Warning: explode() expects parameter 2 to be string, array given in /www/docs/ototoy.jp/feature/index.php on line 69

Warning: Invalid argument supplied for foreach() in /www/docs/ototoy.jp/feature/index.php on line 71
HiM『ん』 - OTOTOY

インストにこだわり続けた彼らが、うたの中に見出したもの

HiM

¥ 1,543

言葉のない音楽をわかろうとするのは、難しい。
HiMの音楽にも、言葉がなかった。そんな彼らは、今年3月の来日時の原田郁子との共演や、7月『NEUTRAL NATION』に出演して話題になった同志・アダム・ピアースよろしく新作にもゲスト・ボーカルを登場させている。しかも原田郁子と菊池凛子という人選である。生命力溢れるリズミカルな楽曲に、深くまで染み入る触感のスロー・ナンバー。それらの楽曲に彼女達のボーカルが花を添える。実験的なだけの試みではなく、必然であったかのようなアーティスト同士の出会いだ。

HiMというと同名のフィンランド産メタル・バンドが検索でヒットしてしまうほどだが、こちらのファットキャット・レコーズのHiMは世界的にみても日本での人気が高く日本のミュージシャンとの交流も深い。「先述の『NEUTRAL NATION 2009』にとどまらずFUJI ROCKの大トリも飾っているmice paradeに、来日の記憶も新しいトータスやムームのポスト・ロック勢周辺の響きに日本人の感覚が交差するコラボレーション」と聴けば、常にアンテナ全開の早耳リスナーはスルーするわけにはいかないだろう。これまでのHiMを追いかけてきたファンからしたら今作は意外な音源に映るかもしれないが、前作同様ULTRA LIVINGとの創作を基盤としたトラック作りに自然な流れでの共演盤となっている。FUJI ROCK出演以降、クラムボンが頻繁な活動をしなかったのも、こういった果敢なケミストリーに力を入れてみたかったという側面もあるのかもしれない。

今作のアプローチとしては、あのmice paradeの名盤「Obrigado Saudade」に近さを感じる。このアルバムも、これまでボーカルをフィーチャーさせようとしなかったmice paradeの作品に、当時ムームに在籍していたクリスティンを起用し、この時この組み合わせでしかありえない美しさに彩られたアルバムが完成していた。これまでインストというだけでとっつきにくさを覚えていた自分のようなファンには、この世界に足を踏み入れるきっかけをくれた嬉しい試みだった。

数多あるインスト・バンドが往々にしてそうである。美しい世界の音風景、唯一無二の世界観と隣り合わせのとっつきにくさが混在していることは否めない。言葉という伝達手段に頼りたくないなら当然の宿命だ。これまでインストにこだわっていたダグ・シャーリンやアダム・ピアースが、初めて自分がオファーし作品を作り上げたいと思える伴侶として彼女たちに出会い、ボーカリストに選んだのだろう。その世界観は深く澄んでいるが冷たい音風景ではなく、人の体温に溢れている。タイトルが「ん」というのも痛快だ。これまでになくリリックありの楽曲を作っておきながら、日本語が意味するところの最後の言葉「ん」をタイトルとして選んでいる。この言葉から始まることはなく、全ての言葉の終わり(結び)になるであろう言葉がアルバムを司っている。そう考えると、うたにアプローチしたHiM初めての挑戦ながら、これ以上ない、ラストだとも思えるほどの手ごたえを感じたのかもしれないな、とふと思ってしまった。(text by 南日久志)

PROFILE

驚くべきドラマー、ダグ・シャーリンのサイド・プロジェクトであるHiMは、シャーリンのダブへの欲求を満たすために存在している。コデインやディレクションズ・イン・ミュージック元ドラマーとして、また現在のレックスとジューン・オブ44での活動を通じて、シャーリンはダブの実験を成し遂げるのに必要とされる、トラックを解体・再構築し、リズムを作り、音像を広げていくという作業にずっと関わってきた。余計な音のない、ベースのヘヴィーな、エコーをふんだんに使った彼の作品は、まるでジャマイカのチャンネル・ワン・スタジオでミックスされたかのような音だ。HiMとしての活動は、テープ・ループやチェロ、時にはハープまで使った絶え間ない実験だけでなく、ディラン・グループなど他のアーティストのリミックスにも及んでいる。

LIVE SCHEDULE

HIM Tokyo Show from Europe tour final 2010

最新アルバム『ん』のヨーロッパ・リリースに合わせ、現在約1カ月のヨーロッパ・ツアー敢行中のダグ・シャリン率いるHiM。その凱旋公演を東京のみ2日間開催することが決定。連日の公演で筋肉質にビルド・アップされた彼らのバンド・サウンドを、存分に楽しめるまたとないチャンス。ボーカルにはヨーロッパにも同行しているクラムボンの原田郁子。4日のオープニングにはKIRIHITO、GROUPで活躍する天才ギタリスト竹久圏と、孤高の変態ターンテーブリストL?K?Oがダグ・シャリンとの新ユニット? さらに5日には人気/実力とも折り紙つきの、あらかじめ決められた恋人たちへが待望の参戦!

  • 2010/2/4(木)@SHIBUYA O-NEST
open 19:00 / start 20:00
w/ 竹久圏&L?K?O&ダグ・シャリン

  • 2010/2/5(金)@SHIBUYA O-NEST
open 19:00 / start 20:00
w/ あらかじめ決められた恋人たちへ

HiMが気に入ったあなたにオススメ

NOW!!! / クラムボン
クラムボンの2年ぶりの新曲「NOW!!! 」。先日の「Re-clammbon tour」、スタジオ・コーストの「NEUTRAL NATION 2009」、そしてFUJI ROCK FESTIVEL '09で唯一の新曲として披露されました。プロデュースはクラムボン自身。ゲストにはバービー・ボーイズのKONTAがソプラノ・サックスで参加。セルフ・カバー・アルバム『Re- clammbon 2』を経て生み出された強靭なクラムボン・サウンドに、フレッシュな1ページを書き加える名曲の誕生です。

Lifeboats and Follies / Tommy Guerrero
ストリート・カルチャーのアイコン、トミー・ゲレロ。2年ぶりのアルバム『ライフボーツ・アンド・フォリーズ』日本独占リリース! 斬新な浮遊感漂うコード感に音楽の様々な要素がトミー・ゲレロというフィルターを通して完成された作品。非常に楽曲のイメージを想像させるタイトルにも彼のセンスの良さを感じる。


ongaku / マイア・バルー
フランスのプロデューサー/歌手/詩人ピエール・バルーと江戸っ子の母との間に東京に生まれ、パリで育ったシンガー。幼い時から両親と共に世界中を旅し、舞台を遊び場にさまざまな音楽を肌で吸収し、15才の時、ブラジル遊学中に聴いた美しい音色に感銘を受け始めたフルートを筆頭に、ギター、ピアノ、パーカッション、メガホン、サックス等を手がける。今作は、佐藤タイジをプロデューサーに迎え制作されたミニ・アルバムからの先行&高音質HQD配信。類い稀な経験と圧倒的な実力、音楽への限りない愛を武器に、日本発のワールド・ミュージックを発信!

Canopy Glow / Anathallo
USインディー・ミュージック・シーンに突如現れ、創造性に満ちあふれた楽曲でシーンを席巻した Anathallo(アナサロ)が満を持して日本デビュー!! ロラパルーザ、コーチェラの2大フェス出演を経て製作された今作は、遊び心満載の極上ポップ・ソング!!

TOP