一つとっても、これほど幅広いバック・グランドを持っているシンガー・ソング・ライターも希少だなと思ったんですが... いつ頃バック・グランドを蓄えたんですか?

S : 高校を卒業してから名古屋のギター制作の専門学校に入ったんです。そこには、全国から音楽好き、ギター好きの奴が集まってて、1学年15人ぐらいしかいなかったので、皆すごい仲良くやっていたんです。皆それぞれ違う音楽が好きだったので「これ良いよ」って持ち寄って。担任の先生はメタルが好きだったんでその辺の情報も詳しくなった(笑)。その学校で一気に色んなジャンルの音楽に触れられたんです。中でも、アコースティック・ギターが凄い好きだったので、ジプシ—・ジャズとか戦前ブルースとかカントリーものとかに特にのめり込んで、ライヴ・バーとかによくライヴを見に行きましたね。

——アコ—スティック・ギターを作っていたんですか?

S : ギター族は一通りですね。エレキ・ギターのストラト・キャスターから始まって、合間合間に自主制作で何本も作ってたんですけど、最終的にアコースティック・ギターも作ったんです。

——そもそもギター制作の学校に入ろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

S : 最初は本意じゃなかったんですよ(笑)。高校までは相方がいてデュオを組んでストリートで歌ってたんです。相方はプロのミュージシャンになるって言って、高校卒業後は東京のボーカルの専門学校に行ったんですよ。正直、僕もそっちに行きたかったんですけど、両親にすごく反対されまして(笑)。真面目な両親だったんで、卒業したら手に職を付けることの出来る所に行きなさいってことになったんです。でも大学行っても遊んじゃいそうだしなって思って、色々情報誌を見ていたらギターの制作が出来る学校があるのを見つけて。そもそもピアノの調律の学校だったんですけど、バイオリン制作とか管楽器やギター・クラフトのコースがあって、就職率も90何パーセントで、この学校いいじゃないかって思ったんですよ。昔からモノ作りが好きだったので、ギターそのものに対してもすごい興味はあったんです。大好きなギターについての構造も学べるし、名古屋に行ってストリートが出来なくなるわけじゃないって思って。ゆくゆくはギターの制作工場に就職するからって親に伝えました。そしたら「やりたいこともないのに大学に行って遊ばれても困るしね」って言われたんです(笑)。

——実際に大手ギター・メーカーの工場に就職されたんですよね?

S : はい。

——ギター工場に就職していた頃は、うたを歌い続けていたのですか?

S : 趣味でもいいのかなって思っていました。実際、学校でものすごいギター制作にのめり込んだんです。名古屋に出ていったばかりの頃は、ストリートとかライヴ・ハウスでもしょっちゅう歌ってたんですけど、ギターの制作は制作で本当におもしろくて、当時のギター・クラフト科のそれまでの制作本数記録を塗り替えるぐらいバカバカ作ったんです(笑)。なのでギター工場への就職が決まった時も、ギター制作で食っていけるなら、それもありだなって思えたんです。歌うことはいつでもできるだろうし、趣味でもいいのかなって思って、半年位は工場の仕事に集中していましたね。

人前で歌う事の原点はストリート・ライヴ

——また歌おうと思うようになったのは何故ですか?

S : 半年ぐらい工場で働いた頃に、それまで名古屋でお世話になっていたライヴ・ハウスの人から電話があって、「ちょっと歌ってみないか?」って言われたんです。当時からそのライヴ・ハウスの人は僕のことを押してくれていたんです。面白いかもしれないと思って出てみたら、これが本当に良かった。それから沸々と思いがこみ上げてきて、仕事が休みの日にブッキングを組んでもらって名古屋の方まで足をのばしたり、仕事を強引に定時であがって名古屋まで移動して、ストリート・ライヴをしたりしていたんです。その回数が増えていった頃に、今の事務所の人と知り合うことになるんです。で、いよいよどうしようかなって考えだした...。せっかく就職して親も安心しているところに、まだ一年もたっていないうちに「プロのミュージシャンになりたいから会社辞めます」なんて伝えたらどうなるんだろう? とんでもないことになるんじゃないかな? と思って(笑)。でもそれは結局、周りのことを気にしすぎちゃってたんですよね。それに気づいた時に改めて「自分自身はどうなの? 」と周りを全部シャット・アウトして考えたんです。そうしたら、やっぱり歌が歌いたい、弾き語りがやりたいって思ったので、親にも告げずに、まず会社の社長に来月いっぱいで... と伝えたんです。そうしたら工場の方々から「ギターのことを知ってて歌を歌う奴なんてそうはいないから頑張って来いよ」って背中を押してくれたんです。まぁ、その後に親に言ったら一悶着ありましたけど(笑)。それで本当に東京に行こうと決めて、一旦静岡に戻ってお金を貯めて上京しました。

——『コンセント』、『プロペラ』の楽曲たちは上京する前に作ったものですか?

S : 何曲かは名古屋や岐阜にいた頃に作った曲もあるんですけど、ほとんどが東京に出て来てから一気に作った曲が多いです。東京に住んで音楽活動をやっていくってなった時に、例えば東京の人や車の多さにカルチャー・ショックというか、かなり刺激を受けて、様々な感情が湧いて来たんですよね。上京して最初に作ったのが「ユーカリ」という歌なんですけど、これも東京に上京したばかりの頃にアルバイトをしていて、それまでの人生で仕事場まで電車に乗って通勤するっていう経験がなかったので、当時のボクにとってはかなり新鮮に思えたんです。

——曲作りの時にバンドでやるための曲とか、弾き語り用の曲とかを意識して作ることはありますか?

