2009/04/02 00:00


加納良英さんは普段から寡黙、というか「能書き」を垂れ流さないひとだ。
メールになると、にわかに饒舌になる人もいるけれど、
このやり取りのなかでも、最後まで飄々としていた。

彼を知る人にはわかってもらえると思うし、
まだand Young...を知らないひとに説明しておくと、
この、ぽつりぽつりと落とされたセンテンスのひとつひとつが、
加納さんの姿であり、and Young...の音楽そのものなのだ。

彼の返事がそっけなく、でも確実に何かを言い当てていることに、ぼくははっとした。
だから、and Young...は信頼できるんだ、と。



LETTER

加納さん

こんにちは。

ぼくは、and Young...を観たり聴いたりするたびに、ある手触りを感じずにいられません。

ひとことでいうとそれは、「なにかが終わってゆく」というのに近い感覚です。
大きな象が倒れるときのような
あるいは巨木が切り倒されるときのような
しかも、ぼくらはそれを目にしていて
一方ではそれをものすごく冷静な目で見ながら
もう一方ではこうしてはいられない
という焦燥感にも似た衝動を同時に感じている
そのときの「どーん」という音を音楽にするとand Young... になるんじゃないか、と。

もちろんこれは僕の勝手な思い込みで
その思い込みのまま、いくつか質問をぶつけてみたいと思います。
よろしくおねがいします。


—このライブ・アルバムについてお伺いします。 この作品を作るに至った経緯や思いなどを聞かせてください。

純粋にライヴをそのまま音源にしたいなと思った。録音してみたら思ったとおりいい感触やったんで、深い思い入れや経緯もなくタイミングが良かったってコトかな。   

—アルバムのなかで演奏された曲は、 昔からライブで耳にしていたものも、新しい曲も歌詞の内容こそ違え、and Young...流の世界描写のもとに奏でられていると感じました。これらは、どのくらいの期間書き溜められていた曲なのでしょうか? 加納さんの曲や詩風、そしてバンド・サウンドは、どんなふうに変わってきましたか? あるいは変わらないことは何だと思いますか?

10年前の結成当初の曲からこのライヴの少し前に出来た曲まで、幅広く演奏したんやけど特に違和感なくやれたと思うよ 。
曲とか歌詞はあんまりスタイルとか意識しすぎたら、つまらんくなって知らん間に消えてきたような気がするなあ。


and Young...は、ベース・レスのスリー・ピースという編成をとっていますが、このアルバムを聞くと、ほんとうになるべくしてそうなっているのだと分かります。いびつで、それゆえに生まれる推進力に満ちたグルーヴが、はじめから加納さんの歌詞の世界を反映し、共鳴していたように思えてくるのです。これはマジッ クなのでしょうか? それとも計算なのでしょうか?

計算は苦手やけど 、マジックは照れくさいかな。

—現行のメンバーについて、and Young...の編成の秘密を、すこし語っていただけませんか?

編成にこだわりは持ってないし 、この前も一回ベーシストを迎えてライヴやったけどいい感じやったよ 。
なので、今のメンバーには満足してるけど、ずっとこのままがいいとも思わんし、そういうのは少し気持ち悪いなあ 。


and Young...は大阪で10年間活動し続けています。 ぼくも京都でインディー・ミュージックを聴き始めたのが10年くらい前です。この間に一つの街のシーンが大きく変容してきたことに対する実感は持っているのですが、加納さんの目を通して、大阪という街の音楽はどう変わってきましたか? そのなかをand Young...はどうやって泳いできたのでしょうか?

大阪は微妙にオモロイからすこし安心してまうんちゃうかな。
それほど大きな街でも無いのにね 。だから決断が遅れる。東京行くにも、解散するにも...
ボクは何故か両方考えへんかったけど、結果的に今こんな感じに活動してるのは悪い事やないと思う。

and Young...のMYSPACEにゆくと、まず「永遠のオルタナチヴ」という銘が打たれています。 このことば、ほんとうにぴったりだと思います。大げさに言うと、and Young...とは、一つのバンドである以上に、この世でたった三人にしか鳴らせない「様式」のことを指すのではないか、 と。

そんなにむずかしい感じやなくて、もっといいかげんなタモリ倶楽部とかに近い感じやね。

—では、「永遠のオルタナチヴ」が目指すのは、どういう音楽でしょうか? そしてあなたたちが、それを届けたいと思う相手は、どのような人たちでしょうか?

目指すトコはないし、聴きたいヒトが聞いてくれたらいいと思う。
どんな風になってくのかも楽しみやし。やめるとすれば、なんでやめるのかも興味あるなぁ。
ほんま、タイム・マシン無くて良かったと思う...

—ありがとうございました。 東京に来られた際はご一報ください。それまでに高円寺の焼酎の美味しい店を探しておきますね。

どうもありがとう! 楽しみにしてるね。


LIVE SCHEDULE

  • 4/10 (金) ACROSS THE YODO RIVERS@塚本ELEVATE
w/キリングマネー / nayuta / monohoxon / crawl / the UOZA
  • 4/25 (土) @天神四次元
  • 4/25 (日) 426総決起集会@ベイサイドプレイス博多ふ頭・サンセットパーク
w/ folk enough / ガロリンズ / nontroppo / おとぎ話 (東京) / neco眠る (大阪) / SKA★ROCKETS / 一銭めしや / miu mau / 池永正二 a.k.a.あらかじめ決められた恋人たちへ (東京) / クリトリック・リス (大阪) / 三沢洋紀と村上ゴンゾ (大分/名古屋) / ODORUいんどじん / オクムラユウスケ / とんちピクルス / AMAHA / アダチ宣伝社
  • 4/29 (水) Music of the mother eath〜APRIL1〜@心斎橋クラブジャングル
w/ mothercoat / Crazy for the Mambo / judgement Q
  • 5/7 (木) BAZOO presents 『DOOR.vol5』@梅田シャングリラ
w/ BAZOO / カッパマイナス / valva / ゆれる
  • 5/17 (日) @梅田ハードレイン

LINK

and Young... website http://andyoung.at.infoseek.co.jp/

and Young... myspace http://www.myspace.com/andyoung

and Young...

1999年結成
ベースレストリオ
ダサイ本物より
クールな偽物を愛する
永遠のオルタナチヴ
Vo.G 加納良英 G 村上順也 Dr 平川有紀  


ゆーきゃん

富山出身、京都在住のシンガー・ソング・ライター。アシッド・フォーク/サッド・コアを体現するようなその声と日本語詩は、聴くものに儚くも強烈な印象を残す。ソロ・ワーク(弾き語り)のほか、サポート・メンバーを加えたシティ・ポップス・バンド 「ゆーきゃんwith his best friends」、関西アンダー・グラウンドが誇る鬼才ダブ・トラックメーカーとのコラボレーション・ユニット「シグナレス」、Limited Express(has gone?)のJJ、PARAの家口茂樹らとのバンド「conterattack from the babymoles」など活動は多岐にわたる。

この記事の筆者
TOP