アイドル・インクルージョン結成10周年を記念してリリースする新曲「なんでもありさん」は、80歳を目前にした深野せつ子と20代のmmocaによるコラボレートから生まれたオリジナル曲だ。ある日、「こんなのできました」と深野から送られて来たメールには、「なんでもありさん」という詩のようなものが添付されていた。福祉サービス事業所の「サービス管理責任者」というおカタい肩書きの任に就いていた深野が、自身のゆるさを肯定的にとらえているという内容で、数週間後、今度は「支援員」というなんとも黒子的な響きのある任にあるmmocaから、「曲にしてみました」と自身の歌と打ち込みによるデモ音源が届いた。やがてこの一連の動きに着想を得た、「利用者」という聞きなれない人には何を意味しているのかほとんどわからない立場にあるたかピーが脚本を書き、仙台市太白区にある楽楽楽ホールでの公演へとつながっていった。本楽曲はその場にいた人が駆り出されるようにしてマイクの前に立ち、録音されていったアイドル・インクルージョン・バージョンとも言うべきもので、そうしたいまだ生育過程にある「なんでもありさん」の1フェースと言える。