ジャパニーズ・オルタナティブ新世代の幕開け、「ワールドイズユアーズ」 !

「このスピードの先へ」からタイトル曲「ワールドイズユアーズ」まで、約20分強、6篇の楽曲で生み出されたこの作品は、ビリビリした焦燥感や攻撃性がありながら、その内面には揺れ動く不安定な感情や郷愁のようなノスタルジーを感じさせる瞬間も内包している。それは、彼女たちが神戸という地方を基点に活動してきたという出自から匂い立つものなのかもしれないし、また別の何かに突き動かされているあらわれなのかもしれない。憶測をはじめると興味は尽きないが、前作と共通するのは物語のワン・シーンを切り取ったようなジャケットに彼女たちの世界観がシンクロする瞬間。オルタナティブと形容されようと、出所がどうであろうと、その瞬間に触れることで体験できる感覚は、新しい音楽が生まれる初期衝動のようで、時に多くの人が忘れていたものなのではないだろうか?

インタビュー & 文 : 南日 久志

INTERVIEW

人や、人との出会いの大切さを改めて強く感じた

ーARABAKI ROCK FEST、RUSH BALL、DO IT 2008など大型フェスへの出演が多かった2008年ですが、今年2月からのツアーでますます興味を持つ人が増えてくるかと思います。まず、お二人の出会い、バンド結成のいきさつを教えてください。

宮本菜津子(以下宮本) : もともと、高校の同級生で、卒業後にちえみちゃんを誘いました。

石本知恵美(以下石本) : 交流は卒業してからです。ある日なっちゃんから連絡が来て、その後食事に行った時、バンドに誘われました。

ーバンド名について、文字でみたときに直感的に覚えてしまうような、インパクトのある名前だなぁと思ったのですが、なにか由来があるのでしょうか?

石本 : あたしが入った頃には、もうこの名前でした。

宮本 : 特に由来はありません。好きな言葉を並べただけです。

ー世代的に、ちょうど高校の時にNUMBER GIRLくるりなどが頭角をあらわし、ロック好きに浸透していった時期だったと思うのですが(僕はHi-standardとKemuriばっかりでした)、やはり当時から日本のロックは好きでしたか? また、今作はその当時活躍されていた中尾憲太郎氏との共同プロデュースとのことですが、中尾氏との出会いはどんないきさつだったのでしょうか?

宮本NUMBER GIRLとeastern youthを聴いた時に、日本にもすごいバンドがいるんだ! ! と思ったことを覚えています。憲ちゃんとは、1度神戸で(SLOTH LOVE CHUNKSの時)ご一緒させてもらって、その後、東京で私たちのマネージャーさんを通じて、やっと面識ができました。

石本 : 高校の時は邦楽はhideさんとか黒夢とか・・・洋楽の方がよく聴いていました。中尾さんとの最初の出会いは、SLOTH LOVE CHUNKSと地元のHELLUVA LOUNGEで共演させてもらった時です。なっちゃんもあたしもSLOTHが大好きで、今回2ndに携わっていただけて、本当にうれしかったです。

ー1st Albumに続き、今回のアルバムも曲数は少なめに一気に駆け抜ける疾走感と高揚感が気持ちのよい作品だと思います。ただその中にも単に「ラウド」だったり「ロックの無敵っぽさ」があるだけではなく、壊れそうな感じだったり、若者の胸を打つ純粋さのようなものが見え隠れしているようで魅力を感じました。普段のお二人はやはり轟音でラウドなバンドがお好きでよく聴いておられるのでしょうか? オルタナと表現されることの多いお二人が普段どのような音楽を聴かれているのか興味があります。もし憧れのバンドや、共感を抱いているアーティスト、ライバルのバンドなどがいれば教えてください。

宮本Qomolangma Tomato、lostage、Electric Eel Shock、9mm Parabellum Bullet、Discharming man…などなど。尊敬する先輩バンドさんもたくさんいます。

石本 : 最近はよくDischarming manの音源を聴いてます。同世代だからかわかんないですけど、Qomolangma Tomatoや9mm Parabellum Bulletには、いつもたくさんの刺激をもらってます。くるりには、心にたくさんのものをいただきました。音楽と真摯に向き合う姿やステキな人柄、お客さんとの良い関係。勉強になったし、ステキな経験をさせていただいて感謝しています。

ー山形DO ITで初めてマスドレのライブを拝見しました。ライブでの激しいパフォーマンスも評判になっているお二人ですが、お二人とも目標としているギター・ヒーロー、ベース・ヒーロー等はいらっしゃるのでしょうか?

宮本 : プレイヤーとしてのヒーローはいませんが、わたしの中でのロック・スターはhideさんです。

石本 : 本当に最初、中学生の頃ギターに憧れたきっかけはhideさんです。昔、つまんないことで挫折しかけたんですけど、今もあたしがギターを弾いてるのは田渕ひさ子さんが居るからです。

ー「ワールドイズユアーズ」というタイトルや、1st、2ndともに漫画のワンシーンのようなジャケットを使われていたりと、聴く前にマスドレの世界観やそのストーリーについてあれこれと想像したくなるような、音以外の楽しさもある作品になっていると思います。作品作りにおいて、逆に漫画からインスパイアされることも多いのでしょうか? 作品を作るときに読んでいたものですとか、または単純に好きな作品などあれば教えてください。

宮本 : 特にマンガ好きという訳ではないのですが、レコーディング(制作中、作曲など)の時は、浅野いにおさんの「ソラニン」を読んだ気がします。

石本 : 身近なバンドさんや、先輩のアーティストさんの音楽に影響されることがすごく多いです。マスドレが始まったぐらいの頃から、イラストレーター・漫画家のこざき亜衣さんに、アンケートやデモCDのジャケットのデザインをやってもらってます。マスドレの曲を聴いて描いてくれるのですが、音楽と絵がリンクしあった時っていうのは、すごくしびれます。

ー2008年は御自身も数々の大型フェスに出演され、巷ではマイブラ、ポリス、ザ・フーの来日など再結成ものの話題が多かったように感じますが、去年特に印象的だったライブはありますか?

