Love Solitude

心に抱えた闇をスピード感のあるメロディで描く「nameless」。懸命に叫ぶような、苦悩の心をぶつけてくる悲しい歌声が印象的。カップリング曲「お風呂場のネコ」は、小さな愛しきものに対する素朴で真っ直ぐな感情を歌った楽曲。

悲しみも怒りも心の中にしまい込んだような、穏やかな抑えめの歌声。今にも泣き出してしまいそうでいて、また爆発する一歩手前のようにも感じられる、希望と絶望の狭間で追い詰められた感情が切に感じられる作品。

攻撃的なメロディに乗せてどこか悲しげに歌う「誰にも聞こえない歌」。大人になってもなお癒しきれない昔の心の傷が目の前に蘇ってくるような歌声。叫びにも似た言葉たちは、聴く人の心に棘のように突き刺さる。

ファン待望の1stアルバム。「パラドックス」「螢火」等のシングル発表曲をはじめ、「小さな欠片」「circle」等、一曲一曲丁寧に心を込めて、身を削るように傷跡も悲しみも描いた全13曲収録。静かに心をぶつけるようなひたむきな歌声が心を揺さぶる。

傷跡を抉るような痛みを歌ったタイトル曲「螢火」。心を全力でぶつけるような歌声が、悲しい叫びのような「Voice」。胸に閉じ込めた悲しみを、歌によって昇華しようとする切なる想いが強く伝わってくる２作品。

弱い心への迷いを歌ったタイトル曲「この手はもう離さないで」。心の内にある激しさを吐き出すように言葉を紡ぐ「青い陽炎」。儚く強く、歌うことで生き方を問う繊細な作品に仕上がっている。

感情を精一杯届けようとする繊細で真っ直ぐな歌声に、胸が締め付けられる。迷いや寂しさを描きながらも、聴きやすいサウンドと親しみやすいメロディに仕上がっている作品。歌うことで何かを乗り越えようとする強さが胸に迫る。