このアルバムは、僕にとって最初の本格的なスペイン物プログラムである。ここに収録したアルベニスとグラナドスの数曲は二十年近く前にビクターで録音したものと重複しているが、今回はすべて異なった版を用いている。セゴビア、リョベートの編曲は出来る限り編曲者の意図を尊重し、オリジナルのフィンガリングで演奏した。また、詩的ワルツ集とソルツィーコも、このCDの為に新たに編曲し直したものである。さらに恩師ボネ先生が僕のために編曲してくださったカタロニアの歌はピアノのように二段譜で書かれた厳しくも美しい作品で、いつか世に問いたいと暖めていたものである。このCDは僕にスペインの心を教えてくださった先生に捧げたい。(福田進一)