宮本 : 夏のくるりさんとのツアーは印象的でした。人を想い、愛することを改めて感じさせてもらえました。

石本 : 初めて生で観ることができたくるりのライブは印象的でした。迫力があって、たのしくて、グッときて、数日経ってもまだ幸せな気分が続くライブでした。出演して特に印象に残っているフェスは、ARABAKI ROCK FEST'08、BEA presents F-X、SUMMER SONIC 08、DO IT 2008でしょうか。

ー今回は地方も含めて長く回られるようなので、楽しみにされているファンも多いと思います。今回の音源と、ツアーに対する意気込みをお願いします!

宮本 : 全力でいきます!!

石本 : 人や、人との出会いの大切さを改めて強く感じたことによって、開けた作品になったと思います。たくさんの支えと、力強いご協力もあって、素直でありたいという気持ちとマスドレの「今」を、めいっぱい詰め込めたんじゃないかなと思います。ツアーでは、とにかくたのしい時間を過ごしたいし、たくさんの人と触れたいです。その日、その場でしか見られないものを各地のみなさんと見られたらいいなと思ってます。

LIVE SCHEDULE

セカンド・アルバム「ワールドイズユアーズ」リリース・ツアー

  • 2/5 (木) @神戸HELLUVA LOUNGE
w/ 8otto / 粒子
open/19:00 start/19:30 adv/2200yen

  • 2/7(土) @岡山PEPPER LAND
w/ YOLZ IN THE SKY / ザ センチメンタルガール リストラクション
open/18:00 start/18:30 adv/2200yen
  • 2/8(日) @広島NAMIKI JUNCTION
w/ ato / この世の果てまで
open/18:00 start/18:30 adv/2200yen

  • 2/10(火)@鹿児島SRホール
w/ モーターパーカー / I have a dream
open/18:30 start/19:00 adv/2200yen
  • 2/11(水.祝) @福岡DRUM SON
w/ The Cigavettes.
open/18:00 start/18:30 adv/2200yen
  • 2/13(金) @京都磔磔
w/ lostage
open/18:00 start/19:00 adv/2200yen
  • 2/14(土) @金沢VANVAN V4
w/ YOLZ IN THE SKY / taught
open/18:00 start/18:30 adv/2200yen
  • 2/15(日) @新潟JUNKBOX mini
w/ mudy on the 昨晩 / THE HILLS
open/18:00 start/18:30 adv/2200yen
  • 2/18(水) @東京 下北沢SHELTER
w/ Electric Eel Shock
open/19:00 start/19:30 adv/2200yen
  • 2/20(金) @仙台MACANA
w/ lostage / 雪山遭難隊
open/18:00 start/18:30 adv/2200yen
  • 2/22(日) @札幌SPIRITUAL LOUNGE
w/ FLUKE / シガレットケース
open/18:00 start/18:30 adv/2200yen

ワンマン・ツアー プレイガイド一般発売 2009年2月7日

  • 3/19 (木) @愛知・名古屋CLUB QUATTRO
open/18:00 start/19:00 adv/2800yen (税込み/ドリンク代別)
  • 3/20 (金/祝) @大阪・心斎橋CLUB QUATTRO
open/18:00 start/19:00 adv/2800yen (税込み/ドリンク代別)
  • 3/29 (日) 東京・渋谷CLUB QUATTRO
open/17:30 start/18:30 adv/2800yen (税込み/ドリンク代別)

LINK

MASS OF THE FERMENTING DREGS website http://sound.jp/motfd/

MASS OF THE FERMENTING DREGS myspace http://www.myspace.com/motfd

UNITでのライブ映像 http://jp.youtube.com/watch?v=frt6p3OEmTQ&feature=related

MASS OF THE FERMENTING DREGS (マス・オブ・ザ・ファーメンティング・ドレッグス)

2002年、神戸にて結成されたのガールズ・バンド。メンバーは宮本菜津子(Ba,Vo)、石本知恵美 (Gu,Cho) の2人。キラキラと響く心地よい轟音、圧倒的な音圧。女性ならではの繊細でセンチメンタリティ溢れるコード感に、絶妙なバランスで乗っかる透明感のあるボーカルが印象的。 2006 年にDEMO CD「kirametal」を発表し、同時に東京でもライブ活動を開始。そのライブ・パフォーマンスが話題となり、正式なリリースが全くない状況でFUJI ROCK' 07 ROOKIE A GO GO へ異例の出演を果たす。2008年1月、バンドと同名タイトルの1st Albumを発表。ライブ・バンドとしての評価に加え、日本屈指のソング・ライターである岸田繁氏(くるり)も絶賛した、その楽曲のソング・ライティングに対しても高い評価を受ける。ARABAKI ROCK FES、ROCK IN JAPAN FES、SUMMER SONIC、RUSHBALL など、数多くの大型フェスに出演。日本を代表するライブ・バンドのひとつへと大きな成長を果たす。

【MEMBER】
NatsukoMiyamoto (Bass & Vocal)
ChiemiIshimoto (Guitar & Cho)

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