石塚まみは、クラシックギタリストの父・石塚智彦と、歌を愛する母の長女として1965年に誕生した。3歳からピアノと“戯れ”始めた彼女にとって「言葉よりもピアノの方が、想いを伝えられる」ことも、しばしばだったという。本作『素敵な出逢い ~Precious encounters~』は、ピアニスト&ボーカリストである石塚まみが、音楽と共に歩んできた50年を振り返り、ピアノがもたらしてくれた“素敵な出逢い”への感謝を込めて紡いだ、珠玉のメロディ集である。女優・中井貴惠とのプロジェクト「おとな絵本の朗読会」シリーズのために書き下ろした楽曲(M02, M03, M04, M08)も収録されている。石塚の天賦の才を聴き取ることができるピアノソロ作品が中心となった本作の中で、M05, M08, M09,M10の各曲において、その情景に鮮やかな彩りを添えるのは、彼女の音楽のよき理解者であり、以心伝心のパーカッショニスト・石川智である。2008年に誕生して以来、数多くのリスナーや共演ミュージシャンに愛されてきたタイトル曲「素敵な出逢い」(M11)は、デュオでは初共演となるジャズギタリスト・小沼ようすけをゲストに迎えて録音されたことで、新たな命が吹き込まれることとなった。エンジニア・高田英男、ディレクター・苫米地義久の各氏は、いずれも、石塚の音楽人生における最重要人物であり、木版画(ジャケット)と水彩画(ブックレット)を手がけた假屋淳子氏は、石塚が「いつかアルバムアートワークを」と願ってきた画家である。本作は、石塚がこれまでに出逢い、訪れ、生涯忘れることのない、この世とあの世のすべての人々と場所に、そして、アルバム制作中の2019年9月21日に宮崎県青島の地で天に昇った父・智彦氏に、捧げられている。