録音は前2アルバム(「第6番「田園」、第7番)とは異なり、新装なったスロバキア・フィルハーモニー・ホールで行われた。明るく華やいだこのホールの印象そのままに、今までの重く苦悩を背負った「運命」の印象を一変した演奏。激しく不安を抱かせる第1楽章から一転、暖かく優しい第2楽章、心揺れ動く第3楽章から強く立ち上がる第4楽章への進展は、ベートーヴェンの半生を物語っている。ヨハン・シュトラウスの2曲は、このオーケストラの本拠地にふさわしい古き良きウイーンの雰囲気を満喫することが出来る。「アグレッシヴに追い立てることをせず、ゆったりとしたテンポでおおらかに進められているのが特徴で、この作品にまとわりがちな厳めしいイメージを払拭する。(CDジャーナル試聴記より)」