ピアノが最初に作られた時以来の正式名称である「Pianoforte」。弱い音(piano)も強い音(forte)も自在に表現できることからこの名がついた。自宅のピアノでレコーディングされた10曲からなる完全即興演奏の今作は、タイトルの通り、弱い音から強い音までを指先の赴くがままに任せ、自由自在に操り、心象風景および感情の起伏を繊細かつ大胆に表現し、解放させている。pianoからforteへ向かって疾走していく様は、まるで幻想の世界から次第に現実味を帯びて続いていく”永いひととき"のようである。Takuro Kikuchiの真骨頂である即興演奏の世界をぜひ堪能して頂きたい。