S : ないですね。僕は、まず弾き語りなんです。曲作りの段階で、まずはギター1本でジャンジャン鳴らしながら、歌って気持ちいい曲を書くんです。それをバンド用にアレンジするならば、弾き語りの味を崩さないような形でより一層曲の良さを引き立てられればいいなって思っています。

——pe'zmokuとして活動した経験が曲作りにまで影響を与えたこともあるんでしょうか?

S : そうですね。名古屋にいた頃に「退屈な映画」が出来たんです。これが自分でも分からないぐらい突然出来たんですよ。フィンガー・ピッキングの上手いギタリストの曲とか、色んな音楽を聴いていて、そういうのが無意識のうちにあったのか、凄い独特なものが出来たんです。それからライヴをやる時はインストを入れてみたりして、それこそ押尾コータローさんとかのようにタッピングとかを混ぜてみたら面白いんじゃないかとかも思って。段々ストロークじゃなくてテクニック的な方に走り出してて、気づいたらストロークの曲が少なくなってたんです。でも、そこでpe'zmokuでの活動が入ってきて、ガンガン鳴らす開放感があって、ストリート時代のことを思い出したんですよね。

——やっぱり人前で歌う事の原点がストリート・ライヴ時代にあるということなんですね?

S : そうですね。

偽善的な歌は歌いたくない

——『コンセント』収録の「Blue Box」のようなギター・インスト曲をデビュー作で持ってきちゃうところに、suzumokuとしてのアイデンティティやオリジナリティを感じたのですが、そうすると今後はフィンガー・ピッキングとか、ギター・インストのような曲は少なくなっていくんでしょうか?

S : いや、インストは、いまも全然嫌いじゃないですし、むしろ好きなんですよ。純粋にかっこいいじゃないですか(笑)。『コンセント』や『プロペラ』の頃に養ったフィンガー・ピッキングのテクニックに、プラス・アルファとしてストロークが加わって、それは単純に演奏の幅が広がったと捉えています。ストロークでも魅せられるし、フィンガー・ピッキングでも魅せられるようになったんです。インストであれば曲に集中するんですけど、弾き語りだったら歌詞を伝えなければ意味がないし、テクニックに集中し過ぎて歌詞が疎かになっちゃうのはもったいないので、そこはバランスよくやっていけたらいいなと思います。

——『素晴らしい世界』を発表して、3月にソロ、5月にはバンドと、2度のリリース・ツアーを終えて率直な感想は?

S : あっという間だったなっていうのはあるし、作った新曲を惜しみなく出せる場なのでとにかく楽しかったです。「お客さんはどんな反応をするんだろう」って見るのも面白いし参考になるので、次の作品への意欲が湧くいいライヴだったなと思います。

——今後、表現をしていく上での核にしようと思う部分や考えがあれば教えて下さい。

S : まず絶対に偽善的な歌は歌いたくないですね(笑) 。万人受けしようなんて頭から考えて曲を作りたくないんです。やっぱり僕の作る曲は、日々の生活の中からポンっと出てくる経験を元に生まれるものが多いので。例えば自分の家からコンビニに行くまでの歩いている間に感じたことや、逆に普段めったに味わえない経験とか刺激的なことがあればそれを歌にして、その時の情景を大事にして、ストロークもフィンガー・ピッキングもどちらも大事にしてやっていきたい。そして、その曲にあいそうなメロディーをもっともっと見つけていきたいなって思います。



LIVE SCHEDULE

earth garden"夏"
日時 : 7/3(土)、7/4(日)
会場 : 代々木公園イベント広場&並木
 

SUMMER SONIC 2010!
日時 : 8/7(土)、8/8(日)
会場 : 千葉マリンスタジアム&幕張メッセ

RISING SUN ROCK FESTIVAL2010 in EZO!!
日時 : 8/13(金)、8/14日(土)
会場 : 石狩湾新港樽川ふ頭野外特設ステージ

Miss Monday ライブツアー -虹音 2010-
日時 : 7/11(日)
会場 : 仙台MACANA

LIVE so SWEETs
日時 : 7/19(月・祝)
会場 : umeda AKASO

WINDBLOW'10
日時 : 8/28(土)、8/29(日)
会場 : 静岡県牧之原市相良シーサイドパーク

PROFILE

中学2年でギターを持ち、同時に作詞・作曲も始め、地元静岡のストリートで歌い始める。様々なジャンルの音楽を聴き漁り、音楽性を模索する日々。高校卒業後、楽器製作の専門学校に入学し、ギターやベースの製作に明け暮れる。音楽は完全に趣味にしようと決め、岐阜にある国産手工ギター工場に就職。音楽活動を一旦休止するも再開。ギター職人の道とミュージシャンの道、どちらが本当に進むべき道なのか真剣に考え、06 年夏、プロミュージシャンになることを決意。07年1 月に上京し、10月にアルバム『コンセント』でデビュー。都内を中心にライブ活動を続ける中、08 年からインスト・ジャズ・バンド“PE'Z”との合体ユニットpe'zmoku を結成。ギター&ヴォーカル担当として大抜擢。多くの経験を積み重ね、2010年ソロ活動を本格的に始動。3月に約2年振りとなるアルバム『素晴らしい世界』を発表、6月には初のシングル「アイス缶珈琲」を発売した。

独自の“まるでその場の空気を感じる様な情景描写”、決して押しつける事なく、“聞く者自らに感じ取らせるメッセージ性”が支持を得ている。

この記事の筆者
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